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南シナ海の石油開発に見る 中国の焦燥感と被害者意識(Wedge)
http://www.asyura2.com/14/china4/msg/440.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 7 月 02 日 13:41:15: igsppGRN/E9PQ
 

南シナ海の石油開発に見る 中国の焦燥感と被害者意識
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140702-00010002-wedge-cn
Wedge 7月2日(水)12時20分配信


 中国がベトナムとの領海係争を抱える海域で石油掘削を強行してベトナムの猛反発を招き、中越関係はここ数年で最悪の状態になっている。中国の石油掘削は日本でも注目され、なぜこの時期に中国が作業を強行するのか、様々な分析がなされている。石油業界を中心とした資源利権グループが背後で暗躍しているという指摘(5月19日、石平氏記事)は説得力あるが、中国の当事者たちがどのように考えているのか、なぜこの時期に作業を強行しようとするのか日本での報道は少なく、当事者たちが何を考えているのかよくわからない。

 そこで今回は正に当事者の一人、中越係争地で石油掘削を強行する掘削リグ「海洋石油981」の設計責任者の主張と石油開発についての造船業界誌の解説を紹介したい。『艦船知識』誌7月号の巻頭言として掲載された「海洋石油981」の沈志平・総設計師による「南シナ海開発の防衛体系構築は一刻の猶予もならない」と「巨竜の進撃 日増しに激烈になる中国南シナ海での石油係争」という文章だ。

 『艦船知識』誌は巨大な軍需産業コングロマリットである軍工十大集団の一つ中国船舶工業集団公司が主管する大衆向け雑誌で、中国船舶工業総合技術経済研究院が刊行している。中国で刊行される100超の軍事雑誌のうちの代表的な雑誌でもある。

※前に中国の軍事関連雑誌は50誌以上と書きました。廃刊したものも含め約120の雑誌が確認できたので訂正し、お詫び申し上げたい。

【記事(1)『艦船知識』誌 巻頭言 2014年7期(総418期)(抄訳)】

 「海洋石油981」は我が国初の自主設計により建造された深水・半潜水式の石油掘削リグであり、南シナ海、東南アジア、メキシコ湾、西アフリカ等世界の石油・天然ガスが豊富な海域での掘削、探査作業が期待されている。「海洋石油981」甲板の最大積載量は9000tと3000メートルもの深海作業も可能で、先進的な掘削設備、自動化制御システムを配備しており、異なる水深での正確な定位測定を可能にした。安全で効率よく、環境にも優しい作業を保証していて第六世代半潜水式の掘削プラットフォームでは世界先端レベルを有する。また劣悪な海洋環境に合わせて設計されており、安定性と設計強度では200年に一度という風波にも耐えられるように設計されている。

 「海洋石油981」は現在、我が国・西沙諸島の「中建島」(ベトナムは「トリトン島」と呼称。台湾も領有権を主張:筆者)付近海域で掘削作業を行っており、中国海事局が作業地域に通告と航行警報を出した。企業の普通の作業にもかかわらず、ベトナム船から頻繁に野蛮な妨害を受けている。このため「海洋石油981」は世界中から注目を集めるようになった。

 中国の南シナ海には豊富な石油・天然ガス資源があり、石油埋蔵量は約230〜300億トンに上ると見られる。天然ガスは16億立方メートルで我が国の総埋蔵量の3分の1を占める。うち70%が深海海域と見られている。南シナ海での島礁の主権や領海を巡る係争が熱を帯びる中、周辺諸国も石油・天然ガス探査を加速させており、近海、沿海から深海海域へと進出している。我が国が主張する「争議を棚上げし、共同開発を進める」原則は周辺諸国から肯定的反応を得ていないどころか一部の国は「早い者勝ち」と手段を講じ「既成事実」作りだして中国の主権を侵犯し、石油・天然ガス資源を併呑しようとしている。

 こうしたことから我が国の南シナ海で権益を守り、石油・天然ガス開発は一刻の猶予もならない。「海洋石油981」はこうした背景の下に生まれた。複雑な主権係争と衝突に直面し、我が国の石油・天然ガス開発は必ずしも順調に事が運ぶとは限らないだろう。しかし、我が国の南シナ海開発の戦略とプロセスは断固として進めるべきで退路はない。

