［スラビャンスク（ウクライナ）　２４日　ロイター］ - ウクライナ軍は２４日、親ロシア派勢力の要塞となっている東部ドネツク州スラビャンスク近くに部隊を進め、親ロシア派の検問所を制圧し、バリケードを積み上げるなどして強制排除に乗り出した。衝突で親ロシア派側に死者が出た。

現地のロイター記者によると、装甲兵員輸送車５台に乗ったウクライナ軍部隊はこの日の午前に、スラビャンスクの北に親ロシア派が設けた検問所を制圧。

ただ、２時間後にこの部隊は撤退し、その後地元の民兵が検問所に入り、砂袋を積むなどして補強し始めた。ウクライナ部隊が撤退した理由は不明。

ウクライナ内務省は先に、内務省の軍と国防省の部隊が「最大５人のテロリスト」を殺し、スラビャンスク北東の検問所３カ所を破壊したと明らかにした。

親ロシア派の代表者は朝方、同じ地域での衝突で活動家２人が死亡したと明らかにした。

ウクライナの部隊がスラビャンスクで親ロシア派の強制排除に乗り出すかは、今のところ明らかではない。

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ軍による行動を受け、東部で軍を使うことは深刻な犯罪で、重大な結果を招くことになると警告した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140424-00000123-reut-asia

　【ドネツク（ウクライナ東部）＝佐々木正明】ウクライナ内務省は２４日、親ロシア派武装勢力の行政庁舎占拠が続く東部ドネツク州スラビャンスク近郊で、強制排除に向けた「対テロ作戦」を実施したと発表、親露派側に５人の死者が出た。米露、ウクライナ、欧州連合（ＥＵ）がウクライナ危機の打開を目指してジュネーブで合意してから２４日で１週間。親露派は武装解除や施設明け渡しに応じる気配はなく、暫定政権側が実力行使に踏み切った。

　ロシアのプーチン大統領は同日、ウクライナ暫定政権による武力行使について「重大な結果を招く」と警告。ショイグ国防相はウクライナとの国境地帯で軍の演習を開始したと述べた。

　インタファクス通信などによると、治安部隊は２４日午前、幹線道路を封鎖していた３つの検問所で作戦を決行した。今月１２日以降、地元警察署などが占拠されているスラビャンスク中心部に向け、複数の装甲車やヘリコプターが向かっているとの情報もある。

　東部で行政庁舎の占拠が続いているのはドネツク州やルガンスク州などの約１０都市。これらの地域は、ウクライナ経済を引っ張る一大工業地帯であり、生活への悪影響から、住民らの間では親露派勢力への不満も高まっているようだ。

　ドネツク州南部マリウポリでは２４日未明、３０人ほどの集団が、市庁舎を占拠している親露派勢力に施設を開放するよう要求。地元メディアによると、両者の衝突の末、市庁舎が「奪還」された。他の都市でも、親露派勢力が樹立を宣言した「人民共和国」の活動を拒否する動きが出ている。

　また、ウクライナの通信社によると、スラビャンスク近郊をパトロールしていた治安部隊のヘリコプター２機が２３日、何者かに銃撃された。機体がわずかに損傷したものの、乗員にけがはなかったという。２２日にもスラビャンスク上空で軍偵察機が銃撃されている。

　ウクライナ暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は２２日、行政庁舎の占拠を続ける親露派武装勢力の強制排除に向けた「対テロ作戦」を再開すると表明していた。一方、ラブロフ露外相は２３日、露国営テレビに出演し、「平和な抗議に対して軍を投入している」と暫定政権を批判。ジュネーブ合意で「全ての過激主義者の武装解除」が決定されたのに、過激民族主義勢力の右派セクターは「まだ活動している」と非難した。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140425/erp14042500270001-n1.htm