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<動画&文字起こし>11月11日・第一回目のTVジャーナリストらによる「特定秘密保護法案」反対会見(完全版)
http://www.asyura2.com/13/senkyo156/msg/702.html
投稿者 蔦 日時 2013 年 11 月 23 日 12:48:42: TYIQ1FZsKVr1w
 

TVジャーナリストらによる「特定秘密保護法案」反対 臨時会見11/11
(動画・すべて文字起こし)ブログ「みんな楽しくHappyがいい♪」
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3398.html
(右から、敬称略)
鳥越俊太郎
金平茂紀
田勢康弘
田原総一朗
岸井成格
川村晃司
大谷昭宏
青木理


各局の大物キャスターたち、錚々たるメンバーです。
このような記者会見が行われたのに、
TBSの夜11時のニュースでさらりと報じられていましたが、
ほとんどニュースで映像が流れていないのが気になります。
なので、文字起こし。私たちはちゃんと知っておくべきです。
TVジャーナリストらによる「特定秘密保護法案」反対会見【全】11/11


鳥越:
今回私たちで一応声明文を出していますので
金平さんからその声明文を読んでいただいて、
皆さんにその紙は渡っていると思いますが、一応説明をしていただいて、
それから金平さんのご意見も一応付けたしていただけると幸いです。
そして、段取りとしてそれから一人ずつご意見を頂くという形、
そして最後に質疑応答という事で3時までのは終わらせるつもりでいます。
それでは最初に金平さんからお願いいたします。


金平茂紀:
お手元に私たちは特定秘密保護法案に反対しますという声明文が渡っていると思いますが、
ご覧頂いたように黒塗りの部分がいっぱいあります。
この意味は、この法案が通ってしまうと、
「皆さんに配布される資料というのにはこういうものが出てきますよ」という事を、
私たちで想像して書きました。


で、呼びかけ人の中にですね、沢山黒塗りになった名前がありますが、
これは・・・今日この集会にですね、このアピールの呼びかけに来たいという人がいてですね、
「何らかの事情でそれを明らかにできないという人達がこれ位います」よ、という様な趣旨でこう書きました。


この声明文の書き方からみなさん、
いま何が起きているか?という事を想像していただきたいと思うんですが、
とりあえず、この、「特定秘密保護法案に反対します」というアピール文を読み上げます。
着席のママで失礼します。


私たちは日本のテレビ番組で情報を伝える仕事に関わっています。
私たちは今国会に提出されている特定秘密保護法案の法制化に対する強い危惧の念を共有しています。
国民の知る権利に行使し、行政機関や強大な組織が持つ権力の使われ方を、
国民の立場に立って監守することは、私たちジャーナリスムの一端を担うものに課せられた大切な役割です。
この法案が成立すると、取材報道の自由は著しく制限され、
ひいては国民の知る権利が大きく侵害される事になりかねません。


行政機関の情報公開は世界の大きな潮流です。


秘密の多い国は息苦しく、
非民主主義的な国家である事を私たちは過去から学んできたはずです。


この流れに逆行する特定秘密保護法案が法制化されようとしている事を
私たちは目視している訳には行きません。


きょう緊急にここに駆け付けた私たち以外にも、
多くの同調者がいる事を私たちは知っています。


これは始まりにすぎません。
2013年11月11日 有志一同。


鳥越:
えっと、それではこれから一人ずつご意見を頂きたいと思いますが、
あのまぁ、順不同ということで、青木さん方からお願いします。


青木理:
はい。青木理(あおきおさむ)です。
一番若輩者なんですけれども、順不同って、
これ「あいうえお順」で青木になったと思うんですが、わたくしから発言させていただきます。
えっと、これから先輩方がいろいろとおっしゃると思うので、
僕はちょっと手みじかに、非常に強い懸念を抱いています。
いろんな問題点があると思うんですけれども、
この法案の中で、僕は警察を長く取材してきたんですけれども、
テロ対策という、ま「テロ対策目的であれば秘密にできる」という文言が入っていてですね、
これがおそらく制定されれば、
「警察関連のほとんどの情報が特定秘密にされてしまいかねない」という感じを抱いています。


あの、僕は何年か前に公安警察の事を取材して、1冊の本を書いた事がありました。
これは僕は間違いなく今自信を持って言えるんですが、
この法律ができた後であればあの本はもう書けないと思います。
非常に強い懸念を抱いています、以上です。


大谷昭宏:
大谷昭宏(おおたにあきひろ)でございます。
諸先輩からこの法案の対応策というのは後々出てくると思いますので、
私も青木さんと同じで、長い事事件を担当しています。
21条の方で「報道の自由に配慮する」と、
「国民の知る権利に配慮する」というのは正当な業務であればしないと、
ま、「しない」とは書いていないんですけれども、「正当な業務と認める」と書いてあるんですが、


私が一番怖いのは、この21条に
共謀教唆扇動(きょうぼうきょうさせんどう)これは全て引っ掛かってくるという事になっています。
これは皆様方にお配りしている黒字のところをですね、


これを「黒字で伏せているところをちょっと教えてくれないか」という事を取材先に言えば、
それで「教唆」になるわけです。


で、「これは公共の福祉のために必要なんだから是非とも言ってくれ」という事を言えば、
これは「煽動」になるわけです。


つまり、私たちの取材全てが、この24条でひっかけられるという仕組みになっている。
この24条の教唆を引っ掛けるのは共謀罪の時にあったんですけれど、
いつの間にかこの法律の中にこっそりと潜り込まされて、
「共謀罪を見事にこれは復活させている」という事が言えようかと思うんです。


こういうきわめて狡猾な手口でやられると、
これは刑事訴訟法の281条の証拠の目的外使用の時に散々揉めたんですけれども、
時の権力というのは必ず「悪いようにはしない」というんですが、
みごとNHKがこの間、関西の一戦をクローズアップ現代で、
大阪地検からその資料を流した弁護士が懲戒請求されると、
最初のうちはすぐひっかけてくる事はしないんですが、
281条が出来てこれですでに7年経つと、みごとに引っ掛けてくると。
それが常道であるわけですから、
とてもじゃないけどこの法律は通せないという思いでございます。
以上です。


川村晃司:
川村です。
今の大谷さんの言葉に尽きるんですけれども、
この全文をそれぞれ読んでみますと、基本的なこの法律の構造が
「揺らしむべし知らしむべからず」という事をですね、感じる人が多いんではないかと思います。


