安倍自民党は、７月の参議院選挙で、国会両院過半数の議員の賛成で憲法改正が発議でき、国民投票の有効投票の過半数で公布されるようにする憲法第９６条改正を公約にするようである。
　橋下氏が共同代表をつとめる維新の会も、先行して、同じレベルの憲法改正要件を掲げている。

　憲法は改正すべき（現憲法の追認手続きでもいいが）と思っているが、改正要件の改正から着手するという手法は愚かだと思う。

　現状の政治的気分は、ややナショナリズム的で公権力の強さを求める傾向のようだが、それがずっと続くという保証はない。
　先進国全般に言えることだが、この間のような経済状況が今後も続けば、左翼的な気分が増大しかねない。

　「国会過半数・国民投票過半数」で憲法条項が追加（改正）できるようになれば、その時々の政治的気分で、後になって“えっ”と思うような改正が行われてしまう可能性もある。
　そして、少し小利口な政治家がリーダーなら、欲する改正をすると同時に、改正要件を厳格化して再改正ができにくい改正も行うだろう。

　例えば、天皇制を廃止し共和制に変えるとともに、憲法の改正要件を現在に戻すということも、「国会過半数・国民投票過半数」で可能にしてしまうのである。

　安倍首相が保守主義者を自認しているのなら、一時的で軽薄なムードで憲法が変わるような改正要件の変更はやめるべきである。そのような変更は、革新主義者が選ぶ道である。

　第９条を含め国会議員・国民がじっくり議論を重ね、現在の改正要件で改正できる道筋を付けるべきである。その経験を踏まえた上で、発議条件を３／５にするなり過半数にするなり検討したほうがいい。

　橋下氏は、「自民党の憲法改正草案や改正論議について、「危険だ。公権力を強く出し過ぎていて怖い」」と思っているのなら、自身も主張する憲法改正要件緩和が行われた後の“数合わせ”について考えるべきである。
自民党が参議院選挙で議席数を増やし、何人かの同調者を見つければ、自民党単独でも改正発議ができる条件が生まれるかもしれない。

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維新・橋下氏、自民党の憲法観は「危険だ」

　日本維新の会の橋下共同代表は１２日、自民党の憲法改正草案や改正論議について、「危険だ。公権力を強く出し過ぎていて怖い。少なくとも僕ら世代以降は共感を得られないのではないか」と批判した。
また、夏の参院選に向け、「自民党とは憲法観の違いをしっかりと出していかないといけない」と述べた。大阪市内で記者団に語った。

（2013年5月12日23時30分 読売新聞）

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130512-OYT1T00735.htm?from=main1

コメント
01. 2013年5月13日 04:23:31 : mnsGEd6RSg 本当に選挙情勢厳しいんじゃないですかね 公明党の顔色伺いの色合いが強いでしょう ですけど公明党の護憲の姿勢も偽者ですからね、アレは どうせ自民に強く出られりゃ折れるんです でも今回は、アメリカの意向もありますから 自民自体が、落としどころを考えてるような感じになってきました ただし 自民にしろ維新にしろ、政権や党中枢、支持者がアホの見本市状態ですからね 収拾つけられなくなることを強く期待しています
02. 2013年5月13日 05:06:15 : JfFbs5hoTk 憲法は、ころころ変えることができるものが良いやうにももふ。 あるいは、拘束力を緩めにして抽象的な表現にするとか。 だぃたぃ民主主義って、政治体制としては消極的なもんだ。 過激なことは出来にくい政治体制だ。過激なやり方には必ずイチャモン がついてオジャンになる。 しかし急激な政策を取らなければならない時ってあるはづだし、そんなとき 逆に民主主義は逆転して独裁になったり、のろまな政治に飽きがきて 劇を求めてヒトラー先生を選んだりするのだ。 ま、敗戦国民日本人は、いつまでも拘束衣を着ていたいとゆぅ心理状態 なのかも知らんが、世界情勢とか国内情勢においても、そーわイカの金玉 でわないのか。 内田樹ってのは左翼で、考え方に賛成できないが、彼言うに（URL忘れたが） グローバル経済が国民国家を凌駕して、国家をグローバル経済の補完物に する、この方向において国民国家を破壊するのが、自民の改憲案だ、 とゆってる。この主張の限りにおいて、こりゃ正鵠を得ているのだわなぃか とももふ。 いづれにしろ現行の占領憲法は、こんままじゃイカンだろう。改悪になるかも 知らんが、次の改憲も考えて、変え易いようにしておくのが良いだろう。 左翼らは、権力に敵愾心をもつ癖があって、なにかと拘束衣を着せたがる。 もっと人を信頼してだね、憲法なんか廃止して、自由にやらせたらどーか。 21世紀わ危機の世紀とゆってよかろう。地震や噴火とか破局的な自然災害や メリケンヘゲモニーが弱体化して、教師のいない小学校のホームルームみたぃな 世界になる可能性きわめて大だ。 そんなとき、基本的に消極性を本質とする民主主義体制でやっていけるか、 とゆーことだな
03. 2013年5月13日 07:18:22 : C0rysbjxYg 橋下も大阪府知事選挙に出馬した時は自民公明の推薦を受けて当選してるからね。 今の維新の大半が旧自民だから自民とくっついても何ら違和感を感じない。
04. 2013年5月13日 07:22:27 : O83ukrRMJQ 02. 2013年5月13日 05:06:15 : JfFbs5hoTk ＞もっと人を信頼してだね、憲法なんか廃止して JfFbs5hoTkは以前、愚民に無制限の権力を与えるから民主主義はけしからんとか書いてなかったか？ならば、ここで信頼されるべき『人』とはいったい何者か？ ＞21世紀わ危機の世紀とゆってよかろう。地震や噴火とか破局的な自然災害や そんな心配をするなら、いかなる政体であれどこまで存在しうるのか？というところまで考えるべきですな ＞基本的に消極性を本質とする民主主義体制 愚民に活動性を与えるのはよろしくないだろうから、別に悪い話ではないのでは？ 結論：JfFbs5hoTkはその場その場で適当なことをわめいているだけの酔っ払いまがいの代物のようだ
05. 2013年5月13日 12:49:29 : IrU2CrFuwo 自民党の憲法観は「危険だ」 ていいながら現憲法破棄して大日本帝国憲法復活を叫ぶ男と組むって何だよ 徹頭徹尾自分のことは棚に上げる男だな
06. 2013年5月13日 13:02:19 : QmyrjoZuIs は脚したの言う事は明日になれば変わるだろう。 所詮理念も、信念もない詐欺師だろう。
07. 2013年5月13日 13:25:15 : vgQVMWdybs 　弁護士の資格を持ちながら、法の網を潜る仕事を続けてきたエロ詐欺師が、今ごろになって、したり顔で解説か！
08. 2013年5月14日 16:25:18 : ICDifRZ5LQ 支離滅裂とは橋下の言動のためにあるような言葉である。 朝令暮改も同じ。

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