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中国金融改革の焦点
http://www.asyura2.com/14/china4/msg/556.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 8 月 02 日 05:04:56: Mo7ApAlflbQ6s
 


日経新聞連載記事:

(1)人民元の国際化 世界中に決済拠点

 中国の金融制度改革で、最近もっとも動きが目立つのが人民元の国際化だ。その役割を担うのは中国の国有銀行。6月に中国建設銀行にロンドンでの決済業務を認め、7月には交通銀行のソウル支店でも解禁するなど、世界中に元の決済拠点を広げ始めた。

 これまで中国人民銀行(中央銀行)はオフショア市場での元の取引を香港に集中させてきた。例えば韓国の銀行が中国に元を送金する際も、いったん香港を経由する必要があった。今後はソウルなどから直接中国に送れるようになる。企業にとって送金手数料の軽減などの利点がある。

 中国は2009年に上海市などで元建ての貿易決済を試行し、元の国際化に着手した。08年のリーマン・ショックの教訓を踏まえ、ドルに依存しない経済の仕組みをつくるのが目的だった。さらに11年には元建て貿易を中国全土で認めるなど決済通貨としての元の利便性を高め、ドル離れを促してきた。

 中国では元の国際的な地位の向上に自信を持つ声が強まっている。中国人民大学国際通貨研究所のト永紅副所長らは元の国際化の水準を独自の方法で試算し、「2〜3年で日本円と英ポンドを追い抜く」と予想する。

 ただ足元の元の実態は円と比べても、外貨との交換や送金で多くの規制に縛られている。新華社は最近の決済拠点の拡大を解説する記事のなかで「元が世界の三大通貨になるのは簡単ではない」(国家情報センター世界経済研究室の張茉楠副研究員)という慎重な見方を紹介している。

(編集委員 吉田忠則)

[日経新聞7月28日朝刊P.19]

(2)金利の自由化 新金融政策を左右

 中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は10日、米中戦略・経済対話の一環で北京で開かれた記者会見で「(金利の自由化は)2年以内に実現できる」と語った。3月にも同様のことを話した。
 なぜ金利の自由化を急ぐのか。経済学に「国際金融のトリレンマ」という考え方がある。為替の固定相場と海外から独立した金融政策、自由な資本移動の3つを同時に実現できないことを指す。

 中国は為替相場が自由に動かないように管理している。資本移動も厳しく制限している。だが昨年、輸出代金に見せかけて投機資金が流入して問題になったように、規制の網をくぐって資本が移動し始めている。
 現状のような行政指導で銀行融資量を管理する金融政策は、国境を挟んで投機マネーが動くようになると効きにくい。そこで新たに金利を使った金融政策が課題になる。

 中国ではすでに銀行間市場の金利や貸出金利は自由化されており、残る課題は預金金利の上限規制。肝心なのはそれも撤廃して金利が柔軟に動けるようにした後で、どんな手法を使って金融政策を実施するかだ。
 この点について周氏は会見で「短期と中期の調節手段で金利を誘導する準備を進めている」として、新たな金融政策の手法を公表することを示唆した。SMBC日興証券の肖敏捷エコノミストは「経済の要の金融で、計画経済から市場経済への移行が本格化する」と話す。
 国際金融のトリレンマの観点からは、金融政策の独立性を保つために、次は人民元相場の見直しが課題として浮上する。

(編集委員 吉田忠則)

[日経新聞7月29日朝刊P.25]

