★阿修羅♪ > 戦争b12 > 716.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
虐殺の「再現」その奥底で監督が見たもの:映画『アクト・オブ・キリング』 60年代インドネシア100万人虐殺  WIRED
http://www.asyura2.com/13/warb12/msg/716.html
投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 4 月 19 日 13:22:53: mY9T/8MdR98ug
 

インドネシアで起きた100万人大虐殺の真相に迫るドキュメンタリー映画『アクト・オブ・キリング』が公開中だ。事件の被害者に取材するのではなく、加害者に自らの行為を演技で「再現」させることにより、人間の闇と大量殺人の狂気をあぶり出す本作品。インドネシアの歴史を振り返りながら、虐殺が起きた背景を振り返る。この作品を監督したジョシュア・オッペンハイマーは、「現代社会は巨大な暴力の上に成り立っている」と語る。



ジョシュア・オッペンハイマー JOSHUA OPPENHEIMER
1974年、米テキサス州生まれ。米ハーヴァード大、英ロンドン大に学ぶ。政治的暴力と想像力の関係性を探るため、10年以上にわたり民兵や暗殺部隊、犠牲者たちを取材。監督作品は『THE GLOBALIZATION TAPES』(03年)など多数。英芸術・人権研究評議会ジェノサイド・アンド・ジャンル・プロジェクト上級研究員。『アクト・オブ・キリング』はベルリン国際映画祭で2賞を獲得するなど世界の映画祭を席巻。ドキュメンタリー映画の名匠で今回製作総指揮を務めたヴェルナー・ヘルツォーク監督も「映画史上類を見ない作品」と絶賛している。


インドネシアの複雑な歴史

「わたしは当初、虐殺を生き抜いた人たちと記録映画を作り始めた。彼らはいまも加害者を恐れながら、同じ地域で一緒に生活している。それが衝撃だった」

1965年9月30日深夜のインドネシア。スカルノ初代大統領派の陸軍左派がクーデター未遂を起こした。それを、後に大統領となるスハルト少将(当時)が鎮圧。「事件の黒幕は共産党」と断定され、インドネシア全土で同党支持者とされた人々、華僑ら100万人以上が殺害された。その後30余年にわたるスハルト独裁体制のもと、事件に触れることはタブーになり、加害者は訴追されていない。

2000年代初め、オッペンハイマー監督は人権団体の要請を受け、虐殺生存者たちの話を聞いていた。しかし撮影は軍の妨害によって中断せざるをえなくなった。

そこでオッペンハイマーは、あるアイデアを思いつく。加害者、つまり殺人の実行部隊となった地元のギャングたちに「あなたが行った虐殺を演じてくれませんか」と提案したのだ。するとスマトラ島メダン市で「1000人以上は殺した」と豪語する殺人部隊リーダーのアンワル・コンゴらが、喜々として大虐殺の方法を「演じ」始めた。狂気の沙汰と思うのが、多くの人の感想だろう。しかし、虐殺をした側がいまでも政権を握る社会では、いまでもその行為が肯定されているのだ。

さらに驚くべきは、彼らがとても協力的なことだ。監督が「あなたたちの過去の行為を映画にしましょう」と提案すると、自ら出演者を仕切り、衣装やメークを考え、演出にも進んでアイデアを出す。「これこそ歴史だ」。大虐殺に加担したにもかかわらず、まさに“英雄気取り”のふるまい。しかし彼らはなぜ、迷いもなく殺人を続けられたのか? 監督はこう分析する。

「人を殺す場合、対象と距離をどの程度を置けるかが鍵になる。あなたがもし『誰かを殺せ』と言われたら、心の中でブレーキがかかるかもしれない。しかし問題はどこで誰を殺すかではなく、いかに殺人という行為から距離を取れるかなのだ」





それはアンワルにも確認された。殺人の方法について彼は、「最初は殴り殺していたが、血が出すぎて面倒になる。だから針金を使うことにした」と説明。実際の虐殺現場を訪れ、被害者役の俳優の首に針金を巻き、笑顔で「こうやって締め上げるんだ」と話している。

「アンワルは映画が大好きで、自分のヒーローであるエルヴィス・プレスリーに感情移入し、明るく踊りながら殺していた。つまり彼にとって『アクト・オブ・キリング』は、殺人という行為そのものであると同時に、演じることで殺人と距離を取る作業になっていたわけだ」

