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気がつけば尖閣に五星紅旗が翻る事態も 日本の防衛体制の矛盾と制度的欠陥
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投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 09 日 02:38:20: rUXLhToetCnYE
 

【第5回】 2013年10月9日 香田洋二

気がつけば尖閣に五星紅旗が翻る事態も
日本の防衛体制の矛盾と制度的欠陥

――香田洋二・元自衛艦隊司令官

こうだ・ようじ
1949年12月徳島県生まれ。72年3月防衛大学校を卒業(第16期生)後、海上自衛隊に入隊。36年余、海上自衛隊で勤務。職域:水上艦、海上自衛隊幹部学校「指揮幕僚課程」、米海軍大学校「指揮課程」、護衛艦「さわゆき」艦長、第3護衛隊群司令、護衛艦隊司令官、海幕防衛部長、統幕事務局長、佐世保地方総監、自衛艦隊司令官(最終配置)。08年8月退役。09年7月〜11年7月ハーバード大学アジアセンター上席研究員「中国海洋戦略」研究 ジャパンマリンユナイテッド、伊藤忠商事顧問。
 近年の急速な中国軍の近代化と強硬な対外姿勢や海洋進出が、南シナ海と並び東シナ海においても海底資源開発権や尖閣諸島(尖閣)事案等、深刻な問題を引き起こしている。尖閣海域での中国の自己中心かつ挑戦的な活動は、国民の間に「尖閣防衛」と「南西諸島の領土・領域保全」(領域等保全)の2つの問題意識を高める契機となった。

 近年、中国の独善的な海洋進出と海軍力を背景としたその強権的な対外姿勢が広く内外の注目を浴びている。我が国では現にその圧力を正面に受けている尖閣事案を中心に、島嶼(とうしょ)防衛に関する論議も深まっている。

 ただし我が国の安全保障上、島嶼防衛は大きな枠組みでとらえるべき課題であり、これを尖閣事案に絞るとすれば本質を見失う。

 この前提に立ち、我が国固有の地勢と中国の海洋活動の両者に現在の安全保障環境を加味した場合、我が国の島嶼防衛は

・ 尖閣諸島及び先島諸島から沖縄、奄美に至る南西諸島を対象とし
・ 海軍力整備・海洋活動が活発化する中国を想定したもの

 と定義できる。

海自は出動しても海保以下!?
致命的制度的欠陥と矛盾

 島嶼防衛のうち、平時における海上保安庁(海保)の役割は明白であり、日常の警戒とともに生起公算の高い外国漁船の違法操業、領海や接続水域侵入そして活動家等の違法上陸には海保の対処が基本である。その際の問題点は、海保が我が国の法執行機関であること及び取り締まり対象が民間船や人(民間)に限られることである。

 中国巡視船「海警」等の政府公船(公船)や軍艦の違法行為に対しては、国際法及び海上保安庁法20条(海保法)により武力行使は認められず、「警告と退去要求」(警告等)のみが実施可能という限界がある。

 更に、海保の任務は海保法2条により「海上の安全及び治安の確保を図ること」とされており領域等保全任務はない。この現実を踏まえて現状を解釈すれば、尖閣海域における海保の活動は「海上の安全と治安維持のための巡視船艇による警戒が、我が領海への侵入を試みる中国公船に対する随伴と領海侵入時の警告等」に繋がり、結果的に中国公船の常続的な領海侵犯を阻止している。この海保の活動により、尖閣に対する我が国の実効支配がかろうじて維持されているのである。

 海上自衛隊(海自)の任務行動はどうであろうか。

 防衛出動下令前の「平時」における海自の行動根拠は、今日まで幾例か適用しているが批判も多い、防衛省設置法に基づく「調査研究」がある。また、海上警備行動や特別措置法に基づく任務もまた、防衛出動に至らないものであり、法的権限は警察官職務執行法の準用と緊急避難及び正当防衛の範囲内の武器の使用に限られる。そのため、国防組織としての自衛隊本来の活動は不可能である。

