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「戦前を取り戻す」に潜む三島由紀夫と橋川文三が共有するアキレス腱(追憶のカルトなる近世日本の伝統テロリズム)
http://www.asyura2.com/13/senkyo152/msg/808.html
投稿者 ハナの愛人 日時 2013 年 8 月 22 日 19:43:03: 9maSyOHzNPJok
 

■[暴政]「戦前を取り戻す」に潜む三島由紀夫と橋川文三が共有するアキレス腱(追憶のカルトなる近世日本の伝統テロリズム)

[副題]シリーズ、安倍自民党アナクロニズム観察用資料(2/n)「戦前の日本を取り戻す」に潜む三島由紀夫と橋川文三が共有するアキレス腱(追憶のカルトなる近世日本の伝統テロリズム)

<注記>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20130822

(プロローグ)

■近世日本の伝統テロリズム論(本居宣長の誤解)による高々で約1千万人程度の偽装極右シンパの暴走を絶対多数国民が傍観する奇怪な風景

安倍総理大臣は、日本会議(加盟団体会員数、約800万人)、神道政治連盟国会議員懇談会(安倍晋三・会長、会員国会議員数202名/なんと、国会議員・衆参合計722人のうち約3割が奇怪なミソロジー『原発(ウラニウム・放射能)アニミズム神話』の信者!?)、国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)ら偽装極右派(現人神天皇制をめぐる伝統“密教”テロリズム派/詳細後述)をコアとする安倍自民党の“熱烈支持層” 約1000万人の思し召しに応じ、万難を排して<国策靖国英霊崇拝と戦前の軍国主義日本>および<国策原発推進/原発(ウラニウム・放射能)アニミズム神話>の取り戻しを謀っている。

他方、去る7月21日・参院選での自民党得票は約1500万票(2012年12月16日、衆院選の自民党得票は約1800万票)、棄権者5000万人弱(総投票権者数は1億人強/2012年12月16日、衆院選・棄権者数は4000万人強)という余りにも異常な国政選挙の状況(日本の伝統に潜むテロリズムの論理(本居宣長の誤解)に拘る安倍晋三・首相ら高々で1000万人程度の国民層の超リスキーな暴走に引きずられ、それを絶対多数派の国民層が傍観するという奇怪な現象?が続いている。

これこそが、深刻化するばかりのフクシマ汚染水流出問題、東電経営の再検討、賠償スキームの見直しなど最重視すべき根本が放置される一方で、原発再稼働、原発輸出、インドへの核技術支援プラン(核拡散の積極推進!)などが安倍政権によって堂々と進められつつある原因となっている。

*「戦前の日本を取り戻す」ための奇怪な風景、アラカルト
f:id:toxandoria:20130822152513j:image

<原発輸出目的で世界一の安全技術を騙る安倍・自民党(国策)>への盲従はいい加減にせよ!むしろ、一気にレベル6以上に上げ世界中から技術支援を受けるべき段階でないか!! ⇒ タンク汚染水漏れ レベル3に引き上げへ 規制委、評価見直し 東京 http://urx.nu/4Rle 

【嗚呼! レ・ミゼラブル、ニッポン!! 安倍総理大臣は、そんなコト知ったこっちゃネ〜、で<国策靖国英霊崇拝と戦前の軍国主義日本>を取り戻す!!】 ⇒ いつまで続くフクシマ汚染水の流出? でも海水浴場はオープン /ユーロ・ニュース(8月12日)http://urx.nu/4PDr 

Cf. ⇒ <現状と課題>方式でのんびりやってる場合か? ブルーム・バーグ、ビル・ペセック氏(当記事の末尾記載)の提言のとおり、日本政府自らが世界の知見の助けを得て、解決へ早急に取る組むべきだ! ⇒ タンク汚染水漏れで管理課題に NHK(8月21日)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130821/t10013914151000.html  via ついっぷる 2013.08.21 06:17(画像『いわき市・四倉海水浴場の様子』は当記事より転載)

Cf. ⇒ <東電と賠償スキームの見直しがメディアのタブー>は、目下、原発玉砕戦争の出問題」で、これだけ東電が事故処理の当事者能力も賠償・除染費用の支払能力も喪失しているのに東電と賠償スキームの見直しがメディアのタブーになっている。・・・via
web2013.08.20 07:37只のオッサン(脱原発への急転向者)さん他、119人がリツイート
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=426781410772487&set=a.110630322387599.11985.100003218947947&type=1

*そもそも戦後は本当に終わったのだろうか?
f:id:toxandoria:20130822154447j:image
【動画】20130815テレビ朝日 そもそも総研 そもそも戦後は本当に終わったのだろうか? こちらをクリック! ⇒ http://urx.nu/4PoH

・・・

・・・以下は、本ブログ記事の中から一部分の抜粋・・・

・・・ともかくも、三島由紀夫は内面化された戦前の天皇現人神の物語、いわばアナクロニズム重傷者の凶器を背負ったまま前に進み、己の過去の誤りを絶対に認めぬままで生活プロセスを歩むこととなり、遂には自決という“死なねば”の悲劇に至ったと考えられる。言い換えれば、その現人神天皇への愛(愛国の情念/一種の“政治的恋愛”(恋闕/れんけつ)の情念は孤高の文学者の<死の美学>として実践・昇華されたということである。しかしながら、三島は同じプロセスを、つまり現代日本の<安倍晋三ら勘違い偽装極右一派>の如くに全ての日本国民を道連れにして、再び、国民玉砕的な「近世日本伝統のテロリズム(追憶のカルト)」の道を歩むべきだとは、微塵も思っていなかったに違いない。

・・・他方、同じ性質の愛国を感じながらも、橋川文三は、正しいと教えられて今まで信じてきた己自身の出発点へ引き返す道(“生きねば”の決意)を選び、厳しい姿勢で原点を緻密に反省し再検証することで、その戦前の誤りの傷がもたらすトラウマと闘いながら、軍部独裁と戦争という政治的極限形態の過酷さ、あるいは一切の批判的言説から逃避したとされる保田与重郎が代表する戦中期における日本ロマン派が抱えた“奴隷の思想”の問題(現代日本における約5千万人の国政選挙・棄権(傍観)常習者層の問題に重なる)の解明に成功しつつ新たな愛国の形(世界の人々と共に“生きねば”という“グローバル世界にも通用する“正統保守の復権”の可能性)を示すことに成功した、といえるだろう。

(関連記事)

安倍自民党アナクロニズム観察用資料(1/n)三島由紀夫「憲法改正草案」、43年の封印解き全文公開/暴走化する安倍政権の深層、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20130807

安倍自民大勝で擬装極右・追憶のカルト幻想に罹患の日本、だからこそ未来を見据え今をリアルに生きぬこうとする緑の党の生命の息吹(安倍政権ナチス化の毒消し)が肝要、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20130801

・・・

1 三島由紀夫と橋川文三が共有したアキレス腱、それは「本居宣長の誤解」の上に築かれた亡霊の如き「近世日本における伝統テロリズム」(追憶のカルト)の精神構造

どうやら、特に明治維新期以降の日本における理念や理想は、決して自律的な個人が内面化する種類のものではなく、その時々に、ただ個々の生活の形に応じて“器用”に選び取られる(驚くべきことに、最大の責任が伴う国民自らのリアルな生死や倫理に関わる根本思考さえもが、そのメニュー選択の有力候補となる)フィクション(虚構、幻想)としてのみ存在してきた、ということのようだ。

特に、現代においては“国民の中の約5千万人の国政選挙「棄権(=傍観)」常習者層の中に、このようなアイデンティティー放棄とでもしかいい様のない不可解な傾向(実効権力層による一種の観念のもてあそびに対して、リアルな自分自身の命(身体)の一切を任せてしまう傾向)が強く出ていると思われる。かつて、橋川文三はこれ似た自己放棄の例として、『次』のとおり旧日本軍の特徴を辛辣に批判している(出典::宮嶋繁明『三島由紀夫と橋川文三』‐弦書房‐)。

『敵の実感、敵の実体を持たない日本軍は、それならただ抽象的暴力として、人間的存在とかかわりない亡霊集団として、大陸アジアに荒れ狂ったということになるのであろうか?それこそヘーゲルのいう悪魔的破廉恥であり、悪魔的な無邪気さであろう。(それは、言い換えれば“奴隷の思想”ということであろう!←toxandoria、補足)』

・・・

しかも、この日本政治という舞台装置には常に「いわゆる1%派」を自負する(現実には、高々でも人口の10〜15%程度を占めるにすぎぬ)仕掛け人たる実効特権層(現代で言えば原子村に連なる人々など)が存在してきたと見るべきであるだろう。だから、一般の国民層の多くが個々の生活の形に応じて“器用”に選び取るのは、その仕掛け人たる実効特権層が提供する選択肢(メニュー)の中からだけということになる。