加害者たちとの共同作業は、虐殺の記憶をたどるだけでなく、人が人を殺す原因を探る旅にもなった。ドイツ、カンボジア、ルワンダ。世界各地で大虐殺は起き、いまも絶える気配はない。なぜなのか。真相がいまも解明されないインドネシアのケースを、監督は「むしろ一般的な例だ」と語る。

「現代社会は巨大な暴力の上に築かれている。虐殺後も加害者が権力を握り続けるケースは多い。政治家は暴力で物事を集約したり、権力の座に居座る。それが法則化している。今回描いたことはその法則に合致し、加害者は裁かれずに罪を逃れた。加害者が自慢気に語る多くのシーンはその法則を表している」

一方、「9月30日事件」の背景には、米国など西側諸国の関与も指摘されている。事件はスカルノ大統領失脚、スハルト大統領誕生のきっかけになり、以後インドネシアでは30年以上にわたる独裁体制に。大虐殺を隠ぺいするスハルト政権を西側は支援し続けた。冷戦時代に「反共」は都合のいいスローガンだった。

「政権を支持してきた日本などの国々に関係する問題だ。大虐殺は冷戦の産物だったのではないか。南の豊かな土地を支配するため、日本を含む先進国は政権を支援した。安い賃金と資源が魅力だった。自らの行為を正当化するため、反共の旗印を掲げたのだ」

映画の終盤、アンワルは被害者の気持ちを想像し、罪に向き合うことになる。「殺された1000人分の恐怖」を感じることで、心理的・肉体的に変化が表れる。「人間の闇」が垣間見える瞬間は、観る者を戦慄させる。

「人が自分の見たくないものを、見ないようにするためにどうするか。うそを1枚ずつはがし、苦しさと痛みを発掘した。本物の自分と和解するためには、つらい真実と向き合わなければならないと思う」


アクト・オブ・キリング
(2012年、デンマーク・ノルウェー・英国)
監督:ジョシュア・オッペンハイマー
2014年4月12日(土)より、シアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開。
(C)Final Cut for Real Aps, Piraya Film AS and Novaya Zemlya LTD, 2012

http://wired.jp/2014/04/19/act-of-killing/

--
 スカルノ大統領は影響力を増しつつあった国軍とのバランスを取る上から、共産党に接近しその勢力拡大に協力していた。1965年9月30日に国軍の一部がクーデターに決起した。このクーデターは結局失敗に終わるが、国軍の主要な指導者達が暗殺され、最高司令官が不在となったため、一時的に陸軍最高位に立つこととなった戦略予備軍司令官スハルト少将がスカルノから、事件後の「治安秩序回復」に必要な全ての権限を委譲された。このことが後のスカルノ失脚に繋がることとなる。
 スカルノから治安秩序回復の全権委任を得たスハルトの主導のもと、虐殺は約半年間に渡ってインドネシア全土で行なわれた。虐殺の直接の実行者は「共産主義者狩り」に動員された青年団、イスラーム団体、ならず者集団であった。この事件によって当時東南アジア最大だったインドネシア共産党は壊滅させられ、半年後にスカルノは失脚する。  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2014年4月19日 16:24:40 : yy7D5jhcis
皮相的だねえ

02. 2014年4月19日 16:34:22 : 6Mo3JsTlgo
ネオコンの黒幕的存在のポール・ウォルフォウィッツ元国防副長官もインドネシア米大使としてスハルト政権と密接な関係を続けてきた人物の一人。
「大虐殺の裏にアメリカあり」は世界の常識で例外はない。
http://woman.infoseek.co.jp/news/entertainment/eigacom_20140325017

03. ダイナモ 2014年4月19日 22:14:13 : mY9T/8MdR98ug : Kr2S1L17Og
この映画の主題は、虐殺者の多くが自らの犯した罪を問われることがないまま、体制側(虐殺者の雇い主)から手厚く保護されているという現実である。コントラを支援したレーガンは晩年にアルツハイマーを発症したすえに亡くなった。彼には自らが犯した罪を自覚することが最後までなかっただろう。ブッシュはどうだろうか。彼にこの映画のアンワル・コンゴのように、自らが犯した罪を自覚する機会が訪れるだろうか。ありそうもない。