(3) 元の変動幅拡大 管理前提に弾力化

 中国人民銀行(中央銀行)は3月、人民元の対ドルの変動幅を、同行が毎朝発表する基準値の上下1%から2%に広げた。相場の弾力性は高まったが、必ずしも欧米や日本のような自由な為替相場の実現に向けて進んでいるわけではない。
 なぜ変動幅を広げたのか。人民銀行の報道官は「相場の上昇とも下落とも直接関係ない」とのコメントを発表し、相場の弾力化をきっかけに元高が進むという予想を否定した。金融専門家の趙慶明氏は新華社を通して「相場の変動リスクが大きくなることで、ホットマネー(投機資金)の流入の抑制につながる」と指摘した。
 人民銀行は元相場について「市場の需給を基礎にして通貨バスケットを参考に調節する」と説明。通貨バスケット制は、複数の通貨との関係を総合的に示す実効為替レートを標的にして相場を管理することを目的にする。
 狙いは、為替相場が貿易を大きく揺さぶるのを防ぐことにある。人民銀行が変動幅の拡大を発表した後、輸出入を担当する商務省の沈丹陽報道官は「実効レートに注目している」と強調した。
 国際決済銀行の試算によると、元の実質実効為替レートは昨年から今年2月にかけて大幅に上がった後、緩やかに下がった。最近の動きは輸出を後押しする思惑を示唆している。
 中国にとって為替相場はマクロ経済政策の一環。市場が注目する対ドル相場で投機資金をけん制し、実効レートをコントロールして経常収支の安定を目指す。管理相場と投機資金の綱引きがしばらくは続きそうだ。
(編集委員 吉田忠則)

[日経新聞7月30日朝刊P.29]

(4)資本取引の自由化 経済混乱恐れ慎重

 中国が金融制度改革でもっとも慎重なのが、資本取引の規制緩和だ。金利の自由化前に資本の流出入を自由にすれば金融政策が効かなくなり、国内経済が混乱すると心配しているためだ。
 海外から中国に投資する適格外国機関投資家(QFII)制度やその逆の仕組みなどはある。だが認めるのは、中国政府が決める枠の範囲内。ほかの規制緩和も手続きの簡素化ばかりで、資本が移動する量を管理する姿勢は崩していない。

 資本取引の自由化を視野に入れるべきだとの見方が出たこともある。例えば中国人民銀行(中央銀行)は2012年に「資本勘定の開放を速める条件は基本的に成熟している」との文章を発表。10年かけて主な規制をなくす案を示した。
 これに対し専門家から異論が出た。中国社会科学院の余永定氏は中国のメディアで「資本取引の規制は中国の金融を安定させるために重要な役割を果たしている」と強調。最近は自由化を急ぐべきではないとの意見が主流になっている。

 では日本と比べて、中国はいまどの段階にいるのか。日本は1980年の外為法改正で、原則禁止から原則自由にカジを切った。84年には為替先物を輸出入契約の裏付けがあるものに限る「実需原則」などを撤廃し、自由な資本移動を本格的に認めた。
 信金中央金庫の露口洋介上席審議役は「中国が実需原則の撤廃に進む気配は一切ない。日本の外為法改正のずっと前の段階」と指摘する。中国の金融改革のなかで、資本取引の自由化は最後の課題として残りそうだ。
(編集委員 吉田忠則)

[日経新聞7月31日朝刊P.26]

(5)上海貿易試験区 成長方式 転換試す

 昨年9月、経済改革を実験する「中国(上海)自由貿易試験区」が発足した。外資も巻き込み、医療サービスや不動産、通信販売など幅広い分野で規制緩和が進んでおり、金融はその柱の一つだ。

 中国人民銀行(中央銀行)は昨年12月に30項目からなる改革の基本方針を発表した。これに沿う形で、今年2月に国内外のグループ企業の間で余った人民元を柔軟に融通し合うことを解禁。5月には貿易決済や増資などの資金の移動を大幅に簡素化する「自由貿易口座」の開設を認めた。
 すでに試験区での実験を経て、区域外で緩和された規制もある。例えば人民銀は6月下旬、試験区で3月から実施していた300万ドル未満の小口の外貨建て預金の金利自由化を、上海市の全域に広げると発表した。
 一連の措置は厳しい規制が残る資本取引や為替相場の全面自由化につながるものではない。ただ、みずほ銀行(中国)の細川美穂子主任研究員は「ゆっくりだが、試験区から先に改革は進む」と指摘する。「上海市は中国の経済改革のモデル地域になっている」からだ。

 中国は工業製品を輸出して外貨を稼ぐ成長方式から、サービス業を軸とする内需中心の経済への転換を求められている。その要が、自由な資金のやり取りを可能にする金融改革だ。人件費が上昇し、成長率が鈍化しつつある上海市に課題が集中している。
 習近平国家主席は5月下旬に試験区を視察し、「試験区にタネをまき、心を込めて耕し、培った経験を押し広めなければならない」と語った。

