ロシアが併合を決めたウクライナ南部クリミア半島の先住民族クリミア・タタール人が２９日、臨時総会を開き、自治区の設立を求める決議を賛成多数で決めた。反ロシア感情は依然根強く、今後の火種となる可能性もある。

　スンニ派イスラム教徒のタタール人は第２次大戦時、「ナチスドイツに協力した」との嫌疑をかけられ、中央アジアに強制移住させられた。１９８０年代後半から帰還が本格化したが、クリミアの人口約２００万人のうち約３０万人と少数派だ。今回の決議は、ロシアとウクライナのどちらに帰属するかは触れていない。併合の現実を踏まえ、クリミア内で高度な自治権を求める内容だ。

　総会はかつてタタール系の首都だった古都バフチサライで開かれ、２３１人の地区代表が参加した。タタール人はロシアへの編入を求める１６日の住民投票をボイコットしており、会場では「住民投票は認めない」「併合に抵抗すべきだ」などの意見が出るたび大きな拍手が響いた。

　ただ議長を務めたタタール人団体代表のチュバロフ氏は「ロシアによる併合は違法だが、事実だ。認めなければ多くを失う」と語った。地区代表からも「ロシアが憎くても、私たちがクリミアから出て行くわけにはいかない」「ロシア国籍にならなければ、家も仕事も奪われる。ウクライナに二重国籍を認めてもらうほかない」という声が出た。

　（バフチサライ＝石田博士）

http://www.asahi.com/articles/DA3S11058983.html 　

コメント
01. 2014年4月01日 08:59:11 : YxpFguEt7k 在日ロシア連邦大使館 「分離独立による自決権行使のための根拠はクリミアの方がコソボよりもずっと勝っています。 （1）コソボは各国による国連安保理決議を伴わない武力行為によりセルビアから分割され、セルビアに自由な選挙で選ばれた正当な政権がある中で独立を表明しました。 （2）コソボでは独立に関する住民投票は実施されず、セルビア系住民は意思表示の機会を奪われ、自治州からの独立を自ら宣言しました。 （3）セルビアの一部としての（自治州などの形での）コソボの自決権を脅かすような状況は、独立宣言当時の自治州には何ひとつありませんでした。」 https://twitter.com/RusEmbassyJ/status/450642197939896320 https://twitter.com/RusEmbassyJ/status/450642569643311104 https://twitter.com/RusEmbassyJ/status/450642809914003456 だそうです。
02. 2014年4月01日 09:22:58 : lVgxZeMfg2 「分離独立による自決権行使」って意味不明。 この記事のどこに分離独立とあるのか。
03. 2014年4月02日 19:18:11 : HWC4hmcbIo クリミアへのタタール人の帰還は増えている。 そのことで一部ロシア人との軋轢を生んでいることは事実ではある。 とはいうもののクリミアでタタール人排撃が行われるとしたらそれはキエフの策謀だと考えたほうがよかろう。
04. 2014年4月06日 17:58:34 : 3XQP18iw9U クリミアにタタール人がそんなに残っているとは奇跡的である。 ロシア人って寛大だなー。 アメリカだったらじゃまな先住民などとっくに皆殺しにしてるよね。

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