とりわけメディアにおいて、「萎縮してしまう」という事が大変懸念されます。


「正当な業務による行為」
正当な方法によって取材するという事と、不当、不正な方法というのは、誰が判断するのか?
内容よりも、不当であるとか不正であるといいますと、
皆さん日常的に取材をされている夜討ち朝駆けという中でですね、
夜討ちをした時に「これは不当な行為である」と、「安眠妨害だ」というふうに言われた時点でしてですね、
「正当な取材方法ではない」とも解釈されかねない。
非常にその解釈の幅が広く取られていて、
メディアにおいて漏れるという事は、
メディアが書いて初めてそれが報道され秘密が漏れたという事が判断されるのであれば、
メディア規制を前提とした一つの法案の中身になっているとも言えると思いますし、


たとえば田原さんが公開の番組の場で、
「そういう事では無くてきちっと真実を述べて下さい」と閣僚に言ってですね、
「そういうことじゃダメじゃないか」と、「国民はもっと真実を知りたいんだ」と押し迫った時に、
それがある意味では「教唆」もしくは「煽動」という事にも受け取られるような
この法案になっているという事を考えますと、
これは、このまま法案が通過するという事における一つの意味というものを国民がどう受け止めるか?


今の時点でも、ま、世論調査ですけれども、
この法案については賛成よりも反対の方が多い。
「やはりそこには国民自身も違和感を覚えているのではないか」というふうに思う次第です。


岸井成格:
あ、岸井です。
皆さんおそらく大きな危惧を持っているその問題点というのは、共通していると思うんですけれどもね。
私にとって今日ここに座っている、また皆さんにこうやってお話をさせていただいている一つの気持ちは、
「後々とにかく後悔をしたくない」という気持ちからですね。


いろんな見方がありますけれども、
なぜ今この時期に急浮上して急いでこれを成立させようとしているのか?


まだ十分な裏付けが取れてはいませんけれども、やっぱり何らかの集団的自衛権の問題、
日本版NSCの、こういうものがセットになっていて、
おそらく最初はアメリカとの軍事情報に限られていた話だったんじゃないかなと思うんですね。


そこへいろいろなものが入ってきて、
どんどん一気に悪乗りしてこういう事をつくってしまったという感じが非常にするんですね。


皆さん同じだと思うんですけれども、まず一つ、特定秘密というのは何だ?というのが、
秘密の定義が全くありません。
そして定義が無いだけに範囲も曖昧です。
ですから、非常に、何でも秘密にしようと思えば秘密指定ができるような、そういう構造になっていますよね。
しかも秘密情報、それが何が秘密か?っていう事を書いていないうえに、
「その他の情報」っていうのがあるんです。
必ずそれがくっついているんですよね。


その情報についてまたさらに、
その情報を収集、整理する、そのことも秘密
そしてその能力も秘密。って、これなんの事かよく分かりませんよ。
そういう情報にまつわるもの全てが秘密になってしまうという、そういう恐れもありますよね。


ですから、最大の我々の立場で言えば、
危惧はみなさんがおっしゃるようにやっぱり21条なんでしょうね。
やっぱり全体に「取材報道の自由には配慮をする」という事で、
条文的にもいろんな事が書いてあります。
書いてありますけれども、これはあくまでも配慮条項ですね。
担保したものではないですね、法律的にね。


とにかく取材も「正当な取材、方法」と。
「正当な取材ってなんですか?」
誰がそれを判断するんですか?正当でないか正当か正当でないかですね。
しかも公益に奉仕する、資する。
そういうものである正当な取材であれば、
「これは正当な取材として認める」という、こういう言い方なんですね。


御存じのとおり、
その時の政府が考える公益と、メディアが考える公益と言うのは、しばしば違う時がありますからね。


だからそういうような判断も全てどこかに委ねられてしまうという事が一番大きいんじゃないかなと思います。
あとはいろいろと議論が出ると思いますけれども、
「検証の手段が全くない」という事なんですね。


それともうひとつ申し上げたいのは、
なんとなく「まだ、国民の関心が高まっていないな」と。
これは危機感を一つ持ちます。


それからもうひとつは国会及び国会議員達の意識の低さと言いますか、危機感が足りないんじゃないかなぁ。
これは間違いなく国政調査権も相当制限されますからね。
秘密会というところでやるとしても、
あくまでも全体を被せている定義は、「国家安全保障に支障がある情報」ですからね。


だからそういうものであれば秘密会にも出さないという事になります。
そうすると国勢調査もどこまでできるのか?と。
だから取材だけの問題ではないと。
国会にも相当な制限がいろいろかかるんですよ、
という事を国会議員のみなさんにも考えていただきたいなと思います。


田原総一朗:
田原総一朗です。
大きく分けて二つあるんですが、
一つは大谷さんがおっしゃった主題の問題です。
私なんかが国会に、特に総理大臣とかね、大臣を取材する時に、いろんなものを調べまして、
彼らのいままで言ったことに矛盾がある、その矛盾をつくと必ず弁解をいたします。
「弁解なんか聞きたかないんだ」と、
ね、この矛盾、
「あなたは本当はどうなんだ?」という事を聞いて、私は何人か総理大臣を失脚させたんですが、
これは多分「教唆煽動」になると思います。
あるいは、そそのかし、教唆煽動だよね、なると思いますし。


たとえばしょっちゅうみなさんもやると思いますけど、
オフレコで限定で自民党の幹部が一応官僚の幹部に会うと。
それでいろんな話を聞いて、
「名前は出さないよ、そのかわり財務省がこういう事を言っている、外務省がこういう事を言っている」
これは多分「共謀」になると思うんですね。
だから事実上これをやらないと取材ができない。


もうひとつ大きいのは、
実は自民党の国会議員がこの秘密保護法の事をよく分かっていない。
この間自民党の幹事長に、
「たとえばアメリカだとね、国立公文書書簡の局長が
「この問題はありだ」とか「これはおかしい」という事をちゃんとチェックできる。
あるいはアメリカには二重三重にチェックできる機関がある。


「日本には全く無いじゃないか!」と、
で、国会は国権の最高機関だけど、「国会にもチェックできないじゃないか」と。
「え?そうですか」
だからあなたは自民党の幹事長として、やっぱり政府に向かって、
「国会に少なくてもチェックする機関をつくるように提言すべきだ」と言ったら、
「そうですね」と。


でね、もっとひどいのは野党。
野党は初めからね、もう慣れ合い。
ね、岸井さん。


岸井:ん、まだそこまでは


田原:だって、反対なんだもの。


岸井:修正論ですね


田原:
もういきなり修正なんですよね。
で、ま、一つはマスコミが取材をしにくくなる、いやできなくなる。
もうひとつは、国会に、日本にはどこにもこれをチェックする機関がない。
この両方。
しかももっと大きいのは、これ、どこの国でも20年30年で全部公開するんです。
ところが内閣がこれを承認した場合には、永遠に公開しないと。
こういうばかばかしい法律はあってはいけないと思います。
以上。


