そんなことが出来るなら初めからやっている。もう３年半も経っている。

だから、原理的には確かにできるし、実験でもうまく行っている。

ただ、実際に汚染水処理に利用できるかと言ったら疑問だ。

なぜなら、汚染水は多くが不純物を多く含むからだ。一般に汚染水と言うと汚染物質がかなり多くあるようなイメージだが、放射性物質による汚染は意味が異なる。汚染水一トン中に数グラム以下という感じで含まれている放射性原子を除去することになるので、選択性、つまり、狙った汚染物質のみをどうやって除去するかが問題になるからだ。

福島の場合、汚泥などは簡単に除去できるはずだが、塩分を除去するのがまずかなりむずかしいはずで、塩分があるとき、上の記事にあるような凍結を使った形での汚染物質除去はかなり選択性が弱いはずだ。

　また、ここでは単に水を捨てますとしか述べられていないが、大量に含まれるトリチウムの扱いは、どうなるのか？
まあ、核融合と言っても原発屋さんの一種、トリチウムは、今まで通り薄めて捨てるのに何の躊躇いもないのかもしれない。

　結局、トリチウムの分離ができない限り、アルプスで処理する汚染水の量が、減っても保管すべき汚染水の量が減るわけではない。