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ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ全文 我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。
http://www.asyura2.com/13/senkyo158/msg/418.html
投稿者 初心に帰るお天道様に恥じない生き方 日時 2013 年 12 月 25 日 10:15:02: 4hA5hGpynEyZM
 


ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ全文

ウルグアイのムヒカ大統領



2012年6月20日から22日までの3日間、ブラジル・リオデジャネイロにおいて、Rio+20 地球サミット2012 (国連持続可能な開発会議)が開催された。188ヵ国3オブザーバーの97名の首脳と多数の閣僚級を含む約3万人が参加。「持続可能な開発及び貧困根絶の文脈におけるグリーン経済」と「持続可能な開発のための制度的枠組み」をテーマに、日本からは玄葉外務大臣が出席し、政府代表演説を行った。他にも、映画『セヴァンの地球のなおし方』(2012年11月DVD発売予定)に出演し、20年前の地球サミットで伝説のスピーチを披露したカナダのセヴァン・スズキも登壇した。
そのRio+20のなかで6月20日に行われた、「世界一貧乏な大統領」と言われているウルグアイのホセ・ムヒカ大統領によるスピーチを、日系ユースネットワーク総会長の打村明氏が全文翻訳し、自身のブログで公開した。自由に転載可能のため、内容を紹介する。


ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ:(訳:打村明)


会場にお越しの政府や代表のみなさま、ありがとうございます。


ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。私の前に、ここに立って演説した快きプレゼンテーターのみなさまにも感謝いたします。国を代表する者同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだと思います。


しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。私たちの本音は何なのでしょうか?現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?


質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。


息するための酸素がどれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?


なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?


マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。


私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?


このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?


このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。


現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。


ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。


このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。


石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。


昔の賢明な方々、エピクレオ、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っています


「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」


これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。


国の代表者としてリオ会議の決議や会合をそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。


根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。


私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、1300万頭の世界でもっとも美味しい牛が私の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。


私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。


そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。


幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません。


ありがとうございました。



ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ全文 我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。 WebDice


http://www.webdice.jp/dice/detail/3584/
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コメント
 
01. てんさい(い) 2014年1月28日 10:18:19 : KqrEdYmDwf7cM : 0kUGInjLpY
http://hana.bi/2012/07/translating-mujica/
ムヒカ大統領のスピーチを翻訳して思ったこと

by Akira Uchimura 打村明+
in japanese · writers
― 27 Jul, 2012

ホセ・ムヒカ大統領のリオ会議でのスピーチを翻訳しました、打村明です。

前回の記事でも話した通り、日本語に訳されていない、日本のみなさまにもこの人とこのスピーチを知ってほしいという強い気持ちで訳しました。

一夜明けネットに繋げてみたら、このサイトが落ちるほど訪問者が殺到していました。この4日間の訪問者数を調べたら主にFacebook, Twitter, Alfalfa、Mixiやヤフーを通して50万人以上の人がやってきたのに非常に驚きました。

コメント欄にも130以上のコメントが記入されていて、議論、感謝、翻訳の指摘、シェアの報告などさまざまなコメントをもらってとてもとても嬉しいです。というより、この大統領に嫉妬をしているくらいです。笑
僕もこういう考え方をストレートに、的確に発信したい、実行していきたいです。話すことがそのまま自己の生活からにじみ出て、人を魅了するムヒカ大統領のように。

今回は翻訳者としてムヒカ大統領と日本人のみなさんを繋げることができたと思います。チリ人の母と日本人の父のもとに、コスタリカで生まれ、小さいころから父の仕事で国を転々しながら育ってきた私は、日本と世界を繋げるのがライフワークなのだと小さい頃から思っていましたが、今回のような出来事で更に自信と勇気がでました。本当にありがとうございます。

彼のビデオがスペイン語と英語でYoutubeに流れた時は、もちろん世界中で話題になりましたが、他国以上に日本で反響があったことについて少し考えました。

ムヒカ大統領のスピーチを紹介したフェイスブックやブログ記事やコメント等を見ると「考えさせられました」、「涙が出ました」、「まさに江戸の日本」、「自分が叱られているみたい」、「その通りと叫びたい!」、「とは言われても。。。」等の意見がありました。東日本大震災後の日本、原発問題の解決策が見えない状態で苦悩しているみなさんにムヒカ大統領の言葉が深く響いたのだと思います。その問題源やこれからどうして良いのかの基本的なアイディアがスピーチの中に入っていて、一人一人が探している、求めている答えがその中に見えたのかもしれません。変革はアイディアからと言いますが、今回の記事がたくさんの人のアイディアの種になることを願っています。そしていろんな良いアイディアが達成できる仕組み作りをがんばります。

私自身も去年の東日本大震災で深く自分の人生を振り返りました。一瞬で亡くなってしまう人がこんなにいて、生き残っている私は好きなこと信じていること幸せなことをしなかったら、亡くなった人たちに失礼なのではと思うようになりました。一回きりの人生を死ぬまで大冒険にしたいです。特に今は家族と友達、仲間で世界に良いインパクトを与えるプロジェクトをどんどん作っていきたいです。親になって2年目、息子たちが大きくなったときに、パパはすごいんだって胸を張って言えるよう頑張ります。
このスピーチを読んで、一番みなさんが感じていることは「じゃ、どうすればいいんだ?」ということだと思うんです。僕はこの疑問・危機感を大学生のときに感じていたときに、この下のビデオにあるエクアドル先住民の昔話に出会いました。しかも日本語で。そこには答えが出ているのです。このビデオをゆっくり見て考えてみてください。
「クリキンディ:ハチドリのひとしずく」

今後もHana.biの仲間と一緒にこういう日本と世界繋げる情報、活動や考えを発信してひとりひとりの「できること」をしていきますので今後ともよろしくお願いします。

打村明


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