田勢康弘:
田勢康弘です。
歴史的に見ても、権力というのはどの国でもどの時代でも必ず拡大解釈するものですね。
必ず物を隠すんですね。
で、最後には必ずウソをつくと。
権力というものはそういうものだという事をまず前提として考えなければいけないと思いますね。


私はこれほどの法案が出てきているにもかかわらず、世の中があまり悄然となっていないのは、
所詮「メディアが取材に困るだけの話だろう」と、
メディア不信のようなところに今の政権が便乗しているようなところがあると思うんですよね。
それは我々が本当に反省しなきゃあかんと思っておりますし、
34か所ですか?
そのいわゆる対象となるものの、非常にあいまいな表現が、
「例外」という言葉で入っているんですよね。
「例外規定」のようなものが。
ですから、ま、この政権の体質を見ていても、間違いなく拡大解釈してくると思うし、
これ正当な、先程岸井さんも言いましたけれど、
「正当な取材かどうか」なんて言うのは全くそれはもう誰も判断できないような話なので、これほど、もう初めから危ない法案は無いと。
なんとしてもこれは潰さなければあかんと思います。


金平茂紀:
えっといま、田勢さんがおっしゃったみたいに、長い事こういう取材を続けてくるとですね、
政府はこれまでウソをついてきたし、おそらくこれからも嘘をつくであろうと思いますね。


で、この法案の論議の中で、私が腹にすえかねているのは、
「西山事件は処罰対象になります」という事を、その担当大臣が言っているんですね。
西山事件と言われているものは外務省の機密漏えい事件ですけれども、
あの事件の本質というのは、
「沖縄の返還に絡んで政府が密約を結んでいた」ということ。
で、その「密約はない」というふうに国民に嘘を付き続けていたという事が本質です。


それをですね、この法案の論議の中で「西山事件は処罰対象になります」という様な事を
軽々しく言うような人たちがこの法案を作っているという事に対して、
“ヒドイ”僕は心の底からの憤りを感じていました。


このアピールに加わった理由はいくつかあるんですが、
2002年の4月に、鳥越さんも、それから田原さんも、その時に加わったと思うんですが、
いわゆるメディア規制三法というものが出てきた時に、同じようにこういうふうにアピールをして、
同じように、こう、反対の声をあげたという事があったんですが、
その当時と比べると今は非常に、もっともっと息苦しい世の中になっています。
こういう事をやるのにも非常に神経を使わなければならなくなっている、ということが、


筑紫さんもおそらく生きていたらですね、必ずこの場にもちろん加わっていたという事を考えて、
そういう事に後押しされて私も出てきたんですが、
その、あの時に筑紫さんが言っていた言葉は、「多事総論」というのをもじってですね、
「多事風論」と言っていましたね。


多くの事を、多くの物事を自由に論じ合う空気を封じるような事に対しては、
私たちは身体を張って止めて行かなければいけないという事を感じて、
この場に加わりました。


修正とかそういう論議ではなくて、
この法案は僕は廃案にするべきだというふうに思います。


鳥越俊太郎:
最後にわたくし鳥越が意見を述べさせていただきます。


みなさんは特定秘密保護法の問題点について具体的に述べておられ、私は全く賛成ですが、
ちょっと、もう少し大きく考えてみたいと思っているんですが、
安倍政権は政権が出来て以来「レジームチェンジ」という事を言っております。
(※レジームチェンジ
武力を行使したり、非軍事的手段によって、他国の指導者や政権を交代させること。体制転換。政権交代)
それからもうひとつは「積極的平和主義」という事を言っています。
この二つを合わせるとですね、
実は、安倍政権が今求めているのは単に特定秘密保護法だけではない。


それはもちろん、日本版NSC、国家安全保障会議という様な、今国会を通過しましたけれども、
これを司令塔に特定秘密保護法を手に持ち、
そして最終的には集団的自衛権行使に踏み切る。


これはどういう事か?というと、
「積極的平和主義」というのは、
「積極的」という言葉も「平和主義」という言葉も、一見とても良い事のように聞こえますけれども、
「積極的平和主義」という事を続けて言うとですね、
これは実は「戦争をするよ」と言う事だと僕は解釈しています。


つまり、NSC、特定秘密保護法、そして集団的自衛権行使を認めるという、これは三点セットで、
先程岸井さんもちょっとおしゃいましたけれども、
「日本が戦争を出来る国にレジームを変える」
「体制を変える」という事が今回の法案の背景には横たわっているんだ。
その事を僕たちはちゃんと見抜いて、
もっと国民全体でこの法案については反対をしなければならない。


しかし残念ながらみなさんがおっしゃったように、
世論調査なんかを見ているとですね、この特定秘密保護法の反対の方が多いんですよね。
だけど、世論という形でなんとなく、「反対!」という感じはあまり漂っていなくて、
なんとなく、もう国会でスーッと通っていきそうな感じがありまして、
私たちはそのことに危機感を持って、こうやって今日集まっております。


私は基本的にはみなさんと同じですが、
「なにを?」
要するに秘密って「誰が?」「どうやって?」決めるのか。
「なにが秘密なのか?」という事は、まず全く分からない。
そして、それをどうやって取材するか?という取材の方法が、
「正当な」とか「不当でなければ」という言葉で表されていますけれども、
どれもですね・・・あの・・・
「秘密」というのは分からない訳ですから、
国民の目から、メディアの目から、私たちの目からですね、
なにが秘密になっているのかわかりませんから、
「これはちょっと、秘密なんじゃないかな?」というふうに、勝手に自己規制をしてしまう。
つまりもっとちゃんとして言葉で言うと、「萎縮をしてしまう」
委縮効果を生んでしまう。
これは公務員側でですね、そういう事が起き、
それから当然、「不当である」とか「不当でない」とかそういう取材の方法も一応条文に書かれていますから、
これは「誰がそれを判断するのか?」ということも、
これは権力側が判断をするわけですから、
先程例に出されました「西山事件」もですね、
最終的には、警察検察裁判所その「西山記者が行った取材活動は不当である」
つまり、「正当ではない」という判断をして、有罪にしてしまったわけですけれども、
ま、そういう事は今後もさらに、弱まる事は無くて強まって、
「んーー、これはちょっとやるとヤバいんじゃないの?」
というふうな自己規制が今度はメディア側に当然、
これから皆さん方の同僚や後輩達の間にですね、自然自然のうちにそういう、
「地雷を踏むんじゃないか」という自己規制ですね。
こういう気持ちがだんだん芽生えてきて、
長い時間のうちに、それは結果的には国民の知る権利に答えるような報道が出来なくなってくる。
その事を私たちは非常に恐れるわけです。
だから私は、この特定秘密保護法案はですね、「今国会で廃案にするべきだ」というふうに思います。
「廃案」を要求したいと思います。


