自民党の高市早苗政調会長が１５日の終戦記念日に靖国神社に参拝する意向を固めた。超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」（会長＝尾辻秀久元厚生労働相）に参拝の意向を届け出ており、昇殿参拝する予定。稲田朋美行革相も参拝する意向で、現職閣僚や政権幹部が参拝すれば、中国や韓国が批判を強めそうだ。

　高市氏は第１次安倍内閣の少子化担当相だった２００７年も含めて毎年、終戦記念日に靖国参拝している。今年２月には「夏には靖国の森で、安倍晋三首相も多くの閣僚たちもご英霊に感謝の祈りを捧げられるよう、その日を楽しみに歩んで参りたい」と首相と閣僚の参拝を求めていた。

　稲田氏は今年４月の春季例大祭前後にも靖国に参拝。当時は麻生太郎副総理らとともに４閣僚が参拝し、日本と中韓との関係が悪化した経緯がある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130804-00000005-asahi-pol

以前であれば、靖国参拝中止は、時の日本政府が中韓と関係改善する用意があるという強くて明確なメッセージになったし、実際これを契機として関係の修復をはかってきた。

しかし、今回の場合は、せいぜい「これ以上の関係悪化を望まない」程度の弱いメッセージにしかならない。外圧による中止が明らかで、そのようなものを「日本の譲歩」と相手国が解釈して尊重する義理も必要もないからだ。参拝中止は「当然のこと」として「日本の我慢」は一顧だにされないだろう。

「日本をトリモロス」、「主張する外交」など勇ましい言葉を並べ立てた結果、保守勢力にとっては実は有効な外交カードでもあった靖国参拝がすでに無力化されているのだ。靖国参拝の是非という論点は別にあるにしても、ともかく、今回の参拝中止は、日本の国家意思が国際社会で尊重されているか否かの観点からみれば、日本の外交的敗北に他ならない。

相手国は、参拝中止を譲歩とみなさないのであるから、さらなる譲歩を要求するのが当然。譲歩を引き出せれば上々。譲歩がなければ放置。それで日本の政治家、国民がフラストレーションをためて益々おかしな方向に進むとすれば、願ったりかなったり。

詰んでいる・・・

今回の参拝中止が、参拝中止を是とする人々にとっても、けっして将来の楽観を許すものではないと思うのだがどうだろうか。

靖国に行くかどうかは微妙だが、どっかの大臣の発言撤回とか、慰安婦問題などと同様、撤回したとたんその責めを更に追求されるのがオチ。
参拝しても、日本人の多くが支持すれば、小泉総理の時のように騒ぎはいずれ収まるという考えもある。

日本の外交カードを自ら失うのは、果たして賢明な選択なのか否か。ここにきて再考を促されているのが、今の流れでもあると思う。

この時期に中国を刺激するなというのは、それは米国側の都合であり、後に難癖つける言い質なのだろうが、そこをどう判断するか、だ。