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フクシマ : 強い比放射能を放つ粒子状物質、ホット・パーティクルがもたらす脅威(星の金貨プロジェクト)
http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/774.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 04 日 02:13:46: igsppGRN/E9PQ
 

【 フクシマ : 強い比放射能を放つ粒子状物質、ホット・パーティクルがもたらす脅威 】〈1〉
http://kobajun.chips.jp/?p=17867
2014年4月28日 星の金貨プロジェクト


福島第一原発が放出した、単位質量あたりの放射能が非常に強い物質が人々を脅かす


戸外より屋内の方が高くなっってしまったホット・パーティクルの危険性


あなたの被ばく線量が『平均値以内』に留まっているかどうか、実際に測定してみなければ解らない


フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 4月3日



3年前フェアウィンズは、東日本の広い範囲、そして北アメリカの西海岸地域で確認されたホット・パーティクル(比放射能の大きな粒子状物質)の問題を取り上げた最初の組織のひとつでした。
ホット・パーティクルは危険な物質ですが、その存在を確認するのは容易ではありません。


今回ご紹介するビデオの中で、カルトーフェン氏は福島第一原発から約500キロ離れた場所で、彼がこれまでに見つけた最も強い放射能を発するホット・パーティクルについて検証を行っています。


フェアウィンズがもし日本国籍の組織であれば、特定秘密保護法によりこのビデオの公開は禁じられるかもしれません。
アーニー・ガンダーセンが概略をご紹介した後で、内容について要約をした説明を行っていきます。


こんにちは、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。


今回はフェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションがこれまでご紹介した中で最も重要である、プロの原子力(核)技術者であるマルコ・カルトーフェンとともに制作したビデオを改めてご紹介いたします。
本編をご覧いただいた後で、あらためて私の方からもう一度解説をさせていただくことにします。


私の名はマルコ・カルトーフェン、土木技師でありワーチェスター工芸研究所の博士論文提出資格者です。
私が行っている研究の主要なテーマは、放射能汚染物質、および化学汚染物質が一般家庭に粉塵として入り込む状況を解明することです。



この研究は放射能汚染が疑われる際、一般市民がどのような形で放射線を被ばくしてしまうのか、その状況(あるいはメカニズム)を明らかにする上で重要な部分になります。


家屋の中を検証してみると、周辺環境よりも汚染が深刻化している傾向が見られます。
家屋は環境中の汚染物質を集め、保管する場所と化す傾向があるのです。


お考えいただきたいのは一日24時間のうち、一般的に人々が実際に戸外で過ごす時間と、家屋内で過ごす時間、そのどちらが長いかという点についてです。
この点を考えれば、実は戸外における被ばくはその滞在時間に応じた少ないものである可能性が高いのです。


ソーシャルメディアの優れた点は、私たちのような研究分野の人間が数多くの人々と接することが出来る機会を提供してくれること、そしてボランティアを希望する人々によって自発的な科学的組織を作り上げることが出来るという事です。


その結果、私たちは多くの人々の家庭の使用済みの掃除機の紙パック、空気清浄機の使用済みフィルター、その他各家庭に取り付けられているエアコンや換気扇などのフィルターの類を研究材料として送ってもらうことが出来ました。


そして私たちはこうしたサンプルのすべてがまっすぐ私たちの手元に届くよう、独自のシステムを作り上げることにより、一軒一軒の人々の被ばく状況を検証・比較することが可能になったのです。



私たちは北日本から送られてきたサンプルを実地に検証しました。


東京から送られてきたサンプルも実地に検証しました。


そしてアメリカ合衆国国内、そしてカナダで採取されたサンプルも検証し、人々が実際にどの程度の被ばくをしてしまったのか、全体の概略を把握しようと務めたのです。


そしてその結果私たちは、ホット・パーティクルの存在に嫌でも注目せざるを得なくなったのです。


改めて放射線被ばくについて考えてみましょう。
法律的な観点からこの問題を見た場合、まず大切なのは人々の被ばく線量の平均値を出すことです。
そしてその次にどの程度の被ばくなら安全なのか、その数値を決定しなければなりません。


安全だと考える数値を超えて被ばくをしてしまった場合には、あなた自身で何らかの対策を取る必要に迫られることになります。
何らかの形で基準値なるものが設けられていても、あるいは除染などの作業が行われていても、あなた自身が行動する必要があるのです。