ということで一応こちら側が意見を申し述べましたので、
これからは一応皆さん方の、
あ、補足がありますか?
どうぞ。


田原:
ちょっとね、今の鳥越さんの話で「西山事件は有罪だ」と。
でもね、とんでもない話、要するにここにいるほとんど全員がね、
たとえば国会議員やあるいは官僚の幹部に取材するときに、
秘書と仲良くするのは当たり前じゃない、ね、誰だって。
秘書と仲良くして、秘書から相当情報を取って、
それで本人に「これはどうだ」と聞くというのは、これは常識なんですよね。
だから、西山事件が、西山さんが有罪になるという事は、
ここにいるほとんど全員が有罪になるという事なんです。


あのね、もう亡くなったけれどあの時の検事がくだらない表現をした。
「情を通じて」なんて。
だからね、情を通じるのは当たり前なんだよね。
国会議員や幹部の人達と仲良くして、そこからある程度の情報を得て、
そしてボーンとぶつける!
常識ですよね、はい。


岸井:
もう一つ付け加えますとね、
取材源の尊厳を傷つけたことが有罪という不当なあれになったという根拠にされたんですよね。
だからそこが非常に微妙な人間関係が、それは裁判になってからいろいろな事があったのは事実ですけれど、
ものすごく重要な事は、裁判を通じて
「あの密約はそういう秘密にするべき物ではなかった」という事を裁判は認定しているんですよ。
それでもいまだに外務省はあの密約の存在を認めていない。
しかも、資料まで全部破棄して無いんですよ。
こういう事が大問題なんですよ。


田原:政府は嘘を付き続けている


岸井:そう。嘘を付き続けているという事ですからね。


大谷:
いいですか、ちょっと一言。
この西山事件で言えば、御承知のように横路さんが国会で質問したわけですね。
その時にその現物を掲げたものだから、そこがカメラに映って、それで西山さんに波及していく訳ですが、
この法律が通ると西山さんだけじゃなくて横路さんも逮捕される訳ですね。
国会議員が秘密を漏らした場合には懲役5年と。
最長10年の半分が国会議員になったわけですね。
で、国会議員は秘密会にだけ出られるというふうに書いてあるわけですね。
ですから秘密会に出た国会議員が今日の議事はこうだったという事を秘書にしゃべったという段階で、
国会議員が懲役5年という事になるんですね。
当然、西山事件の横路さんはその文の国会議員の懲役5年に引っ掛かってくる。


国権の最高機関で、我々が選挙で選んだ人たちが、
官僚が作った秘密を知った場合には懲役5年と。
こんな立法権を犯した法律がどこにあるんだと、


しかもそれを与党も野党もまともに論議しないで、
自分たちが懲役を食らう法律を通すバカが
バカっていっちゃいかんが、世の中のどこにいるんだ?というのが私の率直な感じなんですね。


「もっと足元を見てくれ」と。
我々報道機関がこうやって声をあげているものですから、
何か国会議員は自分たちの権限が大幅に官僚にそがれているという事に気付いているのか?
それとも気付かないふりをしてこんなことを通すのか?
私は本当に疑問でならないんです。


岸井:
今日ね、急がなければならないもう一つの理由は、
これだけずさんな天下の悪法、もし我々の危惧が本物であればですよ。
そういうものであるだけに、私なんか常識的にね、
「この法律が、そんな、通る筈がない」と、
「当然この国会で廃案だろうな」と思っていたら、
なんと「与野党修正協議のうえ、この国会で成立するかもしれない」という情報を聞いたもんだから、
「それはウソでしょ!?いくらなんでも」ということが一番大きなきっかけですね。
「まさか」ですよね。


鳥越:
あの、それから一つ付け加えますと、僕もこの間ビックリしたんですが、
自民党の小池百合子さんがですね、
首相の・・・、ま、新聞によって全部表現が違いますが、
毎日新聞は、首相動静日日ナントカ、だったんですね。
首相の行動がですね、一応全部載っている訳ですね、
新聞の2面の終わりぐらいのところに各新聞大体載っています。
で、「これも秘密に当たる」みたいなことを小池さんがですね、国会のある場でおっしゃっているのを聞いて、
本当に「アホじゃないか」と思いましたですね。


つまりもう、過去形ですよね。翌日の新聞ですから。
つまり、テロリストの、これは万が一ですけれども、そんなことはありませんが、
テロリストのターゲットになり得ると。
それは、予定が書いてあったらですね、それは、ま、一つの可能性としてあり得るんですけれど、
過去の事をですね、書くのはね、どうして秘密に当たるのか?


もう本当に笑止千万としか言いようがないんですが、
そういう意識で自民党の今の議員がですね、この問題を取り扱っている事について、
本当に・・これはもう・・どうしようもないなと、こんなものでは。


これについて野党からもあまり異論も出ないという話に、
危機感を感じざるを得ないという事が正直なところであります。


ほかにありますか?みなさん。
無ければ一応質疑応答という事で。


ーー質疑応答に続くーー


鳥越:
ご質問をお受けいたします。
出来れば会社名を名乗ったうえで、
誰に質問するかという事を御指名の上質問していただければありがたいと思います。
何でも結構です、どうぞ。


田中龍作:
フリーのジャーナリストで田中龍作と申します。よろしくおねがいいたします。
こうやって反対の声をあげる事は私はもちろん大賛成ですが、
声をあげるのがこれ、遅きに失したのではないか?と思っています。
今マスコミのバッシングを浴びている無所属のある参議院議員は、
9月ごろからこの危険性を訴えて全国行脚していました。
それで、新聞テレビの会社の幹部はですね、打ちこぞって安倍首相と会食している訳ですが、
国民の多くはこれにですね、「何か取引をしているんじゃないか」と眉をひそめております。
で、それをですね批判できないみなさん達がですね、ここで「秘密保護法案反対だ」って言ったところで、
やっぱり、この人達またなんか・・・、
みなさん達がやっているという訳じゃないですよ。
そういうテレビ局の人が言ったからといって、やはりというメディア不信。
さっき田勢さんもおっしゃったメディア不信があって、今一つ説得力がないんじゃないかと思うんですが、
えー、質問は二つです。
・遅きに失したのではないか?
・メディア自らが襟を正すべきではないか?
この二つです、どなたでも結構です。
しいて言えば皆さん答えて下さい。


