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セウォル号の実質オーナーが逃避行を続けられる理由  
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投稿者 機智 日時 2014 年 6 月 05 日 04:13:05: yU/IUd8cSA/vo
 

セウォル号の実質オーナーが逃避行を続けられる理由
検察と青瓦台の動きを把握、政府内に情報提供者がいる可能性大
2014.06.03(火) アン・ヨンヒ

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40847

している。セウォル号沈没事故後も地下鉄事故、バスターミナル事故など、多くの負傷者を出している様々な事故が続くなか、韓国では「安全の仕組み」の見直しが始まっている。

清海鎮海運の筆頭株主に向けられた国民の怒り

 だが、それはすぐにどうにかなるものではないらしい。その後も人災と思われる事故や事件が後を絶たないからだ。

 さて、沈没船に関しては朴槿恵(パク・クネ)大統領が国民に対して謝罪したものの、それでもまだ怒りを収めることができない国民たちにとって、現在はセウォル号を運行する清海鎮海運の筆頭株主であるオーナー一家に怒りの矛先が向けられている。

 セウォル号が沈没してからすぐに清海鎮海運のキム・ハンシク代表が謝罪会見をしたが、実は彼よりもっと会社の株を持っているオーナー一家がいたことが明らかになったのだ。

 兪炳彦(ユ・ビョンオン)氏は、清海鎮海運の筆頭株主であると同時に、1990年代からセモという会社の名で漢江の遊覧船などを経営していた。現在、兪氏はセモを廃業し、清海鎮海運社などから捻出される資金を利用し、フランスのベルサイユ宮殿で写真の個展を開くなど、フォトグラファーとして悠々自適に暮らしていた。

 しかし、兪前会長を調べれば調べるほど不正の疑いが強まってきた。そのため実質的なオーナー一家に関してはかなり早い段階で出国禁止令が出ており、逮捕状も出ていた。

 また、彼ら一家と関連のある政治・経済・宗教界・芸能界の人たちもマスコミを賑わした。兪氏と関係があると名指しされた人たちは懸命に関連性を否定した。

 特に、宗教団体である基督教福音浸礼会との関連が取り沙汰されている。これに対し、韓国基督教福音浸礼会は、兪氏一家と関連のある「基督教福音浸礼会」と自分たちとは全く関連性のないものだと否定した。

 つまり、兪氏が所属している会は俗称を「救援派」と言って、正統なキリスト教会からは全く認められていない教会であるということらしい。

 兪氏は、救援派の牧師も務めており、信徒たちには絶大な権力を振るい、闇献金などの疑いもあり、警察は救援派に関しても捜査し始めている。

 しかし、兪氏の身柄確保に失敗した検察は、5月22日に経営に関わったとされる兪氏一家を指名手配するに至った。兪氏は5000万ウォン、息子のデキュン氏には3000万ウォンの懸賞金もかけられた。

 兪氏の容疑は、 清海鎮海運など法人資金の横領、背任および脱税、兪氏の長男であるデキュン氏は、会社の資金を横領した容疑である。

10倍に懸賞金が跳ね上がった元会長

 マスコミは、指名手配になった兪炳彦氏らが、変装した場合の顔写真一つひとつを検証したりしながら報道に拍車をかけた。しかし、決定的な情報告発がなく、5月25日から懸賞金は10倍に跳ね上がっている。

 兪氏には5億ウォン、長男は1億ウォンという具合である。そんななか、彼らの逃避を助けていると思われる救援派の信徒たち4人が警察に逮捕された。彼らは逃避に必要な物品を渡したり、携帯電話を貸与したという。

 救援派の信徒たちは不当に信徒たちを逮捕しているということで、記者会見を開いて抗議のデモを行っている。

 兪親子の行方を追っている検察は、兪前会長が救援派の研修院である「錦繍院(クムスウォン)」に匿われているという情報を手に入れ、さっそく向かったが間一髪のところで逃してしまった。

 その後、スンナムの別荘にいるという確証も得たが、これまた逃してしまい、検察の威厳が大きく傷ついてしまった。

 こうしたことから、捜査が五里霧中に陥っている理由に様々な憶測が飛び交っている。実は追手である検察側の情報が筒抜けなのではないか、または、政権側に彼らを庇護する勢力がいるのではないかという見方である。

 そうしたなか、兪元会長が検察の動きと青瓦台の動きをほとんどリアルタイムで見ることができているという実態が明るみに出てきた。

 そのため兪元会長の背後に彼を庇護する勢力があるのではないかという疑惑が提起されている。野党側を中心に政治圏の一部では検察の内部にいわゆる「兪炳彦(ユ・ビョンオン)キッズ」がいるのではないかというのだ。

 一方、検察・警察がことごとく兪炳彦前会長の追跡に失敗するなか、懸賞金狙いのハンターたちが全国各地から彼の身柄が最後に確認された全羅南道のスンチョン・智異山一帯に続々と集まってきている。

 特に、今回の懸賞金は既存の懸賞金が「その他の所得」に分類され、15%の税金を取られるのとは違って、「報奨金」名目で「非課税その他の所得」となるため、税金を取られず全額現金で支給されることからも拍車がかかっている。

 兪前会長さえ捕まえられれば、現金で5億ウォンを手にすることができる。さらに、長男のデキュ氏も一緒に捕まえれば6億ウォン。これは最近賭け金の総額が減ったロトよりずっと確率が高そうに見えるのだ。

逃避を助ける救援派の「キムオンマ」

 現在、救援派の中でも兪前会長に対しては「堂々と捜査を受けるべきだ」とする派と「絶対に受けるべきではない」とする派とがあるという。

 そのなかで「キムオンマ」と呼ばれる女性が中心となって兪前会長を神格化し、全国の信徒を錦繍院に集めデモなどを企画したり、人的・物的資源を動員して検察や警察の動向を把握するなど、兪前会長の逃避をサポートしているという。

 オンマというのは、元々「母親」という意味だが、救援派では女性の信徒を指す用語だという。こうした「キムオンマ」に関しては検察では本名を突き止められず、救援派ではキムという苗字は数百人もいるので、誰のことなのかさっぱり分からないと話している。

 これに対し、6月2日に朴大統領は「兪炳彦一家の財産形成過程は不法と疑惑そして庇護勢力なくしては不可能である」とし、「兪炳彦一家の逃避行為は法の秩序を根本的に毀損するものであり早急に検挙しなければならない。国家と国民を愚弄し、社会を乱すこのような人たちが韓国社会にこれ以上根づかないようにしなければならない」と話した。

 巷間では密航を試みる可能性があると言われている兪前会長。密航する前に懸賞金ハンターたちが捕まえることができるのか、韓国では国民の関心を一身に集めている。ちなみに、長女は先日フランスで逮捕されていることから、兪氏がすでに海外逃亡している可能性も否めない。

 

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