従って、太平洋戦争の敗戦のとき、人々は<万世一系の現人神天皇>という<非常に強固なカルト同然の国家主義(長い歴史時間において持続してきた単一優秀民族であることを誇るナショナリズム、いわば追憶のカルトの)物語>から、<戦後の新しい物語>、つまり「民主主義国家日本」という<新しい物語>へ、意外にもやすやすと飛び移ることができた訳だ(以上の考え方のヒントは、竹田青嗣著『現代批評の遠近法』(講談社学術文庫)から借用)。

ところが、これは殆ど奇跡的なことであったのだが、終戦後の時代において、その“器用さ”をやすやすと発揮できない、つまり二つの物語の間を簡単に飛び移れぬという意味で稀少な、そして真に不器用な日本人の典型とでも言うべき人物が二人存在した。それが、ほぼ同時期に生きた三島由紀夫(1925 –1970)と橋川文三(1922 – 1983/政治学・政治思想史研究者、評論家、明治大学政経学部教授を務めた)である(画像は、http://urx.nu/4QtB より転載)。

しかし、結局、この二人の生き様は水と油の如く異なる、というよりも全く二人のベクトルが異なる方向のものであることが分かった。つまり、それは<三島由紀夫が戦後の自らの人生を罪と見なす(戦前の自己を絶対肯定する)>のに対し、<橋川文三は戦前の自己を罪と見なした(戦後の現実に生きる自己を肯定した)>ということである。無論、それにもかかわらず、部分的な合否はともかく両者の間にはお互い掛け替えのない理解者であるという意味での共感が存在したと考えられる。

ともかくも、三島由紀夫は内面化された戦前の天皇現人神の物語、いわば<アナクロニズム重傷患者の凶器>を背負ったまま前に進んだため己の過去の誤りを絶対に認めぬままで戦後の現実的な生活プロセスを歩むこととなり、遂には、必然的に自決という“死なねば”の悲劇(三島流秘儀の実践)に至ったと考えられる。

言い換えれば、その現人神天皇への愛(愛国の情念/一種の“政治的恋愛”(恋闕/れんけつ)の情念は孤高の文学者の<死の美学>として実践・昇華されたということである。しかしながら、三島は同じプロセスを、つまり現代日本の<安倍晋三ら勘違い偽装極右一派>の如くに全ての日本国民を道連れにして、再び、国民玉砕的な「近世日本伝統のテロリズム(追憶のカルト)」の道を歩むべきだとは、微塵も思っていなかったに違いない。

他方、同じような性質の愛国心を感じながらも、橋川文三は、正しいと教えられて今まで信じてきた己自身の出発点まで引き返す道(これからも強く“生きねば”の決意)を選び、自ら厳しい姿勢で原点を緻密に反省しつつ再検証することで、戦前の自らの誤りの傷がもたらすトラウマと激闘しながら生きることにしたという訳だ。

その結果、橋川は軍部独裁に伴う玉砕戦争という極限政治の過酷さ、あるいは批判から一切逃避して中立を装ったとされる保田与重郎(国家神道に批判的であったともされる人物だが・・・)が代表する戦中期における日本ロマン派が抱えた“奴隷の思想”の問題(現代日本における約5千万人の国政選挙・棄権(傍観)常習者層の態度にも重なる)の解明に成功した訳だ。

つまり、これは見方しだいという可能性も残るが、橋川文三は「偽装極右派(追憶のカルト)」ならぬ「新たな愛国の形」(世界の人々と共に“生きねば”という“グローバル時代に通用する“正統保守” 復権の可能性であり、そのリアルな事例は、中道右派のメルケル首相(CDU党首)がフクシマ3.11の直後に脱原発を決定した現代ドイツにある/詳細後述)を示すことに成功したともいえるだろう。

結局、“誰も気がついてくれなかったのだよ、ぼくのしようとしたことを”と、橋川文三に嘆いて見せた三島由紀夫について、もっとも奥深くからその意義を理解していたのが橋川文三であった。というより、三島由紀夫と橋川文三の二人は、同じ「戦前〜戦中期の日本の歴史」を合わせ鏡で木霊するイメージのように共有する関係であったと考えられるのだ(出典:宮嶋繁明『三島由紀夫と橋川文三』‐弦書房‐)。このことについて、宮嶋繁明氏は、同著書の中で『次』のように語っている。

『そして、常識とは異なるかも知れぬが、三島由紀夫の天皇観に目立った変化が現れるのは、「憂国」の発表から5年後の「英霊の声」(1966年/昭和41年)辺りからである。それを1964年に刊行された橋川文三の著書『歴史と大権』所収の、日本の右翼思想の「テロリズム信仰の底にある固有の霊魂感(幽顕思想←toxandoria、補足)の政治的作用」を追求した秀作「テロリズム信仰の精神史」と、神風連について触れた「失われた怒り」に顕著に見られるように思う。特に「テロリズム信仰の精神史」は三島に“致命的”影響を与えたと私は思う。』

しかしながら、三島由紀夫と橋川文三の二人が、これから述べる近世以降の日本文化における<本居宣長についての誤解>という、これからも全ての日本国民にとって<“致命的”となり得る深刻な問題>が存在することに気づいていたか否かは、今のところ定かではない。

2 日本会議、安倍晋三ら偽装極右一派の詭弁型妄想、「戦前の日本(現人神たる天皇が統治する)を取り戻す」の根にあるのは「本居宣長の決定的な誤解」であり、同時に「その誤解の放置」は宣長の業績への冒涜でもある

2−1 本居宣長が完成させた「他国に優越する現人神(あらひとがみ)たる天皇を世界万国の宗主と見立てる万世一系の皇国史観および国家神道論」は決定的誤り

本居宣長が「他国に優越する現人神たる天皇を世界万国の宗主と見立てる万世一系の皇国史観と国家神道を強く主張した」こと、および「それが戦前の全ての日本人の絶対的な精神的支柱であった」こと、<それ自体は紛れもない歴史的事実>なのだが、宣長が「記紀が指し示す遠い過去の古伝説の中にのみ日本の最高の歴史的真理がある(これが追憶のカルトの核心!←toxandoria、補足)」として<日本型「華夷秩序」論=中華思想の反転>を内外へ強く主張し、それを絶対的正義と過信したのは明らかに決定的な誤り(観念と現実の混同、混濁、つまりこれが“追憶のカルト化”ということ!)である(本居宣長の画像は、ウイキペディアより)。

従って、明治維新期以降の日本の支配者たる『君側の奸』たち、特に太平洋戦争へのプロセスを演出した山県有朋(日本国軍の父)の衣鉢を継ぐ軍部(中枢は陸軍)が、本居宣長(1730 - 1801)の「古伝説」研究などに淵源する「他国に優越する現人神たる天皇を世界万国の宗主と見立てる皇国史観と国家神道を高く内外へ向けて掲げた」こと自体が、先ず根本的誤りであり(つまり、この時に日本政治が追憶のカルト化したということ!)、それこそが、現在の安倍・自民党政権までも尾を引く諸悪の根源である。

それは<本居宣長が生きた時代の日本を巡る歴史環境についての根本的誤認あるいは作為的誤解>に起因する一種の<国家創建にかかわる英雄神話と国策歴史の創作/日本政治の追憶のカルト化>がもたらした悲劇と見るべきでもあるからだ。

因みに、近年の客観的な歴史研究、あるいは考古学・文化人類学的な「先端科学技術も動員した検証作業」によって、万世一系の皇国史観の前提となる天孫降臨神話(天皇現人神論の根拠)の伝承が必ずしも記紀が代表する意味での日本オリジナルではない可能性が高まっており、そのアーキタイプは東アジア全体に広がる可能性が高い。

そもそも、日本列島全体の人口がたかだか20〜30万人程度(2〜3世紀頃で推計)に過ぎなかった縄文時代末期〜弥生時代(〜3世紀頃まで)の倭人集団(当時は、まだ東アジア日本海文化圏における一つの部族集団)が「世界の歴史に冠たる万世一系の現人神天皇(神の真姿顕現たる存在)が支配する独自で高度な文化をもっていた」と主張する古事記・日本書紀の殆どが荒唐無稽な“幻想or想像”であったことは確かだと思われる(因みに、奈良末期〜平安遷都期あたりの推定人口は高々(at most)600〜700万人程度とされる)。

(関連情報)これまでの日本人の累計出生人口は、たったの5億人程度!(出典、http://urx.nu/4R1p )

昭和 平成時代―――1億2620万人
明治 大正時代―――――4490万人(59年間)
江戸時代――――――1億0790万人(266年間)
中世――――――――――8490万人(419年間)
奈良 平安時代―――1億0540万人(476年間)
弥生時代――――――――2380万人(古墳・飛鳥時代まで)
縄文時代後期――――――1500万人
縄文時代前期―――――――620万人

・・・

また、例えば新羅の建国神話には天孫降臨の物語があり、伊勢神宮の起源に繋がるアマテラスの源流と見なすべきホアカリノミコト(天火明命)のアーキタイプが朝鮮半島〜中国〜東アジア全体に拡がっていることが理解されつつある。また、従来は否定されてきた道教の神道への影響の問題も無視できないものとなってきている。しかし、これらの諸問題は当記事の主題ではない。

