★阿修羅♪ > 戦争b12 > 377.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
ワールドレポート2014:シリアでの民間人攻撃続くも 世界は傍観  ヒューマン・ライツ・ウオッチ
http://www.asyura2.com/13/warb12/msg/377.html
投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 1 月 21 日 22:01:00: mY9T/8MdR98ug
 

多数派による少数者抑圧、人権無視のテロ対策が人権を脅かす

2014年01月21日

(ベルリン)シリア政府は民間人を殺害しながらの戦争継続を方針とし、反体制勢力も人権侵害に益々手を染めたため、2013年には悲惨な状態となった。しかし国際社会の指導者らは、この残虐行為を止めて責任を問うための十分な圧力をかけなかった。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、本日発行の『ワールドレポート2014』でこう述べた。2013年にはアフリカでも複数の重大な人権侵害が発生したが、国際社会はシリア内戦よりも効果的に対応した。

世界の人権状況を評価した24回目の年次報告書(全667頁)で、ヒューマン・ライツ・ウォッチは90か国以上でおきた主要な人権問題をまとめた。多くの国で、民主主義とは多数派による支配であるとの誤解がまかりとおり、統治者はこうした見方を背景に、少数派の見解や少数者グループを抑圧した。とくにエジプトでこうした動きが見られたと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。またこうした多数派至上主義の結果、一部の政府は文化的な「適切さ」を狭く解釈し、とくに女性やゲイ、レズビアンを攻撃した。現在の世界は電子通信抜きではほぼ成り立たないが、内部通報者のエドワード・スノーデン氏による暴露が示したのは、米国政府の大規模な諜報活動が、わたしたちのプライバシーのかなりの部分を裸にしている事実だ。しかし、こうしたプライバシーの権利への攻撃には世界中から抗議の声が上がっており、変化の希望もある。

「シリアでは死者数が激増し、おぞましい人権侵害の件数も急増した。しかしロシア政府と中国政府は国連安全保障理事会を骨抜きにし、内戦の当事者双方による民間人の殺害を看過した」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのケネス・ロス代表は述べた。「和平交渉(ジュネーヴU)が始まるが、その成否は不透明だ。今回の交渉を、シリアでの民間人保護をサボタージュする新たな口実にさせてはならない。そのためには、民間人の殺害を停止し、生存に必要な人道援助の配布を許可するよう、本気で圧力を掛けることが必要だ。」

ロシア政府は中国政府の支持を受けながら、シリア政府が、国連での国際的な制裁(名指しでの非難、武器禁輸措置、国際刑事裁判所=ICCへの付託)の対象とならないよう動いてきた。しかし米国政府も、自国の都合からICCでの訴追を目指すことに消極的だった。報道によれば、湾岸地域では国家レベルと個人レベルで、残虐行為を行う過激派組織への武器・資金援助がなされている。イラン政府とヒズボラは人権侵害に手を染めているアサド政権を支援している。

「保護する責任」は、2005年に世界の指導者によって宣言された原則で、弱い立場にいる人びとを大規模な残虐行為から保護する国際社会などの責任のことだ。シリアでは「保護する責任」は果たされなかったものの、アフリカの複数の国で大規模な残虐行為が予見された事件では、(大規模な殺害を防ぐにはまだまだ不十分とはいえ)一定の対応が行われた結果、2013年は「保護する責任」について前進があった年と結論づけることができると、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。中央アフリカ共和国と南スーダンでは、アフリカ連合、フランス、米国、国連が民間人の虐殺を防ごうと、国際ミッションを増派した。友好国の働きかけと国連平和維持部隊の増援が圧力となり、ルワンダはコンゴ民主共和国東部で残虐行為を行う反政府勢力に対し、これまで続けてきた軍事支援を停止した。

2013年のその他の特徴的傾向としては、かなり多くの政府が民主主義を口では唱えながら、民主的統治の核となる人権の尊重を実際には怠っていた。ビルマやエジプトなどの新政権は、多数派の意思を政策としただけと主張して、多数派の意思であっても無制限ではないことを看過した。真の民主主義国家は、反体制派や少数者の権利も保護する義務があり、多数派意思でもこの点は制限されることは言うまでもない。とはいえ人びとはこうした民主主義への攻撃を座視せず、トルコやタイ、ウクライナなど多くの国で広範な抗議行動が起きた。エジプトでは、ムスリム同胞団の政権も国軍が支配する政権も、ともに政府の権力に適切な歯止めを課さなかった。しかし国軍がムスリム同胞団政権を打倒したことに対して大規模な反対運動が起き、最近の同国史上ではもっとも多くの犠牲者が出る事態となった。

