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「世論」の実像はいかがわしい-川内原発と反原発「市民」 石井 孝明(アゴラ)
http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/852.html
投稿者 会員番号4153番 日時 2014 年 11 月 01 日 07:34:14: 8rnauVNerwl2s
 

いずれにせよ無益な争いはやめたいですね。
福島が早く一日でも早く復興し、川内市を含めた地方が繁栄するといいですね。

アゴラから
http://agora-web.jp/archives/1618484.html?utm_source=SNS_20141031

反原発団体が、再稼働の迫る九州電力の川内原発の立地する鹿児島県内で活動し、「世論」と称する現象を作ろうとしている。地元の薩摩川内市の会社員、団体職員、メディア関係者に話を聞く機会があったので、状況を紹介したい。
http://livedoor.blogimg.jp/ikedanobuo/imgs/7/6/767a85f3.png
(反原発団体のポスター)
川内原発が7月、原子力規制委員会の新規制基準に適合する方向が示された。まもなく適合の正式決定が出る。ところがその認定が終わった後の再稼働の道筋がはっきりしない。法律上決められていない「地元同意」が、なぜか再稼働の条件になっており、それがどうやって認定されるか、誰も分からない奇妙な状況になっている。日本に「法の支配」はあるのだろうか。

この認定は「世論」が左右するだろう。世論とは、広辞苑によれば「一般の人が唱える論。社会大衆に共通な意見」という解説だが、意味は曖昧だ。川内原発をめぐる「世論」は、意図を持った人たちが形成しようとし、またゆがんだ形で発信されている。このおかしな状況を変えて、冷静な議論を始めなければならない。


◆「世論」は反対なのに、現地は賛成

毎日新聞が7月に全国の原発の立地自治体に原子力政策をめぐるアンケートを行った。鹿児島県の川内原発の周辺自治体では、9市町村のうち3市町村が再稼働に賛成、残りは無回答だった。(記事)朝日新聞の7月の世論調査では、全国で川内原発の再稼働の反対が「59%」になった。(記事)
これらを見れば原子力をめぐる厳しい意見が多く、また賛否を自治体が示すことは政治的に難しい問題であることがうかがえる。しかし、稼働に「賛成」「反対」という単純な質問をされれば、「反対」という意見に傾くことは当然だ。世論調査の質問の仕方がおかしい点がある。

一方で川内原発の地元の薩摩川内市では、12年10月の市長選(投票率70.3%)で、再稼働容認を打ち出した岩切秀雄氏が、脱原発を打ち出す対立候補を4万4818票対9978票の大差で破って当選した。これも地元の世論だろう。

同市資料によれば、薩摩川内市では2010年度に原発の電源立地地域対策交付金で、約13億円の事業を行った。同市の同年度予算517億円から比べると一部だが、市民生活をある程度、原発関連の補助金がうるおしている。また原発は、13ヵ月に一度の定期検査とそのときに行う工事で、原発1基当たり1ヶ月で約1000人の作業員が訪れ、周辺地域に数億円の経済効果があるとされる。原発が長期停止すると、それがなくなり地元が経済的な打撃を受ける。同市の旅館、飲食店、建設関係者などは「早く再稼働してほしい」という意見で一致しているそうだ。

原発によって立地自治体にもたらされる金銭上の利益を多くの人が批判する。「金で民意を動かす」という批判は、その通りの点がある。しかし、そうした断罪は合っていても、他人の生活を考えない軽薄な空理空論の側面があるように、筆者は思う。原子力発電の利益を配分する仕組みが作られ、経済体制がそれで回り、人々の生活の一部を支えている。もちろん、その現実を全面的に肯定するわけではないが、全否定もできないだろう。それを無視していきなり現在の原発の長期停止を行う政策は、混乱と損害だけを生んでいる。


◆怪しげな団体がつくる世論

7月に原子力規制委が、審査の内定を出してから1カ月に数回、鹿児島市内で大規模な反原発集会が、開かれているという。最初の再稼働の認定になったので、同原発は反原発派から、目の敵にされているらしい。しかし全国メディアの支局記者に聞くと、「県外から政治団体が集結しているだけのよう。原発反対を名目に『反安部政権』を叫んでいる」いう。反原発団体は、「集会の規模は数千人」と県庁の記者クラブに告知するが、実際は100人前後のことが多いそうだ。