田原:
今月の朝まで生テレビはこの問題をまともに取り上げます。
まともに。
ね。
だから、上が何を考えようと、朝まで生テレビはこれをまともに取り上げます。


岸井:
ま、今日は基本的に個人の参加で、どこに所属しているという事は無しという立場になっていますから、
あえて言いませんけれども、ずっと取り上げてきていますよ、ずっと。
だから、ただあえて反省すると、さっき言ったように
「まさか通るとは思わなかった」のが、「ひょっとしたら通るかもしれない」という、
その感覚のずれはちょっとあるかもしれません。


田原:
ほぼ通ると思う。
大谷さんが詳しいと思うけれど、多分12月にね、会期を延長しますよ。
野党は会期延長のところで妥協しますよ、たぶん。
それで通る。


大谷:
そういう意味では遅きに失したという今のご質問を受けられたんですが、
確かに遅きに失しているかもしれないんですね。
ただね、「通るかもしれない」けど、
「これは危ないぞ、危ないぞ、とんでもない法律だ」という事をですね、声を高く言っておけばですね、
そう簡単に動けないと思うんですね。
これ実質的にやるのは公安警察ですよ。
手を下すのは公安警察ですから、これが6年も7年も経って、
「実はこういう事をやって、こいつはこんな取材をした」というときになったら、
国民はそれに慣らされてきている訳ですよね。
「あいつはあんな取材をしてとんでもない奴だ、やられて当然だな」という形になる。
その時期を待っていると思うんですね。
だから私たちは通ろうと通らなかろうと、とにかくこの法律は危ないんだと言い続けてですね、
残念ながら向こうに刀が渡ってしまったら、どうやってその刀を使わせないかと言う事のためにはですね、
御批判の、確かに遅かった事はあるかもしれませんけれども、
「使えないようにしていく」という努力をですね、間断なくやっていかなければいけない。
おそらく警察はですね、いきなり記者のみなさんを逮捕するという様な事はしないと思うんですね。
何より彼らが欲しいのは家宅捜索ですから。
みなさんのパソコンとか履歴とか、
「こいつは誰と会っているんだ?なんでこんな記事が書けるんだ?」
なにも本人の身柄を押さえなくてもいいんですね。
家宅捜索っていうのは、
今は「新幹線の切符よりも家宅捜索令状の方が取りやすい」と言われているんです。
まずはそれを頻繁に取ってですね、
がんじがらめに我々の情報を取っていこうという流れが出てくると思うんですね。
誰だって、岸井さんのパソコンみたい、田原さんのパソコンみたい、青木さんのパソコンを見たい、
それだけで十分だっていう気があるわけですよ。
だから、危ないから抜かせないと、
いう努力を引き続きやっていかないといけないと思うんですね。


朝日新聞:
朝日新聞の川村です。
金平さんに伺いたいんですけれども、
先ほど2002年の例を持ち出されましたけれども、
今回声明の下も、ま、意味があって黒塗りをされていると思うんですが、
この声明の趣旨には賛成であると、だけども名前を今回は出したくないというキャスターの方は、
複数に、あるいは少なくとも何人とか、今回はいらしたんでしょうか?
それをちょっとお聞きしたいんです。


金平:
「国家安全秘密上の理由からお答えできません」
というふうに言うのは簡単なんですけどね、
あの・・あのね、私は鳥越さんとかみなさんと相談しながら、
声かけのお手伝いをボランティアでやったんですがね、
2002年の時、さっき田原さんも言っていたように、
1を除いた4から12までずっと並んで、みんなが自由にものを言えた当時と今は・・・
全くやっぱり状況が違っているというのを身にしみてわかりましたですね、
えー・・・かなりの数の人が、この呼び掛け文には
「もっともだ」と、「その通りなんだけどね・・・」というテンテンテンのあとに、
「時間をください」となってですね、


まずやった事というのはその、
まずメインで仕事をしている局のプロデューサとか、
あるいは上司にお伺いを立てるという事をやるんですよね。
で、「これは個人参加ですから、一人のジャーナリストとしてどういうふうに思うという事を言いたいということは重要だと思います」という様な事を言ったんですが、
「いや、そうは言っても私は・・・」という様な、
あるいは「ちょっと今時期が悪い」
それから、
「私たちが所属している組織全体が、今
実は、もっと、もっとこれよりも危ない攻撃を今の政権からされている」
という様な事をおっしゃってですね、
えー、大体想像がつくと思うんですが、
そこの人達は、とても怯えていました。


その「怯えている」ということを正直に、私には言ってくれましたね。
「怖い」って言っていましたね。
で、その怯えている状況というのが、むしろこの法案の本質だと思いますね。


この法案の、実は作成過程も秘密です、これ。実は。
検討委員会とか作業グループの議事録というものを情報公開請求したら、
真っ黒なものが返ってきたんですね。


これがどういう人達によって、どういう話し合いによって出来あがった法案なのか?
というのも、全部秘密です。


で、この法案が出来ることに反対の意思を表示しようとした場合に、
なんとなく怖れを感じることの本質というのは、
僕はこの法案が持っている恐ろしさだなという事を、
このアピールの呼びかけをボランティアでやった時に、つくづくと感じましたですね。


ただ、今回はすごく短時間で、
ま、遅きに失したというふうにおっしゃっていましたけれども、
それは田勢さんがさっき言ったように、
今の政権がメディア不信を利用ながらこれをやっていってるんですよね。


で、そこがすごく大事なことで、
メディア不信を利用しながらこれを通そうとしているというところに目が向かないとですね、
「またあんたたちがやったってだれも信用してくれないよ」というような言い方というのは、
とても僕はあの…良くないと思います。ね、正直言って。


今はそんな事をやっている時期じゃないと思いますね。


えー、ここに加わろうとしている人はこれから増えると思いますね。
僕らはこれをやって、ラジオに今回声をかける事が出来なかった。
それから関西の人とか、地域ですごく一生懸命やっている人たちも実はものすごく危機感を持っていて、
その人たちも声をかけるとすぐに加わってくるという事があると思いますね。


で、今回はとりあえずやらないともう、
事態がどんどんどんどん進んでしまうので、一回ここでやっておこうという、ま、キックオフですよね。
だから、「これは始まりにすぎません」という文言で結ばれているんですけれども、
そういう息苦しさみたいなものが僕はこの法案の本質だという事を感じたという次第ですね。