(編集委員 吉田忠則)

[日経新聞8月1日朝刊P.29]


 

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コメント
 
01. 2014年8月04日 12:18:26 : nJF6kGWndY

格差問題がさらに加速しそうではある

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140724/269184/?ST=print
「最新中国ネット事情」
新たな金融仲介チャネル、ネット金融の台頭

2014年8月4日(月)  金 堅敏

 情報の分散や情報の非対称性を低コストで解決し、ビッグデータ技術の活用により情報の真の姿や新たな価値創造が可能になったインターネット技術は、金融分野で大きな威力を発揮している。

 中国で2013年は「ネット金融」元年とも言われている。連載の第2回で述べた急拡大するアリババのMMF(マネー・マーケット・ファンド)の資産運用分野とともに、インターネット・プラットフォームを介して伝統的な金融システムから独立したクラウドファンディングの急成長が、ブームの火付け役となった。

 クラウドファンディングは、ベンチャービジネスを起こしたい起業家や映画、音楽、ドキュメンタリー、デザイン、小説などの作品を作りたいクリエーターなどといった資金を必要とする人と、小額な資金を提供する個人(群衆)をマッチングするプラットフォームとして、ネット金融の中心的存在となっている。連載の第3回で述べたクラウドソーシングの金融分野での応用である。

 クラウドファンディングのビジネスの仕組みには、資金需要者と資金提供者の権利・義務設定で1)実物返済型(資金受け入れ側が開発した商品やコンテンツなどを含めたプロジェクト成果で資金提供者に返す設定)、2)出資型(受け入れ側が起業した会社の出資金=株式を提供者に与える設定)、3)融資型(受け入れ側が資金に一定の利子を付けて提供者に返却する設定、4)寄付型(支払いや返済義務などを伴わない設定)があるが、中国では、1)実物返済型、2)出資型と3)融資型に大きな動きが見られる。

 海外では実物返済型が最も注目されているが、中国では、不特定多数の個人貸借活動の3)融資型に「野放し」的成長が見られ、それに伴うリスクが顕在化し、また、規制産業である金融業の免許制度との関係で社会的に大きな話題を呼んでいる。

P2P貸借の「野放し」成長の功罪

 3)の融資型は、ネット用語であるP2P(ピア・トゥ・ピア)にちなんだP2P貸借とも呼ぶが、中国では「人々貸」(誰でも貸し金業へ)とも呼ばれており、伝統的な金融仲介を用いていないという意味で「金融脱媒」(金融媒体離脱)の意味でも理解されている。

 日本などの先進国と比べ、中国では中小企業金融あるいは地域金融が欠如しており、これまでは個人と中小・零細あるいは個人との間でインフォーマルな形で非組織民間貸借市場が形成されている。

 急成長するネット貸借業は、中国で横行している一般大衆の貸借と資産運用のニーズを満たしているインフォーマルな「民間個人貸借」を地下から浮上させたことで社会的な意味がある。それと同時に、ネット時代の個人間貸借活動で培われた貸借活動の市場メカニズムや信用のメカニズム、そして技術・ノウハウは、中国の伝統金融システムの改革と発展にも示唆を与えている。数年前米国で起きた現象が、瞬く間に中国へ「伝染」したのだ。

 しかし、急成長とは裏腹に、新しいビジネスの仕組みの基で経営不振、詐欺・夜逃げ事件が頻発しやすく、そのリスクも顕在化している。市場参加者に不安が拡大しているだけでなく、「金融脱媒」で金融規制監督当局も戸惑いを隠せず、社会的な大論争が巻き起こっている。

 ただし、P2P貸借をマッチングする第三者プラットフォームは、P2Pの債権・債務者双方に貸借情報掲載、信用の認定、法律関連手続き、投資コンサル、不良債権の回収、及びその他の貸借取引促進にかかわるサービスを提供する仲介サービスベンダーなので、債権・債務のどちらか一方になっていないのが特徴である。