 ここに、海保の対処能力を超える事態であるからこそ自衛隊を投入するはずが、「出動した自衛隊は海保と同等以下の権限と武器の使用しか許されない」という致命的な矛盾が存在する。

南西諸島の戦略価値は突出
尖閣防衛は緊要性高い

 我が国の島嶼防衛において、「尖閣」と「先島諸島(宮古+八重山列島)と沖縄諸島から薩南諸島までを含む南西諸島」では戦略的意義が根本的に異なる。

 地理的に台湾近傍にあり宮古、石垣水道という戦略的チョークポイントを扼し、社会基盤が整備された「先島諸島」、及び米軍の主要部隊が展開し、且つ自衛隊部隊も配備されている「沖縄諸島」の戦略価値は突出している。

 中国最大の関心地である台湾に加え、彼の戦略であるAA/AD(Anti Access Area Denial、接近阻止・領域拒否戦略)が対象海域とする西太平洋に面する南西諸島の戦略的価値は彼我共に極めて大きい。他方、尖閣は我が国領土及び日中両国の排他的経済水域(EEZ)の確定という主権、政治、経済並びにナショナリズム面での大きな意義は認められるが、南西諸島とは戦略意義の質が大きく異なる。

 一方で、我が国の島嶼防衛上、尖閣の緊要性は高い。

 我が国で定着している尖閣シナリオは、多数の中国漁船群による我がEEZ等での集団違法操業、海保の警備の間隙を突いた違法上陸、更に中国公船による上陸後の支援等の既成事実の積み重ねに加え、必要な場合の軍事侵攻手段も併用した尖閣の強奪というものである。

 この中の非軍事事案には昨年8月の香港過激活動家の尖閣不法上陸事案同様、海保で対処すべきであり、今後は大規模事態への準備を整える必要がある。多数の漁船や人員が蝟集したとしても、海保の投入兵力と戦術の準備ができていれば、「大汗をかく」であろうが国内法に基づいて対処できる。

 本事案への法執行機関である海保による対処は、中国のみならず世界に対し「我が国が中国人に対して法執行をすることにより、尖閣の主権そのものが日本に属する事実」を示す好機であり、万全を期する必要がある。

一発の弾も打たず、一滴の血も流さず
尖閣諸島を強奪される可能性も

 では、中国はどのような手法で尖閣を奪還するのだろうか。尖閣案件に関し、尖閣を実効支配していないために、圧倒的に劣勢な中国が、昨年春頃から「尖閣の実効支配の早急な奪還」を明言しはじめた点は注目する必要がある。

 中国の尖閣奪還作戦に示唆を与える事例として、昭和17年8月のマキン島事件がある。

 中部太平洋全域の制海空権が未だ日本海軍の手中にあった当時、潜水艦2隻に分乗した米海兵隊襲撃大隊(200人強)が、日本支配のマキン島沖まで潜航進出して隠密裏に浮上、ゴムボートで上陸し同島を奇襲・掃討して、翌日潜水艦に帰還撤収した事案である。

 これを尖閣事案に焼き直せば、「特殊部隊による空挺降下あるいは潜水艦からの水中隠密上陸」等、海保の警戒の間隙を突いた尖閣への侵入となる。海保巡視船艇には対空・対潜能力はないため、警戒中の巡視船艇が気づいた時には尖閣に中国軍特殊部隊が上陸し、衛星経由で送信された「五星紅旗が山頂に翻る映像」が中国政府の記者会見で上映され、「中国人民解放軍による釣魚島の日本からの奪還」という宣伝が全世界に報道される恐れも考慮する必要がある。

 この後、「実効支配奪還・主権確立」を示すため中国軍輸送機・公船等による事後の補給作戦を開始する公算もある。

 この様な事案対処は海保の任務外であるが、前述の問題と制約のため自衛隊の出動もままならず、仮に出動したとしても防衛出動下令なき自衛隊部隊は海保以下の活動しかできないという八方塞がりになる恐れがある。

