【ベルファスト（英北アイルランド）小倉孝保】中東の民主化運動「アラブの春」で非暴力運動を展開し、２０１１年のノーベル平和賞を受賞したイエメン人女性、タワックル・カルマンさん（３４）が訪問先のベルファストで毎日新聞のインタビューに応じた。カルマンさんは泥沼化するシリア内戦について、「市民を殺害し続けるアサド政権をイランが武力支援していることに問題がある」とイランを強く批判した。

　インタビューは２８日に行われた。「アラブの春」が始まって２年半たち、チュニジア、エジプト、リビア、イエメンで独裁政権が倒れたものの、バーレーンで民主化デモがつぶされ、シリアで内戦が激化するなど民主化の動きは停滞している。しかし、カルマンさんは「民主主義や人権、法の支配を求める市民運動は始まったばかりだ。終わったわけではない」と運動は継続中との認識を示した。

　ただシリアで民主化運動にブレーキがかかっていることを認め、イランを非難するとともに、「国際社会が市民（反体制派）を十分支援していない。自由や人権を踏みにじるアサド政権の暴力を放置すべきでない」とも述べた。

　欧州連合（ＥＵ）が２７日、シリア反体制派への限定的武器供与で合意したことについては「少しは市民の支援になる」としながらも「市民への攻撃を止めさせるには（国際社会が）飛行禁止空域を設定すべきだ」とし、ＥＵの対応は不十分との認識を強調した。

　一方、反体制派にテロリストが加わっているとの政権側の主張については、一部にテロリストが参加していることを認めながらも、「アサド（大統領）が政権にしがみついているため、テロリストを呼び込んでいる」と批判し、アサド政権が崩壊すれば、市民がテロリストを追放するとの考えを示した。

　エジプトやリビアなど独裁政権が倒れた国でイスラム勢力が台頭していることについては「女性の権利が脅かされているとの意見がある。もちろん民主化は十分ではない。しかし、（民主化への）移行期であり、女性が一致して主張し続ければ権利は獲得できる。私は楽観的だ」と述べた。

　カルマンさんは「アラブの春」の将来について、「シリアのアサド政権が近い将来、崩壊することは間違いない」とし、ペルシャ湾岸諸国やイラン、中国を念頭に、「その後、民主化運動は世界各地の独裁国家に広がるだろう」との見通しを語った。

　【略歴】１９７９年、イエメン・タイズ生まれ。サヌア大学を卒業後、ジャーナリストとして活動。２００５年に女性ジャーナリスト仲間で人権団体「束縛のない女性ジャーナリスト」を設立し、０７年からサレハ政権による言論弾圧に対し抗議行動を始める。１１年にチュニジアで市民の大規模デモが始まると、イエメンで民主化デモの先頭に立った。３児の母。

