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『自由意志による従属』としての日米関係、あるいは『自由からの逃走』 IWJ三浦教授インタビュー
http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/292.html
投稿者 sarabande 日時 2013 年 5 月 05 日 13:48:20: kYKXZZnG43LB6
 

 『戦後史の正体』に始まる、敗戦後の日本の政治史への興味から、その原点ともいえるサンフランシスコ講和条約について重要な著作(『吉田茂とサンフランシスコ講和』)をあらわした三浦陽一氏への岩上安身インタビューを通して視聴した。

2013/04/23 『自由意志による従属』としての日米関係 〜中部大学・三浦陽一教授インタビュー

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/75646

 岩上のインタビューツイートをみて、この教授の話は聞いて損はないと思ったのだが、期待は裏切られなかった。以下、その内容とコメント。


・敗戦後早期に、どう日本という国を扱ってゆくか、中国の動静をみながらアメリカが方向性を決めかねていた5年間があったが、朝鮮戦争の勃発を機に、反共冷戦構造の中に日本を取り込もうということで、中国、ソ連の調印のないサンフランシスコ講和条約ができた。


・天皇裕仁が、米軍に駐留してほしいという方向に、戦後早々に判断をしていたということ。これは、徳川幕府から明治政府へ、さらに、横田幕府へといった、武力を直接持たない天皇あるいは貴族階級、官僚階級が、その時代の戦いに勝ったものに恭順を示してゆこうとする、本能的遺伝的な行動パターンなのかもしれない。戦後の、「公武合体」である。天皇なりの、敗戦国家を守るための決断ではあったのだろうが、ここで、天皇裕仁が命脈を保つために親米保守的な変節を行った右翼の元祖なのかもしれないという痛切な現実が提示される。それが「耐え難きを耐え、忍びがたきを忍び」で、現在のTPPまでつながっているのか?マゾ・サド的な、従属による地位確保とともに自分の論理や国の基盤を壊してゆくような、ゆがんだ保守論壇が、戦後日本の特徴となった。『自由意志による従属』である。


・一方、それまでは、戦争が終わればアメリカンボーイは国に帰るんだという空気が、アメリカにはあったが、朝鮮戦争での特需を機に米国軍産複合体が形成されることになったこと。1951年サンフランシスコ講和条約の枠組みでの日米の原体験として、他国を戦場にした戦争による企業特需がある。この動きが、平時国家を作ろうとした1961年のケネディー暗殺につながるのだろう。資本の力が、人民の権利を制限しはじめる、現在に至る民主主義理念の限定化、形骸化への道である。


・サンフランシスコ講和条約時、米日支配層が、お互いが正直にいって戦争犯罪を犯した国であること、および、反共であったことから、ある種の結託をした。米国は、日本に頭を丸めて周辺諸国へ謝罪賠償させないようにしむけ、核攻撃という自国の戦争犯罪を、返す刀で批判されないようにした。これは、アジアの中での日本の独立した信頼回復、尊厳の回復のブロックにつながり、サンフランシスコ講和条約での主権回復とは言うが、なにをするにしても、動くにしても米国のお墨付きが必要になった。ここから出ようと、日露、日中と日本独自の外交を政治家がしはじめると、特捜検察、マスメディアが積極的な転覆にかかるようになる。アメリカの虎の威を借りて、中国朝鮮を下にみるような、軍産複合体につながる財界に支えられた「親米保守」が変わって台頭するようになる。これは、民主党小沢、鳩山路線が、政権交代直前の時期から、用意周到に機制を制するように転覆され、菅、野田、そして自民党安倍にいたった流れでも繰り返されている。
 現在、街中でみられる、そのもっとも戯画的な姿が、小沢を検審の俎上に載せた功労団体でもある在特会のヘイトデモである。「殺せ」「レイプする」「大虐殺だ」等公道で叫びまわっても、警察公安は、なにも言わず、「仲良くしよう」カウンターに対して、刺激するなと指導する。冷戦構造勃発期に急速に政治的にまとまった、「部分講和」の産物であるサンフランシスコ講和条約によって形成された動因の最先端だろう。
 冷戦終結後の現在にいたっても、冷戦構造を引きずったサンフランシスコ講和条約の枠内に呪縛されている限り、「東アジア共同体」などは絵に描いた餅になってしまう。

 
・署名した諸国によって、日本の戦争犯罪がうやむやにされたことは、逆に日本が米国の核使用の非人道性を糾弾できずに許容すること、日本の真の道義的な米国に依存しない独立を阻害することにつながる。また、戦前の、アメリカに負けた、結果的にいえば残念ながらアメリカに劣っていた日本の官僚組織や国民性を、敗戦の総括や刷新を経ずして、「親米保守」にして、そのまま温存することにつながる。この日本的組織の劣等性が、福島原発事故を起こすにいたった経緯、起こした後の対応にも、如実にあらわれている。


