韓国船沈没 捜索の民間ダイバー死亡の背景に“縄張り争い”
http://gendai.net/articles/view/newsx/150009
2014年5月7日　日刊ゲンダイ

相次ぐ悲劇／（Ｃ）ＡＰ

　韓国の旅客船沈没事故で、捜索作業に従事していた民間ダイバー（５３）が６日、死亡した。捜索に当たるダイバーに死者が出るのは初めて。死亡したダイバーは補充要員として、この日初めて作業に参加したという。

　今回の事故では海洋警察や海軍に所属する潜水士たちが民間参入を嫌がってきた。民間企業による協力の申し入れにも、「おまえたちが来る場所ではない」と拒絶したほど。背景にあるのは高額報酬で、彼らは危険な作業に従事するため、収入は月６００万ウォン（約５８万円）から多い時は１０００万ウォン（約９８万円）に上るという。

　先月下旬に現地対策本部が民間ダイバーの投入を中断した際、民間企業の代表が「いいビジネスチャンスだったのに」と語って物議を醸した。ある民間ダイバーは「海洋警察は高校生の命よりも自分たちのメンツや縄張り意識の方が大切な連中だ」と憤っていた。

　行方不明者家族の反発を受け、対策本部が民間潜水士の再投入を決めた直後の死亡事故。亡くなったのはベテランダイバーだが、酸素ボンベを携帯せず、韓国語で「モグリ」と呼ぶ、地上からの空気パイプを口にしながら潜る方法で活動していた。

（日刊ゲンダイ特派ジャーナリスト・太刀川正樹）

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