6月の鹿児島市内での集会を産経新聞は伝えている(「反原発運動で過激派暴走 距離置く住民」)「ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委」が主催とする集団には、のぼりを見ると「アジア共同行動・日本連絡会議」「鹿児島大学共通教育学生自治会」「革共同革マル派九州地方委員会」など、極左団体が参加した。

そして「〈反ファシズム統一戦線〉を構築し安倍ネオ・ファシスト政権打倒に向けて前進せよ」「反戦反安保・改憲阻止の闘いを日本の原発・核開発に反対する闘いと同時的に推進し、ファシズムに対抗する労働者・学生・市民の大きな団結を創造しよう」などという文言のアジビラが配られていたという。

薩摩川内市の会社員によると、「鹿児島から出張する反原発派の街宣車が夏にうるさかった。ところが地元が原発の再稼働を支持している人が多いためか、隣の串木野市に行った」という。6月に串木野市民3万人の半数になる1万5000人分の署名を反原発団体有志と称する人々が提出した。前述の産経記事では、署名するまで高齢者宅に居残る、保育園児を含めた署名を母親にさせるなど、名簿集めでの異常な行動が報告されている。

こうした運動は、ほとんどメディアで報道されない。もちろん、地元住民の中で反対する人はいるだろうし、それは尊重したい。しかし、どうもそればかりではない。現地の反対意見は、県外の政治団体がつくっているものがかなりある。そして反原発に同情的な記者の多いメディアは、知ってか知らずか不明だが、正確な情報を伝えていないようだ。


◆現地を知らない東京の反対論

川内原発をめぐる今の反原発派の攻め手は「火山」だ。10月の長野県の御嶽山の噴火にからめて、川内原発でも危険を主張する。鹿児島県以外の人から見ると、同県は活火山の桜島のイメージが強く、それに引きずられているらしい。反原発派のパンフレットは最近、「火山があるから川内原発は危険」という批判で一色になっている。民主党の辻元清美議員は9月の原子力問題調査特別委員会で、素人であるにもかかわらず、原子力規制委員会に「火山の規制基準がおかしい」と迫っていた。

しかし薩摩川内市の住人はこの東京発の騒動を笑った。「川内原発が桜島の噴火に巻き込まれたら、九州が消滅するときだ」。地図を見れば一目瞭然だが、桜島から川内原発まで約50キロで山地が間にある。そこまでの火砕流がある大規模爆発はおそらく、桜島周辺が消滅してしまうほどの破局的な災害だ。

3万年ほど前に姶良(あいら)カルデラと呼ばれる鹿児島湾北部をつくった火山の大爆発があったとされる。しかし、そうした数万年に1度のリスクを強調するなら、被害を避けるために南九州全域の無人化を考えなければならない。原発のみ騒ぐのはリスク感覚がおかしい。再稼働の反対理由を無理に作っているのだろう。
http://livedoor.blogimg.jp/ikedanobuo/imgs/7/8/7875dc70.png
図表・鹿児島県東部の地図(グーグルマップより)


◆世論尊重より、「ルール作り」を

こうした、つくられた「民意」や「世論」に右往左往させられる九州電力、そして地元自治体の負担は大変なものだ。世論が正しく、その形成が冷静な対話の結果示されたものならまだいい。しかし、今示されている「世論」とは、感情的であり、県外の政治活動家が騒擾や反政府運動のために、作り出そうとしている。

感情的な一人一人の身勝手な専断から人々を解放することが、文明社会でつくられてきた「法の支配」の考えではなかったか。そもそも原発を稼働させるためのルールは関係法で定まっている。その中に、「地元同意」などは定められていない。誰が決めたわけではなく、「空気」が原発の再稼働を止めているのだ。ここで言う空気とは、日本特有の状況を動かしてしまうその場の集合意思と同調圧力である。

福島第一原発事故の結果、原発への不信感が広がった。そして日本での原発の運用と政策には多くの問題があることも浮き彫りになった。民意は尊重されるべきだし、問題は是正されなければならない。しかし、そうだとしても原発の運用を「世論」だけで決めてはいけないはずだ。そもそも国民の多数は原発の即時廃止を支持していない。それを表明する政党は国政選挙で勝っていない。また行政上、法律上、一度も原発の廃止を正式に決定していない。

原発の停止で、日本は年間3兆6000億円の燃料費の追加負担をしている。川内原発のように、ゆがんだ世論を聞いていたら、再稼働はいつまでもできなくなるだろう。それは日本経済を弱らせ、国民生活に電力料金上昇の形で負担を加える。