・インタビュー後半は、日中戦争を想定して、日本本土が戦場になる日米合同軍事演習が、すでになされようとしているという話になり、三浦教授の「元気がなくなった」「泣きたくなった」との弱音発言も目立つようになるが、共感できる所である。
 ここまで、日本が追い込まれる契機になった出来事の一つとして、ヘリテージ財団企画シンポでの、石原慎太郎「尖閣買います」発言がある。その後、野田が実際にそれをやってしまい、決定的な日中の溝が穿たれ、現在に至っている。しかし、この日中離反状態に対して、ヘリテージ財団上級研究員クリングナーの「喜びの雄叫び」のような論文が、2012年11月にだされていたという話に至る。2時間14分頃に、その重要な話がある。ヘリテージ財団は、「尖閣買収によって火がつけられた中国の抗日デモと、その後の、反中意識の日本の燃え盛るナショナリズムが、中国にだけ向かって、米国には向いていない現在の状態は、我々のいくつかの致命的に重要な政治目的を達成するための絶好の機会である」というのである。
 これを、岩上は、昨年11月の時点で、石原知事に記者会見でぶつけて聞いている。


 岩上:あなたは、この論文を読みましたか? 

 石原:読んでない

 岩上:あなた全部できあがったシナリオにのっかって、そこで言ったんじゃないんですか。失礼ですが、財団に使われたんじゃないですか。

 石原:いやいや、それはないかな・・・・
    日本はアメリカの傭兵になる必要はまったくない

2012 11 30 日本維新の会 石原慎太郎代表に質問

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/47329

 石原慎太郎の動きは、サンフランシスコ講和条約の内部で保障されたような敗戦から学ぶことを怠った日本の戦前体質が、親米保守の方向に自発的に服従変節した奇怪な「マゾ・サド的」なあり方であり、さらに、それによって、日本を極東の冷戦構造の中に閉じ込めている。これが、結果的に、軍産複合体の「いくつかの致命的に重要な政治目的」を達成するために利用されている。


 こういう見方をしてくると、エーリッヒ・フロムが、ナチズムを批判して書いた『自由からの逃走』という題名の書物が思い出される。ナチズムは、ドイツ産業、資本家と共に拡大していったということもある。これは、ファシズム化してゆく社会を生む個人の心理というものを扱っている。第2次朝鮮戦争へのメディアの必至の演出や、対米自立を目指した民主党政権が工作的に解体された後の「主権回復の日」にみる、サンフランシスコ講和条約の、無理やりの深化という中で、日本人は、『自由からの逃走』の渦中に入りこみつつあるかもしれない。


以下、簡にして要を得ていると思われる、http://note.masm.jp/%BC%AB%CD%B3%A4%AB%A4%E9%A4%CE%C6%A8%C1%F6/ より適宜引用

 フロムによれば,近代人は中世社会の封建的拘束から解放され,自由を獲得したが,孤独感や無力感にさらされることにもなった。その結果,彼らはこれに耐えきれずに「自由からの逃走」を開始し,サド・マゾ的な傾向をもつ「権威主義的パーソナリティ」を形成する。ファシズムの信奉者たちが,ヒトラーという権威のためなら喜んで自ら犠牲になる一方で,自分より劣った者,たとえばユダヤ人を虐待し,自らの劣等感を解消しようとする心理状態は,このパーソナリティのあらわれである。フロムのこうした方法論は他のフランクフルト学派のメンバーに大きな影響を与えた。

「われわれはドイツにおける数百万の人々が、かれらの父祖たちが自由のために戦ったと同じような熱心さで、自由を捨ててしまったこと、自由を求めるかわりに、自由から逃れる道を探したこと、他の数百万は無関心な人々であり、自由を、そのために戦い、そのために死ぬほどの価値あるものとは信じていなかったこと、などを認めざるをえないようになった」

「自由をえたいという内的な欲望のほかに、おそらく服従を求める本能的な欲求がありはしないだろうか。もしそういうものがないとしたら、指導者への服従が今日あれほどまでに多くの人々を引きつけていることを、どのように説明したらよいであろうか」

フロムの『自由からの逃走』は、近代人の自由の二面性を指摘しつつ、それを克服する道を人間の自発的活動に求めた。

「他人や自然との原初的な一体性からぬけでるという意味で、人間が自由となればなるほど、人間に残された道は、愛や生産的な仕事の自発性のなかで外界と結ばれるか、でなければ、自由や個人的自我の統一性を破壊するような絆によって一種の安定感を求めるか、どちらかだということである」

以上引用

 
 サンフランシスコ講和条約の枠組みが力を持った根拠である冷戦構造は、現在は終結している。その冷戦構造によって巨利を得てきた軍産複合体につながる一部勢力が、北朝鮮の米韓合同軍事演習による大規模な挑発や、領土紛争に火をつけることによって、極東において新たな対立構造を形成しようとしているような、政治的意志が、明確にあるということを、衆人が知るべきことではないかと思う。  

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コメント
 
01. 2013年5月05日 15:02:36 : Kse53zYp5s
韓国「アメリカさん、日本が憲法改正しようとしてる。いいっすか?」アメリカ「内政問題だ」


1 名前: サーバル(秋田県) 2013/05/04(土) 07:02:31.40 ID:eG3ZyptcP PLT(12001) ポイント特典

米政府が、日本の安倍晋三首相の平和憲法改正の動きを事実上黙認する態度を取った。日本の主な政党は3日、憲法記念日を迎えて一斉に談話を発表するなど、
昨年4月に発表された与党自民党の憲法草案を基に本格的な改憲議論に突入した。

