★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK152 > 815.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
話題を呼ぶ「ナベツネ書簡」 消費税増税は政局化する 高橋洋一 (ダイヤモンド) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo152/msg/815.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 23 日 00:13:01: igsppGRN/E9PQ
 

http://diamond.jp/articles/-/40565
2013年8月22日 高橋洋一 [嘉悦大学教授] :ダイヤモンド・オンライン


 編集部から、本コラムとは別に「消費税増税は是か非か」という、どちらかといえば経済政策論の観点からの論考を依頼されているので、今回はそれを補完する政治的な見方を述べたい。

■ナベツネが出した暑中見舞い

 ナベツネの書簡が話題になっている。マスコミには報じられないが、渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役会長が、8月上旬、政治家宛に書いた暑中見舞いの手紙だ。前半は、東京ドームのジャイアンツ戦のチケットを同封するので使ってもらいたいとか、軽井沢で7日連続のゴルフをしたとかほのぼのとした話題である。

 しかし、後半では、「なお、年末に向けての政府の最大課題の一つは、消費税の実施時期の問題です」ではじまり、「アベノミクスの失敗は許されません」、「伝統的な財務省の早期財政再建至上主義よりも、異次元の方策があります」とし、「8%を中止し、10%に上げる時に、軽減税率については生活必需品は5%にとどめること」が提案され、「近く小生としても詳細な具体策を報告するつもりです」と結ばれている。

 渡辺氏が政界に多大な影響力があるのは周知の事実だ。その渡辺氏が広く知られることを前提にした手紙を政治家に出すのだから、ただ事ではない。

 渡辺氏が率いる読売新聞は、消費税増税の積極グループの一番手だ。2010年11月、読売新聞は元財務次官の丹呉泰健氏を社外監査役として受け入れている。読売新聞としては異例のことだ。そのとき、巷で噂されたのは、マスコミは消費税増税を応援するが、軽減税率の対象として新聞を入れるというものだ。

 ところが、来年4月からの消費税増税の決定がずれ込み、とてもそれまでに軽減税率まで準備できそうもない状況になってきた。そこで、軽減税率の適用なしで、5→8%への増税が決まっては、新聞業界もたまったものでないだろう。同時に、新聞は消費税増税に賛成しながら、自分のところは軽減税率を受けるのではあまりに身勝手という批判を、とりあえずかわしたい。そこで、5→8%はやめて、15年10月に5→10%にして、同時に軽減税率を整備して新聞を適用させればいいと、ナベツネの書簡は言っているわけだ。

 こうした政治的な実力者が動き出すと、政治的な展開がガラッと変わってくる。これが政治だ。週刊ダイヤモンド8月24日号で「この期に及んで議論が沸騰 「消費税増税見直し」のリスク」という記事があるが、政治とはそういうものだ。

■見直し議論自体は正統なもの

 もっとも、政治では手続きが重要だ。今行われている見直し議論はキチンと法律に則ったものなので、議論としては正統性がある。

 というのは、昨年8月に成立した消費税増税法附則18条で、第1項は「消費税率の引上げに当たっては、……名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を目指した……必要な措置を講じる。」、第2項は「成長戦略並びに事前防災及び減災等……施策を検討する。」とし、第3項で「この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条及び第三条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前二項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」と書かれており、この第3項に基づく判断をしているからだ。

 安倍首相が、昨年の消費税増税法案に賛成したからといって、来年4月からの消費税増税に無条件に賛成すべきというのは言いすぎだ。昨年の消費税増税法の附則18条第3項に基づき、「その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」かどうかを議論しているだけだ。

 もっとも、政府が増税凍結法案や増税見直し法案を秋以降の国会に提出しない限り、来年4月から消費税増税になるのも正しい。

 また、「消費税増税しても景気は落ち込まない」と増税論者はいうが、これはある意味で間違っていない。というのは、増税した分をみな財政支出または減税措置すれば、景気は消費税増税で落ち込んでも、財政支出または減税措置で戻るからである。これは、消費税増税法附則第18条第1項と第2項で書かれている政府の「必要な措置」または「施策」である。ちょっとしたジョークのような話であるが、減税措置として消費税減税もありうる(=消費税増税しないこと)ので、是非やってほしいところだ。

■予想される壮大なバラマキ

 この附則第18条第1項と第2項を根拠として、壮大なバラマキが消費税増税対策として行われるだろうが、あくまで法律上の問題はない。おそらく官僚は法律で決まっていることだから、堂々と族議員向けのバラマキを行うだろう。実際、消費税増税後には、大型補正という話も出ている。

 それでは、財政再建にならないという意見もでるだろうが、そもそも消費税増税法の正式名称は、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」となっており、財政再建が目的ではない。

 財務省が野田政権時代に敷いたホップ、ステップ、ジャンプの増税路線のうち、今回の消費税増税はステップなのだ。2011年9月8日付け本コラム「増税一直線の野田政権に告ぐ 増税に代わる財源を示そう」を見てほしい。「今回の増税では不十分で、さらに消費税増税が必要」、つまりジャンプがあるという人はいかに財務省に洗脳されているかがわかる。

 いずれにしても、「消費税増税しても景気は落ち込まない」とか「今回の増税では不十分で、さらに消費税増税が必要」という詭弁は、今回消費税増税を政治的にストップすれば、消え去る。