この混乱を、これから再稼働が議論になる残り47基の日本中の原発で繰り返すのであろうか。実態のない「世論」を恐れるのではなく、ルール作り、その実行という当たり前の行政活動を政府が行うべきだ。

そして、私たち一般市民にもこの状況を作り出した責任がある。過激派やメディアのつくるおかしな世論に疑問を示し、はねつけるべきだ。そして感情に流れがちな原発をめぐる議論を、事実に基づく冷静な合意を積み重ねるものに変える必要がある。


<参考リンク>

■「反原発」はね返した決断 薩摩川内市議会が陳情採択(産経)
http://www.sankei.com/region/news/141021/rgn1410210095-n1.html


■川内原発、地元市議会が再稼働に同意
鹿児島県も手続き加速へ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASJC28H09_Y4A021C1000000/


■川内原発再稼働を何としても止めたい!〜「川内テント」が本格稼働(レイバーネット)
http://www.labornetjp.org/news/2014/1026sendai


■「川内原発再稼働するな!」(リベラ21)
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2936.html


■川内原発再稼働反対! 1213 反原発☆渋谷大行進(首都圏反原発連合)
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=5261  

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コメント
 
01. 戦争とはこういう物 2014年11月01日 08:57:37 : N0qgFY7SzZrIQ : WJiCmAappI
 再稼働推進「市民」についても絞殺すべき。

◆「反原発」はね返した決断 薩摩川内市議会が陳情採択(再稼働陳情”市民”は労働者目当ての旅館組合!)
http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/807.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2014 年 10 月 28 日 23:22:58: N0qgFY7SzZrIQ


02. 2014年11月01日 09:56:08 : ot5HevlxiY
原発事故と交通事故を比べてまだ原発の稼働をしたい奴らの理屈はこの程度。

とうとう火山と原発を一緒にし始めた。馬鹿の見本の巣窟アホラならぬアゴラ。


03. 2014年11月01日 15:38:03 : CoEbKZNOkU
地元と言っても、原発マネーもらってないエリアは反対に決まっている。
半径30キロで住民投票やれよ。
それで推進なら勝手にやればいい。


[12削除理由]:管理人:アラシ
04. 2014年11月01日 18:14:12 : sLBN7WNRTQ
>>03
事故があったら誘致した自治体住民も共同責任を負うべきだな。
周囲の反対を押し切ったのだから被害者ずらは許されない。

05. 知る大切さ 2014年11月01日 18:42:02 : wlmZvu/t95VP. : rXmQVSTR26
「法律上決められていない「地元同意」が、なぜか再稼働の条件になっており、それがどうやって認定されるか、誰も分からない奇妙な状況になっている。日本に「法の支配」はあるのだろうか。」


これはマスコミ・官僚・電力会社・自治体による
簡単な騙しのテクニックです。

ネタ明かすとこんな事。

1原子力規制委員会は今回の許可で原子炉施設の変更を許可している
2地元自治体との電力会社は独自の安全協定書を締結している
3その2の安全協定書に事前協議事項がある
4何が事前協議事項かそれは1である(原子炉施設の変更)
(この手続きを紛糾する事無く住民に知らせずに住民説明会で
話しアンケート結果で理解を得たと規制事実をコッソリ行っている
県の担当者のコメント見ればわかる「総じて理解を得た」

5だから地元自治体の議会と市長、県議会と知事の承認が必要である
6安全協定書にはこうも書いてある「周辺住民の安全を確保を万全の策を講ずる」
(住民説明会さ)
7なので説明会のアンケートがあんな形式になる(5の承認に住民の理解をの上で
住民の代表者の議会と長が承認した)


7のアンケートが肝!
再稼動反対なら「設備変更の説明が全ての理解できない!」
になるように答えていたら、直近の住民の意思と反する決議を
議会と長がした事になり大事になる。


再稼動の是非を問うてい無い!でもマスコミに誘導されて
さもそれが争点と騙されて本質の部分をスルーパスさせている。

早い話が詐欺行為ですね。


06. 2014年11月02日 01:53:49 : aiMZAOJQqY
少なくとも250キロ四方に汚染被害が及ぶことは、大飯原発差し止め訴訟で
裁判所も認めたのだから、250キロ四方にあるすべての自治体の同意が得られなければ、
再稼動は許されない。当たり前の話。

07. 戦争とはこういう物 2014年11月04日 08:51:07 : N0qgFY7SzZrIQ : WJiCmAappI
>01です。
「絞殺」は「考察」の誤記でした。


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