 政府の対応が遅れる場合は、防衛出動のみならず日米安保発動のタイミングも失い、中国の思惑通り「一発の弾も撃たず」、「一滴の血も流さず」、「長期化した国際問題に発展することもなく」、「日米安保発動も回避し」て尖閣の「実効支配」と「領有権」の両方が簡単に強奪される事態となり得る。

 中国の実効支配の確立、領有権強奪を目的とする侵攻形態は「違法操業等の段階的エスカレート」等の非軍事事案に加え、奇襲から正攻法軍事作戦まで多数の選択肢があり、この見積もりに際しては決して我の都合による先入観・希望的観測に支配されてはならない。

 この欠陥を解消するための政府措置立案に際しては、以下の4点を重視しなければならない。

・中国の冒険主義、特に我の間隙を突く奇襲を抑止する自衛隊の態勢確立
・海保の能力が欠落している空水潜への警戒監視体制確立
・迅速な政府の意思決定メカニズム構築
・海保・自衛隊の対処能力の向上

 また、尖閣をめぐる日中対立に対して、米国は領有権に関しては中立としながら、「同諸島に対する中国の侵略は日米安保条約第5条の対象である」と旗色を鮮明にしている。このような米国の配慮はあるが、我々は「日本の行動なくして米国の来援なし」という常識を決して忘れてはならない。

南西諸島の防衛体制は
極めて危険な状態

 南西諸島防衛上の要点は同諸島居住の沖縄、鹿児島両県民約130万人と有力な米軍部隊の存在であり、以下これを踏まえた主要考慮事項を述べる。

 本件の最優先は住民の生活基盤維持であり、これは敵の着上陸侵攻対処以前の根本命題である。

 中国から見れば、同諸島に対する海上封鎖は、軍事作戦による直接侵攻よりも明らかに敷居が低い有力な選択肢であり、これを勘案した戦略が求められるが、我が国では論議の対象にさえなっていない。

 沖縄本島等の大型有人島は空港、港湾、道路、電気、給水等の社会基盤が整備されると共に米軍や自衛隊部隊の配備に必要な地積を有するが、海上封鎖に対する脆弱性も存在することから、中国海軍の海上封鎖は現実的選択肢と考えられる。

 外航航路を主とした海上交通の保護に加え、内航航路を対象とする取り組みが自衛隊の新たな課題となる。

 南西諸島防衛は先述したように極めて戦略価値が高いにもかかわらず、課題は山積状態だ。島嶼防衛の要決は敵の上着陸を許さないことであり、その抑止・排除能力が鍵となるが、現状は極めて危険な状態である。

 まず陸自部隊の配備が沖縄本島を除き手つかずで、独立国の領域等保全体制の体をなしていないことがある。その原因として、一部の沖縄県民に根深く存在する反軍(自衛隊)感情があるが、国境海域の島嶼に地上戦力を配置しないことは、周辺諸国からは「当該島嶼を防衛する意図がない」と誤解される恐れがある。

 地域社会の理解等の課題はあるが、与那国、石垣、宮古島への部隊配備は焦眉の急である。更に戦略的価値を有しながら部隊を常時配備できない西表島等の離島警戒体制構築、及び空域監視体制向上も必須である。

 また本海域における対潜警戒監視体制の改善も求められるが、これらの総合的な措置により、不慮事態の未然防止及び事案の抑止と発生時の有効対処が可能になる。

 沖縄に展開する米空軍と海兵隊部隊は、他の米軍部隊と共にアジア太平洋地域の安全保障上の要であり、同部隊の作戦能力維持は我が国の同盟上の責務である。特に中国のAA/AD戦略が、米軍の

・自由な活動抑制
・介入の牽制・阻止
・有事の撃滅

 を目標としていることから、南西諸島に展開する米軍部隊も中国の主攻撃目標であることは明白である。

 同時に、米軍が強調している「アクセスを確保する体制と能力の構築」及び「各種の対AA/AD戦術の導入」という構想実現の柱が在沖縄米軍部隊であることから、当該部隊を防護することによる米軍の対中抑止力強化も我が国の一大任務となる。

