「関連死」を含め２万人以上が犠牲となった東日本大震災は１１日、発生から２年を迎えた。特に被害の大きかった岩手、宮城両県では住宅再建が徐々に進みつつあるものの、地域による「復興格差」も目立ってきた。一方、東京電力福島第１原発事故に見舞われた福島県は放射性物質を取り除く除染が遅れ、県内外に避難した住民の帰還は遅々として進んでいない。【樋岡徹也】

　１０日は１７７３人が犠牲となった岩手県陸前高田市や、原発事故で住民１万９６０人が避難中の福島県大熊町が役場機能を移している同県会津若松市で、それぞれ追悼式を開催した。

　復興庁などによると、今も３１万５１９６人が仮設住宅や借り上げ民間賃貸住宅（みなし仮設）に入居するなど、全国で避難生活を送っている。避難生活で体調を崩して亡くなった震災関連死も２３０３人に上る。

　高台や内陸への集団移転は、計画の９割を超える２１６地区（２万７６１１戸）が国の同意を得た。

　災害公営住宅（復興住宅）について、政府は１５年度までに岩手県で計画の９割（５０９４戸）、宮城県で７割（１万１２４８戸）、福島県では２９１８戸を完成させるとの工程表を示したが、着工は現在３県で２６４０戸、完成も５６戸にとどまる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130311-00000001-mai-soci

　野党各党は１１日、東日本大震災発生から２年を迎え、談話を発表した。要旨は次の通り。

　民主党　震災復興に与党も野党もない。これまでの経験・知見を生かし、政府・与党を引っ張っていく決意で諸課題に取り組む。福島再生を果たし、美しい故郷を取り戻すため全力を尽くす。

　日本維新の会　遅れる健康調査や住宅再建、進まない除染などの現実を直視し、さらに必要な立法措置、予算措置の提案を重ねる。憲法改正をはじめとする危機管理法制の整備を進める。

　みんなの党　震災復興から地方を元気にするアイデアやモデルが出てくるよう、環境を整えるのが政治の仕事だ。東日本大震災の教訓を「人類の教訓」として世界と共有できるよう努力する。

　生活の党　重要なことは復興予算の規模ではなく、被災者の生活再建のために真に必要な事業を行う政治の固い決意だ。生活本位の復興政策の実現に向け、全力で取り組む。

　共産党　被災者の生活と生業の再建を大きく立ち遅らせている政治の責任は重大だ。復興を妨げている政治の抜本的な転換を求め、地域社会全体を復興させるために全力を挙げる。

　社民党　復興の遅れは政治の怠慢であることを猛省しなければならない。復興は原発事故の収束なしに進まない。安倍政権は事故に対する謝罪の念を持って「脱原発」にかじを切るべきだ。

　新党改革　亡くなられた方々に改めて哀悼の意を表し、被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げる。復旧復興が思うように進んでいない現状を改善すべく全力を挙げたい。
（2013/03/11-00:09）
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013031100006

ＮＨＫが、岩手・宮城・福島の３県の１０００人余りの被災者にアンケートを行ったところ、半数以上が、収入が減ったり、やりがいがなくなったことなどを理由に震災前に比べて仕事の満足度が低下していることが分かりました。

ＮＨＫでは東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故が起きてから２年になるのを前に、去年１２月から先月にかけ、被害が大きかった岩手・宮城・福島の３県の被災者や事故の被害者に、アンケートを行い、１００６人から回答を得ました。
この中で、家計を支えている人で正社員や自営業、それに短期雇用として働いている６０７人に震災前に比べて仕事の満足度がどう変化したか聞きました。
その結果、「震災前より低い」が５６．３％と最も多く、「震災前と同程度満足している」が、３６．４％、「震災前より高い」と答えた人は８．６％で、震災前より仕事の満足度が低下している人が半数を超えました。

満足度が低下した人に複数回答で理由を聞いたところ、「収入」が最も多く６０．２％に上り、次いで「やりがい」が２８．９％、「業種・内容」が１６．１％で、アンケートの記述では震災前の農業や漁業ができなくなり今の仕事に物足りなさを感じているとか、人口流出が進み商売ができにくくなっていることなどを理由として挙げる人たちが目立っていました。被災地では、ことし１月の宮城県の有効求人倍率が全国で最も高くなるなど、復興に関わる建設業を中心に求人が増えていますが、そうした状況が必ずしも仕事の満足度にはつながっていないことがうかがえます。

復興庁では今回のアンケート結果について「数字上は仕事がある状態だが、ミスマッチが起きているのが現状だ。産業政策と一体になった雇用対策を進めていく必要があり、１人１人のニーズにあった業種や職種につなげられるよう就業支援をして、なんとか改善していきたい」と話しています。