私たち研究者と行政などの仕事の違いは何でしょうか?
たとえ全人口の平均被ばく線量がすでに公表済みであっても、ひとり一人のひばく状況の違いを明らかにしていくのが私たち研究者の役割です。


そして一人一人の被ばく状況の違いは、福島第一原発事故の爆発により環境中に放出されたホット・パーティクル、すなわち強い放射能を帯びた塵状物質が何らかの経路をたどり、いったいどれだけの量がその人の家屋に入り込んでしまっているかに左右されることになるのです。


〈 第2回につづく 〉


http://fairewinds.org/hottest-particle/


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こちらも内容としては[フェアウィンズ]が昨年7月に紹介したものを、翻訳し掲載した事があります。( 【 放射線科学の世界的権威が明らかにする・日本の黒い塵、その正体 】 http://kobajun.chips.jp/?p=13069
ただし、前回ご紹介した際は、ガンダーセン氏とカルトフェン氏の対談方式であり、動画はありませんでした。


そして今回はホット・パーティクルについてさらに踏み込んだ内容になっています。
今回は全4回に分けて掲載する予定です。


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【 フクシマ : 強い比放射能を放つ粒子状物質、ホット・パーティクルがもたらす脅威 】〈2〉
http://kobajun.chips.jp/?p=17883
2014年4月29日 星の金貨プロジェクト


人が放射能を被ばくする場合、外部被ばくに加え、内部被ばくが重なる可能性がある
ホット・パーティクルによる被ばくは、平均的な外部被ばくと比較して被害が深刻


フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 4月3日



人が放射能を被ばくする場合、外部被ばくに加え、内部被ばくが重なる可能性があります。
(1) 平均被ばく線量による外部被ばく量の予測
(2) ホット・パーティクルの福島第一原発からの放出量は、一般的な放射性物質に比べれば少ないため、これによる内部被ばくの例は数少ないものとなります。
このため大部分の人は、ホット・パーティクルによる内部被ばくを受けていないはずです。


しかし数%の人々は1個ないしそれ以上のホット・パーティクルによって被ばくをしていると考えられます。
そしてホット・パーティクルによる被ばくは、平均的な外部被ばくと比較して、被害が深刻である可能性があります。


従って人々の被ばくについて正確に把握しようとすれば、空間線量による外部被ばくの程度だけではなく、ホット・パーティクルによる被ばくについても正しい状況を把握する必要があるのです。


私たちのもとに様々なサンプルが送られてきたことにより、私たちは今被ばくの実態がどのようなものであるか、その全体像を描くことが出来るようになりました。
同時に私たちは平均被ばく線量の資料を基に、基礎的な部分の解明も進めています。


分析に用いるのはガンマ分光測定法です。
分光測定法は約100年前から存在し、私たちはこれを使って送られてきたサンプル内の放射性物質の崩壊がどこまで進んでいるかを確認する作業を行っています。


現在福島周辺では、至る所で3種類の放射性同位元素、すなわち放射性物質の存在を確認しています。
そのうちの2つがセシウム134とセシウム137です。
これらふたつの放射性物質が一定の割合で様々な物質内で確認されていることにより、その物質が福島第一原発の事故によって放出されたものである事を確信できるのです。


さてこれらの放射性物質ですが、原子力発電所において何らかの出来事が発生しなければ、環境中には存在しないはずのものです。



そしてセシウム以外に存在が確認されているのがラジウム226です。
ラジウム226は原子力発電に使われるウラン燃料そのものと直接の関係があり、核分裂の最初の段階で生成されます。


私たちは日本やアメリカなどから送られてきた塵のサンプルの分析を行う際、この3種類の放射性物質、セシウム134、セシウム137、そしてラジウム226が存在の有無について分析を行っています


そしてこれら3つの放射性物質の存在が確認されると、私たちは次の段階の分析に移ります。
ホット・パーティクルの存在の有無についてです。


もしホット・パーティクルの存在が確認されれば、さらに次の段階であるホット・パーティクルそのものの分析へと進むことになります。
最終的に残った中でホット・パーティクルと疑われる物質を取り出して銅板の上に置き、エックス線を照射して撮影を行います。
一週間の長期露出を行います。
これは考案されてからおそらく1世紀以上の時間を経た、使い慣れた手法のひとつです。



