01. 2013年9月06日 15:09:21
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そして、そうなれば、米国がシリアを攻撃するシナリオはなくなってしまいます。 本来であれば、オバマ大統領はプーチン大統領と直に話をしたい筈。しかし、例の亡命事件がトゲのように刺さったままで、ロシアとの話し合いもできない。他方で、中国との間では首脳会談が予定されているものの、これまた中国側がそう簡単に米国の立場を支持するとも思われない、と。 それに、オバマ大統領は昨日、スウェーデンの首相と会談を持ったものの、シリア攻撃についてはなかなか思ったような答えを引き出すことができなかったのです。 そうした一方で、日本の安倍総理は、サミット期間中どこの国と話し合いを持つかと言えば‥何とロシアのプーチン大統領と首脳会談を行うのだ、と。オバマ大統領が安倍総理に会わずに、その一方で、プーチン大統領が安倍総理と会い、その光景が世界に配信されると、どうしても米国の影響力が弱くなっているかのような印象を与えてしまうと感じたのではないのでしょうか。 ご存じのように、安倍総理は今回も中国との間では首脳会談を行うことはありません。しかし、米国は中国とは会談を行う。つまり、米国、ロシア、中国、日本の関係が今、微妙な状態になっているのです。 そして、その微妙な状況を米国としては巧く利用することができていると今までは思っていた。しかし、流石に日露の距離が少し近くなりすぎているのではないのか、と。そのことが気になりだしたということなのではないのでしょうか。 ここで急遽米国が日本との会談を持つということは、そうすることが米国にとって必要だと判断したからであるのでしょう。余りにも日本がロシアと仲良くなりすぎるのは、米国にとって好ましくはない、と。だから、釘を刺す意味で今回日米首脳会談を提案してきたのだと思うのです。 では、オバマ大統領は、日本に対しどんな話をしようというのか? シリアの話は、先日電話で済ませたばかりです。そして、電話で十分話をしたからサミットの場で直接会って話をする必要はないと言っていたばかりなのに‥ つまり、幾ら日米首脳会談を今回持った方がよいとオバマ大統領が判断したとしても、大義名分が必要なのです。では、何を日米間で話すのか? APが次のように伝えています。 The White House says President Barack Obama will meet with Japanese Prime Minister Shinzo Abe (shin-zoh ah-bay) this week in Russia The two leaders plan to meet Thursday on the sidelines of the Group of 20 summit in St. Petersburg The meeting comes as the U.S. is pressing Japan to open its markets to imports -- especially autos, which have been one of the thorniest issues in U.S.-Japan trade relations. Earlier this year, the U.S. approved Japan's entry into talks on a major trade pact being negotiated between the U.S. and Asia-Pacific nations 何と話をする内容は、TPPについてなのだ、と。日本に米国車をもっと輸入して欲しいという話をするのだ、と。 もちろん、この報道内容が必ずしも真実を伝えている保証はありません。実は、そうしたことは建前に過ぎす、本当はシリアのことを話し合う可能性がなきにしもあらず。しかし、冷静に考えるならば、シリアの問題で米国が日本に特別な要請をするなんて今のところ考えられないのです。というのも、多くの国が米国の立場を支持するならば、日本もそうした国際社会の動きに従うことはほぼ間違いないと熟知しているからなのです。 では、この忙しい時に、オバマ大統領は日本に対し、本気でTPPの問題で米国に対して譲歩しろと言うつもりなのでしょうか? 或いは、どうしても日本側が日米首脳会談を持って欲しいと言っていることを知った大統領の側近が、それならこの際、TPPの問題で日本から譲歩を引き出したらどうかと、大統領にアドバイスをした結果であるのかもしれません。 いずれにしても、日本とロシアの距離感が縮まっていることが、オバマ大統領の言動にも影響を与え始めているのではないのでしょうか。 以上 |