2‐2 本居宣長の思考回路に窺われる特有のプロトタイプ(原型と見るべきドグマ)

周知のとおり、本居宣長の国学者・文献学者(医師でもあった)としての核心的業績は、当時、正確な理解が不能となっていた『古事記』の解読に成功し『古事記伝』を著したこと、次いで源氏物語の註解である『源氏物語 玉の小櫛』および『玉勝間』などを著して「もののあはれをしる心」の情緒こそが日本文学の美的本質であるとして、中国伝来の儒教の思弁的合理性が堕ち入り易い陥穽の存在を批判しつつ国学(日本学)の源流を確立したことにある(画像は、http://urx.nu/4QtO より転載)。

ただ、その日本固有の優れた情緒性、日本美学の原点と見るべき「もののあはれ(それを知る“やまと”心)」と、批判的にそれと対置した「唐文(からぶみ)の心(漢心/からごころ)」についての精緻な説明のため本居宣長が採ったレトリック戦略の中には、宣長特有の“真姿”不可知論(結局は、これが大日本帝国憲法・第三条の“天皇ハ神聖不可侵ニシテ犯スヘカラス”に繋がる)とでも呼ぶべきプロトタイプ(ドグマ的原型)の存在が指摘されている(出典:子安宣邦著『本居宣長‐物のあはれをしる心‐/講座比較文学3、近代日本の思想と芸術1(東大出版会)』/イメージ画像『もののあはれと日本の美』は、http://urx.nu/4RkL より転載)。

そして、その宣長の戦略の核心を示すのは『結局、神の御心はよきもあしきも人の心にてはうかがひがたき事にて』と、神への絶対的な随順と盲従を説くことにある。そして、この『漢心(からごころ)への批判から神の真姿についての不可知論を経て神への随順と盲従へ至る説明のあり方は、<本居宣長の古道論と神道>(これが後の万世一系の天皇現人神論に繋がる国学系神道(垂下神道)の核心)をめぐる詮議のなかで、しばしば出会う議論展開のプロトタイプである』(詭弁とはいえぬまでも、宣長の一種の“癖”(“奴隷の思想”的な発想?)とでも呼ぶべき特異な思考回路)だ、ということになる。

2‐3 本居宣長が生きた時代の日本を巡る国際環境についての理解が肝要

(確信犯的な本居宣長の天皇現人神論)

本居宣長が生きた時代を世界史的に俯瞰すれば、それは日本が大きな変革へ向かわざるを得ない激しい時代の波が、つまりキリスト教(カトリック)という外圧が大挙して押し寄せてきたころであった。このため、愈々<本格的な開国へ向けての柔軟な準備>か、あるいは<日本自身(identity)の再確認による高度な自己主張>か、という二つの大きな思潮(ideology)が国内に湧き出した時代でもあった。そして、前者を代表するのが本居宣長とも交流があった上田秋成(1734-809/江戸時代後期の読本作者、歌人、茶人、俳人)で、後者の代表が本居宣長である。

実は、これも未だ余り周知されたことではないが、近世における国学と神道論の発展のプロセスに対して、主に16〜17世紀頃に伝来したキリスト教(カトリック)が大きな影響を及ぼしていたことが近年になり次第に明らかとなってきている(出典:小山悳子(神道学者、比較宗教学者)著『日本人の求めた元神(カミ)』‐日本図書センター‐、ほか)。

例えば、本居宣長らの後を継ぎ、水戸学と共に幕末の尊皇攘夷の支えとなる思想を準備した秋田(出羽)出身の国学者・平田篤胤が「現人神の天皇観」を更に深く論じたことは良く知られているが、実は、キリスト教に通じていた平田篤胤はこの「現人神の天皇観」を神の代理人たるローマ法王の存在と、その役割から着想を得た可能性が高いとされる。しかも、その流れは篤胤の師である本居宣長から引き継がれたと見るのが自然であるだろう。

そもそも、医師としての本居宣長については『医学史に照らしてみると、宣長が履修したのは「今方(いまほう)」という室町時代にもたらされた朱子学をベースとする理念的・保守的な学派である。一方、これを批判する実証主義的開明的「古方(こほう)」学派があり、山脇東洋などはこれに属し、彼らはオランダ医学を摂取しつつあった。

本居宣長の時代はこれら両派が覇を競い合った頃であったが、宣長は、敢えて(←確信犯的? ←toxandoria補足)自らが履修した「今方」に止まり、西洋近代科学の思想・手法に通じる道(方向性)には強い拒否反応を示した。/出典 http://urx.nu/4Py2 』と、されるが・・・

・・・本居宣長が西洋医学やカトリック、ましてや当時の“新しい漢方”(漢心への批判から確信犯的に、敢えてそれは無視したのか?しかも、宣長が拘る「今方(いまほう)」のベースとなる朱子学といえども中国伝来のものである筈なのだが・・・。 ←toxandoria補足)についての知識が皆無であったと見る方が不自然である。

ただ、宣長の遺品類のなかに西洋(オランダ)医学や当時の“新しい漢方”などに関わる文献類が存在しないことは確かなようだ。しかし、だからといって宣長の医学が「今方」に徹したもので、当時の外来の新しい医学知識が皆無であったという証拠にはならないはずである。

つまり、本居宣長は当時におけるキリスト教(カトリック)の根本的性質(15〜16世紀のイエズス会に代表される戦闘的な側面、あるいは古く13〜15世紀に過激なポーランド植民に明け暮れたドイツ騎士団の如き軍事侵略的本質)をズバリ見抜いていた可能性があるのだ。

そして、そのことへの危機感から、あえて日本伝統の神道を世界の中心となる唯一無二の正義だと強弁し、しかもローマ法王に敗けぬほど武断的・軍事的で神聖な天賦(天孫として)の権威だと主張するため天皇を排外的・排他的な国家権力の上に超然と君臨する、強力な軍神性をもたせた「神の真姿顕現たる万世一系の現人神」へ押し上げた可能性が高いと考えられる。

(驚くべきことに、同時代の伊勢神道・神職である出口延佳は『天皇・人民平等論』を説いた)

一方、同じキリスト教の影響でも、天皇家の精神基盤(それは持統・天武期に確立した)である神宮(伊勢神宮)の神道学者(神職)・出口延佳の場合は宣長と全く正反対で、神の前での平等な恩寵というキリスト教思想の側面から大きな影響を受けていたことが理解されつつある。このため、出口延佳は、それまでの神道学者より更に前へ一歩進んだ形での新しい観念、つまり日本古来の伝統神道を正しく伝える者としての誇りから『天皇・人民平等論』を説いた(出典:小山悳子(神道学者、比較宗教学者)著『日本人の求めた元神(カミ)』‐日本図書センター‐)。

このことは、元来、伝統神道には、外来文化について、排他性よりも包容力と寛容性があることから、当然の帰結であったとも考えられ、古代から続く日本の精神史にほぼ重なる<神仏習合の歴史>が其の何よりの証拠となっているといえそうだ(神仏習合の歴史の委細については、下記◆を参照乞う)。

◆toxandoriaの日記/アベノミクス&国策原発の玄宮で蜷局(とぐろ)を巻く「神道政治連盟」なる自民党御用達「極右ウロボロス神」の現象学的考察 http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/2013011

このため、天皇の政治的利用による日本近代化の実現を謀った、そして当時の「1%派(勝てば官軍たる実効権力層)」を代表する『君側の奸』らから成る明治維新政府は、この古来から続く日本伝統の神道の宗教的寛容性(縄文文化を受け継ぐ古来の神道精神と、その影響を深く受け続けてきた日本国民一般の心性)は日本の本格的近代化にとっては有害と見なした挙句に<廃仏毀釈>と<キリスト教排除>の蛮行に走ったと考えられる。しかし、特に、後者は明らかに失敗に帰した。

(最上級の日本伝統文化のエスプリを表現した上田秋成による、本居宣長の日本型「華夷秩序」論(本居宣長に潜む“伝統テロリズムの論理/追憶のカルト”たる天皇『現人神』論)への厳しい批判)

近世日本文学の代表作「雨月物語」で知られる上田秋成(1734 -1809)であるが、本居宣長と異なり、上田秋成は「絶えず一歩うしろへ引くだけの視線上の余裕があり、日本と日本民族の文化を広く客観的に、かつ冷静に世界的視点から見る目」を持っていた(上田秋成の画像は、http://urx.nu/4Qud より)。

そして、上田秋成は「世界地図の上で見ても、こんなにも小さな日本が記紀の『古伝説』だけで一方的に自らこそが万国の宗主だと日本型「華夷秩序(万世一系の天皇現人神論を前提とするアベコベ中華意識)」論を声高に主張しても無意味だし、そんなことは何処の相手国に対しても通じるはずがない」と本居宣長を厳しく批判している。