海保と海自の間にある“空白領域”
対処方針は白紙で不透明なまま

 筆者は尖閣等の事態への無節操な海自の投入を推奨しているのではない。日常の領域等保全活動は海保等を中心として実施されるべきであり、今日常態化している中国公船への対処も含め、この体制で臨むことが適切である。

 尖閣周辺での事態が緊張する度に政府は「海保と海自の連携を強化させる」等の方針を発出しているが、現実は政府の言う「海保等及び自衛隊をシームレスに運用し、あらゆる事態に対処できる体制を構築する」とはほど遠い。

 現行制度及び能力において「海保が対処できる事態(非軍事事態)」と「海自が対処できる事態(防衛出動が下令される事態)」の間には大きな空白領域が残されており、この領域に属する事案発生時の国家としての対処方針も、白紙状態に近い。

 特に独立国としての対応力の真価が問われる案件は、この「空白利用域」に属すものが中心になることは明白であるにもかかわらず、我が国政府の本件に対する取り組みは迅速性に欠けるとともに不透明であり、「奇襲等も含めたこの種の不測事態に対する政府としての対処訓練さえ行われていないのではないか?」と案ぜられる。

 福島原発事案においては「想定外は許されない」という教訓とともに、政府としての不測事態対処の際の事前準備の重要さを強く認識させられた。この教訓は何も自然災害に限られるものではなく、我が国の安全保障・国防上の不測事態にも等しく適用されるものであり、我が国のリーダーはこの教訓を決して無駄にしてはならない。

 尖閣と南西諸島の我が国安全保障上の意義に関しては、勿論双方とも重要であるが、両者の戦略的意義の差異を正確に認識した施策が求められる。

 特に中国の積極的な海軍力整備と海洋進出を念頭にした時、日米安保体制も含めた南西諸島の総合的防衛体制構築が求められるが、現実は「全てがこれから」という段階であろう。

 北京が「日本は対処ができない」「東京が動かない」と判断した時に、冒険主義に走る公算が高くなると考えられる。本稿で指摘した我が国の制度上の問題解決と南西諸島防衛体制構築が急がれる。

 我が国の島嶼防衛問題の本丸は、海保や海自ではなく「東京」であることを忘れてはならない。
http://diamond.jp/articles/print/42774  

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コメント
 
01. 2013年10月09日 05:37:41 : niiL5nr8dQ
JBpress>日本再生>国際激流と日本 [国際激流と日本]
標的は日本とフィリピン、
中国のしたたかな嫌がらせ
領有権主張を押し通すための「孤立化」戦術
2013年10月09日(Wed) 古森 義久
 自国の領有権主張を相手に飲ませるために、相手国との首脳会談を拒み、譲歩を迫る。

 両国関係が悪化するのは相手国の不当な領有権主張のためだと宣伝する。その相手国と他の諸国との離反を図る――。

 これらは中国の日本に対する最近の態度だと言えよう。ところがいま中国はそれとまったく同じ態度をフィリピンに対して取っているのだ。

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や東アジア首脳会議(EAS)が相次いで開催され、東南アジアと中国の関係が一段と注視されている。その中で、わが日本として看過してはならないのが中国のフィリピン孤立化戦術のしたたかさだろう。

 中国とフィリピンの間の領有権問題で当面、最大の焦点となるのが南シナ海の中沙諸島の一部とされるスカボロー礁である。フィリピンの主島ルソンから230キロ、中国本土からは880キロの海域にあり、近年はフィリピンが実効支配してきた。海底の山が水面に露出した形となっており、中国側では黄岩島と呼んでいる。

 フィリピンと中国は台湾(中華民国)もからんで、長年、このスカボロー礁の領有権を争ってきた。2012年4月には、フィリピン海軍がその近くに停泊していた中国漁船8隻を拿捕したことから対立が一層激しくなった。中国側はこの海域に「海南省三沙市」の設立を一方的に宣言し、フィリピンに対して軍事行動の構えを見せた。そして現在では中国がスカボロー礁一帯を軍事制圧した形となっている。

