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「他の省庁と異なる法務省の特殊性」(EJ第3619号) (Electronic Journal) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo153/msg/136.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 27 日 08:00:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://electronic-journal.seesaa.net/article/373017202.html
2013年08月27日 Electronic Journal


 退任記者会見で小川元法相が指揮権発動の話をした次の日の新
聞は、小川法相への非難の嵐だったのです。しかし、報道は一回
限りで、以後は一切なかったのです。法務省としては、この話題
は何が何でも隠蔽したかったからです。

―――――――――――――――――――――――――――――

     「慎重さ欠く『指揮権』発言」
     「指揮権発動発言 あまりにも軽すぎる」
     「法相の指揮権 見識欠く危うい発言だ」
                      ──小川敏夫著
   「指揮権発動/検察の正義は失われた」/朝日新聞出版刊

―――――――――――――――――――――――――――――

 これらの報道は、法務官僚が法曹記者クラブにリークして書か
せたものです。小川氏がある新聞社の論説委員に聞いたところ、
「現場(法曹記者クラブ)が、こう書いてくれなければ困る」と
編集部に必死で頼んできたそうです。

 法務大臣の持つ最高の権限である「指揮権」について考える前
に法務省がどういう役所なのかについて知っておく必要がありま
す。なぜなら、この役所ほど、一般国民の知らないことが多い役
所はないからです。

 小川敏夫という政治家は、裁判官、検察官、弁護士の3つを経
験している珍しい存在です。弁護士や検察官出身の政治家は多数
いますが、裁判官までやっている人はあまりいないからです。そ
ういう意味で、小川氏の本を読むと、一般には知られていない法
務省の特殊性が見えてきます。

 まず、裁判官、検察官、弁護士の関係について、小川氏は次の
ように解説しています。

―――――――――――――――――――――――――――――

 裁判所は、一般的には検事の証言を重要視する。裁判官と検事
 は、弁護士と同じ司法試験に合格して法曹資格を取得した者の
 中から任命される。しかし、弁護士はビジネスであり、いわば
 金儲けだ。検事は、金儲けを捨てて社会正義を実現する信念を
 持った者が任官する。裁判官から見れば、検事は自分たちとは
 職は違っても社会の正義を実現する同じ仲間なのだ。
                ──小川敏夫著の前掲書より

―――――――――――――――――――――――――――――

 ここで重要なことは、裁判所は検事の証言や証拠を最も重視す
るという点です。裁判所は検事を社会正義を実現する信念を持つ
仲間と考えるからであり、それだけ弁護側は不利になります。

 この関係が成り立つのは、検事は不正なことは絶対にしないと
いう前提が必要です。しかし、最近の検事を見ると、必ずしもそ
うであるとはいい切れないのです。陸山会事件の秘書裁判は、こ
の関係が悪い方向に働いていると思います。これはきわめて由々
しき問題です。

 続いて、法務省と検察庁の関係です。これについて、小川氏は
次のように述べています。

―――――――――――――――――――――――――――――

 検察庁は法務省に属する組織だが、独立性を与えられた組織で
 ある。この両者の関係はどうなのかといえば、「一体」とみな
 していいだろう。法務省は、事務次官、官房長といった最高幹
 部をはじめ、幹部職員のほとんどが検事で占められている。そ
 して検事の最高ポストは検事総長である。ほかの省庁と違って
 法務省最高ポストの事務次官は、検事総長に上り詰めるまでの
 一つの通過点でしかない。主要な人事も検事総長が主導する。
 事務次官が必ず検事総長になれるわけではないが、事務次官か
 ら地方の高等検察庁検事長に転出した後に東京高等検察庁検事
 長に納まれば、「検事総長」のポストを待つことになる。
                ──小川敏夫著の前掲書より

―――――――――――――――――――――――――――――

 驚きなのは、法務省の最高幹部や幹部職員のほとんどが検事で
あるということです。これはある意味において当然のことですが
一般には知られざることです。

 それから、各省庁の事務次官といえば、その官僚組織のトップ
ですが、法務省の場合は、トップは検事総長であって、法務省の
事務次官は検事総長の待ちポストであるということです。これに
よって法務省はかなり特殊部落であるといえます。

 それでは「検事総長」とは何者でしょうか。検事総長には2つ
のルートがあります。

―――――――――――――――――――――――――――――

           1.赤レンガ派
           2.叩き上げ派

―――――――――――――――――――――――――――――

 「赤レンガ派」とは、法務官僚を務めた検事が事務次官を経て
検事総長になるケースであり、現在の小津博司検事総長がこのタ
イプに該当します。なぜ、「赤レンガ」かというと、法務省の建
物が赤レンガ造りであるからです。

 「叩き上げ派」とは、検察現場上がりの検事総長です。小津検
事総長の前任の笠間治雄氏はこのタイプの検事総長です。これま
での叩き上げ派の代表格は、今年6月23日に亡くなった吉永祐
介氏です。東京地検特捜部副部長のときにロッキード事件を仕上
げた名検事総長といわれています。

 法務省はこういう役所なのです。普通の行政官庁であれば、大
臣の権限は絶対です。大臣に力があれば、事務の中身についても
自ら指示ができるのです。

 しかし、法務省の場合、組織上は検察は法務省の一部組織では
ありますが、法務大臣が直接指示できないようになっているので
す。なぜなら、刑事捜査や公訴の提起と遂行が、刑事司法に準じ
る位置付けになっているからです。つまり、独立性が保障されて
いるといえます。

 かつてある法務大臣が「法務大臣なんか誰でもできる」といっ
て罷免されましたが、あまり積極的にやろうとしなければ、誰で
も大臣が務まる役所なのです。── [自民党でいいのか/41]

≪画像および関連情報≫
 ●小川敏夫著『指揮権』/朝日新聞出版刊の書評/栗下直也氏

  ―――――――――――――――――――――――――――

  「指揮権」。政治経済の教科書に出てくる「あれ」である。
  検察は独立性を保障されているが、法務大臣は個々の事案で
  は検事総長を指揮できると検察庁法14条は規定している。
  過去に発動されたのは戦後一度のみ。1954年、世に言う
  「造船疑獄事件」で、後の首相である佐藤栄作氏に対する逮
  捕状請求を当時の法務大臣が無期限に延期するように指揮し
  た。その指揮権が実は50年以上の時を経て、昨年6月5日
  に発動される可能性があった。当時の法務大臣は野田佳彦首
  相(当時)に指揮権発動を打診、準備を整えていたが、指揮
  を決めていた一日前の4日に解職される。「本当かよ」と思
  われる人もいるだろうが、本当だ。本書の著者は当時の法務
  大臣である小川敏夫氏なのだから。(中略)指揮権発動を検
  討するとは、どれほどでたらめだったのかが気になるところ
  だろう。そこが本書の読みどころのひとつである。本書には
  でたらめだらけの報告書、取り調べを一部隠し録りしたデー
  タをテキスト化した文書の両方が掲載されており、読み比べ
  られる。もちろん、捜査報告書のずさんさは著者が本文内で
  端的に指摘しており、検察のめちゃくちゃな行動が白日のも
  とにさらされている。いずれの文書も読まなくても理解でき
  るのだが、隠し撮りの文書は本書全316ページ中134ペ
  ージもあるのだから嫌でもペラペラとめくりたくなる。私の
  ような暇人にはたまらない。「検察は取調べ対象者からこの
  ような誘導で言葉を引き出そうとしているのか」など敏腕検
  事の手の内を見られるだけで純粋に興味深い。
                   http://honz.jp/25713


 

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