しかし手法の古い新しいにかかわらず、この方法によって私たちは強い放射能を放つ、微細な物質である放射性物質の存在を確認できるのです。
そしてエックス線のプレートに反応があり、様々な条件からそれがホット・パーティクルである疑いが強まれば、私たちは精密カッターを使ってその物質だけを取り出し、走査型電子顕微鏡用のアルミニウムのプレートの上にそれを配置し、分析を行います。
この顕微鏡は古臭いものではなく、私たちが解明しようとするこの物質の基本構造を明らかにしてくれる機能を有するものです。


ではあなたもこのビデオを見ながら実際に顕微鏡を通して見ていると想像してみてください。
ジョイスティックと一組の十字キーを操りながら、一個一個のホット・パーティクルの5,000倍、10,000倍、あるいは15,000倍の画像を確認することが可能です。


テレビゲームの操作を思い出してください。
あなたはホット・パーティクルにエックス線ビームを照射し、それぞれ種類の違う物質を視界から消していくことが出来、現実に存在する物質を一つ一つ確認することが可能になります。
このような方法を用い、プルトニウム、アメリシウム、ウラン、ラジウムなどの各放射性物質の存在をひとつひとつ確認することが可能になるのです。



私たちはこうしたプロセスを経て、1キロも2キロもあるようなサンプルの中からごくわずかなホット・パーティクルを探し出し、実際に抽出することが可能にしているのです。
そうして初めて完全な検証と分析が可能になるのです。


そこに至るまでの手続きは煩雑で複雑なものですが、その代り非常に貴重な結果を手にすることが出来ます。
なぜなら誰かがこのホット・パーティクルを吸入あるいは摂取するようなことなれば、重大な結果につながってしまうからです。


〈 第3回につづく 〉


http://fairewinds.org/hottest-particle/


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春もたけなわ、吹き渡る風に爽やかさを感じる季節です。
外を歩いていると、思わず胸一杯に深呼吸をしたくなるのですが…
ちょっと待てよ…
ここは福島第一原発から90キロ、この記事を読む限りホット・パーティクルがあっても不思議ではない場所。
吸いかけた春の空気を吐き出しました。
まさに
「こんな世の中に誰がした?!」


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【 フクシマ : 強い比放射能を放つ粒子状物質、ホット・パーティクルがもたらす脅威 】〈3〉
http://kobajun.chips.jp/?p=17906
2014年5月1日 星の金貨プロジェクト


事故の原子炉で何が起きていたのか、ホット・パーティクルにはその事実が記録されている


ホット・パーティクルが人体に及ぼす影響とは?そしてその影響の大きさは?


これまで確認されたホット・パーティクルに含まれる放射性物質、その中身は?


フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 4月3日



全てのホット・パーティクルが同じような性質を持っているわけではありません。
中にはそれほど強い放射能を持たないものもあり、その放射線量は周辺の環境よりやや高めという程度です。
そのため、存在を把握するのが難しいという一面があります。


しかしほとんどのホット・パーティクルは周辺の環境より強い放射能を持つ傾向があり、周辺の空間線量の10倍の放射能を持つものもあります。


地震におけるマグニチュード5という値が、マグニチュード3の100倍強力であるという事を思い出してください。
私たちがその存在を確認しようと取り組んでいるのは、周辺の放射線量よりわずかに高い性質のものではなく、きわめて高い放射能を有するホット・パーティクルなのです。


そして私たちは実際に高い放射能を放つホット・パーティクルを手にしました。
かなり小さいものですが、電子顕微鏡を使ってその由来を詳しく調査することが可能であり、数多くの情報を取り出すことが出来ます。
どの程度の大きさであり、どのような形をしているかを実際に確認することが出来ます。


そしてこのホット・パーティクルがなぜ、どのように作りだされたのかを私たちに教えてくれているのです。
ホット・パーティクルには事故の内容が、克明に書き込まれているのです。



そして分析の結果、ホット・パーティクルの大きさと組成が解明されれば、あなたがもし万が一これを吸入あるいは飲みこんでしまった場合に、どのような危険が発生するのかを正確に予測することが可能になるのです。


あなたはこう言うかもしれません、そうした可能性については平均すればこうなるという予測はできても、特定の個人に何が起こるかを予測することはできないはずだと。
しかしそれはホット・パーティクルとは異なる、放射性物質の問題等においてはその通りです。