2 映画『終戦のエンペラー』からの連想/安倍政権が謀る<戦前レジームの取戻し(追憶のカルト志向の改憲)>で、再び残るのは<テロリズムの論理>だけという恐るべき陥穽に嵌りつつある日本

*公式サイトはコチラ ⇒ http://www.emperor-movie.jp/ 
【動画】『終戦のエンペラー』予告編
【動画】『終戦のエンペラー』特別映像

2−1 映画『終戦のエンペラー』が描く二つの謎/「天皇が戦争に関与していない証拠」と「“現人神天皇論(追憶のカルト)としての神道”の日本国民への影響力の大きさ」

映画『終戦のエンペラー』が見立てるこれら二つの謎には、本居宣長を淵源とする日本文化論(日本美学論)の難解さの問題が関わっている。そして、これは、外国人は無論のこと、現代日本人の多くにとっても同じことのようだ。

日本学(国学、日本美学論)の大学者であるのは紛れもない事実ながら、本居宣長にはその「古伝説」研究に発する「他国に優越する万世一系の現人神たる天皇を世界万国の宗主と見なす国家神道論」(カトリック、ローマ教皇体制の剽窃?)を掲げたという、宣長特有の「プロトタイプ思考=テロリズムの論理を肯定する大誤解の淵源」が存在することを日本国民は、今こそ真正面から理解し、それを正しく受け止めるべきである(しかも、宣長は、このプロトタイプ思考を意識的に仕込んだ可能性すらあるのだ)。

目下、“正統保守”ならぬ日本会議(会員数、約800万人)、神道政治連盟国会議員懇談会(安倍晋三・会長/原発(ウラニウム・放射能)アニミズム論を信奉する国会議員数202名、全国会議員の約1/3相当)、国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長/原発・靖国融合推進派、真姿顕現(追憶のカルト)をコアとする日本型ナチズム研究?)等の“偽装極右派”の大きな影響下で戦前型の軍国主義・日本の取り戻しを謀る安倍晋三・総理大臣らの偽装極右派は無論のことだ!

そして、それは日本政府が「他国に優越する現人神たる天皇を世界万国の宗主と見立てる皇国史観と国家神道論/太平洋戦争開戦を準備した大日本帝国の国家的神話論理(ナショナル・ミソロジー)」に基づく軍国主義化を声高に内外へ向けて再び公言することは、日本が世界に向けて堂々と胸を張るべき偉大な「日本学者(国学者)」である本居宣長の真の学問的業績評価を決定的に貶めることにも繋がるからだ。

そればかりか、源氏物語、雨月物語などが象徴する日本の物語文学と、それこそ世界に誇るべき日本の伝統美(茶道・花道・能楽・和歌・俳諧等の幽玄美学)を支える日本の美的様式(もののあはれ、わび、さびetc)をも激しく傷つけ、それらの伝統文化的な価値を決定的に貶めてしまうという意味で、きわめて“反愛国的”であり、それこそ真に“自虐的”な極めて愚かしくも<恥ずべき反国益的行為>であることを、安倍晋三・首相ら偽装極右一派は括目して自覚すべきである。

2−2 大日本帝国憲法・第三条“天皇ハ神聖不可侵ニシテ犯スヘカラス”の真意たる「他国に優越する現人神たる万世一系の天皇を世界万国の宗主と見なす国家神道論(その中枢神殿が軍神を奉る靖国神社)」に潜伏する伝統テロリズム(追憶のカルト)の論理

先に引用した橋川文三の著書『歴史と大権』所収の、日本の右翼思想の「テロリズム信仰の底にある固有の霊魂感の政治的作用」を追求した秀作論文「テロリズム信仰の精神史」によれば、日本の右翼テロリズム(明治維新期に確立した“君側の奸”支配体制を支持しつつ一般国民を恫喝する実力行使を分担する)精神の根底には、間違いなく「国体護持目的の国家神道(伝統神道ではなく国学系神道 ← toxandoria、補足)」と「現人神天皇信仰」という二つの基盤が存在する(山崎闇斎を始祖とする国学系神道(垂下神道)の委細については、下記記事◆を参照乞う)。

(再掲)◆toxandoriaの日記/アベノミクス&国策原発の玄宮で蜷局(とぐろ)を巻く「神道政治連盟」なる自民党御用達「極右ウロボロス神」の現象学的考察http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20130117

その「国体護持目的の国家神道(国学系)」とは、国学に由来する「幽顕思想」(顕幽論)を指しており、この考えによれば人間は死ぬと「幽事の世界」(霊魂共同体)に帰属することになる。そして、死んで初めて人間は「人間」そのものになる(主権を持つことになる)のだという。つまり、国学系神道を基盤とする国家神道の基礎は、この顕幽論であると考えられる(端的に言えば、現世の存在である人間(国民)に主権はなく、それは霊界に従うロボット的存在だということになる。

従って、本居宣長についての誤解を乗り越えて(テロリズム論の罠へ誘導するプロトタイプ思考、つまり“ロボット・テロリスト論へ繋がる幽顕思想の影響”を除外して)日本の伝統文化を正しく受け止めつつ、国の内外へ広くアピールできる「正統保守」の観念を早急に回復し、それをシッカリと日本社会へ根付かせることが肝心であることが理解できるはずだ。

つまり、安倍晋三ら偽装極右一派(幽顕思想(追憶のカルト)に盲従するような「近世日本伝統のテロリズム論」で動く政治とは全く異なる方向を目指すべきということだ。具体的に言えば<戦前型の日本/大日本帝国憲法下でのカミカゼ国民玉砕などの狂信行動を可能とする異常権力構造、および「玉」(天皇)の意思をすら独善的に仕切ろうとする君側の奸らによる近代日本型のファシズム政治>とは潔く縁を切り、全世界から快く受け入れられる「正統保守」の観念を日本へ定着させるべきだということである。

2‐3 安倍・自民党政権が改憲を謀る有力な口実の一つは「米国お仕着せの日本憲法」ということ、しかし日本が GHQ 案をそのまま呑んだ訳ではなく、GHQ 案に先立ち日本人自身が民主憲法草案を作り、それがGHQへ影響を与えたというのが事実である

【QT/改憲派の論拠の薄弱さ、および安倍自民党政権の反民主主義的な正体が自ずと浮き彫りになる良質の番組だ!!/2007年2月10日放送 NHK・ETV特集「焼け跡から生まれた憲法草案」/NHKオンディマンドetv特集、http://urx.nu/4Q2Z 】・・・これは、<日本が GHQ 草案をそのまま受け入れたことはなく、GHQ 草案に先立って日本人自身が民主憲法草案を作ったという主体的取組みがあったことを実証する良質の番組>である。<注記>画像は、http://urx.nu/4QcNより転載。https://www.facebook.com/photo.php?fbid=425975370853091&set=a.110630322387599.11985.100003218947947&type=1 

・・・以下は、<放送レポート編集長 岩崎 貞明氏、http://urx.nu/4R5C >より転載・・・

日本国憲法施行60年を迎え、一方で憲法改正が声高に叫ばれるようになってきたこの時期に、日本国憲法の出自を丁寧に明らかにしながらその歴史的意味を問い直す好番組が放送されていた。

現行の日本国憲法はアメリカの押し付けだ、という定説は改憲派の論拠のひとつになっている。たしかに、GHQ草案をベースに現在の日本国憲法の原案(大日本帝国憲法の改正案)が日本政府によって作られたことは歴史的事実ではあるが、番組はそのGHQ草案の1ヶ月以上前にすでに日本の民間人による独自の憲法草案が存在し、その草案が逆にGHQ草案にも影響を与えた可能性を指摘した。

それは有識者7人が1945年11月に結成した「憲法研究会」による草案で、主権在民や平和主義、表現の自由、男女平等などをうたっていた。7人の顔ぶれは高野岩三郎、森戸辰男、杉森孝次郎、馬場恒吾、鈴木安蔵、室伏高信、岩淵辰雄という、当時の進歩的な学者、評論家、ジャーナリストらで、いずれも戦時中は治安維持法違反などで逮捕・収監され、または職場から追放されるなど、塗炭の苦しみを味わった人々だ。

敗戦後、GHQの指導により日本政府も「憲法問題調査委員会」(松本烝治委員長)を設置するが、日本政府にはもとより帝国憲法を改正する意図は毛頭なかった。とくに天皇の権限を縮小もしくは削除するような改定はおよそ慮外のことだったようだ。その一方、この「憲法研究会」のメンバーは、天皇制廃止も議論の俎上に載せながら、天皇の統治権を廃止し、「国家的儀礼を司る」という、現在の象徴天皇制に近い制度を打ち出していく。

番組は、このような憲法草案が生まれた背景を掘り下げるために、研究会のメンバーで唯一の憲法学者だった鈴木安蔵にスポットを当てる。鈴木は戦前から帝国憲法の歴史的研究を手がけ、大正デモクラシー期の思想家、吉野作造の示唆などを受けて明治期 の自由民権運動に目をむけ、帝国憲法制定当時の議論の中から高知出身の植木枝盛による 「日本憲法」を再発見する。そこにはすでに「主権は日本全民に属す」と、国民主権の 思想が打ち出されていた。

