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広州交易会の成約件数6%減、中国の貿易踊り場―中国メディア
http://www.asyura2.com/14/china5/msg/135.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 06 日 10:04:25: igsppGRN/E9PQ
 

広州交易会の成約件数6%減、中国の貿易踊り場―中国メディア
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141106-00000014-xinhua-cn
XINHUA.JP 11月6日(木)9時14分配信


4日に閉幕した116回中国輸出入商品交易会(広交会)は、参加した業者数と成約件数が共に低下した。4日、新華網が伝えた。

報道担当を務める中国対外貿易中心の劉建軍主任によると、参加業者は221国家・地区の18万6104人で前回から1.07%減少した。成約額は合計1792億300万元で同6.1%減少した。対EU、米国、BRICS、中東、日本など主要貿易相手国との輸出契約が4〜19%減り、ASEAN、韓国向けは伸びた。

劉建軍主任は「3カ月以内の短期契約が47.5%、3〜6カ月の契約が35.6%で、6カ月以上の長期契約は16.9%しかなかった。従来市場も新興市場も伸び悩んでおり、中国の貿易企業は新たな強みを育てなければならない」と述べた。

1年に2回開かれる広交会は中国の貿易状況を示すバロメーターとされている。中国企業も現状を認識しており、今回の広交会では新エネルギーやペット用品コーナーなど、新たなコーナーが設置された。

(編集翻訳 浦上早苗)


 

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コメント
 
01. 2014年11月07日 05:31:59 : jXbiWWJBCA

2014年11月6日 金 伸行
これから10年、中国もアジアも激動する。
そのなかで起業家はなにをなすべきか?【第2回】

お金儲けの神様「邱永漢」人生最後の弟子で、2005年より中国四川省成都に在住。日本生まれの韓国人で、現在はグループ会社3社の社長兼取締役を勤める金さんが、中国バブルの行く末を考えます!

 日本のメディアを海外から眺めていると、どうも日本人は中国のバブルを語るのが好きなようです。いやもっというと、日本のメディア(もしくは一部国民)は中国のバブル崩壊を心から待ち望んでいるようです。

 感情としてはわかります。最近の中国は、ちょっと調子に乗ったガキ大将のような振る舞いが多く、国際社会においていろんなところでトラブルを起こしているのですから。そんなわがままなガキ大将を見守るクラスメートとしては、石につまずいて膝小僧から血を出す様子は、それみたことかと気持ちのいいものです。

 これがメディアに煽られた日本の国民感情でしょうが、もうすこし客観的に見てみましょう。

バブルとは何か?

「中国」「バブル」というキーワードでググってもらえればわかると思いますが、中国のバブル崩壊をメディアが騒ぎはじめたのは2010年ごろからです。つまり、もう4年間も「もうすぐ中国がコケルぞ」と騒いでいるわけです。本当に起きるのでしょうかね?

「ところで、バブルってなんでしたっけ?」

 バブルという言葉をちゃんと説明できる人は少ないのではないかと思います。私が目下気に入っている説明は、「バブルとは、一国の経済の実質価値と表面価格の差が開きすぎた時に起こる調整現象」というものです。

 不動産でいえば、物件(皆さんの住まいの近くにある商業ビルを想像してください)の購入価格は、本来その物件が持つ価値、つまり収入=運用利回りに応じて決まります。当たり前の話ですが、儲かる物件は値段が高く、儲からない物件は値段が安くなるはずです。

 日本の80年代バブルでは青山の一等地が坪1億円を超えましたが、その1坪を運用(その土地を駐車場にしたり、建物を建ててお金を稼ぐこと)して得た1年間の利益(=利回り)を見るとまったく割に合いませんでした。

 利回り10%を期待するなら、1億円の土地が投資家にもたらす利益は年間1000万円なくてはなりませんが、実際は100万円にも満たなかったのですから値段が下がらないとおかしい。しかし当時の日本では、その原則に反して値段が上がっていったわけです。「日本経済はこれからもっとよくなるだろう」という期待によって。