中国大陸で女子供を強姦し虐殺した元皇軍兵士達のほとんどは、何の罪も問われることなく日本に帰ってきた。そして結婚して家庭を持ち高度経済成長の中、ささやかで幸せな生活を送ってくることができた。家族の団欒が終わり、一人になったとき、彼らのうちのどれだけが自らの犯した罪を悔いることがあったろうか。彼らに死期が迫ったとき、これまで思い出すことのなかった中国での虐殺の場面が思い起こされ、そのあまりにも大きな悪業を背負ったまま地獄に落ちることの底知れぬ恐怖のために、真夜中の病院で叫び出した患者のいたことが記録に残されている。最後に自覚できただけ、その者の罪は減じられたと言うべきか。


04. 2014年4月20日 10:31:54 : 7m80c0C2HI
へんなプロパガンダだね。ヤラセだろう。南京で100万人殺したという日本兵のプロパガンダ工作員がいたね。すべて偽湯妥の自作自演の宣伝戦で相手を貶めていくのだからたちが悪い。なにも信用できんよ。現在に役人の嘘捏造の強制被曝作戦をみてても全部ウソとして疑わないといけんね。この監督の素性は世界帝国の工作員なのか。マスコミ人なんて全部百姓になれ。白人が500年全世界で殺しまくってきた原罪を反省する映画を作るほうがさきだろうが。またまた、この映画で騙そうとするのか。インドネシアはオランダ白人が殺しまくってきたとこだが偽湯妥主義の共産党に支配されてたらソビエトやシナのように大殺戮だったろうからよかったね。

05. ダイナモ 2014年4月20日 14:27:46 : mY9T/8MdR98ug : Kr2S1L17Og
>>04

よくそんなことが書けるものだ。 自分の主張に都合が悪い事実には「プロパガンダ」、「ヤラセ」だと言い出す。

こういう低レベルの陰謀論者って、なんでも陰謀だ !! で片づけてしまう。

結局、阿修羅に集まる陰謀論者は「反知性主義」の格好の見本みたいなものだ。 その意味では、この阿修羅も「反知性主義サイト」の1つと言える。


06. スットン教 2014年4月23日 22:13:31 : CmuKS.2SNuq/E : 7bUsMLlvNQ
こんな分かりやすい話に頭を悩ます奴がいるのか?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%88

参考

《9月30日事件の外交文書公表(米国家安全保障公文書館)》 スハルト元大統領がスカルノ政権から政権奪取するきっかけとなった1965年の9月30日事件のあと、インドネシア全土を巻き込んだ共産主義者一掃キャンペーンに、アメリカ政府と中央情報局(CIA)が関与し、当時の反共団体に巨額の活動資金を供与したり、CIAが作成した共産党幹部のリストをインドネシアの諜報機関に渡していたことを記録した外交文書が、米国の民間シンクタンク・国家安全保障公文書館によって公表された。

文書は2001年4月に機密指定を解除された1965年から1966年の米政府の外交文書で、スカルノ元大統領によるマレーシアと米国への対決政策(1964年)、9月30日事件当日から1966年3月までの間、ジャカルタ駐在の米国大使などから当時のジョンソン大統領、国務省などに宛てた書簡、公電などのほかマレーシア、シンガポール、フィリピン情勢に関連する約900ページに及ぶ記録や注釈が含まれている。

9月30日事件の直後から、「ソロ川の水が赤い血に変わった」と言われるほど共産党狩りの犠牲者は激増したが、1966年4月15日、米国大使館は、東と中部ジャワで「毎日50人から100人の共産党員が殺害されている。その数は10万ないし100万人に近い数字とされるが真相はわからない。しかし、マスコミに聞かれた場合、なるべく低い数を発表するのが賢明だ」と報告した。その後、1970年には10万5,000人とするCIA報告が記録されている。

これらの文書を分析した国家安全保障公文書館は、CIAの機密文書が抹消されている部分を取り上げ、米政府が反共キャンペーンを支援したことをCIAが隠そうとした事実を指摘している。    


07. スットン教 2014年4月23日 22:14:43 : CmuKS.2SNuq/E : 7bUsMLlvNQ
あ、ダイナモさんでしたか!

08. スットン教 2014年4月23日 22:23:56 : CmuKS.2SNuq/E : 7bUsMLlvNQ
正義のアメリカ人マジウケる・・・

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 戦争b12掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