番組はスタジオで古関彰一・獨協大学教授が、森田美由紀アナウンサーを聞き手に解説する。古関教授がもっとも強調した点は、いまの日本国憲法の精神が自由民権運動の伝統とつながっていること、さらにその源流はアメリカ独立宣言やフランス人権宣言にあり、民主主義、自由と平等という普遍的な価値観の系譜にあることだった。

GHQはこの憲法草案を入手してすぐに英訳し、その内容がすぐれて民主的で「受け入れられる」ものであることを確認する。その後、マッカーサーノートが出され、GHQ民政局が徹夜を重ねて日本国憲法のGHQ草案を作ったというのが歴史の流れだ。

番組は最後に、研究会のメンバーだった森戸辰男が国会議員となり、政府が提出した帝国憲法改正案に対して「生存権」を盛り込む修正案を示し、その修正などを可決して成立したエピソードを紹介する。ここでも、日本国憲法がアメリカのいいなりに作られたのではなく、日本人の智恵が織り込まれていることが指摘され、さらにこの森戸修正がかつてのドイツのワイマール憲法を踏まえたものであったことも紹介される。

日本国憲法が、歴史的・国際的な「正統性」のもとに生まれた、人類の英知の結晶とも言うべき存在であることが強く印象付けられる番組だ。再現映像なども交えて当時の議論のようすを丁寧に描写しながら、全体として抑制の効いた控えめな演出の番組だから、「人類の普遍的価値を体現した日本国憲法が、一時の政治的な思惑で安易に改変されていいのか」という番組制作者の叫びが聞こえてくるようだ、と評しては言い過ぎかもしれない。しかし、この番組が指摘する事実を踏まえずして、憲法改正論議は成り立たないと言いたくなるほど、深い内容をもった番組だったと評価したい。(了)

3 安倍晋三ら偽装極右派の狙いは「明治維新期以降の天皇制を支えた顕教と密教の援用による国民支配体制の取戻し!/天皇制をめぐる政治技術“密教テロリズム”の復活」ということ

3−1 天皇制をめぐる「顕教・密教」論

ここで言う「顕教」とは、「一般国民を広く柔らかく洗脳するシステム」として機能した天皇制、「密教」とは特権層(1%派を代表する“君側の奸”らを中心とする)による<隠然たる国家支配の技術>の意味である。つまり、後者は<場合によっては「玉(ぎょく)」(天皇)をも冷酷に政治利用するという超傲慢な意思(“密教テロリズム”発動の意思)を秘めた非常に巧妙な統治システム技術>のことである。

従って、三島由紀夫の美学的・文学的に純化された天皇制への愛(愛国)の情念は、このような欺瞞的システムへの怒りが猪突猛進し、遂には狂愚と化して爆発した悲劇であったとも考えられる。(関連参照 → 当シリーズ記事(1)三島由紀夫「憲法改正草案」43年の封印解き全文公開、http://urx.nu/4JKd )

つまり、だからこそ、改めて「歴史から学ぶ知見の重要性」が思い知らされて当然であるからだということになる。

たとえ、仮に、不本意な敗戦の結果、戦勝国(米国)側から押し付けられる形でもたらされたものであったとしても、あるいは三島由紀夫の如く昭和天皇ご自身による“人間天皇の宣言”が大いに気に食わぬことであるとしても、少なくとも現時点では(日本の民主主義が現在のレベルに留まる限りにおいて)、戦後の“平和憲法”と“象徴天皇制”は紛れもなく日本近・現代史の流れから析出した等身大の必然の現実であり(しかも、戦禍による数多の内外の人命を犠牲にして辛うじて手に入れた!/死者数の概要は日本人300万人強、アジア人2000万人強)、特に、これが<天皇制をめぐる「顕教・密教」体制>への強力な唯一のアンチテーゼとなっていることを見逃すべきではないと思われる。

だからこそ、アッケらかんとした顔で「戦前の日本を取り戻す」と絶叫し続ける安倍総理大臣は、果たして気が確かなのか?と言いたくなるのだ。それは、もし安倍総理大臣が狂気でないとするならば、それは超傲慢な“密教テロリズム(政治技術)”の取戻しを謀るファシズム政治好きな悪党政治家か、あるいは全く何も理解できないホンマもののfool-hardyということになるからだ。それとも、何か特別なカルトにでも感染しているのだろうか?

従って、現時点で最も肝要なことは、今やフクシマ無視のままで「原発推進と靖国神社信仰の国策融合」という真に不埒で非人道的な謀略的戦術まで繰り出し始めた安倍・自民党アナクロ政権が唄う<戦前の美しい日本を取り戻すこと>の真意が、1%派(君側の奸、原子村等を中核とする実効権力・利権層)のための<本格的な天皇制をめぐる戦前型「顕教・密教」体制の取戻し戦略>であることを、多数派の日本国民がシッカリと自分自身の問題としてリアルに見抜くことである。

<参考>・・・以下は、[宮嶋繁明『三島由紀夫と橋川文三』‐弦書房‐]より、関連部分の転載・・・

「天皇制の顕教・密教の問題」で示唆を受けたと、三島が橋川宛ての手紙の中に記しているのは、前掲の「テロリズム信仰の精神史」の中で、「久野収が書いたように、北(北一輝)の思想は「伊藤(伊藤博文)のつくった憲法を読みぬき、読み破る」ことによって、その革命的性格を鮮明にしたものだが、磯部(磯部浅一/二・二六事件の主犯格とされる)はその思想のもっとも忠実、熱烈な使徒であった(←磯部が、君側の奸らによる欺瞞システムの本性を見抜いていたということ←只野親父、補足)」と述べている部分だと思われる。よく知られているように、「天皇制の顕教・密教」という語彙は、橋川のオリジナルの概念ではなく、『現代日本の思想』の中で、久野収が「顕教とは、天皇を無限の権威と権力を持つ絶対君主とみる解釈のシステム、密教とは、天皇の権威と権力を憲法その他によって限界づけられた制限君主とみる解釈のシステムである」と規定したところだが、思想史に通暁しているわけではなかった三島には斬新に感じられたのかもしれない。

3−2 映画『終戦のエンペラー』が散り上げた「宮城事件(きゅうじょうじけん)」、それは「追憶のカルト化した天皇制をめぐる“密教”テロリズム型政治技術」の暴露

・・・当画像『殺害された森赳近衛第一師団長』は、http://urx.nu/4QAL より転載。宮城事件(玉音盤事件)の首謀者達は近衛師団を動かそうとするが、森赳近衛師団長は蜂起に加わるよう説得に来た将校たちに対してこれを強く拒否。このため、彼らは森師団長を殺害した上で、偽造命令で近衛師団の部隊を動かし皇居を占拠、外部と遮断した。

「宮城事件(玉音盤事件)」とは、1945年(昭和20年)8月14日の深夜〜15日(日本時間)にかけて、一部の陸軍省幕僚と近衛師団参謀が中心となって起こしたクーデター未遂事件である。日本の降伏を阻止しようと企図した将校達は近衛第一師団長森赳中将を殺害、師団長命令を偽造し近衛歩兵第二連隊を用いて宮城(皇居)を占拠した。しかし陸軍首脳部及び東部軍管区の説得に失敗した彼らは自殺もしくは逮捕され、日本の降伏表明(天皇の玉音放送)は当初の予定通り行われた。

具体的には、1945(昭和20)年8月14日の御前会議でポツダム宣言受諾の御聖断が下ったが、国体護持(現人神天皇制の存続)の確約がない宣言受諾は納得できぬとして、陸軍省軍務局の畑中健二少佐、椎崎二郎中佐ら中堅の若手将校を中心となってクーデターが計画された。それに近衛師団参謀石原貞吉少佐、古賀秀正少佐(元内閣総理大臣東條英機大将の女婿)、航空士官学校生徒隊付上原重太郎大尉が加わり、彼らは近衛師団を使って宮城(皇居)を占拠し、天皇を擁護し、陸軍大臣の上奏によって天皇に戦争継続の決意をしていただくというクーデターを計画した。

一派は詔書の録音レコード(玉音盤)を奪い、玉音放送を阻止しようとしたが、レコード盤の奪取にも失敗した。結局、8月15日早朝の7時00分、第12方面軍司令官兼東部軍管区司令官田中静壱大将が自ら皇居に乗り込みこれを鎮圧して近衛決起は失敗に終わった。

問題は、かつて昭和天皇の反対を無視して関東軍が日中戦争を拡大してしまったことからもわかるように、現人神天皇を戴く「国体護持」(君側の奸らにとって重要な現人神天皇制の護持!)のためには、「玉」(天皇ご自身)のすげ替も辞さないという過激テロリズム的思潮(いわゆる天皇制をめぐる“密教”テロリズムの論理)が存在したことであり、この「宮城事件(玉音盤事件)」にもそれが深い影を落としている。