「権威主義的な政府は、民主主義の中身ではなく外見だけを利用した。すべては選挙の投票日に決まってしまい、あとの364日については人びとの議論を許さないかのようだ」と、前出のロス代表は述べた。「このように民主主義の仮面をかぶった政権は基本原理を無視した。法は権力者にも適用されるのであり、政府は言論の自由を尊重し、社会でつまはじきにされている少数者の権利も擁護しなければならないのだ。」

スノーデン氏が、米国のイエメンとパキスタンでの暗殺作戦の影響について情報を暴露するなどした結果、テロとの戦いで生じる人権侵害を隠蔽しようという、米国の企みは揺らいだ。世界的な電子情報盗聴体制と無人機による暗殺作戦に、大衆の厳しい目が向けられるようになった。米国政府によるテロとの戦いが引き起こした人権侵害は明らかになったが、まだ人権侵害そのものは終わっていない。だが変化を求める国際的な圧力が新たに生じている、と、ヒューマン・ライツ・ウォッチは指摘した。

バラク・オバマ米国大統領は、容疑者を強制失踪させ、CIAの秘密収容所で拷問するなどのブッシュ政権時代のプログラムの一部を中止させた。しかし拷問を命じた人物の訴追はおろか、犯罪の調査を行おうとする取り組みすら妨害している。5月にオバマ大統領は、無人機攻撃を、アルカイダや関連組織に対する世界的な戦争の一環として行うことを近く停止すると示唆し、民間人犠牲者の発生を防ぐ、厳密な方針の概要を明らかにはした。しかしこうした方針が現実に実施されているかは不明だ。

スノーデン氏による暴露を受け、世界中に怒りが広がった。世界レベルでの無差別な諜報活動は、人権を著しく損なうものであると非難する国連決議が採択された。米国大統領が設置した諮問委員会は、メタデータ大量収集の停止、実効性のある司法審査の実施、米国人以外のプライバシー保護の強化、透明性の拡大を勧告した。言論の自由を尊重しない政府の一部は、ユーザーデータを自国内に留めると主張する可能性があるが、これはインターネット上の検閲強化につながりうる。

2013年には、人権保護に向けた国際メカニズムの発展について重要な動きがあったと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。国連人権理事会は、重大な人権侵害者に効果的な圧力をかけることについて、一層の成果を挙げている。北朝鮮やスリランカの人権決議が一例だ。また、注目をされない世界的にも周辺化された人びとの一部に、希望を与える2つの条約が新たに成立した。多くの国でこれまで労働法の適用対象外とされてきた家事労働者(家政婦)と、規制なしの水銀使用ゆえに健康被害に苦しむ小規模採掘者だ。

「昨年2013年は、シリアをはじめとして、ほんとうに多数の国で残虐行為が発生し、弾圧が強まった国も多い」と、ロス代表は述べた。「しかし世界各地で、人びとが人権侵害を行う体制に抗して立ち上がった。これは、人権抑圧に対しては必ず抗う強い動きが生まれると希望を抱かせるものだ。」


http://www.hrw.org/ja/news/2014/01/21/2014  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. itiro 2014年1月22日 16:48:14 : nSzqqzrU862/A : MgzmYuWPcs
オバマはもっと残虐な行為をしているし
バンダル王子は人食政策を中東全域で行っている
インドでは差別階級の女性は何をさせても何も言えない
我が日本では多くの子供たちが無差別に死の攻撃を受けている

ルシファーとディーモンのどちらを支持するかと言われても
返事はできない。


02. 2014年1月22日 17:57:40 : ncgpZZ0TYs
民間人ってのはアルカイダ系テロリストのことか、武装した外国人がなんで民間人なんだ。
この人道支援団体に偽装したアメリカ覇権主義の手先のNPOからの情報を垂れ流すのは止めたらどうだ。

03. 2014年1月23日 03:13:42 : JtW399YiA2
HRWって去年までは盛んに反政府勢力の情報流してなかったっけ?
未だにサウジやイスラエルを批判してないんだよね・・・。
所詮、彼等にとっての「人道」ってのは西側諸国の都合に叶った「人道」であって、情報機関が麻薬や武器の密売で得た資金が紛争に使われてる所に焦点当て無いんだよね・・・。

