アメリカ議会も、大統領権限の範囲内の武力行使として理解し、アメリカ国民の支持の有無は問題にしない。

弾道ミサイルを200発ほどぶち込むらしい。

反政府側の中にアルカイダと関係のある、あるいはアルカイダを支持すると考えられるグループが存在するため、一気に内戦に決着を付けてしまうほどの攻撃には躊躇している。

安倍の発言はアメリカの歓心を買うために踏み込んだ発言をしたのだろうが、国際社会はなんの関心も示してないようだ。情報もないのに「決断」できる果断さは、バカであることの証明だろう。

で爺

ポイントは、英米とその同調国がアサド退陣を主張する一方で、誰もが政権転覆後の不安が払拭ができないままでいることだ。矛盾はここに存する。

アメリカの「政府」の方は、アサド退陣を主張してはいるものの、退陣させた後にシリアをどうしていくか、もちろん親米政権を希望しているのは当然としても、そのための道筋を説得力のある形で国際社会に示すことができないでいる。これでは戦争と復興・民主化の負担を分担させられる同盟国、および、戦争後速やかな安定を望む周辺国も、「退陣」では意見は一致できても「いつ」については意見の一致を見いだすことが難しい。したがって現状ではフルスケースの戦争に国際社会の理解支持が得づらい。

アメリカの「国民」のほうは、独裁制打倒、内戦終結、民主化、中東地域でのアメリカ国益維持をより強固にするといった戦争の大義自体に反対するものは少ないだろうが、10年単位の長い時間と莫大な費用を要する復興・民主化のための負担とその実現可能性とをかなり懸念している（米国内の世論調査によれば、過半数が武力行使に反対）。よって、アメリカ議会の承認を必要とするような60日以上の武力行使を行うことは難しいし、国民の理解支持がないままでは議会に莫大な支出を承認してもらうことも期待できない。これもフルスケールの戦争に踏み切ることを難しくしている。

これに加え、反政府勢力に反米勢力が含まれていることも政権転覆への反対論として有力なものとなっている。政権転覆後にどのような勢力が政権をとるか予見しがたいからである。

以上に述べたことにより、今回の武力行使が政権転覆を意図したものではないとは「筋論」や「詭弁」というより、国際情勢、アメリカ国内の所与の条件から来る合理的判断であることいえる。というよりむしろ、アフガニスタン、イラクでの実績の悪さに起因する厳しい制約といってもいいだろう。

安倍についてだが、発言を「化学兵器使用については、断固これを非難する」程度にとどめておけば、日本の協力を高めに国際社会に売りつけることができただろう。しかし、これを先走って退陣要求までしてしまったら、戦争自体の負担はおろか、復興時の負担までも誰も要求してないうちから申し出てしまったようなものではないか。今後、アメリカは日本に一切の相談をする必要も感じずに事を進めていくだろう。自ら国際社会のプレーヤーとして参加することを放棄するとは愚の骨頂である。これが「主張する外交」というなら酷すぎる冗談だ。

血は争えない。

米国は旧日本帝国海軍の実験的空爆以外に他国による空爆を受けた事が無い。
その恐ろしさや忌まわしさを米国国民は未だに知らないといっていいだろう。
そいつらが選んだ大統領がまた他国の民を殺害する。

こんな事をしていると、いづれ、いつの日か米国本土が戦場となるかもしれない。