しかしことホット・パーティクルについては、以下のように指摘することが出来ます。
すなわちホット・パーティクルが入り込んでしまった家庭にあっは、家族の誰かがそれを体内に取り込んでしまった場合、肺がん、咽頭がん、あるいは上皮層ガンを発症する危険性が7%から70%の割合で高くなってしまう可能性を指摘できます。


実際にホット・パーティクルの写真を見ることが出来れば、具体的にどのような問題が発生する可能性があるか考えることができます。
この分析には時間がかかりますが、人体にとってどのような危険性があるのか多くの情報を与えてくれます。
そして、どの地域がどの時点で最も健康被害をもたらす危険性が高くなるかを判断するための格好の材料を提供してくれることになります。



私たちが手にしたサンプルは、日本の名古屋から送られて来ました。名古屋は福島第一原子力発電所から約460キロメートル離れています。
この場所で採取されたのは直径10ミクロンのホット・パーティクルでした
このホット・パーティクルは実際に人間が吸入してしまうほどの大きさであり、人体に入ってしまえば肺の中に留まり続けることになるでしょう。
この点は非常に重要です。
もしあなたが保健物理学者であればすでにお気づきになっていると思いますが、この物質が肺の中に入ってしまった人の被ばく線量について計算をする場合、含まれている放射性物質の種類から、そして肺の中に入った塵状の物質が容易には体外に排出されることが無いことから、ホット・パーティクルによる体内被ばくが一生続くと考えなければならないのです。


アスベスト粒子を吸入してしまった労働者が塵肺にかかり、最終的に死に至るという事実は、とりもなおさず一度肺の中に入ったアスベストが排出されることが無いという事実を証明しています。
そして同じように微細な粒子であるホット・パーティクルもまた、肺の中に取り込まれればきわめて似た性質を持ちます。


私たちが検証したホット・パーティクルは原子炉内の核分裂、そして核燃料がそのまま崩壊したことによって生まれた物質の混合物であることが解っています。
私たちはテリリウムやラジウム226などの存在を確認しました。



そしてセシウム134、同137、そしてコバルト60など、CNNのニュースには決して登場することのない様々な種類の放射性物質が含まれていました。
その種類と性質は物理学者でなければ理解することは困難な程です。
ですからこの問題はとりあえずおいておきます。


ホット・パーティクルの重量のうち、80%を占めていたのは原子炉の炉心にしか存在しないはずのものだったのです。
原子炉の炉心から何らかの経路をたどって密閉容器の外に漏れ出し、そして驚くべき長い距離を経てその場所に到達したことを物語っています。
ホット・パーティクルはきわめて微細な質量しか持たないことによって、何がガス状のものと結合し、吹き付ける風によって長い長い距離を渡って来たものと考えられるのです。


ホット・パーティクルが福島第一原発の原子炉内で作られたものである以上、福島第一原発から離れれば離れる程ホット・パーティクルの存在確率は減少して行きます。
私たちのもとには日本から数多くの検体が送れてきましたが、名古屋で発見されたホット・パーティクルは福島第一原発から最も遠く離れた場所のものであり、しかも放射線量が最も高いものであったのです。


〈 第4回につづく 〉


http://fairewinds.org/hottest-particle/


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【 フクシマ : 強い比放射能を放つ粒子状物質、ホット・パーティクルがもたらす脅威 】〈4〉
http://kobajun.chips.jp/?p=17942
2014年5月3日 星の金貨プロジェクト


ホット・パーティクルによる被ばくは極めて危険、絶対に口に入れてはならない


事故を起こした原子炉内で生成され、外部に漏出してしまった疑いがある


福島第一原発の本当の健康被害を明らかにするため、ホット・パーティクルの実態を解明する必要がある


フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 4月3日



さて私はこの検体に等級をつけなければなりません。
日本では放射線量をベクレルという単位で表します。
ベクレルというのは放射線の発見者であり、この功績により1903年にノーベル物理学賞を受賞したアンリ・ベクレルの名前にちなんだものです。
1ベクレルというのは、具体的に1秒間に1回の放射性崩壊が起きることを表します。