 南シナ海の中部、南部での地理条件や保障の不利な要素もあり、周辺国が手段を選ばず、妨害、破壊を行う中で、我が国は南シナ海での石油・天然ガス開発の正常な作業を保障する為に開発防御態勢の構築を重視しなければならない。海警法執行能力と装備建設を強化するとともに西沙、南沙諸島海域に保障基地を建設して法執行能力を高め、俊敏に反応し、継続できるよう配備を進めるべきだ。

【記事(2)『艦船知識』誌2014年7期(抄訳)】

 5月3日、中国海事局は航行通告を発表した。中国海洋石油総公司の「海洋石油981」石油掘削リグが北緯15度29分58秒、東経111度12分6秒を中心に半径3カイリ範囲の中国西沙海域で3カ月の掘削作業を行うことを発表した。その後、ベトナム側は我が国の掘削作業の妨害を始めた。

 南シナ海は「第二のペルシャ湾」とも呼ばれ、200−300億トンの石油埋蔵があるとされる。これまで東南アジア諸国の石油採掘量は年間6000トン程度で、石油の生産は沿岸の大陸棚のガス田で行われるのが主で九段線内での生産はごく一部分にすぎなかった。

 ベトナムは1987年に初めて海上の白虎油田で生産を始め、その後石油の採掘は高度成長期に入り、石油輸出国となった。現在、ベトナムは我が国の九段線地域を数十の区域に区切って石油メジャーに開発させている。1990年代後半になると石油産出は安定期に入り、1998年から2003年の間の年間成長率は3.11%、2012年の総産出量は1670万トンだった。沿岸でも天然ガス田が発見され、2002年から2009年に年間21%増えた。

 ベトナムは原油輸出国だが、長年にわたり石油精製能力に欠き、製油輸入国でもある。初の製油工場で精製が始まったのは2009年であり、製油輸入局面をやっと変えられるようになった。とはいえ石油・天然ガス資源の需要の激増、石油の採掘は頭打ちで新たな大油田を発見できなければ石油生産は減少に転じるとされている。

 1992年に米クレスト社と中国海洋石油社は「万安北」灘の21区画での開発に調印した。同海域の面積は2万5155平方キロ。1994年4月にクレスト社は我が国の「実験4号」探査船で初の海上探査作業を行った。ベトナム側は5隻の武装船を出して監視、妨害した。そのため探査船は作業を終えずに帰還し、我が国初の南シナ海での探査は棚上げされた。ベトナム側はその後、この地域に入り込んで探査作業を行った。

 こうした事件から20年経って「海洋石油981」リグはついに我が国南シナ海南部において初めて探査を行った。5月4日からの中越の摩擦が示すのは、圧倒的な軍事的優勢が石油・天然ガス探査での決定的要素となっているということだ。この度の摩擦は一つの開始にしか過ぎず、中国政府は全力で「海洋石油981」の探査作業を守らなければならない。

 2013年に我が国の石油産出量は2億1000万トン(2.1%増)であり、原油輸入は2億8200万トン(同4%)、消費量は4億8700万トンだった。我が国のエネルギー安全保障を守るためには我が国は国内供給能力を保持し、原油生産量を増やし、対外依存度を下げる必要がある。

 我が国陸地の油田資源は減少し続け、埋蔵量の増加が見込めないことから海洋油田は石油安定供給の新たな柱になると見られる。こうして沿岸から近海へ、更に深海への海洋石油の発展は必要な道だ。中国海洋石油社は我が国最大の海洋石油生産業者であり、「海洋石油981」を象徴とする「深水艦隊」も設立した。

 2013年の我が国海域での石油・天然ガスの生産量は5000万トンだが、現在の情勢では南シナ海での石油開発を全面的に展開するには困難が伴う。それには距離的な問題がある。南シナ海は我が国大陸から遥かに離れており、巨大な浮遊式のタンカーが必要で、液化天然ガスを運ぶ船も要る。深海探査も踏み出したばかりで関連設備には大規模な資金と長期にわたるテストも必要だ。

 地質的な困難さもある。南シナ海は「第二のペルシャ湾」と呼ばれるが、ペルシャ湾とは地質的に大きく異なる。南シナ海は巨大な堆積盆地で理論上は石油・天然ガスが豊富だが、地質条件は複雑で各国や石油メジャーは技術の関門を突破できていない。