04. 2014年1月23日 04:32:31 : nJF6kGWndY
>>03 未だにサウジやイスラエルを批判してない

それも大きな誤解

彼等にとっての「人道」ってのは西側諸国の都合に叶った「人道」というより

西側キリスト教諸国の価値観や倫理観を強く反映しているものだな

だから欧米人は捕鯨にも反対する


http://www.hrw.org/node/95221
イスラエル/西岸地区:極めて差別的な入植地政策
栄える入植者と苦しむパレスチナ人

http://dev-media.blogspot.jp/2014/01/blog-post.html
サウジアラビア政府は人権活動家を弾圧している、ヒューマン・ライツ・ウォッチが批判


http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51885186.html
罪なき者は石もて打て

NYタイムズの田渕記者のイルカ事件についてのツイッターに英語でコメントしたら、予想どおりたくさん「反論」がきたが、合理的根拠は何もない。クジラやイルカを殺してはいけないのは、旧約聖書の教えだからである。
海でも、川でも、すべて水の中にいるもので、ひれと、鱗のあるものは、これを食べることができる。すべて水に群がるもの、またすべての水の中にいる生き物のうち、すなわち、すべて海、また川にいて、ひれと鱗のないものは、あなたがたに忌むべきものである。これらはあなたがたに忌むべきものであるから、あなたがたはその肉を食べてはならない。(レビ記11:9〜11)
このように「水の中にいるが鱗のないもの」というような両義的な生物は、禁忌になることが多い。地上の動物には鱗がなく、魚には鱗があるという分類の例外だからである。レヴィ=ストロースが示したように、人類の認識はこのように世界を文化/自然に分類することで成り立っているので、その分類を混乱させる例外を聖別して秩序を守るのだ。

ユダヤ教でクジラを食わない戒律は、ヒンドゥー教で牛を食わないのと同じローカルルールである。イエスはこのような律法を否定し、その普遍的な意味を問い返した。
律法学者やパリサイ人たちが、姦淫している時につかまえられた女をひっぱってきて、中に立たせた上、イエスに言った、「先生、この女は姦淫の場でつかまえられました。モーセの律法の中で、こういう女を石で打ち殺せと命じましたが、あなたはどう思いますか」。彼らはそう言ったのは、イエスをためして、訴える口実を得るためであった。

しかし、イエスは身をかがめて、指で地面に何か書いておられた。彼らが問い続けるので、イエスは身を起こして彼らに言われた、「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」。(ヨハネ8:4〜7)
これは荒井献氏によると3世紀ごろに福音書に挿入された編集句だが、その出典はかなり古い伝承で、イエス自身の言葉である可能性が高いとされる。何よりも、これはイエスの思想を見事に表現しているからだ。

レビ記では姦淫も禁じており、石打ちの刑とされている。これは戒律では、妻は夫の私有財産だったからだ。日本でも結納になごりがあるように、当時のユダヤの結婚は一種の人身売買だった。姦淫を禁じているのは、それが財産権の侵害だったからだ。イエスは「潔白な者だけが石を投げろ」と反論して、この戒律の不合理性を相対化した。

イエスは、このようにユダヤ教の律法を絶対化する「パリサイ人」を批判することによって、普遍的な世界宗教を創造した。牛も豚も食ったことのない者だけがイルカ漁を攻撃しなさい――イエスはケネディ大使のような自民族中心主義を批判したのだ。


05. 2014年1月24日 15:19:26 : er0PBAeH6A
>イエスはケネディ大使のような自民族中心主義を批判したのだ。

そこまで行きつかなくてもせっかく文化相対主義は野蛮をどこまで許容できるか、あるいはできないかで見たほうが分りやすいと思うけどね。
ケネディが言っているイルカ漁は非人道的はイルカが人に準ずる生き物だから非人道的だと言うより(もちろんそれもあるが)、野蛮的だと思う自分たちの文化的コードで批判している面が大きい。

それからサウジやイスラエルを批判しないのはなぜかだが、確かにヒューマンライツウオッチは批判はしているが、それは欧米政府の姿勢を変えるまでに至らない、しょせん撫ぜた程度のものであるってことだな。
欧米人の圧倒的な中東に関する知識不足と報道によるイメージが、ヒューマンライツウオッチのサウジ、イスラエル批判を遮断しちまっている。
あと一番大きい理由はアメリカ政府自身がサウジ、イスラエルを名指しで批判していない。
なぜ批判しないかといえば益(旨み)があるからだ。
益がなくなれば事態は一変する。それだけのこと。


06. 2014年1月27日 00:16:57 : bOnE5jsLSE
シリアにアメリカの送り込んだテロ組織何とかしろよ ネオコンの圧力は怖いな

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 戦争b12掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