 こうして(表面的)「価格」と(実質的)「価値」との乖離が大きくなってくると、「ええ加減にせい」と調整が起こるわけです。バブルとは、価格と価値の差が開きすぎた時にそれを調整するメカニズムだとして、では中国はどうなのかを考えてみたいと思います。

 わかりやすい例として、私が住む成都のマンション(実話)で考えてみましょう。

 友人のAさんは、2008年に150平米のマンションを1平米1万元、つまり150万元(約2500万円)で購入しました。その後5年ぐらいでこのマンションの価格はちょうど2倍、300万元(約5000万円)に上がりました。この価格に対し、マンションの実態としての稼ぐ力があまりに弱ければ、中国(もしくは成都)のバブル発生指数は高い、といえるわけです。

 では、現在300万元のこの物件が持つ稼ぐ力とは?

 Aさんは過去1年間、たまたま日本人の借り手がいたので、1カ月1万2000元(約20万円)の家賃を受け取ることができました。1年間の収入は=1万2000元/月×12カ月=14万4000元(約230万円)ということになります。ここからこのマンションの利回り(表面利回り)を計算します。

144,000÷1,500,000=0.096→約10%の利回り

 意外にもこのマンションが稼ぎだす力は、きわめてまともということになります。ただ話はそこまで単純ではなくて、仮に地元の人(中国人)に貸すと家賃は約半分、利回り5%になります。

 ではここから、中国の不動産市場はバブっているといえるかどうか?

 中国を訪れた人が真っ先に思いつくのは、あちこちで見かける「あんなにマンションが建っていて住む人がいるんだろうか?」という風景。友人Aさんは運良く(日本人の)お客さんがついたからまともな利回りが出たけれど、実はマンション購入後、お客さんが見つかるまで3年間空き家だったのです。すると、4年間の平均利回りを単純に4で割れば、利回りは2%前後に落ちてしまいます。

 ここから言えることは、民間住宅市場では、買う時期を間違えなければ賃貸で銀行預金並みの3%程度の利回りは期待できるものの、根本的な問題として、借り手がほとんどつかないのですから、ここに着目すれば価値と価格にはある程度の乖離が見られるといえます。

 この問題をキチンと検証するためには、「借り手がついているマンションの平均利回り」×「借り手が見つかるマンションの割合」を見なければいけませんが、(私の肌感覚では)すくなくとも成都の民間住宅市場では、受給バランスが完全に破綻したバブル状態とまではいえないと思います。


成都新市街の高層マンション群【撮影/AIC】

商業施設は明らかに供給過剰

 一方、商業施設はどうなのか? 少し別の視点から見てみたいと思います。

 かつて邱永漢先生が中国の地方都市を訪れたとき、しきりに「なぜここにシェラトンとかウェスティンという5ツ星ホテルが建つのか、意味がわからん」とつぶやいておられました。

 後に、そのカラクリわかりました。地方のお役人と結託した不動産業者が安値で土地を仕入れ、政府の息がかかった金融機関のマネーで商業施設を建築し、そのおつりでホテルを建てていたのです。

 その謎解きをした時、邱先生は次のような指摘をしました。

 政府の肝入りで建てられた商業施設の1階には、決まってルイヴィトン、シャネル、エルメスなどのブランドが入っていて、それらを誘致するために、各不動産業者は家賃を3年ぐらいタダにしたり、内装費用を数百万元払うといった負担をしてきた。

 しかし3年たっていよいよ家賃を支払う時期になると、ブランドショップは近くに新しくできた商業施設に引っ張られ、また3年の無料賃貸と数百万元の内装費用をもらう。そうなるとせっかく3年間我慢した意味がなく、挙げ句の果てに我も我もと他のブランドも逃げ出してゴーストタウン化する。

 ディベロッパーもしょせんは借金でビジネスしているわけだから、3年も経てば当初の資金も底をつきはじめる。これからは家賃収入で借金の返済をしなければならないが、肝心の家賃が入らない。こうして資金ショートする――。

