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韓国の新経済副首相はウォン高容認派? 注目の経済政策、不動産対策に力点が置かれているが・・・
http://www.asyura2.com/14/asia15/msg/595.html
投稿者 機智 日時 2014 年 6 月 23 日 02:41:33: yU/IUd8cSA/vo
 

韓国の新経済副首相はウォン高容認派?
注目の経済政策、不動産対策に力点が置かれているが・・・
2014.06.23 JB Press 玉置 直司

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41020


2014年6月、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、首相など7閣僚と青瓦台(大統領府)の一部首席秘書官の刷新人事を発表した。

日韓のメディアの話題の中心は圧倒的に、日本の植民地支配や慰安婦問題についての過去の発言などで話題の文昌克(ムン・チャングク=1948年生)氏首相指名の人事だが、産業界の注目は経済副首相の交代だ。やり手の現職国会議員の発言にも大きな注目が集まっている。

首相人事の迷走が話題をさらっているが・・・

韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、政権発足後初の内閣改造に踏み切る〔AFPBB News〕

朴槿恵大統領は6月10日に、大手紙「中央日報」の主筆などを務めた文昌克氏を首相に、駐日大使の李丙h(イ・ビョンギ=1947年生)氏を情報機関である国会情報院の院長に指名した。

さらに13日には、経済副首相兼企画財政相のほか、安全行政相、未来創造科学相、雇用労働相、教育相など7閣僚の交代人事を発表した。

今回の人事は、政権発足後、初めての大規模な閣僚人事だ。併せて青瓦台の一部首席秘書官も交代させた。また教育相には新設する社会副首相も兼務させることになった。

人心一新で、セウォル号事件の対応を巡って噴出した政府批判をかわす狙いだった。ところが、首相人事については、いったん指名した元の大法官(最高裁判事に相当)出身弁護士が個人的な問題で「指名辞退」に追い込まれた。さらに文昌克氏に対しても野党だけでなく、与党内からも批判が起きてしまった。

韓国の政界は、首相人事で大騒ぎだ。首相人事は国会の同意が必要で、この関門を通過できるのかどうかが最大の焦点なのだ。

だが、産業界に目を移すと、注目の的は、何と言っても新たに経済副首相兼企画財政相の指名を受けた崔Q煥(チェ・ギョンファン=1955年生)氏だ。

一体どういう人物なのか。

産業界の注目の的の新経済副首相はどんな人?

崔Q煥氏は、保守の地盤である韓国南東部の慶尚北道出身で、大邱(テグ)高校から延世大学に進学し、経済学を学んだ。上級国家公務員試験にあたる行政高試に合格し、経済企画院などで経済官僚の生活を送った。途中、韓国の高級官僚が多く留学することで知られる米ウィスコンシン大学で経済学博士号を取得している。

経済官僚としての生活に飽き足らなかったのか。40代半ばで韓国経済新聞で論説委員などを務める。ある韓国紙デスクは「メディアでずっと仕事をしようというよりも、すでに政界進出を考えていた」と語る。

実際、2002年12月の大統領選挙の際には、野党(保守系)の李会昌(イ・フェチャン)候補の政策特別補佐官を務めたが、選挙戦では盧武鉉(ノ・ムヒョン)候補に敗れた。

その2年後の2004年にハンナラ党(現在の与党・セヌリ党)から国会議員に当選。以来、2008年、2012年の選挙で連続当選を果たした。

韓国では政治家の浮沈を決定付けるのは何と言っても大統領選挙への対応だ。

経済官僚、経済紙論説委員を経て、朴槿恵氏側近に

2007年の大統領選挙は、野党だったハンナラ党には、李明博(イ・ミョンバク)氏、朴槿恵氏という2枚の強力なカードがあった。本選挙よりも激しかった党内候補選で、崔Q煥氏は朴槿恵陣営の選対幹部になった。しかし、党内選挙で敗れた。

大統領選挙で支えた候補が2回続けて敗れはしたが、この選挙で崔Q煥氏は朴槿恵氏の側近としての地位を固めた。

とはいえ、李明博政権時代に冷遇されていたわけではない。政策通でありながら、話術に長け、また行動力も買われ、主要経済閣僚である知識経済部(現産業通商資源部)長官になった。

在任期間中の2010年には、東レの榊原定征会長(現経団連会長)が韓国での大型投資などの功労で産業分野では最も格上の「金搭産業勲章」を受章したが、この授賞式で勲章を授与したのも崔Q煥長官だった。

2012年の大統領選挙では、朴槿恵候補の選挙対策総括本部長などを歴任した。念願の朴槿恵政権が誕生すると、さらに存在感は増す。

「大統領の側近議員」として、与党のナンバー2である院内総務に就任した。

韓国メディアは早くから、「次の経済副首相」の最有力候補として崔Q煥氏の名前を挙げていた。

その意味では、「本命」の経済副首相指名だ。

朴槿恵大統領は、セウォル号事故が起きる前から、一部閣僚の交代を検討していたようだ。その一番手は、首相ではなく、経済閣僚の入れ替えだった。

朴槿恵政権は、発足からセウォル号事故発生までの間、比較的高い支持率を維持してきた。原理原則を曲げない姿勢や、身辺がきれいでスキャンダルがないことなどが評価を受けていた。