そして、この神の真姿たる天皇の身体そのものである「国体護持」思想の中心を担ったとされるのが、熱烈な「皇国史観」(万世一系の現人神天皇に国家主権があり、日本の歴史は即ち万世一系天皇の歴史であるとする典型的な“追憶のカルト”イデオロギー)の主唱者として戦時下の国史学界をリードするとともに軍部との関係を深めて、社会的にも大きな影響力をもった歴史学者・平泉澄(ひらいずみきよし/ 1895‐1984)である。そして、太平洋戦争の降伏阻止のため皇居を占拠する「宮城事件のクーデター計画」を立てた陸軍将校たちも、殆どがその平泉の熱烈な信奉者であったとされる。

彼らの中には「終戦をすると仰せられる陛下には御退位願い(“密教”テロリズムの発動で←toxandoria、補足)、皇太子を奉じて戦いを継続する」と叫ぶ陸軍中佐、あるいは・「天皇らしくない天皇は天皇の名に値しない」と言いきった少佐もいた。自分たちの意に添わない天皇は排除し(“密教”テロリズムで←toxandoria、補足)、意に添う者を天皇に据えるという発想は、尊王を口にしつつ孝明天皇の御所に向けて発砲した長州や天皇を「玉」扱いした薩摩以来の「君側の奸」的な発想の伝統にほかならない。

その悪しき伝統は、明治・大正・昭和の三代にわたって、例えば平泉澄らの如き“一種”の御用学者(真姿顕現の異常な歴史観なる追憶のカルトに嵌ったアカデミズム、あるいは本居宣長の誤解に嵌ったままのアカデミズム等)たる”密教の管理者(“密教”テロリズム論の信奉者)たち”によって脈々と継承され続けたという現実(歴史)があることを我われは直視すべきである。

そして、恐るべきことに、その悪しき伝統は「保守」の名を騙る日本会議、神社本庁、神道政治連盟議員懇談会(安倍晋三・会長、平成25年8月現在、202名の衆参国会議員が参加)、国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)、解脱会、国柱会、霊友会、モラロジー研究所、倫理研究所、キリストの幕屋、仏所護念会、念法真教、オイスカ・インターナショナル、日本を守る国民会議、創生「日本」、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会、日本の領土を守るため行動する議員連盟、日本の前途と歴史教育を考える議員の会、真の人権擁護を考える懇談会、歴史事実普及協会、伝統と創造の会、美しい日本をつくる会、日本協議会、日本青年協議会、全日本学生文化会議、国民文化研究会、三五教などの宗教団体、宗教系財団法人等に確実に引き継がれていることである。

だから、これらの諸団体は決して「正統保守」の名に値するものではなく、その恐るべき正体は平泉澄の国体護持・真姿顕現(追憶のカルト)、つまり本居宣長についての誤解がもたらした「“密教”テロリズム思潮」を引き継ぐという意味で、まさに“偽装極右”的な立場を主張していると見なすべきである。

そして、それは、まさしくあの「テロリズム信仰の精神史(論理)」(←まさに“密教”テロリズム思潮への批判の書、toxandoria、補足)を共有した三島由紀夫と橋川文三が、戦後において全く異なるベクトルのプロセスを歩みながらも、それぞれ自分流の方法で<自らの戦前>を総括した、あの真に誠実な生き方の対極にある危険な存在だと見なすべきであり、それは余りにも“人間離れ”した不可解で異様な超アナクロ精神環境(追憶のカルト世界に棲むゾンビ的な存在?)である。

そして、アベノミクスなる目くらましアドバルーンをぶち上げる安倍首相が、「改憲と戦前の取り戻し」なるキャッチ・フレーズで多数派国民層の洗脳を謀る動機が、「宮城事件(玉音盤事件)」なるクーデター未遂事件の肩を押したものと同じ種類の、まさに“密教”テロリズム(追憶のカルト)的という意味で、紛れもなく異常な感性であることを見逃すべきではない。

4 追憶のカルト、偽装極右派(現人神天皇制をめぐる伝統“密教”テロリズム派)が<原発推進を新たな滋養源として異常増殖>する不気味な光景

それは、日本会議(加盟団体会員が約800万人)、神道政治連盟国会議員懇談会(安倍晋三・会長/“原発(ウラニウム・放射能)アニミズム論”を信奉する国会議員数202名、実に全国会議員の約1/3に相当!))、国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長/原発アニミズム(推進)と靖国信仰の国策合祀を謀る!)ら偽装極右派(現人神天皇制をめぐる伝統“密教”テロリズム派)が<原発推進を新たな滋養源として異常増殖>する不気味な光景である。

(1)ブルーム・バーグ(bloomberg)のコラムニスト、ビル・ペセック氏の安倍晋三(天皇制をめぐる密教テロリズム派=偽装極右派)と、それを選んだ日本国民への警鐘/日本の経済復興と真の世界への貢献(全世界へのフクシマ・リスク波及の回避!)のため肝心なのは原因を元から絶つことだ!目先のアベノミクスも株価上昇も軍事力外交もお門違いだ、世界は二度と騙されないぞ!
・・・William Pesek:William Pesek is based in Tokyo and writes on economics, markets and politics throughout the Asia-Pacific region. His journalism awards include the 2010 Society of American Business Editors and Writers prize for commentary.
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=423885784395383&set=pb.100003218947947.-2207520000.1376980626.&type=3&theater


・・・

現在もGDPの過半超を原発系産出に頼る日本(出典:河合弘之弁護士/ビジネス弁護士、浜岡原発差止訴訟弁護団長、国際環境NGOグリーンピース監事、http://urx.nu/4NPn )のみならず、世界経済がその多くを未だに原発系産出額に頼っている現実があることは百も承知のうえで、「日本政府(安倍政権)と東電・日本原子村の意図的に焦点を外した煮え切らぬ対応ぶり」に対し厳しく鋭い警鐘を鳴らす、ブルーム・バーグ(bloomberg)のコラムニスト、ビル・ペセック氏の言説(提言)を、日本国民は自分自身と近未来の子供たちのため厳粛かつ真剣に受け止めるべきだ。

日本のみならず、世界経済(GDP)が未だにその多くを原発系産出に頼るという現実は、端的に言えば「原発より儲かるビジネスと、それに関わる政治・経済の選択肢が目前に存在すること、同時にフクシマの過酷な状況が退っ引きならぬ状況に嵌り、再び大地震が日本を襲えば日本のみならず全世界の経済が破綻しかねぬという真に厳しい現実が、決して絵空事ではなく、我われの目前にある厳然たる事実だ!」ということを、安倍晋三総理らは勇気をふるって直視し、以下の六つの対策へ直ぐに取り組むべきだ、というのがビル・ペセック氏の提言である。

(直ぐ取り組むべき六つの対策)

●原発の廃炉計画
●被害規模を評価する独立監査人を海外から招致
●周辺地域が数十年間にわたり居住や漁業、農業には安全でない可能性を率直に内外へ向けて認める
●革新的な解決策を世界中へ協力を求め模索する
●日本原子力村の解体 ← この意味でも、『規制委員長、もんじゅ切り離し要求 原子力機構改革 文科省案を批判 日経2013/8/14 20:23、http://urx.nu/4NPs 』という、まことにおざなりな現状を放置する、危機感のカケラも見せぬ安倍首相の傍観者的な態度は許されない!フクシマ直後のドイツ・メルケル首相らの真剣な対応ぶりを想起せよ!(←只野親父、補足)
●多額の汚染対策費用について日本国民に真実を伝える

・・・以下、8月13日(ブルームバーグ)記事『安倍首相の歴史的評価、鍵は経済より原発事故対応−ウィリアム・ペセック/Abe’s Japan Is Blind to Scary Nuclear Reality /Fukushima Replaces Economy as Abe’s Legacy Issue: WilliamPesek』(抜粋)より転載(出典、http://urx.nu/4NPy )

アベノミクスは忘れよう。日本の外交・軍事面での影響力を再び高めるための取り組みも無視すべきだ。安倍晋三首相の歴史的評価は、チェルノブイリ事故以来最悪の原子力発電所危機を収拾するために何を実行したか、何をしなかったかというその一点で決まる。

驚かされるのは、2011年3月の福島第一原子力発電所のメルトダウン(炉心溶融)事故以降、日本のリーダーの関心がいかに薄れたかということだ。

菅直人元首相や野田佳彦前首相は、東京から217キロの距離にある福島原発の放射能漏れや使用済み核燃料棒を事実上無視していた。昨年12月に就任した<安倍首相も福島原発の処理は万事順調だと装う3人目の首相>となった。

<そうした中で現実が先週、不都合な形で再び表面化>した。放射能に汚染された地下水が太平洋に流れ込んでいる証拠が相次ぎ、<安倍首相は東京電力 に問題の収拾を一任しないことを認めざるを得なくなった。国際的な圧力を受け、首相は流出に歯止めをかけるため政府が速やかに多面的なアプローチを確実に取ると言明>した。