 このためフィリピン政府は2013年1月、紛争解決への裁定を国際海洋法裁判所に仰ぐ措置を正式に取った。中国はこの措置に断固、抗議した。

 フィリピン側では両国とも国連海洋法条約の批准国であることを提訴の理由とした。だが中国政府は伝統的に領有権紛争の国際機関の裁定や調停を一貫して拒んできたから、フィリピンのこの措置には特に激高したわけだ。

フィリピンの「提訴」に激しく反発

 こうした背景の中で2013年3月に発足した中国の習近平新政権は、フィリピンに対して外交面での徹底した孤立化戦術を取るようになった。王毅外相は東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟の各国を何度も歴訪したが、フィリピンだけは訪れていない。東南アジア諸国からフィリピンを離反させるという露骨な戦術である。

 習近平国家主席も10月上旬、東南アジアのインドネシアとマレーシアを訪問し、バリ島でのAPEC首脳会議に出席したが、フィリピンはあえて外す形となった。李克強首相も、ブルネイで開かれるASEAN・日中韓首脳会議などに出る途中、タイとベトナムを公式訪問するが、フィリピンは訪れない。

 さらにフィリピン政府は、中国が8月末からスカボロー礁海域に建設基盤となる小型のコンクリート台を多数、敷設し始めたと発表した。中国政府は否定したものの、フィリピン側は証拠だとする写真を多数、公開した。その結果、両国の緊迫はさらに高まった。

 そんな情勢の中で、中国はこの9月、フィリピンのアキノ大統領の訪中を、事実上、直前に拒むという過激な手段に出た。9月上旬に南京で開催された第10回の「中国・ASEAN博覧会」に今回は「主賓国の代表」としてアキノ大統領が招かれることが内定していたにもかかわらず、中国は直前になってその中止を求めたのだった。

 フィリピン政府の主張によると、中国政府はアキノ大統領の訪中に対して、国際海洋法裁判所への裁定申請の訴えを取り下げることを前提条件として求めたという。訴えを撤回すれば、大統領の中国訪問を認める。撤回しなければ認めない。こんな単刀直入の威圧だったというのである。中国政府が領有権紛争に関して国際的な調停や裁定をどれだけ嫌うかの例証である。

 この点、日本に対する中国のいまの態度も酷似している。日中首脳会談の開催には「日本側がまず尖閣諸島の領有権紛争の存在を認めよ」という前提条件を求めるというからだ。

 一方、中国は同じ領有権紛争を抱えたベトナムに対しては最近は懐柔のような態度の軟化を見せ、ベトナムの国家主席を中国に招いた。東南アジアの他の諸国にもことさらソフトな姿勢を見せて、フィリピンだけとは、国家元首はおろか外相レベルでも接触を忌避する構えを示しているわけだ。

 ASEAN首脳会議では南シナ海での領有権衝突に対する中国の一方的な軍事行動を規制するための「行動規範」の採択が最大の議題となった。

 ASEANでは2002年にすでに中国を含めて一応の「行動規範」に合意したが、法的拘束力がないため、有名無実となっていた。その拘束力を持たせるための協議や交渉はその後、延々と続いてきたものの、実を結ばなかった。

 中国は今回はいかにもその種の新しい「行動規範」に同意するかもしれないような態度をちらつかせてきた。だが中国がフィリピンの国連機関への提訴に対して見せた激しい反発や忌避を見れば、ASEANという多国間機構への武力不行使の誓約に真剣に応じるはずがないことは明白である。

日本にとって他人事ではないフィリピンの苦境

 中国のフィリピンに対するこの強引な孤立化戦術は、米国でも批判的な反応を招いた。ワシントンの大手シンクタンク「ヘリテージ財団」のアジア研究部長ウォルター・ローマン氏は次のような見解を発表した。

 「フィリピンの提訴は、東南アジア諸国の年来の悲願に向かっての具体的な第一歩として歓迎されるべきだ。だが中国の分断外交や軍事的威圧によって、フィリピンの行動を正面から支持する国がまだ出てこない。米国こそがフィリピン支持の行動を取るべきだが、オバマ大統領の東南アジア訪問が中止されたことで米国の介入の意思は弱くなったという印象を生んでいる」

