記者会見で検察側の対応を批判する佐藤博史弁護士（左）

【PC遠隔操作事件】公判前整理手続が決まる
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130418-00024461/
2013年4月18日 0時26分　江川 紹子 | ジャーナリスト

ハイジャック防止法違反など３件で起訴された片山祐輔氏について、東京地裁（大野勝則裁判長）は17日、争点や証拠を裁判前に絞り込むための公判前整理手続きを行うことを決めた。裁判所、検察官、弁護人の３者協議の後、弁護人が記者会見を開いて明らかにした。

公判前整理手続きは弁護人が求めていた。佐藤博史弁護士によれば、検察側は「他にも複数の事件で追起訴の予定がある。捜査が全部終わらないと、公判前整理手続きについての意見も言えない」としていた。裁判所が、いつ捜査が終わるのかを訪ねたが、検察官は「いつとは言えない」と回答を避けた。また、検察官は「本件については、先に起訴した事件と全く別な事件があるわけではなく、（他の事件も起訴済みの事件と）一体のものだ。証拠はすべて共通している。そのため、今すぐに弁護人に証拠を開示すると、証拠隠滅が可能になる」とも述べた、という。

裁判官３人が別室で10分ほど協議した後に、公判前整理手続きに付することを決定。５月１７日を検察側の証明予定事実記載書面の提出期限とした。この時点で、検察は請求予定証拠を弁護人に示すことになる。

ところが検察官は、「開示はするが、その後（証拠が）変更になることもある」と発言。これに対して、佐藤弁護士が「補充の証拠が後から出てくる、というなら分かるが、変更とはどういうことか。証拠が十分そろい、確証があって起訴したのではないのか」などと指摘した、という。

会見の中で佐藤弁護士は、「検察が、（有罪立証に）全然自信がないということがよく分かった」と述べ、検察側の証明予定事実記載書面に先んじて、今月30日までに弁護側の主張を文書で裁判所に提出することを明らかにした。

弁護側が進行を急ぐのは、身柄拘束期間が長引いて、片山氏の精神状態が不安定になってきているためでもある。独り言をつぶやいたり、壁や床を叩いて留置管理官に注意され、それに反発するなど、拘禁性の精神疾患にかかっているおそれがある、という。早期の保釈を実現するために、効率的な公判前整理手続きを求め、手続きを行う日もまとめて決めるように裁判所に訴えた。

裁判所は、５月２２日、６月２１日、７月１８日に公判前整理手続きの期日を決定。片山氏本人も手続きに同席する予定、という。ただし、この手続きは非公開で行われる。

江川 紹子
ジャーナリスト

早稲田大学政治経済学部卒。神奈川新聞社会部記者を経てフリーランス。司法、災害、教育、カルト、音楽など関心分野は様々。著書『人を助ける仕事』（小学館文庫）、『勇気ってなんだろう』（岩波ジュニア新書）など。