<安倍首相の本気度を疑うのは申し訳ないが、提案された改善措置は大ざっぱで、地下水凍結という方法は不十分だろうと科学者は懸念。している。<原子力の規制当局は北アジアを汚染する原子炉を廃炉にすることよりも、運転再開にまだ集中して(こだわって)いるようだ。東電はもっと悪いものを垂れ流しながら真っ赤なうそを言っている。にもかかわらず東電は国有化されていないし、役員陣は職にとどまったままだ。>

体制順応起因の人災

だが、<私が本当に心配なのは、こうしたことではない。日本の当局は福島が「どのようにして」チェルノブイリと同義語になったのかという問題で行き詰まり、「なぜ」発生したのかや、世界にとってそれが「何を」意味するのかを考えていない点が心配なのだ。>

福島の事故は日本株式会社の体制順応的な傾向に起因する人災で、回避可能だった。東電は安全性の記録をごまかし、数千万人の命を危険にさらした。

腐って危険なこんなシステムを増殖させるのは「原子力村」だ。電力会社と規制当局、官僚、原子力産業を擁護する研究者との癒着によって東電は長年、怠慢に対して何の罰も受けないで済んでいた。こんな関係やカネ、メディアへの影響力に裏打ちされた東電は、この2年半にわたり放射能汚染データをごまかし続けてきた。東電の汚染水対策を政府がようやく代行することになっても大したことではない。

現実を見つめよ

<日本政府は今こそ現実を見詰め、以下の6つを実行すべき>だ。まず原発の廃炉。被害の規模を評価する独立監査人を海外から招致。周辺地域が数十年間にわたり居住や漁業、農業には安全でない可能性を認めること。革新的な解決策を世界中で模索。原子力村の解体。多額の汚染対策費用について日本国民に真実を伝えること。

<こうすることで、世界にとって「何」を意味するかという問題に行き着く。国際舞台では福島はますます日本の不名誉になりつつある。放射性物質はクロマグロから検出されている。日本からロシアに輸出された中古車や自動車部品は言うまでもない。もう一度大地震に見舞われれば福島に再び被害が出て、東京が開催を希望する2020年の夏季五輪までにさらに原子炉が打撃を受ける恐れがある。世界は全く回避可能な大惨事について日本の言い分を2度も認めることはない。>

アナリストは安倍首相による日本の財政健全化に向けた取り組みを評価しているが、後世の人々は東電と原子力村が作った惨事の後始末をしたかどうかで首相の手腕を判断するだろう。(ウィリアム・ペセック)

(関連情報)

金子勝 @masaru_kaneko8月13日付けブルームバーグで、ウィリアム・ペセック氏がコラム「安倍総理は恐ろしい原発真実に対して盲目」を書いています。http://urx.nu/4NPB 上記記事の和訳もあります(上記)。via web2013.08.14 03:52只のオッサン(脱原発への急転向者)さん他、414人がリツイートhanachancause

金子勝 @masaru_kanekoペセック氏はいう。アベノミクスも軍事外交も忘れろ。「安倍晋三首相の歴史的評価は、チェルノブイリ事故以来最悪の原子力発電所危機を収拾するために何を実行したか、何をしなかったかというその一点で決まる」と断言する。世界の関心がビジネスエリートの中にも普及しています。 via web2013.08.14 03:54只のオッサン(脱原発への急転向者)さん他、283人がリツイートhanachancause

(2)余計なお世話だと立腹の向きもあるようだが、然(さ)にあらずコレは正鵠!「安倍ら偽装極右派」が取り戻しを謀るのは<軍神靖国神社の下で「明治維新期」以降伝統の君側の奸が君臨する軍国主義国家・日本>であることが欧米と世界中にバレたということだ!

⇒ 安倍政権の外交 「日米にも悪影響」英紙フィナンシャル・タイムズのコラムニストのギデオン・ラックマン氏がコラムで苦言 東京新聞 2013年8月14日 朝刊 http://urx.nu/4PcH 

・・・その現実を知らぬのは、肝心の日本国民ばかりというお粗末な構図ではないか?このブザマぶりでは、あの三島由紀夫の自決も全くの無駄死ということになるだろう。それより肝心なのは、<先の戦争体験を全国民が真摯に総括し反省する一方で(三島の美学はこれを自決で示すほかなかった!)、江戸・幕末期以前の優れた日本伝統文化と、世界に誇るべき豊かな自然環境に恵まれた国土(風土)の復権を深謀する、真にグローバル時代に相応しい画期的な文化戦略を再構築する>こと、つまり今こそ<世界に向けて自信を持ってアピールできる正統保守の立場の再構築>へ日本は向かうべきだということである!

・・・以下、同記事内容の転載・・・

麻生太郎副総理の「ナチス発言」など失言が続く安倍政権の外交姿勢について、十三日付の英紙フィナンシャルタイムズが「中国だけでなく、日米関係に悪影響を及ぼす可能性がある」とのコラムを掲載した。

執筆したのは、同紙コラムニストのギデオン・ラックマン氏。ラックマン氏は、安倍晋三首相が細菌兵器の実験などに当たった旧日本軍の七三一部隊を連想させる数字が機体に書かれた自衛隊機に乗ってピースサインをしたり、海上自衛隊のヘリコプター空母型護衛艦に、中国に戦時中派遣された艦艇と同じ名称が付けられたことなどを挙げ、日中関係の緊張の高まりにつながると懸念。「欧米の同盟国をこれ以上なく困惑させている」と言及した。

ラックマン氏は、安倍政権の強気な外交姿勢が「緊張が高まる地域で国益を模索する日本の外交官たちにとっては悪夢だろう」とし「安倍首相と首相側近らは十五日の靖国参拝を見送るようだが、(対外関係の改善には)もはや手遅れだ」と警告した。

日米の安全保障関係にも触れ「米国の日本に対する安全保障が緩められれば、東シナ海の外交問題が世界大戦を引き起こすリスクはなくなる。代わりに<日本が独自の軍隊を持つこと>もあり得る」とし「アジアにおける戦略的均衡の変化には最大限の注意が求められる」と指摘した。


(関連情報)

◆昔の日本を取り戻すなんちゃって〜、オジャラケてる場合か?安倍ちゃんよ! ⇒ もはや出口なしのフクシマ、日本、世界ダ〜!!Fukushima leaks: Japan ponders freezing ground CNN NEWS

・・・「つまるところ、毎日毎日400トンの水をかき集めて長期間貯蔵するなど、そんなことをいつまでも続けられるはずがないのです。」フリードレンデル氏がこう語りました。

・・・アメリカ最悪の原子力発電所事故となったスリーマイル島の場合、合衆国政府の担当部局は汚染水の問題について、蒸発させる措置を実際に採用しました。

・・・しかし福島第一原発事故は、スリーマイルとは比較しようが無いとフリードレンデル氏が語りました。「私たちはこの先どうなるかわからない、まさにそんな場所に追い込まれてしまったのです。」
http://edition.cnn.com/2013/08/07/world/asia/japan-fukushima/index.html?iref=allsearch

◆韓国の司法判断と五十歩百歩の安倍政権「集団的自衛権」論議(森功のブログ、より転載)http://urx.nu/4Qq9

・・・つまり、安倍政権が<政治責任逃れのイカサマ政治>であること、また安倍政権が<戦争の悲惨さ(戦争・戦闘行為の残虐な現場/夥しい数の戦死者と民間人の殺傷・殺戮、そして鮮血が流れ、内臓が飛び散る地獄である現実)を完全に無視していること>をズバリ指摘!!

・・・以下、当記事より 内容転載・・・

戦中の慰安婦や強制連行労働問題で、韓国の司法がこれまでの日韓基本条約と異なる判断を下し、両国の関係がますます険悪になっているのはご存じのとおりです。

韓国の被害関係者に不満があるのは理解できます。が、それなら本来、条約を結んだ自国の政府に損害賠償請求をするのが筋であり、それが叶わないからといって過去の国際条約を無視したような司法判断を下すのはいただけません。やはり司法の後進国といわざるをえません。

ただし、翻ってわが日本はどうかといえば、似たり寄ったりなのが集団自衛権の議論。友好国と一緒に他国を攻撃する、という憲法解釈に無理がある権利について、安倍政権がごり押ししようとしているとしか思えません。

是非はともかく、なら、堂々と憲法そのものを検討すべきでしょう。まさに、他山の石以て玉を攻べし、ではないでしょうか。

(3)ここにも正統保守ならぬ<安倍色のホンネ=内向きな追憶のカルトに染まった偽装極右派(正統保守ならぬ!)の暗愚>を支える嘘吐きクレタ人のパラドクスが滲み出ている!

