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「自民党案は「国民国家の解体」、「市民の粒子化」、「社会全体の機動性の亢進」をめざしています:内田樹氏」 (晴耕雨読) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/363.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 4 月 11 日 22:00:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://sun.ap.teacup.com/souun/10585.html
2013/4/11 晴耕雨読


https://twitter.com/levinassien

ひらちゃんとのラジオ収録。

「安倍自民党はどこにゆくのか?」について語り合いました。

自民党改憲案の中でいちばん徴候的なのはどの条文かという話が出ました。

僕の意見では22条です。

自民党案は「何人も居住、移転および職業選択の自由を有する」。

どこが徴候的は現行憲法と比べるとわかります。

現行憲法は「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」です。

自民党の草案はさまざまな基本的人権に「公益及び公の秩序に反しない限り」という条件を付して人権の空洞化をはかっていますが、唯一22条の居住・移転・職業選択の自由だけは無制約になっています。

つまり「居住、移転及び職業選択の自由」は仮にそれが公共の福祉に反する場合でも、制約されてはならないというのが自民党案の含意なのです。

この改憲案は護憲派が言うように「復古」や「国家主義」を志向しているのではありません。

むしろ自民党案は「国民国家の解体」、「市民の粒子化」、「社会全体の機動性の亢進」をめざしています。

これは、国境を超えて資本、情報、人間が超高速・バリアフリーで移動できるシステムを早急に構築せよというグローバリストからのつよい要請に応えて起草されたものです。

自民党のねらいは「機動性の高いもの」と「機動性のないもの」に社会を階層化し、「機動性の高いもの」に社会資源を集中するシステムをつくることです。

この政策にグローバリストが同意するのは理解できますが、わかりにくいのは階層下位の排外主義者がこれに賛同していることです。

親族や地域共同体などの中間共同体に帰属できないために、「根なし草」nomade となって浮動している人々が、そういう自分のありようを「機動性が高い」ものとして肯定的に評価する文脈を安倍自民党のうちに見いだして、それに共感しているのかも知れません。

今の日本社会は「機動性の高い個体」(「日本列島以外のところでも生きていける人間」)が国政の決定権を握っており、「機動性の低い個体」(日本列島でしか暮らせず、日本語しかできず、日本文化の中にいるときしか生きた心地がしない人たち)は国のありようについての決定権を持っていません。

日本国民は「日本なんかつぶれても別に実害のない」階層上位の人々と「もっと社会が流動化し、システムがリセットされた方がチャンスがあるとおもっている」階層下位の人々に挟撃されて、息も絶え絶えというわけです。


 

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コメント
 
01. okonomono 2013年4月12日 01:15:35 : ufgCmUGS6CG6M : We8QQnYmOC
おもしろかった。
しかし、内田氏はなぜ「職業選択の自由」についても言及しないのだろう。
調べてみると、「職業選択の自由」には、「営業の自由」がふくまれる。
憲法第22条の「公共の福祉に反しない限り」という留保は、
たとえば地域商店街への大型店の進出を規制する法律の根拠となる。
その留保のない改正案は、完全な「自由競争」をもたらそうとしているのではないか。

参考:
大規模小売店舗法 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E5%B0%8F%E5%A3%B2%E5%BA%97%E8%88%97%E6%B3%95
大規模小売店舗立地法 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E5%B0%8F%E5%A3%B2%E5%BA%97%E8%88%97%E7%AB%8B%E5%9C%B0%E6%B3%95


02. むやうのすけ 2013年4月12日 06:34:26 : ltsuShGwyUDcQ : DhwcLLETGA
01さん。つまり、芦部教授が言っておられた「違憲判断における二重の基準」における精神的自由と経済的自由の価値が、自民党案によれば逆転されてしまうわけですね? これで安倍が「芦部などという人は知らない」と言った理由がよくわかりました。奴はただの馬鹿であると同時に、卑劣な馬鹿です。

03. okonomono 2013年4月12日 20:06:15 : ufgCmUGS6CG6M : We8QQnYmOC
>02
ポイントをまとめていただき感謝。

ちなみに「二重の基準」というのは、基本的人権の制約をみとめるさいの基準のことだ。経済的自由権(法人にたいしても保障されている)を、社会的経済的弱者(一般国民ととらえておくべきだろう)を保護するため、精神的自由権よりも厳しく制約しなければならないという憲法解釈の立場である。
その価値の「逆転」というのは、自民党の改憲案において、精神的自由の制約が強化される一方で、経済的自由への留保が撤廃されていることをさす。


04. 冷徹な人 2013年4月12日 22:05:34 : tcgFDe61JhAvA : tyWmnJiCDY
トンチンカンな書き込みだな。

>自民党案は「何人も居住、移転および職業選択の自由を有する」。
どこが徴候的は現行憲法と比べるとわかります。
現行憲法は「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」です。
自民党の草案はさまざまな基本的人権に「公益及び公の秩序に反しない限り」という条件を付して人権の空洞化をはかっていますが、唯一22条の居住・移転・職業選択の自由だけは無制約になっています。

 どう読んでも職業の選択が「公共の福祉」により制限されないとしか読めないが。
 つまり、徴兵できないということになるのでは?
 