青木:
あのー、僕一個だけ付けたしてもいいですか?
この中でおそらく40代って僕だけだと思うんですね。
で、2002年の頃というのは、僕は通信社の現役の記者でですね、
おそらくみなさんと同じように、例えばこういう場だったら取材する側に居たんですけれども、
やっぱりこの10年間ぐらいで、急速にメディアが、おそらく内部でですね、息苦しくなっているんですね。
これは別にどこの社がとか、新聞社がとか、テレビがということなく、
ほぼ共通する現象だと思うんですね。
で、別にここにいらっしゃる先輩方の、べつにゴマをするわけじゃないんですけれども、
この先輩方がいらっしゃった時代よりも確実に悪くなっている。
ように感じるのは多分僕だけじゃないと思うんですが、


これはやっぱり世代論は僕は嫌いですけれど、
僕らの世代が悪くしているんじゃないだろうか?
声をあげるべき時に挙げられなくなっているんじゃないか?
どうもみんな臆病になっているんじゃないか?っていうような事をですね、ものすごく強く感じるんですね。


筑紫さんが、
僕は個人的には筑紫さんとはほとんどお付き合いはなかったんですけれども、
筑紫さんがお亡くなりになって、ここにいる皆さんもみんな筑紫さんや筑紫さんとほぼ同年代の方々で、
この先輩方がいたころよりも悪くなっているという事をやっぱり、
これはたまたま僕は今日こっち側に座っていますけれども、
そちら側居座っているみな、僕と同世代あるいはもっと若い記者のみなさんは、
本当に問題点を共有してですね、
もっと声をあげるべきだろうと、もっと自由に振る舞うべきじゃないかなというふうに、
僕の自己反省も含めて、今日は強く思いました。


岸井:
もうひとつ、先ほど金平さんがキックオフって言いましたけどね、
大体今現在「名前を出せないけど」っていう人達が10人前後いますよね。
それとご存じのとおり、地方紙を含めると新聞は、かなりの数の新聞がすでに社説で、
何回も「廃案を求める」という社説を掲げていますからね。
だからいずれそういういろんな形の連携というのは出てくるんじゃないかなと、思いますね。


田勢:
さっきメディアの首脳陣が総理と会食しているという話をされたとおもいますけれども、
この法律の危険性は少し別に、
やっぱりメディアと政権の距離感っていうのが、私は非常におかしくなっていると思うんですね。
で、今の官邸は非常に狡猾になってきて、
いつのどの番組に総理が出るかというのは、直前に官邸が決めるというふうに完全にしちゃったんですね。
それからその新聞のインタビューを受けるかというのも、官邸が全部主導権を握って決めると。
そうすると、新聞でもテレビでもどうしても総理大臣を出したいと上の方が思うもんですから、
やっぱり番組をつくっている人たちも
「そろそろ総理を出さないとまずいんじゃないか」みたいな雰囲気になってきて、
それが、かなり利用されているところがあると思うんですね。


私がかねがね思っているのは、たとえば日本に必要なのは
ニューヨークタイムスというのはめったに大統領のインタビューはやらないんですよ。
「そんな下品なことはできるか」というのをプライドにして売っているんですね。
そういう文化を日本もつくらなきゃいけないな、と。ま、余計な話ですけれども思いました。


(※本当にそう思う。総理大臣の方から「お願いだから僕を出してくれ」と言わせるくらいに、無視しちゃえばいいのに。安倍のインタビューなんかいらないと思います)


共同通信:
共同通信の吉田です。
2002年の話が出たんですけれども、その前の1985年の国家秘密法案。
自民党が確か中曽根政権の時ですが、自民党が提案して廃案になって、
その翌年にも修正案を出そうとしたけれども国会にも出せなかったと、
その時と比べて先ほど、岸井さん田勢さんから、「国会議員の危機感が足りない」とかですね、
それから、「世の中が騒然としていない」という話がありましたけれども、
その30年近く前と比べて、国会議員がどう変わっているのか?
さらに我々メディアも含めて、当時の世論と今の世論がどうしてこう違っているのか?
その二つについてお二人にお尋ねしたいんですが。


岸井:
これはいろんな視点があると思うんで、
私の立場で「こうだ」と決めつけてお話しするのはなかなか難しいところがありますけれども、
最近の動きでちょっと感じるのは、
「世論が結構ね、右寄りになってきているのかな」っていう感じがするんですよね。
それはひとつはメディア不信に乗じている部分があるでしょうし、
それからこの法律を出す、NSCをつくっているという理由。
法案の前文に目的とそれから提案理由というのが書いてありますけど、
「最近の国際情勢」って必ず入っているんですよね。
「最近の国際情勢」に対して、そして自民党議員や野党議員が言う、
「今の日本人は平和ボケをしている」と。
こういう風潮に、ひょっとするとのせられやすくなっちゃっているのかな?
ここは昔とちょっと違うなと。


つまりね、
あの中曽根内閣の頃はちょうど私はワシントン特派員をやっていた頃ですけれども、
しかし、与党議員も、そして官邸も、相当にね、「自制する」って言う気持ちが強かったですよね。
「これはちょっと無理かな」という感覚があると、
やっぱり外からいろんな声も聞いて、諦めも早かったですよね。


で、今そうでないというのは、
そういう、時代のちょっとした違いと言いますかね、時代背景があるのかなという感じはしていますけどね、
これわかりません。
明らかにそれを乗じているなというのは感じますね。


だって、「今、この国際情勢は」が、必ず入っている訳ですよ。
「だから必要だ」
そしてこのネットの発展。
ここから漏れやすい。
「漏れる事によってどれだけ国が危うくなるか」
「そう思ったらこれが必要でしょ」って、こういう説得の仕方をしているんですね。


だから国際情勢とネットの伸展の二つを大きな理由にしています。
これは80年代の時にはあまりなかった事ですね。


田勢:
私は今の政権の特殊性がかなりあるんじゃないかと思いますね。
「安倍カラ―」というのを何とか出したいと思って今、96条改正あたりから動き始めたんですけれども、
96条改正、それから靖国参拝、
それから従軍慰安婦問題の韓国批判。
「これだけは絶対にダメだ」とアメリカにくぎを刺された、私の取材ではそうなんですね。
で、それは出来ないと言うので、アメリカが数少ないとして「これはいいよ」と言ったのが、
NSCをつくるというのと、集団的自衛権はアメリカもまだ割れていますけれども、
この秘密保護法。
これはまぁ、「日本からどんどん我々の軍事情報が漏れるのはけしからん」とかねてから言っていた事なので、
「これはいいよ」と。
ですから「アメリカの手のひらの上で認められたのがこれだった」という感じがしますよね。