⇒ 外交の裏付となる力を求めるため外務省(政府側)には集団的自衛権容認論が常に多かった。柳澤協二氏、フォーサイト、http://www.fsight.jp/19796 

<注記1>柳澤協二氏
・・・国際地政学研究所副理事長。1946年東京都生れ。70年東京大学法学部卒業後、防衛庁入庁。長官官房長、防衛研究所所長などを歴任。2004年4月から09年9月まで官房副長官補。

<注記2>「嘘吐きクレタ人の論理パラドクス」に嵌る「先制攻撃必要論」(平和のための戦争必要論)の暗愚 ← この暗愚のループから脱出するにはメタ次元の発想に基づく言説についての理解が必要となる!!

・・・「先制攻撃必要論(平和のための戦争必要論)」とは、そもそも「戦争が平和をもたらす」と言い募り、言い張るウソである。従って、それによって、仮に見かけ上の平和が一時的に出現するとしても、それ自体が大きなウソの一部であるから、やがて必然的に再び、より過酷な戦争状態が現れ、その流れは永遠に繰り返されることとなる。このようにして、「先制攻撃必要論」の帰結は「嘘吐きクレタ人の論理パラドクス」なる無間地獄の循環ループに必ず嵌る。

・・・

柳澤協二氏が述べる表題の意味を重ね合わせれば、以下の重要な問題点(超内向きの安倍政権の偽装極右派ゆえの暗愚な精神環境、およびその貧相なドグマ的発想の実相)が垣間見える。


●外務省と中枢政治権力(首相ほか)は戦争(戦闘行為)をリアルに直視せず、情念的・観念的に誇大妄想する傾向がある。一方、必然的に現実の苛烈な殺戮戦争の現場を担うことになる防衛省側は、常にそれ(戦争・戦闘行為の残虐な現場、夥しい数の戦死者と民間人の殺傷・殺戮、そして鮮血が流れ、内臓が飛び散る修羅の地獄)をリアルに凝視している。

●安倍政権が、閣議決定による憲法解釈変更のみで「安全保障基本法」を制定し、つまり「国内法」(国際条約ならず!)のみで決着させ、集団的自衛権容認へ突っ走れば、安倍政権の<対アジア戦略の偽装極右性>との間に潜在する大矛盾が一気に表面化することで、「米側との合意」問題が、思惑外の形でアポリア的に拗れ、過酷な戦闘に巻き込まれた無辜の日本国民が取り残される懸念が出現する。そして、その過酷なイメージはフクシマの惨状にも重なる!!

・・・以下、同記事より一部転載・・・

私が現職時代の話だが、防衛官僚が集団的自衛権に関して消極的な一方、外務官僚には、集団的自衛権容認論者が多かった。防衛官僚は外交により多くを期待し、外務官僚は外交の裏付けとなる力を欲しがるからだ。同時に、外務官僚は安保条約改定論議を嫌がる傾向にある。地位協定の見直しもからんで反基地闘争に火が付き、国会をデモ隊が包囲した60年安保の混乱の再来が予想される厄介な問題である。自民党も安倍政権も、閣議決定によって憲法解釈を変更したうえで「安全保障基本法」を制定して「国内法」のみで決着させ、日米安保条約の改定は全く考えていないようだが、もしそうだとすれば、その手法は大きな間違いだ。集団的自衛権とは、相手との合意があって成立する概念だ。防衛が国家主権発動の最も強力な形態である以上、求められてもいないのに他国の防衛に加担すれば、それは違法な武力行使とならざるをえない。・・・以下、省略・・・

(4)【同じ愛国ロマン派の伝統でも、世界と共感し得る脱原発の決断に結びついたメルケル「正統保守」のドイツ、戦前型イロニカル(傍観型)弱者の観念(追憶のカルト、奴隷の思想)を引きずる安倍晋三ら偽装極右派の空気に飲み込まれる日本の悲劇!!】

⇒ 戦前に広く支持された保田与重郎が代表する浪漫(ロマン)派が情緒たっぷりに醸してみせた伝統の絶望的諦観の美学に嵌り、心底から「それに深く酔い痴れた忠君愛国の大衆層ソックリの人々」が湧き出す「現代日本の異様」の背景
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=424975644286397&set=a.110630322387599.11985.100003218947947&type=1

・・・ナチスの戦争犯罪を全国民層の分に応じて反省するヤスパース流の戦争総括に成功したドイツでは、保守伝統のドイツ・ロマン派精神を引き継ぐ人々の国土愛から反原発の「緑の党」の意識が1970年代に発芽し、やがてその“緑の意識”は左翼と極左をも巻き込む形で発展し、中道右派メルケル首相(ポーランド系ドイツ人)がポスト・フクシマで「脱原発を決定する原動力」となった!やはり、現代日本の底なしの混迷と倒錯政治への急傾斜(アナクロ靖国英霊主義&原発ゾンビたる偽装極右派、安倍ナチスもどき政権の誕生!)の元凶は、太平洋戦争の総括が不徹底であることだ!!

・・・『以下』は、安倍晋三ら政権中枢を制覇した偽装極右一派の思惑どおり「“未来の子供達のため進んで戦争を!”と叫ぶ倒錯精神に深く嵌りつつある国民層の異様な風景/終戦記念日の靖国神社周辺「テレビが映さない光景」水島宏明 | 法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター 2013年8月16日 13時21分] http://urx.nu/4OyC より部分転載。・・・

『休憩所の近くでは、軍歌を次々に歌っている数人の輪があった。80代の老人の姿にまざって、若い女性の姿もある。すべての歌を老人たちと一緒にそらで歌っていた。聞けば25歳のOLで鳥取県から終戦記念日のために上京したという。同じようにそらで全曲を歌い続ける高校生ぐらいの男子もいた。「学校では本当の歴史を教えてくれないことに気がついた」のが団体に参加したきっかけだったという。・・・20代のカップルがまるでデートの延長のように楽しげに歩いている。30代のサラリーマン風の男性に話を聞くと、政治に関心があり、「日本維新の会」を支持していると話す。列の中頃では、60代70代の男性たちが「海ゆかば」をアカペラで熱唱していた。かつて出征する兵士を見送った曲だ。』(某TV番組で、若い母親が“私には1才の赤ちゃんがいるが、この子の未来のためにも、日本を守るためにも、先制攻撃力のある国防軍と原発再稼働が必要だと思う!”と語るのを見て(これは例外だろうと思いつつも、着実にアベ式戦前型“密教”テロリズム論による国民の洗脳が進みつつある場面を見て)愕然とした!←toxandoria、補足)

(エピローグ)

■“右翼”というよりも安倍首相ら“偽装&倒錯”愛国極右派(日本伝統の万世一系現人神天皇をめぐる“密教”テロリズムを引きずる追憶のカルト)のgaffe or fool-hardyぶりにはホトホト呆れる!中国のみならず韓国・北朝鮮・アジア諸国・太平洋諸島・北中南米諸国・欧州諸国等にフクシマ由来の汚染が少しでも出たら一体どうするつもりなのか!?賠償金・保証金問題は超天文学的な数字となるのは必定ではないか!ヤレ靖国英霊だとか何たらかんたらのイデオロギー的に今や殆ど無意味な<サヨVsウヨ対決型>の煽りプロパガンダ合戦にうつつをぬかして、日本国内で超内向きのアナクロ・バトルをやってる場合なのか?!<注記>参考画像『太平洋を漂う放射能』は、 http://urx.nu/4OGX より転載。

⇒ 金子勝 @masaru_kaneko福島第1原発からの汚染地下水の海への流出に関して、中国国家海洋局第3海洋研究所が、中国の管轄海域各地のモニタリングを開始した。当然、まだ影響はないが、このままいって、もし少しでも出たら大変なことになる。日本の右翼に危機感が足りないのはなぜ?http://urx.nu/4OGF via web2013.08.16 12:48只のオッサン(脱原発への急転向者)さん
 

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コメント
 
01. 2013年8月22日 22:02:22 : Pfu7P55OPM
安部政権の本質をどんなに暴こうと、米国と安部政権の仲をどんなに裂こうと、
中国は尖閣諸島を取りに来ない。北朝鮮と同じで口先だけで大言壮語を吐くだけの
臆病者だとは思わなかった。
核兵器使用どころか漁民1人さえ尖閣に送り込めない腰抜けだとは想像も出来なかった。

日清戦争や日中戦争で全戦全敗の逃亡兵ばかりでも、中共の人民解放軍は士気高く勇気
溢れる戦士だと思ってたが口先だけ威勢が良い日本を恐れまくる臆病者だった。

アメリカの失望が解る。アメリカは中国が攻撃できるように中立を装い、共産党幹部の
海外預金を保護し家族のアメリカ滞在を許可し、たとえ民衆暴動が起ころうといつでも
アメリカに逃げて来れるように保護まで与えているのに。

チベット人やウイグル人のように武器を持たない人種にはいつも機銃掃射で勝利する
のに、日本人相手には怖くて銃弾一発撃てないとは。アメリカ経済が一気に回復すると
思ったのに......


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