 また、ワシントンのアメリカン大学が刊行する外交問題雑誌「ディプロマット」の最新号は、米側専門家による「中国はフィリピンと日本を孤立させようとして活動している」という題名の論文を掲載した。中国のフィリピンに対する露骨な威嚇や圧力の外交戦術は日本に対する姿勢とまったく同じだ、という趣旨の論文だった。だからフィリピンの苦境は日本にとって他人事ではないのである。

 なお中国はフィリピンに対しては同じスカボロー礁での衝突への報復として2012年に「威圧経済外交」とも呼べる戦術を取った。この戦術は米国大手研究機関「戦略国際問題研究所(CSIS)」の中国専門家ボニー・グレーサー研究員によって分析され、警告された。中国がフィリピンからのバナナやマンゴーという主要輸入品の検疫作業を意図的に遅らせると同時に、中国人観光客のフィリピン訪問を一時、禁止したという報告だった(2012年8月22日の本コラム「中国の『経済ミサイル』に要注意」を参照)。

 日本としては中国のこのフィリピンへの圧力に対し、日本への教訓部分を汲み取るとともに、フィリピンとの連帯を強化することも賢明であろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38875


 

 


APEC会合での日中首脳の握手、中国は事実確認せず
2013年 10月 8日 19:33 JST
[北京/ヌサドゥア(インドネシア) 8日 ロイター] - インドネシアのバリ島で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)関連会合で安倍晋三首相が中国の習近平国家主席と握手を交わしたとの報道に対して、中国の外務省報道官は事実関係の確認を差し控えた。

日中首脳は、9月にロシアのサンクトペテルブルクで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で握手を交わしていた。

谷口智彦内閣官房内閣審議官は7日、両首脳が今回のAPEC関連会合でも再び握手を交わしたと明らかにしたが、中国外務省の華春瑩報道官は事実関係の確認を差し控えた。

華報道官は8日、北京での定例記者会見で、日中首脳の握手に関する日本側の報道が散見されると指摘したうえで、「こうした報道やそのわざとらしさにうんざりはしないのか」と問いかけた。

「中国の代表団からのニュースに注目していれば、こうした報道は見当たらない」と述べた。

尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題で冷え込む日中関係について同報道官は、中国側は日本との協議を望んでいるが、安倍首相が問題解決に真剣に取り組んでいないと繰り返した。「日本が誠意を示し、問題を適切に解決するための具体的な取り組みを進めるべき」としている。


02. 2013年10月09日 05:38:32 : AN7zXAd8qU
沖縄の防衛は米軍に任せれば良い。
何のために今まで金を払ってきたのだ。

03. 2013年10月09日 10:37:54 : weoASZQm6g

日本国内の糞左翼がイケナイ

軍事と言えば、頭に血がのぼって、右傾化だの、なんだのわめく。

安倍程度の、どこ右翼なのだ。


04. 2013年10月09日 19:11:53 : 7qYCehaDEQ
日本が対中国のフィリピン孤立化政策を緩和してあげればいいんでないか。
中国の横暴も治まると思うよ。
世界はアホ中国をどう見るか。
価値観のモノサシを中国はどう考えているのだろうかの。

05. 2013年10月10日 21:37:37 : niiL5nr8dQ
もう反日を煽る材料にはならない?日本人の4割が「中国は敵」との調査結果―中国版ツイッター

29日、中国の大手ポータルサイトは「中国のパートナーたち―それは友人か敵人か?」と題して、最近の国際世論調査の結果についてまとめ記事を発表した。「日本人の4割は中国を敵人とみなしている」というポイントに着目している。写真は日本で行われた反中デモ。

2013年9月29日、中国の大手ポータルサイト・新浪(SINA)は「中国のパートナーたち―それは友人か敵人か?」と題して、最近の国際世論調査の結果についてまとめ記事を発表した。その中で、「日本人の4割は中国を敵人とみなしている」というポイントに着目している。