 実際のところ、この成都には大阪の7倍もの営業面積の商業施設がすでにあり、ヴィトンをはじめとするブランドの引っ越しも始まっています。

 私はここ1年、新しい商業モールができるたびにせっせと出かけていっては見学していますが、レストランは別として、こういったモールでまともにショッピングをしている人をほとんど見たことがありません。

 きわめつきは成都の中心、イトーヨーカドー、伊勢丹前にできた巨大ショッピングモールIFSです。フォーシーズンズホテルの入る香港のIFS(International Financial Cnetre)と同じ系列ですが、その超高級モールがついに成都でも営業を始めました。このIFSはまさしく、「近くにできた最新の商業施設」の代表です。


屋上から落ちそうになっているパンダのお尻がトレードマークのIFS【撮影/金伸行】
 これまでの話をまとめますと、次のようになります。

1)中国全土において商業施設は間違いなく供給過剰

2)商業施設に入ったテナントが売上を上げ、それが家賃に回り、資金が返済されるという健全な商業施設は皆無に近い(ないとはいえませんが)

3)供給過剰な施設はそろそろ市場から見切りをつけられ、潰れるところが出てくるはず

 個人の感想に聞こえるかもしれませんが、これは冷静に見れば導き出される理屈なわけです。

 中国の商業施設が倒産することを"経済的不合理の調整"と呼ぶのであれば、バブル崩壊は起こり得るといえます。事実、今年に入ってからの中国国内ニュースを見ていると、もうその影ぐらいは見えています。

「2014年6月18日、杭州の中都百貨店倒産。2億元(約32億円)の資金ショート。信託から資金を1.3億元調達し、期限30カ月で年間利回り8.7〜11%で運用していたようだが、償還が滞り……」(新聞記事より)

 これは、信託等を利用して市場から資金を調達していた百貨店の資金がショートし始めている先例とみて間違いないと思います。問題は、こういった事象がこの後も続くであろうことです。

 民間住宅市場のみならず商業施設市場までを視野に入れるのであれば「中国のバブル崩壊は起こる」。これが結論です。

 厄介なのは、それが中国の問題だけに収まらずないという点です。それについては次回、お話しましょう。

(文/写真・金伸行)

著者紹介:金伸行(きむ・のぶゆき)
お金儲けの神様「邱永漢」人生最後の弟子。2005年より中国四川省成都に在住、日本生まれの韓国人。グループ会社3社の社長兼取締役。主な事業は、焼肉 を中心としたフードサービス。5カ国語を話し、前職は世界最古の戦略コンサルティングファームADLにてコンサルタント。現在は、アジア最高の焼肉チェー ンを作るため、年間100フライト及び肉食400食をこなしつつ、マラソンで体を絞っている。


 



2014年11月6日 橘玲
中国の大都市・上海は不動産バブルとは無縁なのか?
[橘玲の世界投資見聞録]
 上海の知人に中国の景気を訊くと、「日本ではみんな悲観的だけど、こっちの雰囲気はそれほどでもないよ」という答えが返ってくる。
 大都市・上海には不動産バブルは無縁なのだろうか。今回は上海の鬼城を探してみた。

上海に忽然と現れるロンドン
 最初に訪れたのは、上海の西南に位置する松江区にあるテムズタウン。都心から30キロほど離れていて、地下鉄もまだ延伸されていない住宅街のなかに、忽然とロンドンが現われる。
上海の郊外にいきなりロンドン。松江区のテムズタウン   (Photo:©Alt Invest Com)

 この街に足を踏み入れたひとは、すぐに一種異様な雰囲気に気がつくだろう。そこらじゅうにウエディングドレスとタキシード姿のカップルが溢れているのだ。
教会の前は花嫁・花婿でいっぱい   (Photo:©Alt Invest Com)
人工池のまわりも人気スポット        (Photo:©Alt Invest Com)
花婿が花嫁を抱き上げるのが定番のポーズ      (Photo:©Alt Invest Com)

