中国防空識別圏設定も2005年の日米合意で米軍は尖閣守らない
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131223-00000004-pseven-cn
SAPIO　2014年1月号

　中国が尖閣諸島を含む空域に「防空識別圏」を設定した。
　
　ところが日本の保守派には、この種の問題で冷静さを欠いた論調が多い。情報より感情が先に立ち、例えば読売新聞は社説（2013年11月26日付）で、〈今回の行動は、東シナ海などを勢力圏として囲いこみ、米軍の接近を拒否する軍事戦略を具現化したものとも言える〉と危機を煽るのだが、本当にそうなら東シナ海だけで識別圏を設定しても戦略的に全く意味がない。

　同じ社説では、アメリカのヘーゲル国防長官が、〈日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを改めて強調した〉といういつもの論理で“アメリカが黙ってないぞ”と虎の威を借りてすごむ。これまたミスリードだ。

　読売同様に“親米ポチ路線”を是とした小泉政権時代の2005年に、日米両政府は「日米同盟　未来のための変革と再編」という合意文書を作成し、明確に、〈日本は、弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略といった、新たな脅威や多様な事態への対処を含めて、自らを防衛し、周辺事態に対応する〉と決められた。

　同じ合意で日本が米軍に基地や資金を提供することが約束される一方で、アメリカの日本防衛義務を「本土への通常兵器による軍事行動」に限定した“不平等条約”なのである。米軍は尖閣を守る気などない。

　中国の行動は受け入れ難い暴挙だが、アメリカを頼んで中国を必要以上に危険視する一部の単純な保守勢力には、短絡的で好戦的な危うさがある。不当な挑発に毅然と正しく対応するためにも、より慎重でインテリジェントな情報収集・分析が求められる。

コメント
01. 2013年12月23日 17:18:53 : nJF6kGWndY 最終的には、米国にとってメリットがあるかどうかだが 現時点では（当面は）、尖閣のために大きな犠牲を払う気はないだろう つまり口先介入や爆撃機を飛ばす示威行動くらいしか期待できそうもない 沖縄に手を出して来れば話は別だが、今後、グアムにまで完全撤退するようなら、それも怪しくなってくる
02. 2013年12月23日 17:22:43 : nJF6kGWndY 今後20年ほどで、中国はピークを迎え、米国を経済的に超える可能性は小さくない 衰退する日本との国力の差はさらに明らかだから、50年スパンでは最悪、第2列島線、 最低でも沖縄近くまでは持って行かれると想定しておいた方が現実的だろう
03. 2013年12月23日 18:36:51 : YxpFguEt7k 明仁氏 「８０年の道のりを振り返って、特に印象に残っている出来事という質問ですが、やはり最も印象に残っているのは先の戦争のことです。私が学齢に達した時には中国との戦争が始まっており、その翌年の１２月８日から、中国のほかに新たに米国、英国、オランダとの戦争が始まりました。終戦を迎えたのは小学校の最後の年でした。この戦争による日本人の犠牲者は約３１０万人と言われています。前途に様々な夢を持って生きていた多くの人々が、若くして命を失ったことを思うと、本当に痛ましい限りです。」 http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312220201.html 二度と繰り返してはなりませんな。
04. 2013年12月23日 19:44:54 : SrmPqLSMME ＞・・・二度と繰り返してはなりませんな。 戦争は相手のある話だ。 戦争は、日本が引き起こすものだ、なんてゆう固定観念・自虐趣味
05. 2013年12月23日 20:04:48 : E5UBHtDlN6 安倍自民党政権は蒙古来襲の神風を信奉し、真珠湾攻撃の奇襲、国会強行審議の作戦ルーツがある。国民は細心の備えと警戒感が必要と思う。
06. 2013年12月23日 20:21:02 : I6TV0gFf9I 二国間の防衛協力は、日本の安全と地域の平和と安 定にとって引き続き死活的に重要である。 日本は、弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊によ る攻撃、島嶼部への侵略といった、新たな脅威や多 様な事態への対処を含めて、自らを防衛し、周辺事 態に対応する。これらの目的のために、日本の防衛 態勢は、2004年の防衛計画の大綱に従って強化され る。 米国は、日本の防衛のため、及び、周辺事態を抑止 し、これに対応するため、前方展開兵力を維持し、 必要に応じて兵力を増強する。米国は、日本の防衛 のために必要なあらゆる支援を提供する。 (｢日米同盟：未来のための変革と再編（仮訳）｣より抜粋) ＞新たな脅威や多様な事態への対処を含めて 「含めて」と言うことは、それ以外に文章の上で述べるまでも無い本来的な「何か」があるはずだよね。 では「新しい脅威」以前にあった本来的脅威とは何か考えてみれば、それは即ち日本の本土(北海道･本州･四国･九州･沖縄)に対する攻撃だろうね。 自らを防衛する=米軍は守らない という記者の解釈が正しいのであれば、おそらく米軍は日本本土に対する攻撃があったとしても手を出さない事になってしまう。 なんてったって日本が｢自らを防衛する｣範囲に日本本土も入るだろうからね。つまりこの文章は 「日本は新しい脅威も含めて全部自分で守りなさい｣ という内容になる。ヤバイね。 取り敢えず非核でもいいから弾道ミサイルだの巡航ミサイルだのを配備して確固たる抑止力の確保すべし。あと水陸機動団の拡大と早急なる設立、それから空自にSEAD部隊作んないと。

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