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2013-09-03
シリアの化学兵器使用疑惑について、フランス政府もアサド政権側が使用したとしています。フランスも、シリアの現政権をどうしても倒したいようです。「産経ニュース」は、本日付で次のように報じています。
(http://sankei.jp.msn.com/world/news/130903/mds13090310080003-n1.htm)
シリア化学兵器「１千トン、１５００人死亡も」 仏が報告書「制裁なしではすまない」
【ベルリン＝宮下日出男】シリアの化学兵器使用疑惑でフランス政府は２日、アサド政権側が実行したとする仏情報機関の報告書を公表した。少なくとも２８１人が死亡したと分析しており、アサド政権が１千トン以上の化学兵器を貯蔵していると指摘した。
公表されたのは報告の要約で全９ページ。８月２１日に首都ダマスカス郊外で使われたとされる化学兵器について、「政権側が反体制派部隊に支配されたいくつかの地区に対し、通常の手段と合わせて攻撃を始めた」と指摘している。
報告は現地で撮影された映像などを基にしており、攻撃の規模から死者が１５００人に上ることもありえるとした。米国の報告書は攻撃で１４２９人が死亡したと見積もっている。
報告書はまた、アサド政権が貯蔵するサリンやマスタードガスなどの化学兵器は１千トン以上と分析。攻撃に使う最大射程５００キロのミサイルなども有しているとして、攻撃は「シリア政府以外に実行は不可能だ」と強調した。
報告書は、ほかの２カ所で４月にも化学兵器が使われたことを確認したと指摘した上で、「再び実行されると確信している」と懸念を示した。
エロー仏首相は報告書をめぐり議会代表者と会談。４日に予定される議会でのシリア情勢審議を前に協議した。首相は会談後、「この行為は制裁なしではすまされない」と改めて軍事介入の必要性を強調した。
米国が軍事介入に議会承認を求める方針を決めたことを受け、フランスでも議会での投票実施を求める声が高まっている。エロー首相は投票は行われないとの見通しを示しつつ、「オランド大統領が決めることだ」と述べた。
米国よりもエスカレートした内容になっています。アサド政権側が化学兵器を使用したのはもちろん、新たに「４月にも化学兵器が使われた」とし、今後も「再び実行されると確信している」とダメ押ししています。
その割に直接的な証拠は示されておらず、「状況証拠」(と言えるかどうか非常に疑問ですが)に過ぎません。どこかの国の裁判官のように「推認」で有罪としたようです。「嘘も100回言えば真実になる」ということなのでしょうか?
フランス政府は、資源の確保や武器の輸出という思惑から軍事介入を叫んでおり、真実などどうでもよいのです。そのくせ、自国だけで軍事介入する金も度胸もなく、米国にお任せという有り様ですから情けない。
かつての植民地だったマリの紛争に軍事介入した際には国民の支持を得られたので、今回も二匹目のドジョウを狙ったのですが、上手く行きそうもありません。米国はもちろん、フランスも日本と同様、政治の劣化が進んでいるようで、それにも拘わらず大国としての矜持だけは一人前ですから始末が悪い。
BRICs諸国の台頭が言われて久しいですが、欧米中心の時代は既に過ぎ去っています、先進国とされて来た国々は相応の立場に身を置くべきですが、底なしの欲望を抱える指導者たちを頂いている限り、往生際悪く世界の撹乱要因となることでしょう。混乱はしばらく続きそうです。
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