 結婚写真の人気スポットとなったテムズタウンだが、建物の中に入ると印象はがらりと変わる。下の建物は本来はショッピングセンターのはずだが、ご覧のようにゴースト化しており、入居している店舗はひとつもない。
ショッピングセンターだった建物。エスカレーターも止まっている      (Photo:©Alt Invest Com)

こちらはイギリスの伝統的な宿屋(Inn)を思わせる瀟洒なホテルだが、残念ならが営業を停止している。
お洒落なホテルを見つけたが、閉鎖されていた     (Photo:©Alt Invest Com)

 ロンドンにはなくてはならないパブも見つけたが、改装中のまま放置されている。要するに、街全体がもぬけの殻になっているのだ。
せっかくのパブも中はがらんどう。改装しようとした形跡はあるが    (Photo:©Alt Invest Com)

 杭州の天都城はパリのシャンゼリゼを再現しようとしたが、テムズタウンは上海にイギリスの街をつくるという野心的な不動産開発プロジェクトで、ひとつひとつの建物はちゃんとお金をかけてつくられている。だが現実には、やって来るのは結婚写真を撮影するカップルばかりで、店にはほとんどお金を落としてくれず商売を続けられなくなったのだ。
 このようにして、こころならずも映画のセットのような街が生まれてしまった。いまでは映画学校兼撮影所ができていて、テレビドラマや映画の撮影も行なわれているようだ。
 1842年、阿片戦争に勝ったイギリスは南京条約で清国に上海を開港させ、自国の法律を適用する治外法権の租界をつくった。その後、植民地主義の帝国列強によって次々と租界が生まれ、中国の領土は切り取られていくのだが、“ロンドン”の街並みを背景に嬉々として写真撮影するカップルにはそんな「歴史問題」はどうでもいいようだ。
映画学校兼撮影所。衛兵の格好をした警備員もヒマそう           (Photo:©Alt Invest Com)
ウエディングドレスをチェックする花嫁。営業しているのは貸し衣装・アクセサリーの店ばかり                      (Photo:©Alt Invest Com)

 テーマパークとして外国の町を再現するという不動産開発プロジェクトは、日本では長崎県佐世保市のハウステンボスが有名だ。バブル期の壮大なビジョンでは、ヘドロで埋め立てられた湿地に花や樹木を植え、水田を掘削して運河をつくり、別荘の前にヨットを停泊できるようにするなど、たんなるテーマパークではなく、日本人の価値観を変える“理想の街”を目指した。しかしバブル崩壊であえなく破綻、巨額の投資をしていた日本興業銀行は不良債権に苦しみ、90年代後半の金融危機の一因になった(その後、旅行会社HIS創業者の澤田秀雄氏が社長に就任し、次々と斬新な企画を打ち出して業績を回復させた)。
 金融機関から多額の融資を受け、テーマパークで不動産の価値を上げ、住宅販売の収益で借金を返済するというテムズタウンのビジネスモデルは、ハウステンボスとまったく同じだ。そしていま、肝心のテーマパークは中身が完全になくなって、ハリボテ同然になってしまった。
 下の写真は街の中心に建てられたビルで、本来は高級ショッピングモールになる予定だったと思われるが、現在のテナントは中国農業銀行の支店だけで、あとは上海市政府の行政施設が入っていた。当初の不動産開発会社はとうの昔に経営破綻し、現在は市政府の管理下に置かれているようだ。
テナントは融資した銀行と上海市政府   (Photo:©Alt Invest Com)

次のページ>> 鬼城の周辺に新築マンションが建っている

鬼城化していても価格を下げれば売れる
 テーマパークが鬼城化しても、テムズタウンの不動産物件はいまも取引されている。下は不動産会社に張り出されていた価格表だ。
 これを見ると、マンションが1平米2万元程度で、100平米なら200万元(約3400万円)になる。中国の不動産物件はスケルトン(コンクリートの打ちっぱなし)の状態で販売するのが一般的だが、「精装」とあるのはすでに内装が終わっている物件だ(家具つきの場合もある)。
 上海の繁華街・新天地の物件は、一時は1平米10万元といわれていた。世界金融危機以降はさすがに値下がりしたが、それでも1平米7万〜8万元はする。それに比べれば、テムズタウンは4分の1ということになる。
テムズタウンの不動産価格    (Photo:©Alt Invest Com)

