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増税先送り示唆後の増税決定は最悪の政治行動 (植草一秀の『知られざる真実』) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo153/msg/155.html
投稿者 笑坊 日時 2013 年 8 月 27 日 19:45:19: EaaOcpw/cGfrA
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-a690.html
2013年8月27日

消費税増税の決定的な問題は次の二つだ。

ひとつは、庶民に巨大な重圧を押し付けるほど、日本の財政がひっ迫して異なこと。

二つめは、これと表裏の関係になるが、庶民に巨大な重圧を押し付ける前に、巨大な無駄である官僚利権を切ることが優先されるべきこと。

復興予算の流用も指摘され続けているにもかかわらず、一向に廃絶される気配がない。

8月13日付東京新聞=中日新聞は政府支出の無駄の一部を紹介した。

事業所内保育施設へ政府が助成金を出したうち、81施設が休廃止し、8億4000万円がムダ金になった。

失業者の職業訓練で専門学校に国が委託費として支払った授業料が通常より高い単価で契約され、5億5000万円が過払いだった。

被災地と関係のない中部電力に浜岡原発停止に伴う燃料代購入支援に20億円が支払われた。

枚挙にいとまがない。

そのすべてが、財政資金に群がる利権集団による血税の収奪である。

つまり、消費税増税の論議はタイミングの問題とか、景気との関連の問題ではなく、そもそも、その出発点における優先順位の設定が間違っているのである。

まずは、官僚利権を切る。

増税以外の方法での財政再建を図る。

これらをやり尽くしたうえで、国民負担を考える。

その際に重要なことは、国民負担を誰にどのように求めるべきかを十分に検討することだ。


消費税増税の論議を行う際、いつも出てくる議論が二つある。

将来の世代につけを残すな。

社会保障の安心を確保するには消費税増税が必要だ。

しかし、私たちは、このような「欺瞞」に騙されてはならない。

将来世代につけを残すべきではないことも、社会保障の安心を確保することも、どちらも大事な課題だ。

これを否定する考えはない。

問題は、政府と財務省がこのような主張を示しながら、現実にはその正反対の行動を示していることにある。

「将来世代につけを残すな」と主張する者が、どうして、安全性が確立されていないことが立証された原発再稼働を推進するのか。

将来世代のリスクを無視して、いまの利益をむさぼっているだけではないか。

社会保障の充実のための消費税増税を言いながら、具体的に示される社会保障改革とは何のことはない。社会保障を切り刻むことでしかない。


70〜74歳の高齢者の窓口負担が2割に引き上げられる。

公的医療保険制度の最後の砦である「高額療養費制度」が切り込まれ始める。

高額療養費制度とは、高額療養費の負担について、所得に応じて負担上限を設定し、上限以上の療養費を公費が負担するものだ。

この制度があるために、疾病の際の療養費負担が可能になる。

米国が日本で販売を拡大させようとしている民間医療保険商品は、ここに狙いをつけたものだ。

保険会社としては、重病で高額医療費の支払いが必要になる際に、公費で助成が行われないことが望ましい。

公費の助成がなくなれば、人は病気で高額医療が必要になる場合に備えて、民間の医療保険商品を購入しなければならなくなるからだ。


もう一つ、米国の保険会社が邪魔な存在と考えているものがある。

それが、かんぽ生命と各種共済制度である。

米国がクレームをつけているのは、かんぽ生命の後ろに日本政府が控えていると、消費者がかんぽ生命を信用して、かんぽ生命の保険に加入してしまうことだ。

郵貯やかんぽは日本の歴史の中で、日本の国民に愛され、定着してきた日本の伝統、文化でもある。

米国の保険会社の商売の邪魔になるからこれを取り除けというのは、筋違いも甚だしい。

ところが、いま、安倍政権はこの米国の要求をそのまま受け入れ始めているのだ。

米国の保険会社が日本で保険商品の販売を伸ばそうとするときに、何が一番の障害になるか。

それは、米国の保険会社が日本で販売網を持たないことだ。

テレビで大々的に宣伝しても、現実に販売の窓口がなければ、保険商品の販売を飛躍的に伸ばすことは難しい。

このために、安倍政権は、全国津々浦々まで張り巡らせた郵貯の窓口を米国保険会社のアフラックに上納することを決めたのである。

属国外交そのものが展開されている。

