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(世界発2014)新興過激派、中東荒らす アルカイダから派生「ISIS」 朝日新聞
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投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 4 月 30 日 13:41:44: mY9T/8MdR98ug
 

イラクのファルージャで3月末、イラクの治安部隊から奪った車両の上でポーズをとる過激派の戦闘員=ロイター


 国際テロ組織アルカイダから派生し、独自の活動を続ける過激派組織「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)が中東を揺さぶっている。イスラム国家の樹立を掲げてイラクからシリアに至る各地を占拠し、世界中の過激派を引き寄せる。国際社会の対応は後手に回っている。

 ■イラクの要衝、占拠4カ月

 「バキア! バキア!(我々はとどまる)」

 四輪駆動車の荷台に乗った目出し帽姿の戦闘員が、自動小銃を掲げて気勢を上げる。砲身3メートルの対空砲を備えた軍用トラックがゆっくり後に続く。

 イラクの主要都市ファルージャで3月下旬、ISISが、イラク軍から奪った「戦利品」を見せつけるように市中心部で軍事パレードを繰り返した。公式ツイッターで写真が続々と配信され、動画もネット上で広がった。

 「装甲車1台と軍用車両4台を含む計約70台。どんな装備があるのか、いい情報収集になった」。掃討作戦に当たるイラク内務省のサード・マーン報道官(42)は朝日新聞の取材に苦々しい表情を浮かべた。

 ファルージャがISISの手に落ちたのは、一瞬の出来事だった。

 イスラム教スンニ派が大半のアンバル州で昨年末、シーア派のマリキ首相に対するデモが激化。強制排除で死傷者が出たため、治安部隊が事態の沈静化を狙って中心部から引き揚げた隙にISISが入り込み、警察署などを占拠した。4カ月が過ぎた今も奪還のメドは立たない。

 地元記者ガッサン・クバイシ氏(36)によると、商店や食堂は8割が閉店し、学校や病院も大半が閉鎖。占拠の長期化で食料品やガソリンが高騰し、3カ所の検問を通って手押し車で運び込む米や砂糖、医薬品が命綱だ。国連イラク支援団(UNAMI)によると、アンバル州で7万世帯以上が避難を余儀なくされた。

 ISISによる「統治」も進む。敵視するシーア派の大国イランからの食品や車の持ち込みを禁じたり、モスク4カ所に宗教法廷を設置したりといった具合だ。市内から脱出した警察官ムハンマド・ファルハンさん(39)は「ISISは宗教法廷で好き勝手に住民を裁いている」と話す。

 ■スンニ派国家樹立が目的

 ISISは、アルカイダ系などスンニ派反米勢力が2006年に合流した旧イラク・イスラム国(ISI)が前身。米軍の掃討作戦でいったん弱体化したが、シリアの内戦や米軍撤退などを背景に11年ごろから息を吹き返した。

 昨年4月にシリアのアルカイダ系ヌスラ戦線との合併を宣言し、「ISIS」と改名。7月にはイラクで刑務所2カ所を襲撃してアルカイダ系幹部ら数百人を脱走させ、その多くを組織内に引き込んだ。

 カフェやモスクなどでシーア派住民を狙った自爆テロを繰り返し、拘束者を斬首したり銃殺したりする動画をネットで拡散。メディアを駆使して「最強で残忍」との印象を定着させ、瞬く間にイラク西部とシリア東部に勢力圏を築いた。UNAMIの集計ではイラクの昨年の民間人死者数は7818人に達し、08年以降、最悪となった。

 サウジアラビアなど周辺国や欧州からも若者らの参加が相次ぎ、勢力は数千人規模との見方もある。

 ただ、急成長はアルカイダ系の内紛を招いた。シリアのヌスラ戦線はその後ISISの合併宣言を拒み、後ろ盾を求めてアルカイダ指導者ザワヒリ容疑者へ忠誠を表明。同容疑者は昨年5月、ISISにイラクにとどまるよう裁定を下したが、ISISは「シリアに残る」と一蹴。今年に入ってヌスラ戦線と本格的な戦闘となり、ザワヒリ容疑者も「ISISはアルカイダと無関係」と宣言、逆にISISはアルカイダ指導部が「道を踏み外した」と非難した。

 ヨルダンにあるシンクタンク、ビジョン研究所のマルワン・シェハデ代表によると、「アラブの春以降、アルカイダは広範な反体制勢力との協調に転じたが、ISISは排他的な国造りに突き進んだ」という。

 対米テロには関心を示さず、攻撃対象は同じイスラム教のシーア派。イランやシリア、イラクの現政権を倒して厳格なイスラム法に基づくスンニ派国家の樹立を目指す。部族の支援のほか、ガソリン販売や不動産など自ら事業も手がける。

 米ワシントン近東政策研究所のマイケル・ナイツ研究員は「自力で資金調達するノウハウがあり、支配地域を広げるほど資金力も太る構造だ」と指摘する。

 ■米、掃討支援に転換

 ISISが東部などで勢力を得たシリア。米欧などはこれまで反体制派を支援してきたが、アサド政権を一気に倒してしまえば、今度はシリアがISISなど過激派の拠点になりかねないとの懸念を強めている。

 米国のオバマ政権は米軍の撤退後、イラクとは距離を置いてきた。だが、ISISが勢力を伸ばしはじめた昨年末に方針を転換。イラクに対して空対地ミサイルやアパッチ攻撃ヘリコプターなどを供与し、米軍特殊部隊も隣国ヨルダンで訓練を始めたとされている。

 イラク軍は今月27日、シリア領内で初めてイラクに向かうISISの車両8台をヘリで攻撃した。米国やイラクが軍事的な対応を取り始めたことで、ISISの一時の勢いには陰りもみえるとされる。

 今後は、イラク領内で占拠されたファルージャの行方が焦点となる。イラク内務省のマーン報道官は「24時間で制圧できる」とする一方、「市民の犠牲は避けられない」とも話す。

 イラクは30日に総選挙を迎える。マリキ政権は続投を狙うが、選挙結果次第では政権の枠組みもすぐには見通せず、占拠が長期化する可能性もある。(バグダッド=村山祐介)


http://digital.asahi.com/articles/DA3S11111548.html?ref=pcviewer  

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コメント
 
01. 2014年4月30日 22:06:08 : GC0upy31qg
サウジとアメリカの方針に齟齬が起きている。
そういうことだ。

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