で、自民党の中でもこの問題で、かつてのリベラル系の人達は批判的なんですけれども、
全く発言していないんですよね。
それはこの政権の党運営のうまさというのがあるんだろうと思いますね。
年が明けたらもう、人事があるとみんな思っていますから、
「こんな時になんか変なことは言わない方が良い」というように、みんな沈黙しているんですよね。
そういう状況があると思います。


大谷:
補足していいですか?
あの、1985年の中曽根内閣の時のスパイ防止法というのは
明らかに旧ソ連を対象にしてですね、そこに目的を設定している訳ですね。
ですから、東西冷戦、あるいは東西冷戦が終わりつつある時と今とは、大分情勢が違う。


一体今は何をこんなに焦って作る必要があるのか?
ま、当然中国とか北朝鮮とか、あるいはテロとかという項目を入れている訳ですけれども、
むしろあの時の方が自民党の議員の中に「こんな危ないものを通せるか」と。
中曽根さんが非常に強権力を発揮していたのにもかかわらず、
席を立つ議員が沢山出てきたという事から比べると、
随分おかしなことになっているんではないかと。


それからもう一点は二言目には「日本はスパイ天国だ」と
「スパイがうじゃうじゃいるんだ」と。
でも日本にも、自衛隊法には懲役5年以下と軍事に対しては定められていますし、
国家公務員法ならびに地方公務員法では懲役1年以下と、これはま、刑罰的には低いかもしれませんけど、
そういう事でこの15年間に引っ掛かったというのは僅か5件なんですよ。


なんでそれがスパイがうじゃうじゃいるのか、と。
国家公務員法とか地方公務員法とかは、
職務上知り得た秘密という非常に漠然としていて誰でもひっかけられる法律なんですね。
それがありながら、15年間で5件しか引っ掛かってない。
じゃあ、どこがスパイ天国で、スパイがうじゃうじゃいるのか?


これは明らかにプロパガンダで、15年間で5件しかない。
しかも国家公務員法がちゃんとあるにもかかわらず、誰が秘密を漏らしているの?
誰がスパイと接触しているのか?という事からすると、
「最初からこういう法律は必要ないのもかかわらず、あえて作ろうとしている」
としか私には思えないですね。


Q:
呼びかけ人の人数の正確な数を教えていただきたいのと、
秘密保護法案が生活の場にどんな悪影響があるのか?どういう影響があると考えていらっしゃるのか?を
みなさんそれぞれにお聞きしたいと思います。


鳥越:
呼びかけ人の数はここに書いてある通りです。
もちろん先ほど金平さんから話があったように、
「個人的には反対することに賛成だけれども、自分が所属している組織との兼ね合いで、今名前は出せません」
とおっしゃる人たちが複数いらっしゃる事は事実です。
だから、ここに名前は呼びかけ人という形では出ていません。
だから今呼びかけ人という形で名前を出しているのは、ここに書かれている人だけです。
但し、何べんも言うように「気持ちはあるけれど出せない」という人が何人もいる
複数いらっしゃるということも、事実です。


田原:
具体的に言いますとね、たとえばこの間も石破さんに言ったんだけども、
集団的自衛権をどうするか?と。
その時にたとえば第一次安倍内閣で4類型というのがあったの。
で、この4類型よりももっと範囲が広がるのか?
あるいは具体的に、これとこれとこれをやるのか?
という事が一切聞けなくなります。
そういう取材ができなくなる。
だから、「石破さんには今だから聞けるけれど、秘密保護法が通ったらこんなことは聞けないよね?」
って聞いたら、彼は苦笑していました。
いっぱいあります。
原発の問題もほとんど取材できないと思います。
これはテロと関係するから。


ーー:潜入取材ができなくなりますよね?


田原:
これは週刊誌がやる、
たとえば東電の原発の中に作業員として潜入して、後に雑誌に書くなんていう事は一切できないね。


大谷:
我々の生活にどんな関係があるのか?とおっしゃっていましたけれども、
先日海渡雄一弁護士と重里さんと私でこの問題を1時間やったんですが、
あの福島みずほさんのご主人ですね。
その海渡さんが、
あんまり皆さん知らないでしょうけれども、福島原発の大変な事故の時に東京消防庁が
例のこういう、キリンみたいな消火装置を持って、
「どこから放水したら一番効果的か?」という事で
東京電力福一に「設計図を出してほしい」という話をしたら、
東京電力の本社が「これはテロ対策資料なので出せない」と、
放射線がボンボコボンボコ出てきて、国民の命が危ない。
少なくともあれだけの被害を出している。
にもかかわらず、東京消防庁が応援に行くという要請に関して、
「テロに関わるからこの資料は出せない」と、
それは国民の生活じゃなくて国民の命にかかわる事ですよね。


だから、私は東京消防庁が資料を要求して、東電が断って、
最後国会議員が一括して出してきたという事に関しては海渡さんからの又聞きですので、
裏を取るためにもしお調べになるのなら、ぜひ調べていただきたいと思います。


岸井:
それとさっきサイバー的な話も出ましたけれども、
一般というとなかなか広がっちゃって説明しにくいところもありますけれども、
もうひとつ重要な法律と方針の変更がある
「武器輸出三原則の見直し」というのがあるんですよね。
これは共同開発を進めるという事になる。


つまり私が聞いているところでは、まず即特定秘密になるのが
軍事情報です。特に武器の設計図とか暗号とかというものになるんですね。
そうすると今までの軍事産業と言われているような
自衛隊と契約をして武器を生産している会社、さらにこれからアメリカの技術と提携して、
アメリカに武器を現実には輸出する会社。
これは全部引っかかりますよね。


だからここでそういうふうな情報をサイバー的にやられても、
下手をすれば引っ掛かるという事になりますからね。
だからそういう社の仕事を家に持って帰れなくなるんですね。


一般的にどうか?という話とは別ですけど、少なくても目の前にそういうふうな問題は出てきます。


青木:
あのー、一般市民の問題という事になると、
これ、先程も申し上げましたけれども、基本的に事務局が内閣情報操作室なんですよね。
公安警察の事実上の母体なんですけれども、
つまり、すなわち警察的な発想がものすごく強い外交防衛にテロ対策というのをくっつければですね、
およそ警察の何でもかんでもが秘密にできる。