【その他の写真】

米シンクタンク・ピュー研究所が今年になって行った調査の結果は、世界各国でさまざまな問題について問う公開意見調査「ピュー・グローバル・アティチューズ・プロジェクト(Pew Global Attitudes Project)」によって判明したもの。この結果の中からまとめ記事は、「中国・米国・日本・インドは互いに互いをどう見ているか?」「中国脅威論」「中国人は重要な隣国をどう見ているか?」などの問題について抜粋して紹介した。

中で「日中関係」について取り上げた項目では、以下のように抜粋している。

■中国の日本に対する好感度 20%→4%に低下(2006年→2013年)
日本の中国に対する好感度 27%→5%に低下(2006年→2013年)

■日本人から見た中国像
「パートナー」―11%
「敵」―40%
「どちらでもない」―47%

■中国での調査結果
「日本の(侵略戦争に関する)謝罪の態度は認められない」―78%

この記事には30日午後時点で、一般から約4500件のコメントが寄せられた。従来はこの類の記事に対しては、反日感情をさらに煽るような過激な声が条件反射的に相次いだものだが、今回のコメント投稿欄を覗いてみると、実は冷静な意見も少なくない。もはや、こうした報道によって世論がひとつにまとまり、一方的に反日感情を呼び起こすことは少なくなっていくのかもしれない。以下は寄せられた具体的な意見。

■従来型の意見
「99%の中国人は日本を最大の敵人だと思っていますが?」
「40%って、割合としてそんなに多くはないな。これが中国だったら比べ物にならない結果が出ただろう」
「米国はライバル、日本は敵」
「これも日本のマスコミによる報道姿勢の結果。安倍政権はどうかしているよ。中国も気をつけないと」

■多面的な意見
「このような調査は、実施するタイミングによって結果がかなり変わってくるものだ。去年の調査結果と今年のものをひとくくりにしてはならない。私は日本から帰国したばかりだが、ほとんどの日本人は中国人を恨んでいなかったように思えた。軽々しく噂を信じることなかれ」

「9割の中国人は日本を敵視しているけれど、中国の領土を最も多く奪い取ったのはロシアということに誰も触れないよね」

「中国人が日本車を焼いたり、日本人に暴力を働いたり、日本人の商店を襲撃したりしているシーンは見かけるけれど、その逆は見たことないですよね?これをどう説明するのですか?争いをけしかけたり、憎悪を拡散させたりするのはやめませんか?」
「反日デモで日本車が破壊されるシーンは確かに恐ろしかったよ。僕が日本人ならやはり、中国人に対して心理的に抵抗感を持つようになるだろうね」

「あちこちに日本車や日本製品が溢れ、どこに行っても日本企業や日本人を見かける中国ですが、これでも彼らを敵人だと言いますか?もし彼らが敵なら、どうして中国の大地で自由自在に活動しているのでしょうか?敵なら追い出せばいいでしょう?」

「ほとんどの中国人は、日本人以上に中国政府を恥ずべき存在と考えています」(翻訳・編集/愛玉)

【関連記事】
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<レコチャ広場>満州事変の日に思う、反日は愛国なのか?―中国
最終更新:9月30日(月)17時50分Record China

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130930-00000026-rcdc-cn&pos=2


06. 2013年10月10日 21:59:26 : aQq0UGoaxY
香港活動家尖閣諸島上陸事件で既に五星紅旗上陸は写真に取られている。
過去に売国CIA新聞が第一面に掲載していた。
香田洋二さんの言っている防衛省設置法の不備は米国の要求によってなされていることであり、その代替として日米安保条約があるし、みかじめ料も払っている。

インパクトある写真は人民解放軍服で写ることなのだろうが是非やってほしい。
中国の行為によって、いまいち曖昧な日米安保条約が役に立つかどうか証明できる。
また、沖縄の米軍の目先で人民解放軍が上陸したときに彼らがどう対応するのか楽しみである。


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