【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の携帯電話の基本料金は、北朝鮮ウォンで１０００ウォン（１３円）であることが分かった。米政府系放送局のラジオ自由アジア（ＲＦＡ）が４日、中朝国境地域の消息筋の話を引用し報じた。この金額で１カ月に２００分の無料通話が可能だという。

　先月１５日現在、北朝鮮市場では１ドルが平均８２００ウォン水準で取引されていることを踏まえると、基本料金の１０００ウォンはわずか１２セントにすぎない。

　同消息筋は、「携帯電話の基本料金は為替レートで計算すればただ同然」としながら、加入者が毎月１０００ウォン支払えば２００分の無料通話が提供されると説明した。

　ただ、無料通話分の２００分を超えた場合は追加料金を外貨で支払わなければならないという。追加料金は１００分当たり中国人民元で８０元（１４８７円）で、基本料金に比べ大幅に高い。

　そのため、通話量が多い貿易商などは他人名義の携帯電話を別途契約して無料通話時間を４００分に増やしているとされる。

　北朝鮮にいる家族と頻繁に連絡を取り合う北朝鮮脱出住民（脱北者）は、聯合ニュースの取材に対し「北では携帯電話を購入する際に数百ドルの費用がかかるが、無料通話時間内に収めれば通話料は全く負担にならない」と話した。

　ＲＦＡは北朝鮮で携帯電話の基本料金が安いのは、携帯電話をよく使う当局幹部らに便宜を提供するためだと伝えた。

　北朝鮮は携帯電話事業を開始した当初、中央や地方の朝鮮労働党、政権機関、国家安全保衛部（秘密警察）、人民保安部の幹部らに業務用の携帯電話を無料で配布したとされる。

　北朝鮮での携帯電話事業は、北朝鮮逓信省とエジプトの通信大手「オラスコム・テレコム」の合併企業「高麗リンク」が運営している。加入者数はこのほど２４０万人を超え毎年増加傾向にあるとされているが、基本料金が安いため事業全体の収益は外部に知られているよりもはるかに少ないとＲＦＡは分析した。

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