この間国会答弁でも出ていましたけれど、
「原発警備というのが特定秘密になり得る」という答弁をしたようですけれども、
「原発警備」というものが特定秘密に本当になり得るのならば、
さっきどなたかがおっしゃっていましたけれども、
市民団体なんかが小高い丘の上から福島原発を撮って、そこに警察官が映っていると、
場合によっては特定秘密法を漏えいしたという事になりかねないですし、


最近ですと僕なんかはつくづく思っているのは、
たとえばNシステムなんていうのは、
警察はいまだにどういうところに配置していてどれ位の予算を使ってなんて
基本的に明らかにしていませんけど、これは100%特定秘密になるでしょうね。
そうなってくると、Nシステムのために一体いくらぐらい予算を使っているのか?とか
あるいはNシステムがどこら辺に配置されているのか?なんていう事は基本的に知り得ないし、
知ろうとしたら違反になる。
(※Nシステム 自動車ナンバー自動読取装置‎ 
Nシステムを通過した車両(2輪を除く)を全て記録し、警察の手配車リストと照会する)


あるいは自衛隊の配置だって、情報保全隊などが問題にしていますけれども、特定秘密になり得るでしょうし、
極端に言えばオスプレイが「何機配備されていつどこに飛んでいくのか」なんていうのは
特定秘密にされかねないなというふに僕は思いますから、
やっぱり一般市民の生活。
「知る権利」という問題ももちろんですけれども、一般市民が本当に生活に密着するような場面でも
必ず特定秘密で知れなくなるという事はおびただしく出てくる。
ま、それが先程来先輩方がおっしゃっているように、
どんどん拡大されていきかねない。
事実上法案を読む限りは拡大できるようになっているという事だと思います。


金平:
一個だけちょっと言い忘れた。
あの、「公益通報者の保護法(平成16年法律第122号)」っていうのがあるんですよ。
これは、要するに内部告発というか、
組織の内部にいる人間が内部告発をした、その人間を保護するという法律なんですけれどもね、
この法律は多分死分化すると思いますよね。
ほとんど何もできなくなりますね。
それだけちょっと付け加えておきます。


鳥越:一応会場は3時までの時間ですよね、じゃ、川村さん最後に。


川村:
生活にどういうふうなかかわりがあるか?という事なんですけど、
この全文を読むと別表に、たとえばの話ですが、
特定有害活動の防止に関して収集した外国の政府または国際機関からの情報その他の重要な情報。
「その他」というのがですね、この別表だけで11あります。
全体の法律の中でも、全文の中にもこれが36あるわけですけれども、
後で「その他」のところにそれを入れこむという。
たとえば、これがアメリカと日本の情報共有のためにというのはよく言われている訳ですけど、
アメリカですでにですね、チェック機関があって、国立公文書館とか、
いわゆる検証に耐え得るチェックを同時にしている訳ですけれども、
その中ですでに情報が公開されて、
たとえば「沖縄の米軍基地の構造はこうなっています」というようなことが、
アメリカからは情報を得られているのに、日本は特定秘密になっているというような時には、
日本で報道することが、「その他」というところに入るとすればですね、
これは非常に大きな、国際的な問題としても矛盾を抱えている法案だという事を、
我々の生活の中にも後で、
「その他」にあなたのやっている活動は匹敵しますよ、ということが
入りこむ危険性が非常に大きいという事を申し上げておきたいと思います。


鳥越:
これはですね、おそらく1時間でも2時間でも議論になり得る事なので、
一応会場が3時までという事になっておりますので、会見はここでお終らさせていただきます。
但しこの声明文の最後に書いてありますように、
「これは始まりにすぎません」という事で、
我々一同は「これで終わり」という事ではございません。
これは始まりですので、
「これからも法案の廃案を求めて出来るだけの事はやっていく」ということはお約束できるかと思います。
今日はみなさんどうもありがとうございました。
 

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コメント
 
01. 2013年11月23日 12:57:56 : SrmPqLSMME

屁たれなジャーナリストらが勢ぞろいか、ちゃんちゃらおかし。

彼らは、脅せばなんとでもなるヘタレだ、中国様に脅しにはカラキシ


02. 2013年11月23日 14:17:12 : BpQdO2704c
秘密法は阻止すべき。
都合の悪い情報は隠されたままになる。
今こそ、プチエンジェル顧客リストを
公開して、これ以上隠さないでほしい。

03. 2013年11月23日 14:20:17 : BxgKgNJpDM
× TVジャーナリストらによる反対会見
◯ TVジャーナリストらによるアリバイ作り

小沢一郎を責め立てたように下ー痢ー安倍を責めたててみろやヘタレTVジャーナリストども


04. 2013年11月23日 14:27:09 : 6TmtT91O4s
「特別秘密保護法」メディアは反対あきらめたのか!「週刊朝日」取り上げたツワネ原則に注目
http://www.asyura2.com/13/senkyo156/msg/655.html
投稿者 オロンテーア 日時 2013 年 11 月 22 日 16:30:00


>>主催者側がそういってはいけないのだろうが、あまり盛り上がりのない会であった。

なんだ、えらそうなことを言ってるわりに、全然盛り上がらなかったんじゃないか。


05. 2013年11月23日 15:23:18 : 10YxKh2kwc
小沢さん事件でメディアへの不信感は相当なものです。ここで 岸井さんが入っていることにも不信感です、あの時の言動は看過できないものでした。その点田勢さんの反省点は当たっています。03さんの怒りを共有します。然しこの悪法を廃案にしなければならないのも事実です。声を上げたことを始まりとしてマスコミ人が大きく声を上げる手立てに知恵を出してほしい。マスコミが信頼を取り戻すきっかけにすればいい。選挙で国民と約束もしていないことをしらーと出してくる狡猾さ。テレビ局のワイドショーの政治番組は相変わらず「生活の党」を意識的に出してこないし。新聞もテレビもこの政権を攻撃してみなさいよ。話はそこからです。
安倍さんと会食するようでは何も言えないか?断らない方も悪い。もうめちゃくちゃ。

06. 2013年11月23日 17:04:28 : lbDMqwJvm6
いまごろになってなんだ、こいつら。
上に「アリバイつくり」とコメントがあるがまさにそうとしかおもえない。
わたしたちは一応反対してましたからね、とあとになって弁解するつもりだ。
この法律がどれほどの混乱を今後巻き起こすか承知の上でいままで反対してなかったのだ。
わたしたちにはなんの力もない。せいぜいデモに一人の人間として参加するしかない。だけど、かれらはその気になればメディアを介してアピールできたはずだ。
それをすれば山本太郎のようになったかもしれない。
だから閣議決定してしまってからのこれだ。
こいつら糞だ。

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