 軍事や政治的リスクもある。南シナ海南部の主要石油・天然ガス田は、我が国本土からかなり離れている。多くは九段線に沿って分布するが、我が国は周辺国と領海係争を抱え、石油天然ガスの探査、開発には軍事衝突のリスクある。こうしたリスクから外国投資を呼び込むのが難しく開発リスクを高めている。係争海域で各国は誠意と相互信頼を欠き、前に行われた南シナ海での共同探査は成果なく終わった。

 「海洋石油981」の中建南盆地での探査は南シナ海各国の神経を逆なでし、他の国は警戒するだろうが、同時に周辺国が我が国と協力破棄する可能性にも注意すべきだ。「海洋石油981」の3カ月にわたる探査は始まりにすぎず、一旦重大な発見があれば同地域で摩擦、係争が長期化する可能性もある。

【解説】

 中国が石油掘削を強行する理由や理屈はそれほど知られていないが、本文は当事者がどのように考えているのか関係者の主張をよく伝えている。それほど斬新ではないが本文からは業界関係者の焦り、危機感が伝わってくるだろう。主張の合理性や道理の有無は別として、同海域での石油・天然ガス埋蔵量が中国自身の同エネルギー供給の3割強を占めるがゆえに周辺国からの「妨害」に対して一刻も早く実効支配を確立しなければならないという焦りがあるようだ。

 また、周辺国との協調よりも独自で作業を強行しようという志向も窺える。「981」の他に4基の掘削リグが設置されたという報道もある。こうした背景には利益集団としての石油業界や造船業界(つまり軍需産業)の存在もあろう。60億元(約1000億円超)かけて建造され、昨年末に就業した石油掘削リグ「海洋石油981」を使いたくてしょうがない業界のはやる気持ちも窺える。我慢には限度があり、早く着手しなければ後れを取るという焦燥感と被害者意識、そしてもはや大国、先進国になった現在、こうした周辺の小国に侮られてはならないという傲慢さもあろう。しかし、それにしてもこうした諸国との係争長期化への覚悟と頑強さは一体どのような理由によるのか気になるところである。

弓野正宏 (早稲田大学現代中国研究所招聘研究員)


 

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コメント
 
01. 2014年7月02日 15:51:51 : yy7D5jhcis
不動産バブルとシャドーバンキングの大ペテンが本格的に崩壊すれば、天安門の1000倍くらいの大暴動から国家分裂に至る可能性が大だから、その前に、成長を牽引するネタを作ろうとして焦っているというのが真相だろう。

02. 2014年7月02日 17:30:19 : FI5JBlqCyc
軍部と組んでの利権構造の先鋭化だろう、現政権では軍を抑えられないんじゃないか。

03. 2014年7月02日 18:36:37 : nJF6kGWndY

>同海域での石油・天然ガス埋蔵量が中国自身の同エネルギー供給の3割強を占めるがゆえに周辺国からの「妨害」に対して一刻も早く実効支配を確立しなければならないという焦り

周りは敵だらけだからな

そして国内でも失敗すれば、将来はないw


04. 反イルミナティー主義 2014年7月03日 23:08:37 : c/WVv5CaliQ7M : FGVW5GHoGA
この与太記事を書いたのは
ユダ金のチンピライエローペーパージャーナリストか?どうせ連中のやることは騒ぎを扇動させ、コロを見計らって
漁夫の利を得るつもりだろ!!ユダ金の卑怯で姑息なやり方は
エルサレム奪還やアフリカ大陸侵略、そして北米におけるネイティブ
アメリカン討伐、さらにはベトナム侵略、中東戦争のころと何一つ変わっていない
読むに値しないヤクザな記事だ!!

[32削除理由]:アラシ
05. 2014年7月04日 13:13:04 : g3MjLm21J6
根本にあるのは中華思想と言う事がよくわかる。
その論理で行くと世界はすべて中国の物で、今はお前ら蛮族に貸してやってると言う傲慢な盗人の思想が良くわかる。
何もこのごに及んで先祖がえりしなくてもいいのに。
そんなこと言っていたらお前らの土地すべてモンゴルや壇君のものになっちゃうだろうが。


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