こういう馬鹿を書く間抜けを紹介するなよ。

　オレが見本を見せる――

▼鎌田慧　公式ブログ
愛国と従属
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　安倍首相は、「侵略の定義は国際的にも定まっていない」「国によって見方がちがう」などと公言して、恥じるところがない。
　侵略してきた日本に家族を殺され、拷問され、レイプされ、土地を奪われた中国や韓国のひとたちが、ほかならぬその加害者たちが、「軍神」として祀(まつ)られている戦争賛美神社・靖国に、閣僚や国会議員たちがゾロゾロ列をなしてお参りにいくのをみて、まだなんにも反省していない、と呆(あき)れている。

　反省がないのは、「悪いことをした」と考えていないからだ。「わが閣僚はどんな脅しにも屈しない」とまるで棒を振り回して力んでいる悪ガキそっくり。
　それでいて、平然と「未来志向」などといっているのは、過去に向かいあいたくないからだ。というのも、過去にむかっていくと、そこに居座っているのが、祖父岸信介である。軍国日本の否定は、そのまま祖父の否定になってしまう。
　オバマ米大統領と会った安倍首相は、お土産のゴルフパターを渡しながら、
　Get in the hole!（パットをいれろ）。Yes,we can(我々ならできる）。 とオバマに呼びかけた。Yes,we canは、大統領の演説へのお追従だが、小泉はキャッチボールをやってもらってはしゃぎ、安倍はゴルフのお世辞。日本の首相は軽すぎる。

　祖父の岸信介は56年前の1957年6月、アイゼンハワー米大統領の招待を受け、ワシントン郊外の「女人禁制」の名門ゴルフ場・バーニングツリー・クラブでプレイさせてもらった。その後、シャワールームまで裸の肩を並べて歩いた。と祖父から聞いた話を披瀝(ひれき)して、安倍は「裸の付き合い」を強調した、と『週刊朝日』（「『星条旗』下の宰相たち」５月３ー１０日合併号）に、佐藤章記者が書いている。
　それから安倍首相は、米戦略国際問題研究所で、リチャード・アーミテージやジョセフ・ナイなど、猛烈な「ジャパン・ハンドラー」の前で、防衛予算の増額やTPP参加を語った。そして、言いたした。
　「みなさん、日本は戻って来ました。私の国を、頼りにし続けてほしいと願うものです」
　いったい、どっちをむいているんだ、と聞いてみたい。
　
　岸はアイゼンハワーに忠誠を誓って、訪米の３年後、米側の要求通り、「日米安保条約」を改定し、沖縄を米軍の「治外法権」下に置く、屈辱的な「日米地位協定」を締結した。アイゼンハワーは、日本を支配していマッカサーGHQ司令官の副官だったから、まるでマッカーサーの意思を受け継いだかのような日米同盟だった。
　６０年６月日米安保条約締結のあと、アイゼンハワーは訪日してその成果を祝うつもりだった。それで露払いとしてハガチー新聞係秘書を派遣した。ところが、羽田に到着したハガチーはデモ隊に取り囲まれ、ヘリコプターに救出された。結局、思いがけなくも、彼はアメリカ大使館の裏口から入館する羽目になった。そしてついに、大統領の日本訪問は中止になった。

　ハガチーを拾い上げたヘリコプターが脱兎のごとく、わたしたちの頭上を飛んでいったあと、右翼が棍棒を振りまわして襲いかかってきた。あの頃は右翼のテロが続発していた。
　６０年６月１５日　国会内に突入した東大生・樺美智子さん、警官隊に殴られて死亡。
　６月１７日　社会党顧問・河上丈太郎　右翼少年に刺されて負傷。
　７月１４日　岸首相　右翼に刺されて負傷。
　１０月１２日　社会党委員長・浅沼稲次郎　右翼少年に刺されて死亡。

　安倍の祖父である岸信介が、中国人が「偽満州」と怒りをこめて呼ぶ、「満州国」総務庁次長として経営を担い、その資金政策にアヘンの売買を置いていたのはよく知られている。関東軍参謀・東條英機中将がモンゴルを侵略し、ここでもアヘンが増産された。
　岸・東條のアヘン・コンビは、日本に帰って首相と商工大臣の関係になった。日本は戦争に負けたあと、ともにA級戦犯となって巣鴨プリズンに幽閉される。

　ところが、１９４８年暮れ、東條英機以下A級戦犯６人が処刑された次の日、おなじA級戦犯だった岸は、釈放された。その後の対米従属はここからはじまる。なお、ちなみに言えば、おなじA級戦犯だった笹川良一も釈放され、「競艇のドン」となった。ほかのギャンブルが、たとえば競輪は経産省、競馬が農水省と経営と資金を国家が掌握(しょうあく)するようになったが、競艇だけは笹川が猛然と抵抗し、自分がつくった「船舶振興協会」が握り、その後死んでも離さず、いまは「笹川平和財団」「日本財団」として、笹川陽平が握っている。

　フランスで、この資金をめぐって批判的な論文を書いた学者が、笹川財団から訴えられたが、フランスの裁判所は財団側の敗訴とした。言論の自由が勝ったのである。笹川よりもさらに右翼的、愛国的な演出がうまかった児玉誉士夫(よしお)が、実はCIAの機関であって、ロッキード事件にも関係していたという事実が暴露されて、右翼のイメージは地に墜ちたが、いまは右翼もどきが首相の座を占めている。国際的にも恥ずかしいことである。