05. むやうのすけ 2013年4月13日 00:28:37 : ltsuShGwyUDcQ : DhwcLLETGA
>04さん
自民党の考えだと、「兵役」は「職業」の中には含まれないのでしょう。自民党案9条の2(国防軍に関する規定)と12条の「(国民の)自由及び権利は責任及び義務を伴う・・・」という規定によって、徴兵制を根拠づけるものと思われます。
居住、移転、および職業選択は、経済活動に必須のものなので、これらをひとまとめに「経済活動の自由、営業の自由」を保障したのが、現憲法22条だと解されますが、現憲法では「公共の福祉」による制限を許しています。片や精神的な自由のうち、民主政にとって最も重要な「表現の自由(ネット言論の自由、反原発集会の自由なども当然含まれます)」を保障する現憲法21条には、これを制限する規定はありません。ところが自民党案21条第2項は、「表現の自由」を「公益及び公の秩序」を理由として権力側が制限することを明文で許しています。
つまり現憲法の価値体系上、「表現の自由を中心にする精神的自由」>「営業の自由を中心とする経済的自由」であるのが、自民党案だとひっくり返るわけです。
芦部教授の「二重の基準論」は、おおむね「精神的自由」>「経済的自由」という価値観を基礎にするもので現在の憲法学の通説になっています。だからこそ安倍は、この話題に入ることを嫌ったのでしょう。

。「


06. 冷徹な人 2013年4月13日 01:28:03 : tcgFDe61JhAvA : tyWmnJiCDY
>むやうのすけさんへ

 自民党の主旨がどこにあるかは、私にははっきり言えませんが、条文から推察すると

> ところが自民党案21条第2項は、「表現の自由」を「公益及び公の秩序」を理由として権力側が制限することを明文で許しています。
つまり現憲法の価値体系上、「表現の自由を中心にする精神的自由」>「営業の自由を中心とする経済的自由」であるのが、自民党案だとひっくり返るわけです。

 こういうことではないように思います。
 「表現の自由」は、現憲法下においても、「公益及び公の秩序」を理由に制限されています。(代表的なものに性描写、人権に関わること等)
 「表現の自由」は、相手をひどく傷つけることがあることが周知ですから、それを明文化しただけでしょう。
 「職業」というのは、あくまで型体であり、その自由を認めているもので、行為まで無制限に自由を認めているわけではないでしょう。


また、

>自民党の考えだと、「兵役」は「職業」の中には含まれないのでしょう。自民党案9条の2(国防軍に関する規定)と12条の「(国民の)自由及び権利は責任及び義務を伴う・・・」という規定によって、徴兵制を根拠づけるものと思われます。

 私は、これは無理があると思います。
 徴兵を本当にやるなら、憲法をもう一度改正しないと無理だと思います。
 まあ、法律も通らないと思いますが。
 逆に、戦争が本当に起これば、すぐに憲法も法律も変えてしまうかもしれませんが。
 


07. むやうのすけ 2013年4月13日 02:41:03 : ltsuShGwyUDcQ : DhwcLLETGA
06「冷徹な人」さんのお考えも、十分成り立つと思います。何せ限られた言葉の条文を解釈するわけですから、それぞれの人の説がいろいろ出てくるのだと思うし、「言論の自由」が保障されていれば、そんなに間違った説に落ち着くことはないでしょう。
徴兵制については、確かにおっしゃるとおりで、だからこそ自民党などは、容易に改憲できるようにしたがっているのだと小生は思います。
(これ以上専門的なことは、わかりません。憲法の本でお調べください。)

08. okonomono 2013年4月13日 12:08:57 : ufgCmUGS6CG6M : We8QQnYmOC
自民党草案21条、22条についての伊藤真氏の見解を、以下参考までに貼っておく。

【21条】
草案21条2項は、表現活動、結社への制限として「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」とする。

この規定も国民に特定の表現活動及び結社の禁止義務を課する趣旨である。目的による歯止めは曖昧であり、歯止めとして機能しないのみならず、表現行為を大きく萎縮させてしまう。
さらに、この規定は政党や団体を規制する規定であるが、何らかの活動を事後的に規制するのではなく、活動そのもの、さらには結社そのものを禁止している点で、表現の自由に対する重大な制約として、権利拡大には後ろ向きな態度の表れでもある。

【22条】
居住、移転及び職業選択の自由につき、現憲法22条1項は「公共の福祉に反しない限り」とするのに対し、草案22条はその文言を除外している。

社会国家的公共の福祉の観点をぼかすものである。すなわち、自由競争から生じる格差を是正し、社会的・経済的弱者を救済するために、社会的・経済的強者の人権を制限する根拠とされていた社会国家的公共の福祉を削除するものであり、弱者を切り捨て、新自由主義的な格差を肯定するねらいがあるように思われる。

「自由民主党「日本国憲法改正草案」について」(伊藤真 2013/03/8 ver5)
http://www.jicl.jp/jimukyoku/images/20130131.pdf


09. okonomono 2013年4月13日 12:42:59 : ufgCmUGS6CG6M : We8QQnYmOC
表現の自由にかかわる「二重の基準」理論について、芦部「憲法」から概括の部分だけを参考までに引用しておく。

表現の自由といえども無制約ではない。その限界は、表現の形態、規制の目的・手段等を具体的に検討して決めなければならない。その際に、表現の自由を規制する立法が合憲か違憲かを判定する基準を整理することがきわめて重要である。
これに応える指針として広く支持されてきた考え方が、先にふれた(第六章一4参照)「二重の基準」(double standard)、すなわち、表現の自由を中心とする精神的自由を規制する立法の合憲性は、経済的自由を規制する立法よりも、とくに厳しい基準によって審査されなければならない、という理論である。

『憲法 第5版』(芦部信喜 高橋和之補訂 2011年 岩波書店 187ページ)
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/5/0227810.html


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