現在、日本においては1キログラム当たり100ベクレル以上の食品が、食べては危険であるとされています。
これはアメリカ合衆国の安全基準よりいくらか緩いものですが、とりあえずこの基準を基にホット・パーティクルについて考えてみましょう。
私たちのもとに送られてきたサンプルはペタベクレルという単位で汚染されており、当然のことながら絶対に口に入れてはならない程危険なものです。
ペタなどという単位が日常使われることはまずありません、ゼロが19個並ぶほどの莫大な単位です。
原子炉の炉心でなければ存在しないような、非常に高い量の放射線を放っている物質なのです。


ホット・パーティクルはきわめて小さな塵状の物質ですが、その小ささを証拠立てるような、こんな出来事がありました。
実際に送られてきたあるサンプルについて分析を行った時の事ですが、まずはじめに全体の放射線量を測ったところ、310ベクレルという数値がでました。



送られてきたサンプルは掃除機の使用済みのカートリッジでしたが、測ったところ線量計の針は310ベクレル前後でカタカタ触れる程度であり、その値は福島県全域の掃除機の使用済みのカートリッジの放射線量の平均をわずかに上回っている程度だったのです。
そのため私たちはこのサンプルに、それ以上の注意を払う事はありませんでした。


ところで私たちはホット・パーティクルの存在を確認する作業の第一歩として、ゴム手袋のついた密閉容器や覆いのついたケースの中でサンプルを切り分ける作業を行います。
この半分に切り分けたサンプルの放射線量を計測した場合、質量が半減したのだから放射線量も半分の155ベクレルになるものとお考えかもしれません。
正しいでしょうか?
半分になった一方を実際に計測したところ、私たちは周囲の空間線量以外、何も計測できなかったのです。
実質的にゼロです。
残り半分の方に放射性物質はかたまって存在していたのでしょうか?
そこでもう片方も計測しました。
ところがこちらもゼロだったのです。
いったい放射性物質はどこに行ってしまったのでしょうか?
そこで私たちはこのサンプルをもう一度一つにまとめ、計測を行いました。
結果は310ベクレルです。
なぜなのでしょう?
ちょっとしたミステリーでした。



そして私たちはホット・パーティクルがこのサンプルのちょうど真ん中に存在し、ナイフを使って切り分けた際、それがナイフの刃に付着してしまったことを突き止めたのです。
そこで私たちはナイフの刃先を顕微鏡で確認しながら、慎重にそこにあったホット・パーティクルを回収し、その放射線量を計測したのです。
結果はぴったり310ベクレルでした。


そこで私たちはすぐに、正確にホット・パーティクルの位置を特定し分析を行うため、手順を少し改めることにしました。
高い放射線を放つホット・パーティクルを見つけ出すまで、私たちはサンプルを2つに切り分ける作業を続けます。


今回私たちは福島県浪江町、飯舘村、そして北日本の2つの市町村から検査用のサンプルを受け取りました。
このサンプルは普段見かける黒い砂粒に非常によく似ています。
コンクリートの小片を顕微鏡に乗せて見た場合を想像してみてください。
コンクリートというのは、砂とセメント、そして砕石片の混合物です。


私たちは今、黒い粒子が最悪の場合何であるかについてお話しています。
それはこの黒い粒子がホット・パーティクルである場合です。



ホット・パーティクルを構成する物質は事故の際、福島第一原発の事故により気化して環境中に放出され、やがてそれらが寄り集まり、凝固して、その存在を確認できる1個の物体と化しました。
それは風によって運ばれ、やがて何かにぶつかり、そこに付着したのです。


名古屋のケースでは風に乗って飛んできたホット・パーティクルが屋内に入り込み、カーペットまたは床材、あるいは屋内の何かに付着したものと考えられます。
そしてそれが掃除機によって吸引され、ごみの詰まった紙パックの中に入り込んだと考えられます。
幸いなのは他にもサンプルの分析を行いましたが、名古屋ではこれ以外にホット・パーティクルが検出されなかったという点です。
この家庭以外の場所ではホット・パーティクルの存在を確認するサンプルは見つけられず、この家庭でもこの掃除機の紙パック以外からはホット・パーティクルは検出されませんでした。
従って私たちの調査結果は、この家庭で発見された以外のホット・パーティクルはその存在を確認できなかったということになります。
実際、そうしたサンプルはありませんでした。


しかしそれた逆の言い方をすれば、ある特定の場所には強い放射能を放つホット・パーティクルの存在が存在する可能性があり、調査をする価値があるという事になります。
なぜならホット・パーティクルによって被ばくをすれば、人間の健康が大きく損なわれる危険性があるからです。