米国務省のパトリック・ベントレル副報道官は2日(現地時間)、定例会見で、日本の平和憲法改正推進に関する質問に、「日本の憲法問題は日本政府に
聞いてほしい。これは日本政府が内部で検討している事案だ」として内政問題であるという認識を示した。

そして、「オバマ大統領とケリー国務長官は数回にわたって日本と『礎』同盟(cornerstone alliance)を確認し、この同盟がどれほど重要かを明らかにしてきた」と
付け加えた。米国が日本の改憲に対して公式に意見を表明したのは今回が初めて。

米国は、1946年に連合軍最高司令部(GHQ)を通じて戦争放棄と軍隊保有を禁止した現行平和憲法を日本に制定させた当事国だ。にもかかわらず、
日本の改憲を黙認するのは、財政難による米軍の東アジア戦力の空白を日本の自衛隊に埋めさせようという思惑がある。

米国は1991年の湾岸戦争以降、自衛隊の役割拡大を要求してきた。湾岸戦争の時、日本は米国の派兵要請を平和憲法を理由に拒否した。
その代わりに130億ドルの巨額を出したが、米国は「戦勝国リスト」から日本を外した。その後、米国は2001年のアフガニスタン攻撃と2003年の
イラク復興事業の時に、「日の丸を見せてほしい」、「フィールドに出て来い」と自衛隊の派兵を要請した。

http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2013050453838

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02. 2013年5月05日 15:39:06 : Leq45E6jPg
>>01
アメリカが「ダブルスタンダード大国」であるのは世界の常識。

ある国が自分の意に沿って動いている場合、第三国がそれに異を唱えた時には
「内政問題だ」と答える。

ある国が自分の意に沿わない動きを始めると、「重大な関心を持っている」と
圧力を掛けて干渉する。

明治時代や敗戦直後、新しい科学技術はみんな横文字だったから、英語で言われると
何でも正しいような錯覚を覚えるけど、英語話者ほど他人を騙すのに長けた人たちは
いませんからね。


03. Panbet 2013年5月06日 12:43:32 : 4eawpyhzNkpGg : xueJU2I3AU


たしかに日本人は今また、自由から逃走し始めている。
  
    けだしJ.P. サルトルが、「人間は自由へと呪われている」と喝破したよ

うに、自由な一個の精神であり続けるのは、決して安易なことではないからね。


04. 2013年5月06日 21:19:23 : EGFY7zcmP1
フロム「愛や生産的な仕事の自発性のなかで外界と結ばれるか、でなければ、自由や個人的自我の統一性を破壊するような絆によって一種の安定感を求めるか、どちらかだということである。」

身近な体験としてこの言葉を当てはめてみたいと思います。
福島の事故後に、自主避難する人々に対し故郷に残留した人たちは一種の非難を浴びせた。すなわち「我々は先祖伝来の故郷を守り放射能に負けない精神で頑張っているのに、故郷を捨て自分たちだけが安全であればよしとする県外避難者は許せない。」
頑張ろう福島・放射能に負けてたまるか。という掛け声は政府・自治体・マスコミ連合により広く拡散されている。NHKは事故後から毎日のように福島で頑張っている人たちの応援歌を流している。
県外避難者はチェルノブイリの例でもそうであったように知らない土地で暮らすストレスにさらされているため、福島残留者の非難はなおさら身にしみる。
また福島の学校給食の場において食品からの放射能汚染を極力回避する為に弁当持参する父兄に対し学校と自治体側は国が決めたことに反対する父兄は非国民だとののしった。
こうした県内残留者が持つ国家との一種の連帯は、”自由や個人的自我の統一性を破壊するような絆によって一種の安定感を求める”という表現に合致する行為と思考ではないか。
もっと身近に例をとってみよう。
皆さんの周りで行われている秋祭りの寄付のお願いである。
町内会から回ってくる寄付のお願いに対し我が家は寄付しませんと仮に断ったとしよう。
すると町内会の役員にその話が伝わりあそこの家の子供がお祭りにきたら参加を断れという指示がでる。
町内会の役員たちの間には自分たちに大義名分がありそれに反旗を翻すものは、つまはじきしろという一種の権力への連帯感という快感がある。
それこそが上記の”自由や個人的自我の統一性を破壊するような絆によって一種の安定感を求める”にぴったりの事例ではないだろうか。
ここに警察権力が介入すればたちまち悲劇の冤罪が生じる。

領土という大義名分がぶち上げられればたちまち気分が高揚し戦争すら辞さないという剣幕が国民の間に広がる。


05. 2013年5月07日 11:35:25 : 4oE5Y7yOUM
「自由や個人的自我の統一性を破壊するような絆によって一種の安定感を求めるか」
親米保守という立場が、まさしく、それだと思う。彼らはTPPに賛成し、一時的な安定感はあるかもしれないが、結果、自国の文化、価値感を滅ぼしてゆく。

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