あんたに言われんでもそんなことは誰でも知っている。
むしろ病根はアラブの側にあるといえよう。
この記事でもサウジが反応しているがイランにとって最大の盾であったイラクのサダム・フセイン政権が米国の手により打ち倒されて以降、アラブのスンニ派政権国家(わかりやすくいえばスン二派の湾岸諸国機構)は、自らスン二派の盾であるサダム政権打倒に手を貸しておいて、よりサウジ依りのスンニ派の新たな政権奪取を画策しイラクにスンニ派の札付きたちを送り込み、イラク各地のスンニ派部族を米軍とイランの手先であるシーア派に向けるべくレジスタンスとしてリクルートすることに成功し、旧政権の地下抵抗組織とも一時共闘するところまでの展開を見せたがすぐ綻びをみせ瓦解した。

札付きたちが部族のしきたりを無視し、自分たちの主義主張を押し付けるので長たちが札付きたちの行いを問題視するようになった(サダム政権下で世俗化に慣れたイラクのスンニ派では戒律を重んじる原理主義的な考えは嫌がられた)こと、また札付きたちの傍若無人な振る舞いが部族間の融和を阻害し、新たな争いを生んでおりそれらを排除するため占領米軍の側について共に掃討作戦に加わって排除するなどイラクのコミュニティーを破壊する敵としてイランの息のかかったシーア派勢力とともに警戒されるようになったため旧政権側レジスタンスとの共闘はあっさり瓦解した。

おかげでイラクはイラン寄り勢力が政権に就いて、アメリカとサウジの思惑は見事に外れ、サウジの心配の種はイラクの隣国シリアへの露骨な介入につながっていくことになる。
今、アラブで起きていることは冷静に見ればスンニ派の悪あがきでしかない。
ここでいうスンニ派とは大多数の穏健なスンニ派のことではなく、排他的で教条主義的で宗派主義的傾向の強いイスラム回帰指向の原理主義的グループや政権のことを指す。
この狂人たちは自分たちのやっていることが、アラブやイスラムにとって最大の敵であるイスラエルに得点を与えていることなど一向におかまいなしだ。
だからこの記事にもあるように、サウジの反応がイスラエルのそれと重なり合うのはなんの不思議もない。
むしろ、今アラブにおける政変劇の中心にも傍らにもイスラエルの影は存在しないとあえて強調しておく。

イスラエルにとってわざわざ首をつっこむ必要などこの政変劇の何処にもない。
サウジなどのスンニ派狂人国家が率先してイスラエルの利益を護ってくれているのだから。
確かにオバマはアラブからも手を引きたいと考えている。
しかしそれがイスラエルからも手を引くことになることは先ずないだろう。
イスラエルが中東アラブで唯一米国の利益を代表している限り、また最大の問題であるパレスチナがある限り、オバマの意思とは関係なくアメリカはイスラエルを擁護し続ける。
核を秘密裏に保持するイスラエルが暴走を始めれば、もはや止められない。
制御装置としてアメリカはイスラエルを放置することなどできないんだから。

ロハニにしても、アハマディネジャードの危機演出政治の二の舞など踏みたいとは思わないはずだ。
イランは政権が変われば政策も変わるトルコを除いて、中東唯一の選挙による民主的政権国家であることはいかなる人権的抑圧云々を人権屋帝国主義団体が言い募ろうが疑う余地はない。
とはいえ高度な政治的判断を有するイランが米国との対話＝宥和となり敵対関係の解除につながるなどとは露ほども思っていないだろう。
イランの周囲を見渡せばそんな甘い判断が命取りになることは一目瞭然だからである。

　　電磁推進機研究者談

気色悪いブラックジョークなんか話にならない。

どうせ、馬鹿ウヨお得意の煽り作戦なんだろうよ。