現在まで福島と東京から送られてきた様々な形のサンプルのうちの25%から、計測が可能なホット・パーティクルが平均して2〜3個検出されています。


その中でこれ程強い放射能を持つものは、名古屋で発見されたこの一個だけでした。
しかしそれは最悪のケースでした。
このホット・パーティクルはいかなる平均でもありませんが、可能性としてどのような問題が考えられるか、その事実を証明しています。


ここが肝心な点です。
私には送られてきた全てのサンプルについて調査・分析を行い、全体の傾向を見た上でそれぞれのホット・パーティクルについて等級をつけて分類しました。
そしてそのデータをワーチェスター工芸研究所の研究員たち全員が、閲覧・検証できるようにしました。
同時に現在は、このデータを出版できるように準備を進めているところです。
そこまで実現すれば、従来の平均的空間線量による外部被ばくに加え、ホット・パーティクルの存在によって人々がどの程度の被ばくをしてしまったのか、研究者が結論を出せるようになるはずです。
そうすれば、福島第一原発の事故による健康被害の実態を、一層明らかにすることが可能になります。



このような物質科学的な話は、これまでの一般的な報道や、東京電力の発表、あるいはIAEAのコメントなどでは決して触れることはありませんでした。


フェアウィンズは福島第一原子力発電所の事故により、日本国内でガンの発症割合が著しく上昇する危険性がある事を繰り返し警告してきました。
今回ご紹介したホット・パーティクルに関するビデオは、まさにその最悪の危険性について証明するものであるのです。


〈 完 〉


http://fairewinds.org/hottest-particle/


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コメント
 
01. 2014年5月04日 07:07:22 : UdRBfDLNeA
「原子力 明るい未来のエネルギー」
この看板、どこかで見かけたかな・・・?

「原発が来ると県民は生き生きする」とか
「原発が来ると健康になる」とか、
県民に繰り返し言ってたのは、
あの極悪老人渡部恒三だ。

今でもなんら反省んぞせず、
のうのうと暮らしてるぞ。


02. taked4700 2014年5月04日 10:40:44 : 9XFNe/BiX575U : 6R1AMPgtyQ
ホットパーティクルの困る点は、サーベィメーターなどで体外から被曝線量を測っても、体全体とか喉、胸、お腹、足といった非常に大きな対象全体としてしか線量が測れないことで、ホットパーティクルの脅威が全く実感できないことだ。

例えば頭部全体で20ベクレル程度であったとしても、それが一つのホットパーティクルからのものであれば、その周囲の細胞は集中砲火的に放射線を浴びて確実に癌化する。しかし、もし、放射性物質が単に原子として、カリウム40と同じように生体内に均一に分布しているなら、一つ一つの細胞が受ける放射線はせいぜい一時間に数本ぐらいだ。この範囲なら十分に生体の免疫機能が働き修復がされる。

更に問題なのは、アルファ線やベータ線を出す放射性物質のホットパーティクルの場合、空中にあってもほとんど検出できないし、肺に吸い込んでしまった場合、まったく体外からそれを計測することが出来ないことだ。

仮にそういったホットパーティクルが原因で癌化しても、死後解剖して原因究明はほとんどできない。そして、だからこそ、現在、世界的にホットパーティクルのこういった脅威は無視されたままだ。

関東から東北の方は、常時マスクを着用するべきだと思う。外で運動をする方は相当にホットパーティクルを肺へ吸い込んでいるはず。ビタミンA・C・Eの計画的な摂取が必要なはず。


03. 2014年5月04日 11:53:26 : E6wUGKpi2C
先日、 福島市へ行く機会あったので、サーベイメータ借りて測ってきました。
道路脇のコンクリートの黒い物質を測ったら、3.0〜3.1マイクロシーベルト/時、
3.0〜3.1マイクロシーベルト/時で、警報鳴りっぱなしでびびりました。

04. 2014年5月05日 01:12:46 : FfzzRIbxkp
>含まれている放射性物質の種類から、そして肺の中に入った塵状の物質が容易には体外に排出されることが無いことから、ホット・パーティクルによる体内被ばくが一生続くと考えなければならないのです。

ホット・パーティクルが名古屋で検出されているのが、、不都合な真実。

放射性物質の封じ込めに完全に失敗していますし、政府は自己防衛に任せるばかり。


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