 日本では、プラットフォーマーは「貸借業登録」が必要とされている。一方、中国ではネットサービス業として登録する必要はあるものの、貸借業としての規制や登録は現在のところ存在していない。ただし、業界の急成長やリスクの台頭により中国金融監督機関もプラットフォーマーに対するルール作りに動きだしている。

1プロジェクトにつき30人以下に限定

 例えば、1つのプロジェクトに対する資金貸し出しは30人以下に限定するなどの規制が検討されている。他方、政策金利の4倍以内という金利規制は貸し借り双方にかかるが、債権・債務者ではないとはいえ、違法な高金利貸借活動をマッチングしたとしてプラットフォーマーも責任が問われる可能性がある。

図表1 「野放し」成長を見せているP2P貸借業

出所:網貸天眼、『中国P2P貸借服務業白書2013』
 図表1が示すように、プラットフォーム型P2P貸借業は、2006年ごろに始まり、2013年の取引高は897億元(約1兆5000億円)に達し、292%の高い伸びを見せた。今後数年間も200%を超えると見込まれる。

2014年は1000社を超える勢い

 また、P2P貸借をマッチングするプラットフォームは、523社で253%の伸びを見せ、2014年は1000社を超える勢いで拡大すると推測される。数社しかない日本の現状と比べると、中国のP2P貸借プラットフォームがいかに氾濫しているのかがわかる。

 2013年にネット貸し出しの平均金利は25.06%(年率換算)で貸し出し期間は4ヵ月となっている。金利水準や貸し出し期間はオフラインで行われているインフォーマルな民間貸借市場と同水準であり、その平均金利は、法定貸し出し金利の4倍を超えてはならないという民間貸し出し法規制上限と一致している。

 また、「中国P2P借貸服務行業白書」(2013)に掲載されたデータで計算すると、2012年に1回当たりの貸借額は5万元弱(約80万円)で小額貸借になっている。ちなみに、ネット貸借プラットフォームを立ち上げた地域は、中小企業が多く民間貸借市場の大きい広東省、浙江省、山東省などに集中している。

 ただしこのように、P2Pネット貸借の台頭から水面下で行われている個人の民間貸借活動が第三者のプラットフォームを介して表面化したことは、むしろ小額貸借市場の組織化に向けた中国金融市場の制度化に役に立つと評価されよう。次に1)実物返済型の事例を示す。

プラットフォームの価値を重視する「点名時間」

 世界的に実物返済型クラウドファンディングのサービスベンダーとして注目されているのは、2009年に立ち上げ、米国や英国で事業を展開しているKickstarterである。中国版Kickstarterとも言われているサービスベンダーは、2011年7月に開設された「点名時間」(Demohour)であり、中国の実物返済型クラウドファンディングで最も成功しているプラットフォームであると評価されている。

 
図表2 実物返済型最大手の「点名時間」の仕組み

出所:筆者ヒアリング
 図表2が示すように、資金を必要とするプロジェクト企画者あるいはクリエーターは、動画映像、図表、文字などを持って自分の技術、事業計画、市場展望、リスク及びリスクヘッジの手段などを「点名時間」の審査を経てプラットフォームに掲載し、これを不特定多数の資金提供者個人が閲覧して資金を出すかどうかを判断する。

 一人ひとりの出す資金は小さいが、多数の個人資金を合計すれば決められた期間内でプロジェクトに必要な資金額に達することが可能であり、プロジェクトの資金募集は完了する。募集された資金でプロジェクトは開始されるが、プロジェクトが成功したら、実物返済として製品やサービスの割引購入やその他の非金銭インセンティブが資金提供者に付与される。もしプロジェクトの実施が失敗したら、事前に設定された資金返還かそのほかの救済方法で救済される。

 ほかのベンダーが主に文化・娯楽市場のクリエイティブに重点を置くのと対照的に、「点名時間」は、スマートコップなどのハード製品やデザインなどを注視している。スマート製品の普及と相まって、「点名時間」の人気度が上昇し、2013年末までの2年半ぐらいで7000を超える提案があり、700以上のプロジェクトに募集をかけ、50%以上の資金募集が成功した。募集金額で最大のプロジェクトは約2400万円に達した。