 テムズタウンの典型的な住宅が下の写真で、1階は店舗、2階から5階が住宅部分で、4階と5階はメゾネットになっている。店舗はほとんど閉まっているが住宅部分はかなり埋まっていて、犬を連れて散歩する住人の姿も見かけた。テーマパークは無人化していても、不動産はそれなりに売れているようだ。
テムズタウンの住宅。住人の車が駐められている  (Photo:©Alt Invest Com)

 不動産価格表のなかには1000万元(約1億7000万円)を超える超高額物件もあるが、これは「別荘」と呼ばれる一戸建てだ。写真のような豪邸で、警備ゲートを通らなければ敷地内には入れない。こちらは、どの程度住人がいるかは不明だ。
日本円で1億を超える豪邸が並ぶ別荘街      (Photo:©Alt Invest Com)

 下の写真のドーム型の建物は水上レストランで、橋の入口は閉鎖されていたものの建物にひとの姿はあったので、夜になれば営業するのかもしれない。
 しかしここで見てほしいのは背後の高層建築で、じつは松江区はいま空前の建設ブームで、テムズタウンは新築のマンション群に囲まれているのだ。こうした高層マンションはテムズタウンの低層住宅よりずっと安く、新築でも日本円で2000万円台で購入できる。
水上レストランと、その背後に見える高層マンション  (Photo:©Alt Invest Com)

次のページ>> 建物の構造に致命的な欠陥

 前回、杭州の郊外にシャンゼリゼをつくろうとした「天都城」プロジェクトを紹介した。
[参考記事]
●中国・杭州、エッフェル塔とシャンゼリゼ通りに見た夢とは?

 テムズタウンの状況も、天都城とよく似ている。たしかに鬼城化しているが、だからといって完全な失敗ともいえない。上海は拡張しつづけており、中心部から30キロ離れたこのあたりでも、価格を下げれば買い手は見つかるからだ。
 上海の一等地の不動産価格はもはや東京の銀座や六本木と変わらない。もちろん上海の庶民がそんな物件を買えるわけはないから、ひとびとは郊外へと流れていく。
 上海を東京と同規模と考えれば、都心からの距離では松江区は国立や立川に相当する。地下鉄などの公共交通機関が整備されればさらに人口は増え、テムズタウンのハリボテに生命が吹き込まれるときが来ても不思議はない。
 上海の不動産もたしかにバブル化しているが、それはこれまで紹介してきた内モンゴル(オルドス、フフホト)や内陸部(河南省鄭州・鶴壁)、天津新都心のような、天を仰ぐほかない絶望的な状況とはかなり様子がちがう。

構造的に欠陥があってもニーズがある店は繁盛している
 次は鬼城化した上海の商業施設を見てみよう。これは黄浦区にある大型ショッピングセンター、日月光中心だ。写真では一部しかわからないが、全体が巨大な円形になっていて、真ん中が広場になっている。地下鉄9号線の打浦橋駅に直結しているから、交通の便も申し分ない。
日月光中心。地下鉄の駅があるので人通りは多い   (Photo:©Alt Invest Com)

 しかしひとたび中に入ると、その惨状に驚くことになる。広大なスペースに、営業している店舗は数えるほどしか入っていない。地下鉄の開通に合わせ、台湾系ディベロッパーが多額の投資をして2010年9月にオープンした施設だが、なぜこんなことになってしまうのだろうか。
日月光中心の内部。まさにゴーストショッピングセンター  (Photo:©Alt Invest Com)