http://mainichi.jp/select/news/20130531k0000m030145000c.html 　

コメント
01. 2013年5月31日 17:45:46 : tfkpflxTCw 中東最悪の独裁国家はサウジアラビアだ。 サウジアラビアは女性の人権は皆無で投票権すらないしもちろん女性の政治家は一人もいない。少数の王族が完全支配する石油成金腐敗王政国家がサウジアラビアだ。 それと比べてイランは女性の投票権もあるし女性の政治家も数多くいる。女性の社会進出もアラブではトップクラスだ。 このおばさんは民主化を掲げているくせにサウジアラビアを批判しないのは狂っている。 国際石油資本の犬だからノーベル賞をもらったのか？
02. 2013年6月01日 00:45:22 : 3PJAqRzx3M >国際石油資本の犬だからノーベル賞をもらったのか？ 昔からノーベル平和賞を受賞するのは、アメリカ帝国主義の手先といわれていましたから。 ＞「市民を殺害し続けるアサド政権をイランが武力支援していることに問題がある」とイランを強く批判した。 市民を殺害しているのは反体制派の方。 アルジャジーラの捏造報道を真に受けているね。 おばかなおばさんだこと（笑）
03. 2013年6月01日 08:37:42 : 2GieLNHkxg オバマの存在だけでノーベル平和賞の権威を失墜させるには十分だと思うが、 欧米アラブイスラエル連合の対シーア派戦略に騙されているんだか、 騙されたフリをしているんだか、トンチンカンなオバはんの世迷言は平和賞の 存在意義すら疑わしめることとなるだろう。 ＞アサド政権が崩壊すれば、市民がテロリストを追放するとの考えを示した。 こうしたオバはんの観念論では、事実上の内戦状態に陥った民主主義国家イラクの 現状を説明できない。スンニ派市民がテロリストを呼び込んでいるのは明らかだ。
04. 2013年6月01日 21:14:29 : JjNtNbJEr2 >>01さんの取り上げられたサウジアラビアですが、IRIBイランイスラム共和国・国際放送がスクープを報道しています。 http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/37606- (転載開始) 2013/05/31(金曜) 23:32 サウジ、モサドに資金援助 アメリカのＣＢＳテレビの元責任者が、「サウジアラビアは、イスラエルの諜報機関モサドの財政を支援する主な国だ」と述べました。 タスニーム通信の国際グループが、シオニストの情報筋、イスラエルナショナルニューズの報道として伝えたところによりますと、アメリカのＣＢＳテレビの元責任者は、「モサドの長官はしばしばサウジラビアを訪問しており、同国の諜報機関の関係者と会談していた。これらの訪問の結果、サウジアラビアがイランの核科学者数名の暗殺作戦に資金援助を行うことで合意がなされた」と語りました。 このテレビ局の元責任者は、「この作戦のために見積もられた費用は10億ドルであり、サウジアラビアはそれをイランの核計画にもたらされる損害からいって少ないと見なしていた」と語りました。 さらに、「サウジアラビアとイスラエルは少なくともある事柄で共通している。それは、イランに核能力を獲得させたくないということだ」と述べました。 また、イスラエルのテルアビブ大学からの報告について触れ、「サウジアラビアはイスラエルの最後の望み、最後の防衛戦線である」と強調しました。 (転載終了) ●サウジアラビアを支配する王族は、悪魔に魂を売っているのです。イランを非難する道理など全くありません。 カダフィ大佐は国家の石油収入を、国民の医療費や学費や生活費の補助などに充当されていましたのに、サウジの王族は悪魔のモサドに援助していたのです。必ず天誅で滅ぼされることでしょう。
05. 2013年6月02日 00:16:24 : 3PJAqRzx3M >>03 >オバマの存在だけでノーベル平和賞の権威を失墜させるには十分だと思うが、 オバマの前に、「池田隼人」というのもあった。
06. 欧米の陰謀！？ 2013年6月02日 10:43:18 : nmSn5MlpRiIYw : uEQrTC7TYE サウジを批判しないのは，おかしい！？ そもそもカルマンさん達が戦ってきたサレハ政権は，アルカイダなどの イスラム過激派のテロ撲滅の名義で欧米の支援を受け，強権政治を行っていた のです。ただし，一方ではイランとの結びつきも強めていました。 これは，反アルカイダイスラム過激派という点で一致していたからです。 また，サレハが担ぎ込まれた病院もサウジアラビアであり，療養期間中は サウジに滞在していたのです。 ただし，サウジが独裁政権であることは，間違いのない事実です。 アメリカのネオコン派の最終標的がサウジアラビアの体制転覆，中東民主化でした。これはこれとして筋が通っていましたが，ブッシュ大統領はその気が全くなく， 結局「サダム憎し」とうことだけで終わってしまったのです。 サウジの体制が崩壊しないと中東の真の安定化はないでしょう。
07. 2013年6月02日 23:02:40 : rsrhnlKyfk 05さん佐藤栄作じゃね。

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