その一方で、「経済」は頭の痛い問題だった。政権発足後、経済政策に限って言えば、あまり高い評価を受けられていなかったのだ。

特に、政権発足とともに起用した経済官僚出身の経済副首相は、目立たない存在で、与党からもたびたび「指導力が見えない」などとの批判を浴びてきた。また、朴槿恵大統領が「政権の目玉」として新設した巨大官庁である「未来創造科学部」についても、何をしているのかさえ、十分に国民に伝わっていなかった。

だから韓国メディアにもたびたび、「経済副首相更迭」「経済閣僚総入れ替え」などという報道があった。

「マクロ指標と体感景気との乖離」に焦点

では「本命経済副首相」はどんな政策を進めるのか。

政治家である崔Q煥氏は、経済副首相としての課題はよく理解しているようだ。それは「マクロ指標と体感景気との乖離」だ。

韓国の2014年の経済成長率は、3.8%前後に達するとの見方が多い。この数字自体は決して悪くはない。また、2013年に過去最大の700億ドルに達した経常黒字は、2014年もさらに拡大する見通しだ。

セウォル号事故の影響で、韓国内では「自粛ムード」が強まり、消費が萎縮している(ソウル市内の階段に描かれた事故犠牲者を追悼するシンボル)〔AFPBB News〕

経済成長率はまずまずで、経常黒字は史上最大規模を更新中。にもかかわらず、体感景気はよくない。セウォル号事故の影響で、4月半ば以降、韓国内では「自粛ムード」が強まり、消費が萎縮している影響は小さくない。だが、それだけとも言えない。

一部の輸出企業が圧倒的に稼ぎ、これがなかなか中小企業や個人に波及しないという問題がある。

崔Q煥氏は、経済副首相の指名を受けた後に、韓国記者たちと会って「経済成長が何%だったのかという数字より体感景気が重要だ。成長したならば、その果実が国民に行き渡らなければならない」と話している。

問題はどうするのかだ。もちろん、公共投資の拡大など、経済副首相としてできる政策は積極的に動員するはずだ。何よりも、雇用拡大が最も体感景気に直結するからだ。

そういう一般的な政策以外に、指名を受けた後の発言で注目を集めた内容が2つある。

不動産融資規制は「冬に夏服を着ているようなもの」

1つは、不動産対策だ。一般国民にとって「不動産」は今も昔も最大の「経済問題」だ。一貫して上昇を続けてきた不動産価格が、ここ数年、横ばい、下落になってきたことで、資産価値の減少や家計負債の急増という深刻な問題も引き起こしている。

崔Q煥氏は、「体感景気」で大きな比重を占めている不動産問題に強い関心を持っている。韓国記者たちに対しても「今の不動産に対する各種規制は、不動産市場がよかった時期に導入したものだ。例えて言えば、冬になったのにまだ夏服を着ているから風邪を引いて死んでしまうのではないか。季節が変わったのだから服を替えないといけない」

韓国では、盧武鉉政権時代に不動産価格が急騰し、各種の規制が導入された。代表的な規制が、融資規制だ。ソウルでアパートを購入しようとした場合、購入価格の50%までしか融資を受けることができない。さらに、融資の年間返済額が年間所得の50%を超えることもできない。

LTV(住宅担保貸出比率)やDTI(総負債償還比率)と言われる規制は特にソウルや首都圏でその基準が厳しく、不動産売買を停滞させているという声が、特に不動産業界から強く出ていた。

崔Q煥氏は、この2つの規制の緩和に前向きなのだ。不動産売買を活性化させて、体感景気を向上させたい。こういう考えだろう。

歴代首脳の「ウォン安志向」とは一線

もう1つが、為替についてだ。歴代の政府首脳は、ほぼ一貫してウォン安志向だったと言える。輸出大企業こそが韓国経済の牽引役であり、ウォン安は無条件でプラスという考えだった。

しかし、崔Q煥氏はかなり異なるようだ。崔Q煥氏はこう語っている。

「為替政策は今となっては、国民の幸福からかけ離れていないか。過去には、ウォン安になれば輸出が増えて雇用も拡大すると国民は信じてきた。だから、ウォン安で損害があっても我慢してくれた。だが、今は企業も海外進出していてウォン安効果が出てこない。むしろ国民の立場から見れば、ウォン高になれば購買力が向上し実質的な所得が増えるという効果もある」

これまでもエコノミストの間からは、こうした意見は出ていたが、経済副首相に指名された人物がここまで踏み込んだ発現をするのは極めて異例だ。

外国為替市場では、じわじわとウォン高が進み、自動車、化学、鉄鋼など幅広い業界で収益が悪化してきた。大企業は当然、「強力なウォン安政策」を期待していたのだが、出てきた発言はこれとは真逆で、困惑しているはずだ。

不動産と為替。2つとも、政策の方向性として韓国経済全体のプラスになるのかどうかは未知数だ。反対意見も少なくない。

だが、経済副首相が政策の基本を「国民視線」に置き、大企業の反対があってもこれを進めようとするならば、それはそれで画期的なことでもある。今度の経済副首相は注目を集めそうだ。
 

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