4号炉の燃料取り出しを大きく報じて収束作業が順調に行っていると宣伝することはそれなりにいいことだと思いますが、反面、3号炉や2号炉、または1号炉もまだまだ収束は大変なはず。

そもそも、メルトダウンした核燃料はどうなっているのか、つまり、メルトダウンしてチェルノブイリのように象の足状態になっているだけなのか、それとも、小さい塊に分かれてしまっていたり、または、薄い板状に伸びていて、どちらにしろ核反応をしない状態で安定しているのか、こういったことがほとんど報道されていない。もし、核反応をしないのであれば、そう報道をしていいはずで、報道がないということは現状でもかなり核反応をしていて、いわゆるフィッション生成物、核反応生成物を作り出しているはず。これは非常に強い放射線を出すもので、その扱いは非常に難しい。今後、新たに中規模の直下型地震が起こる可能性は強く、今後の取り出し作業の進展具合によれば、取り出し完了前に新たな大規模汚染が始まる可能性もある。

ともかく、情報がはっきりせず、原発を日本に導入したころの熱狂がいかに根拠の薄弱なムードに踊ったものだったかがよく分かる。

戦後の日本とアメリカの関係の中でこういったことが起こったのでしょうが、それにしても戦後政治の、または戦後の官僚の見通しが甘かったということでしょう。反面、世界第2位の経済大国を作ってきたことも事実で、両面の評価が必要でしょうが、今後の日本の姿を予測するにつれ、とても悲観的になります。