社会保障の充実と言いながら、現実に進んでいるのは、社会保障の切込みだけなのである。

この現状を踏まえれば、消費税を大増税しても、決して日本の社会保障が充実するということはあり得ない。


いま進んでいる現実とは、庶民には消費税の巨大負担が押し付けられる一方、庶民の生活の安定をもたらす社会保障は無残に切り刻まれ、その一方で、財政資金に群がるシロアリやハイエナ、あるいはハゲタカへの血税提供だけが拡大の一途をたどるという姿である。

メディアは詳細を伝えないが、社会保障改革会議が提唱している社会保障制度の改変は、そのすべてが、社会保障の切込みなのである。

この問題が、これからの日本の政治対立の軸になるものである。

「弱者切り捨て」=「弱肉強食奨励」=新自由主義の道を目指すのか。

それとも、

「分かち合い」=「助け合い」=「強制重視」=修正資本主義の道を目指すのか。

この選択が問われている。


 

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コメント
 
01. 2013年8月27日 22:44:15 : YxpFguEt7k
※5月の記事です
ガン保険や医療保険などの第3分野は、アフラックやアリコなど米国勢の独壇場となっている。
…5年前に破綻したアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が、米政府支援の18兆円を完済して普通の会社に復活したことだ。同社が回復をアピールする格好の場所として狙っているのが日本市場。当然、主戦場と位置づけるガン保険で攻勢をかけるのは明らかである。
http://npn.co.jp/article/detail/34041552/

アリコとAIGも狙っているのですかね。「保険金はキチンと支払われているか」などさらに厳しく監視をつづけましょう。
ダメなようなら、「あの会社はオカシイ!」と声をあげていきましょう。

植草氏、がんばってください。応援しております。


02. 2013年8月28日 19:11:47 : YxpFguEt7k
徳武聡子氏
「生活保護基準は、私たちの生活の岩盤。これまでは基準は需要を元に決めることになっていた。需要とは消費水準、一般国民との消費水準との均衡を図って6〜7割としていたのが、いつの間にか下位10%の低所得層との比較になった。
 しかもそれでは90億円しか減額できないので、いきなり物価連動で580億を引き下げることになった。
 自民党の政権公約10%引き下げを実現するために、基準部会の議論を無視した。基準部会は「消費」をずっと考え来て「物価」は全く考慮しなかった。しかし、一般世帯と生活保護世帯の家計構造は違うのに、一般世帯の物価と同じように考えた。一般世帯はパソコンや家電の物価下落の影響を受けている。しかし、食料品、光熱費、公共交通機関は下がっていない。円安の影響で物価が上がりつつあり、電気代も上げようとしている。そういうときに、過去の下落(これ自体おかしいが)を理由に引き下げて良いのか。
 物価を比較する時期もおかしい。政府は2008年と比較、この年は原油高の影響でピンポイントで物価が上がった。本来は前回の基準変更があった2004年と比較すべき。2008年との比較では物価は急落している。」
https://twitter.com/Satoko_Tokutake/status/372654361844793344
https://twitter.com/Satoko_Tokutake/status/372654909704773632
https://twitter.com/Satoko_Tokutake/status/372655202874060800
https://twitter.com/Satoko_Tokutake/status/372656219061624832

「生活扶助相当消費者物価指数(生活扶助相当CPI)」の問題ですかね。これも社会保障を削るための方策でしょうか。
基準部会を無視し結論ありきの政治をするなら、そんな会合など意味はないし、独裁のそしりは免れないでしょう。


03. 2013年8月29日 01:39:16 : gMGrZ6nqkJ
>庶民に巨大な重圧を押し付ける前に、巨大な無駄である官僚利権を切る

財界利権の方が巨大でしょう。財政破綻だ、と言いながら法人税の減税は狂っている。なんで、この人は富裕層増税に目が向かないのだろう。富の集中を防ぐためのシャウプ税制が崩れているのは知っているはずなのに。


強制重視→共生重視


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