 実際「点名時間」のビジネスモデルが注目を集め、人気が高まったことから、ベンチャーキャピタルから数百万ドルに達するベンチャー資金を2回にわたり受け入れている。創業当初、「点名時間」は、成功報酬としてプロジェクト企画者から募集総額の10%を手数料として徴収していたが、2年後に集客力の向上を図り、プラットフォームの価値創造を優先していく戦略に転換し、手数料をゼロにした。

 その代わりに、ネット企業や新興企業と提携する戦略に展開している。現在はアライアンスパートナーである携帯端末メーカーの「小米」など2社からの協力資金を受けている。これはアリババの「無料」戦略を踏襲したと言えよう。

 資金提供者は、少額でありながらもクリエーター支援や新製品の優先的な購入、割引などといった楽しさが味わえることから資金を提供したと考えられるが、一方プロジェクト企画者やクリエーターは、開業に必要な資金を調達できるだけにとどまらず、資金提供者から潜在的消費者としての新商品に対する評価やコメント情報を入手できるとともに、プラットフォームでの掲載や、実物返済を通じて無料の広告効果も期待できる。

 日本と同様、実物返済型のクラウドファンディングに特別な法規制はないが、プロジェクト企画者にとっては、開発商品や設計、デザインなどのプロジェクト企画がプラットフォームに掲載されると、コピーされる懸念がある一方、資金提供者としては、プロジェクト企画の詐欺、引いてはプラットフォーム自体の詐欺にかかる懸念がぬぐいきれない。

 従って、中国で「点名時間」が成功しているとはいえ、そのビジネスモデルはKickstarterほど成熟しておらず、中国の環境に相応して革新していくことが求められる。

「違法な資金集め」に疑われやすい出資型

 中国で法的地位が不明確なクラウドファンディングタイプは、「違法な資金集め」に疑われやすい出資型である。なぜなら、中国の「公司法」(会社法)は非上場企業の出資者(株主)は200人以下を要求しており、出資者200人を超える場合は、証券監督委員会の認可を受け公開募集が必要であると言われている。

 現地の報道によると、アリババのタオバオで出資を公開募集した「美微伝媒」は、1191人の出資者から81.6万元(約1300万円)の出資金を集めたところ、中国証券監督委員会からの行政指導を受け、募集サイトは閉鎖され、クラウドファンディング活動は不調に終わったというケースがあった。

 現在、出資型で成功しているケースは、いずれも200人以下に抑えている。例えば、「3W珈琲(意味はコーヒー)」は、コーヒーショップ開業の資金集めのために中国の「微博」を通じて200人以内で6万元の資金募集に成功した。

 しかし、クラウドファンディングの小額出資者からの資金集めであるという性格上、出資者が200人以下になるとプラットフォームを経由した資金募集は難しくなる。この200人というレッドラインを踏まない工夫も見られる。

 例えば、「大家投」(DAJIATOU)は、ハイテクベンチャー起業で第三者プラットフォームを経由して40人からの目標資金集めに成功した。ただ、「大家投」への出資者40人は、名義人に過ぎず、多数の個人出資者によって組織された「投資組合」も40人の出資者の1人としてカウントされているという知恵を働かせたという。

業界と当局間の駆け引き続く

 実際、日本では出資型クラウドファンディングの運営会社(プラットフォーマー)は「第2種金融商品取引業者」として登録し事業を行う必要があるが、中国では現段階で直接的な規制規定はなく現在運営している約14社の出資型運営会社は、法制上不安定な状態が続いている。

 クラウドファンディングの運営会社の法的地位の安定化を図りながら、違法資金集め、金融詐欺、マネーロンダリングなどを防止するために、中国証券監督委員会は、出資型クラウドファンディングの運営会社に関するルール(管理規則)の策定に着手しており、まもなく公布されると伝えられている。だが原稿執筆段階では、出資者人数規制、投資限度額規制、情報公開、資金管理などをめぐりクラウドファンディング業界と当局との駆け引きがまだ続いている。

このコラムについて
最新中国ネット事情

意外に知られていない中国のネット企業の最新情報を、富士通総研の金堅敏氏がリポートする。


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