■問われる安倍首相の判断と力量

 安倍首相が政治的に増税の是非を決定するためには、党内を説得しなければいけない。自民党内には、税調があり、税制では絶対的な力を持っている。その会長は財務省出身の野田毅氏で消費税増税推進論者だ。彼だけではない。自民党内には、昨年の衆院選や今年の参院選で、大量の族議員が復活している。附則第18条第1項や第2項の「アメ」がぶら下がっているのに、消費税増税を諦めるのは、政治的には族議員はできない相談だ。

 しかし、政治家であれば、できないことをやりたくなるものだ。特に、安倍首相としては3年後まで大きな国政選挙はないので、そのパワーを見せつけて、悲願の憲法改正まで持っていくプランがあるだろう。

 そのためには、党内政局になっても勝てるというだけのパワーが必要で、世論の後押しも絶対に欠かせない。世論調査では国民の多数は今の消費税増税を望んでいない。つまり消費税増税は格好の政局案件なのだ。小泉首相が「消費税増税はしない」といって長期政権を達成したように、安倍首相も同じ手を使う可能性は政治的にはあると思う。

 長期政権は、官僚を上手くコントロールしないと無理だろう。民主党の野田政権は完全に財務省のいいなりで沈んだ。第一次安倍政権は過度に官僚と敵対してやられたという説があるが、官僚のやりたい放題を許していてはダメだろう。

「官僚的な保守的論理を打破する」

 ナベツネ書簡の最後にある面白い個所だ。もちろんこの書簡は、消費税増税の出来レースの中でのアリバイ作りかもしれない。しかし、これは、消費税増税が政局になっていることを如実に示している。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2013年8月23日 00:39:11 : 8VFdc7bWGE
こんな80才を超えた爺に日本の税金のあり方がふりまわされる。
情けない奴ら。

新聞の軽減税率など許してはいけない。
ほとんどの国民は新聞が軽減税率を主張していることさえ知らない。
本当の情報を拡散しよう。


02. 2013年8月23日 00:56:17 : sUpHQ8Q75g
> 伝統的な財務省の早期財政再建至上主義


この爺さん痴呆が相当進んでるのか

財務省だけじゃなく中央官庁の守銭奴厄人どもは財政再建なんか全く眼中に無い
××機構とか何やってるのか判らんものをバカスカ作り
ジャンジャカ天下りして椅子に座って茶を飲んでるだけで高給と高額退職金の毎日

特殊法人のうち90%は潰しても国民は何も困らん
本当に財政再建したいなら明らかな無駄金を止めにゃならん
いくら税収が上がっても借金返済に向かうわきゃない


03. 2013年8月23日 06:28:42 : mtW1u7isSw
>いずれにしても、「消費税増税しても景気は落ち込まない」とか「今回の増税では不十分で、さらに消費税増税が必要」という詭弁は、今回消費税増税を政治的にストップすれば、消え去る。

こういう話になると必ず出てくる「増税をしないと世界から見放される‥」とかも消えてくれるかな。


景気の落ち込み云々についてなら、
小泉政権のときそうだったように、首都圏や一部の地域が潤っても、地方はさっぱりだった。
それどころか、貧富の格差が一段と開いて、国はますます疲弊した。
そんな一部の奴らのための増税なぞ、真っ平ご免だよ。

社会保障という誰も文句をつけられない施策を利用して、官はますます肥大化している。
このままなら、早晩10パーセントの税率でも足りなくなる。
その時また、世界から見放されるゾと脅して、増税するのだろうね。


04. アサマタロー 2013年8月23日 11:00:25 : UiY46YlCu.Moc : RZg3uY30MQ
消費増税よりも相続税増税と物品税復活だ。消費税は5%で打ち止め!=これが日本人の最低納税義務で良い!

ナベツネからしっかり、相続増税で1000兆円の国の赤字の回収をすべきだ。読売偽装株主問題はどうなった?西武・堤義明だけの問題では無かったはずだ。

福一原発推進者のナベツネから補償原資を回収するのが国民の権利だ!

文学部出が政治に口出しする国は日本の様に可笑しくいなっている。筋書き書き=陰謀論者が多い。ナベツネは人相で分かる様にその権化だ!


05. 2013年8月23日 22:22:08 : YxpFguEt7k
太田かずみ氏
「最近、消費増税について慎重派の発言が報道で良く取り上げられるようになった。世論調査でも「十分国民の理解が深まっているとは言えない 」と報道。まるで来年の増税を阻止したいかのように。
 そうです、マスコミは来年の増税時に軽減税率導入が間に合わないとなると慎重派にシフトした。」
https://twitter.com/ota_kazumi/status/369622910098345984

結局、新聞社も財務省に騙されたということですかね。


06. 加藤治郎 2013年8月24日 19:11:38 : YcW.dtwfw8ytA : fTwtthSQqg
財務省にねじを巻かれて踊らされている、茶坊主、あほう太郎や甘利、野田毅の財務省のポチを、跳ねのけて、安倍氏には、消費税の先送りをお願いしたい。景気が盤石になり、軽減税率が充分、整ってから、一気に10%に上げてもいいではないか。
頑張れ、安倍晋三!

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

 次へ  前へ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK152掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK152掲示板
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