中ソ対立でソ連と親密だった東欧諸国とも対立するようになったが、中共はこれを西側への接近の手段として大いに活用した。「敵の敵は味方」に見せる中共の戦術が功を奏し、西側諸国はソ連と対立する中共と続々、国交を結んだ。中華民国台湾を国際連合からも追放して、国連の常任理事国の地位も手に入れた。

中国四千年の歴史は、権謀術数の歴史だと書いたことがあるが、このような手段を繰り出してくるから、かつて深刻な対立を経験したソ連の後継国であるロシア連邦も、心の底から中共を信用しているわけではないことが分かる。　

ロシア連邦と本当に仲が良いのは、ベトナムだ。ベトナムは、フランスとインドシナ戦争を戦っていた1950年の時点で、ソ連が国家承認している。(註　当時の北ベトナムであり、1976年にベトナム全土を統一した、ベトナム民主共和国である。)

インドネシアも、1965年のCIAによる反共クーデターでスハルト政権が生まれるまでは、ソ連と親密であった。スカルノ政権は、ソ連から軍備を購入していたのである。1960年にオランダ領で残っていたニューギニア島の西側を、軍事侵攻で占領したことにより、オーストラリア、ニュージーランドとの対立は決定的になった。こちらで聞いた話では、日本に続いてインドネシア国軍が、再びダーウィンを爆撃する恐れがあったとか。

話はかわってロシア連邦と日本との関係について。ロシア連邦と日本とが組むことが、日本のためにもなるし、ロシア連邦のためにもなる。ところが、これを阻止しようとアメリカの帝国主義者や、これの手下の日本の親米派が邪魔している。彼らは、何かあると、北方領土問題を持ち出す。かつてはシベリア抑留問題も「恨み」を増幅する手段として利用されたが、経験者が高齢化して記憶が風化する中、これは使えなくなってしまった。

やはり「北方領土」問題が、両国関係の障害になっているね。これを、どう克服するか。これが進まなくてはいけない。これについて、第三者の外国人から見た見解を書きます。日本人の観点ではない。(註　感情的にならないようにね。)

北方領土問題だが、国際的には「南クリル諸島」の名称が定着しており、世界中どこでもロシア連邦に帰属していることを認めている。これについて第三者の外国人に聞いてみました。

「アメリカだって戦後、沖縄を占領しましたね。後から返したことになっていますが、アメリカ軍基地はそのまま残りました。駐留経費まで日本は取られています。日本は、アメリカに支配されているんですよ。極めて悪質です。どうして日本人はアメリカに怒らないのですか ? 」

「第一次世界大戦後に国際連盟によって、南の島々(南洋群島のこと)は日本領になりました。しかし第二次世界大戦後、連合国のアメリカが取ってしまった。これらの島々は日本に返されませんでした。今のパラオやミクロネシア連邦ですが、これらの国々の郵便や電話はアメリカが運営しています。つまり、アメリカ領のままですよ。これについても日本人は怒らないのですか。」

●第三国の人は、事実を的確に見ていますね。南クリル諸島どころの話ではありません。だから、彼らはこのように奨めるのです。「領土問題を解決済みのものだと日本政府が認めれば、一挙に日本・ロシア連邦の関係は深まりますよ。国益を重視するなら、この問題を持ち出すのをやめるべきです。」

問題は日本国民の世論ですね。この世論ですが、作り出すのは支配階級にコントロールされたマスゴミです。彼らの洗脳から脱しなくては、日本の未来は暗黒のままでしょう。