 その理由は、実際に施設内を歩いてみるとすぐにわかる。建物の構造に致命的な欠陥があるのだ。
 日月光中心は、中央を広場にして、直径150メートルちかくある巨大なドーナツ型になっている。本来なら最初から建物を用途別に分割すればよかったのだが、すべてをひとつなぎにして廊下の左右に店舗を並べる構造にしたため、建物を1周しようとすると早足でも10分以上かかる。おまけにフロアを結ぶ近道もないので、複数の店を回ろうとするとひたすら無駄に歩かなければならない。これでは買い物の楽しみがまったく得られず、ただ疲れ果てるだけだ。
次のページ>> 上海のある沿海部は経済成長が続いている

 しかしこんなゴーストショッピングセンターでも、ちゃんとやっている店はあった。ひとつはレストラン、もうひとつは英才教育の保育園だ。共通しているのは、最初から顧客の目的がはっきりしていること。店から店へと移動する必要がないから、建物の欠陥構造はまったく問題にならないのだ。
 下はレストランフロアの焼肉店。ご覧のように順番待ちの客がフロアに溢れている。とても同じビルとは思えない。「安くて美味しい」という評判が広まれば、鬼城化したショッピングセンターでもこんな繁盛店ができるのだ。
ゴーストショッピングセンターにある繁盛店 (Photo:©Alt Invest Com)

 じつは打浦橋駅に近くには、田子房(でんしぼう)という観光スポットがある。これは上海に残る古い路地(里弄)をレストランやアトリア、ブティックなどに改装したもので、「古き良き上海」の面影を求める外国人にも大人気だ。
細い路地に店が並ぶ田子坊。外国人の姿が目立つ   (Photo:©Alt Invest Com)
田子坊の路地の入口     (Photo:©Alt Invest Com)

 その活気に接すると、上海はやはり中国でも特別な場所だと実感する。
 上海にも、鬼城化する住宅街やショッピングセンターはある。しかしそれは、開発コンセプトが間違っていたり、建物の構造に問題があるなど、なんらかの要素に致命的な欠陥があるからだ。
 逆にいうと、ひとたび顧客にニーズをつかめば、まだまだこの街には大きな成功の機会がある。上海の中流層は、内陸部の都市とは比較にならないほど分厚いのだ。
 これが、上海に暮らすひとたちの景況感がそれほど悪くならない理由だろう。中国全体の景気は減速しているが、沿海部では経済成長が続いている。それを体感しているから、「日本のメディアが騒ぐほどじゃないよ」という感想になる。
 中国政府は、開発の遅れた内陸部のひとびとが沿海部と同じゆたかさを手にできるよう大規模な公共投資を続けてきた。それがとてつもない不動産バブルを引き起こしたのだが、その結末は皮肉なことに、ゆたかな沿海部と貧しい内陸部の経済格差をより広げることになるのではなかろうか。
 不動産バブルが崩壊すれば地方政府の財政は破綻し、経済成長の機会は失われてしまうだろう。その現実が誰に目にもはっきりしたとき、内陸部のひとたちは黙って貧しさを受け入れるだろうか。
 中国の問題というのは、たぶんこういうことなのだ。
上海・浦東の高層ビル群。内陸部の省都はどこもこれを目標にしたのだが……    (Photo:©Alt Invest Com)


作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(以上ダイヤモンド社)などがある。
●DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)にて
橘玲『世の中の仕組みと人生のデザイン』を配信開始!(20日間無料体験中) 。次の配信は11月13日(木)

中国の大都市・上海は不動産バブルとは無縁なのか? [橘玲の世界投資見聞録][2014.11.06]
• 中国・杭州、エッフェル塔とシャンゼリゼ通りに見た夢とは? [橘玲の世界投資見聞録][2014.10.29]
• オルドスのある内モンゴル自治区の省都、フフホトにもあった鬼城 [橘玲の世界投資見聞録][2014.10.23]
• 中国・鶴壁市、典型的な地方都市に作られた 巨大な鬼城--ゴーストタウン---- [橘玲の世界投資見聞録][2014.10.09]
• 日本から"廃墟都市"見学をするなら 中国・天津の浜海新区へ [橘玲の世界投資見聞録][2014.09.25]

http://diamond.jp/articles/-/57664?page=2


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