コメント
01. 2013年4月18日 00:45:59 : 4xrkurlgyI 公判前手続き５月22日　遠隔操作事件で東京地裁 2013/4/17 22:05 　パソコンの遠隔操作事件で、東京地裁（大野勝則裁判長）は17日、ＩＴ関連会社社員、片山祐輔被告（30）＝ハイジャック防止法違反罪などで起訴＝について、争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きの第１回協議を５月22日に行うと決めた。記者会見した弁護人が明らかにした。 　弁護人は４月末までに無罪を主張する書面を地裁に提出する意向を示した。 　片山被告は３月、日航への爆破予告など３事件で起訴された。今月11日には福岡市の男性の誤認逮捕につながった２件の犯罪予告について、威力業務妨害と脅迫の疑いで再逮捕された。 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1703Q_X10C13A4CC1000/
02. 2013年4月18日 00:57:19 : QBrYpzDGwo 　公判前整理手続きというのは本当に大事ですよ。訴訟進行上で最も大事だと思う。法務省による人事に怯えているため常に検察目線の裁判官は最初に検察有利の結論ありきで臨んでいるから、争点整理も被告有利にはなっていない筈。ここを見落とすと、最後まで不利になると思う。無罪を主張するなら争点整理は一言一句を読みこんで必要な争点部分が入っているか、被告の気が済むまで何度でも書きなおさせるべし。
03. 2013年4月18日 20:28:48 : mp6fw9MOwA 検察は時間を稼ぎ国民が事件を忘れる事と、K氏が冤罪を受け入れても拘束を解かれる方がましだと思う事を狙っているのだろう。 裁判所には登石・飯田と真実を調べず黒幕の言いなりになる裁判官が多く在籍するが、これが目立つと裁判所の威信は地に落ちるとの危機感を感じている裁判官も存在するだろう。 同じ証拠で次々と再逮捕を繰り返す事が法律違反である事は明らかで、これが出来るのは判検交流で培った冤罪作りの国民からクレームが来ないと検察・裁判所が考えている違法すれすれであり、法の精神を逸脱しているものだろう。 これを繰り返すと過去の判検交流で培った冤罪作りの手法が禁止されるとの危機感を感じている関係者も中に入るだろう。 裁判所が自己保身の為には検察の言いなりになれないと気付き始めたようだ。 この事件では検察の非を裁判所が認めて、石川さん事件では冤罪を確定したいとの方向に軌道修正していると思われるが、その前に安倍政権が行き詰まり陸山会事件は冤罪と確定する方向で決着になるだろう。
04. 2013年4月18日 23:15:11 : 5FxpAQJyAE 検察は懲りもせず無茶苦茶しよんなぁ。冤罪捏造責任者には刑事罰を設定すべきである。これを許していては司法の独立はない。この国に裁判所がないことを天下にさらすことになる。憲法違反。重大な責任をとり、検察を辞職させる法制化が必要である。起訴権を剥奪すべきである。陸山会事件のようにでっち上げして嘘の起訴をしたからには、牢獄行きでしょ。人事で逃げとおせるものではない。やり逃げは許されない。強姦魔と同じ類である。こんな強姦魔の片棒を担がされる裁判員制度は、即刻廃止にすべきである。悪魔たちが頭に乗ることは断じて許せない。今回の遠隔操作事件の責任者は、記者会見し、どうどうと皆の前に出てくるべきである。検察などという言葉の影に隠れてはいけない。人の親がやることだろうか。被害者は命がかかっている。検察の担当者は出世がかかっているらしい。推理小説好きの検察の人間はどうして卑怯なのか。人間の血の通わない、人様の生き血を吸うバンパイヤである。-浅吉-
05. 2013年4月19日 09:51:45 : Aply9KcASU 02. 2013年4月18日 00:57:19 : QBrYpzDGwo　さん 本当にそうですね。 公判前整理で採用する証拠によって裁判の行方がきまるね。 石川氏の場合、ヤメ検を雇ったのが失敗だった。最初から安田弁護士だったら、全日空ホテルの現金授受などという検察ストーリーは、２審前で出した新証拠でわかるように、ありえないことを証明できた。２審で飯田冤罪裁判長は、裁判は事実を確認する場であるにもかかわらず新証拠を採用せず、初めから有罪判決ありきの二審だった。だから、とくに一審前の公判前整理が最も重要だ。 取り調べの可視化ができればいつでも取り調べに応じると言っている。 事実を取り調べるのだから、可視化して何が都合悪いのか。 結局、状況証拠だけで直接証拠がないから、 自白がほしいのだろう。 拘留を続けて、母親にもあわせずして、精神的にまいらせて 自白すればらくになるよ、本当のことは裁判で言えばいいからね ほら、ここに判を押せば楽になるよ、 そういう悪魔のささやきを、可視化録音されると困るのだろう。 検察は村木さん事件やゴビンダさん事件など冤罪づくり捜査の 失敗からなにも学んでいないに等しい。
06. 中田のみや 2013年4月19日 11:17:29 : Ppx1BoMyX1YIQ : vecfdCa5Dk 検察裁判所なんて、失敗しても何も学びやしない。自分達の権力が一番正しいと思っている。一罰百戒なんて都合の良いこと作りやがって、冤罪にされた者は運が悪いだけだと、豪語する。どんな事件でも、犯人さえ挙げれば（作れば）仕事が終わる、それだけの物にしか考えて居ない。
07. 2013年4月20日 00:57:43 : HQkVN5bEnc 不公平があれば・今までは私は最後は裁判と言う武器があると思っていた人生。 しかし、今では小沢さんの裁判でようやく日本の司法というものが信じるに足らないことを知った。その延長で、菅家さん、ゴビンダさん、そして袴田事件一人の人生を狂わせてもなんにも感じない司法、これが今の日本の社会。堕ちたものですね。全く信念の無い権力者達ばかり。国民は救われないわね。 　そして又犠牲者を出そうとし、一人の若者「片山祐輔氏」を狂わそうとしている現実。 　　　裁判官、検察、警察、国民の税金で生きていることを忘れてしまっているのでしょうね。　俺達に逆らうものを貶めろと行動しているとしか見られない。 　佐藤弁護士に頑張ってもらうしかないのかなあ。
08. 2013年4月21日 16:27:51 : QBrYpzDGwo 　彼ら検察、裁判所は冤罪事件などに何の反省もないのではないか、むしろ冤罪と評価されてしまった、失敗だったと一層闘士を燃やして御苦労さん会など開催しているかもしれない。それを証拠に、検察敗訴などにした裁判官には法務省事務総局による報復人事が待っており、一生表舞台には出られない、などと聞く。 　従って、恐らく彼らの頭の中には事件当事者の人生、感情への配慮などなく、あるのはクライアントを守り自分たちを負かせたのは検察、裁判所への挑戦だと認識した結果の被告弁護人への剥き出しの闘争心だろう。 　司法研修所で教官から選別、差別され、憲法や労働法などは課題に上がらず、従って人権やら市民の社会的権利を擁護するような学びは研修所では皆無だったと言える。 　法と正義、法曹にはこれしか必要ない筈だが現実には教官からの評価、出世、などが最も重要だと教わるのが司法研修所なのだろう。木を見て森を見ず。 　統治機構が最も恐れるのが法治国家として最後の砦である裁判所において、木から森を俯瞰し、法と正義のみに基づいて判ずる勇気ある裁判官の出現なのだろうから。

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