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アベノミクスは2014年も有効か?(WEDGE)
http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/597.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 2 月 12 日 14:06:00: igsppGRN/E9PQ
 

アベノミクスは2014年も有効か?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140212-00010005-wedge-bus_all
WEDGE 2月12日(水)12時48分配信



図表1 各景気循環における実質GDPの推移


 足元の日本の景気回復は顕著だが、過去の景気回復局面と比較しても今回の景気回復は際立っている。実質GDP(図表1)はもとより、鉱工業生産、住宅着工戸数などの伸びも従来と比べてかなり高い。


 海外経済の成長は鈍く、輸出数量の拡大がないことを見ると、これは自律的な消費の持ち直しにくわえて、円安株高とアベノミクスの大胆な金融政策と機動的な財政政策が大きく効いていることを示している。また、消費や住宅着工戸数などでは、今年4月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要もある。


 リーマンショック後、日本経済は世界経済の落ち込みにくわえて、大震災や超円高で3回の腰折れがあった。米国の腰折れが1回だけだったことと比べると、あまりに厳しい局面が続いたということだが、ようやく新たな力強い景気拡大局面が訪れている。従来の景気循環の平均的期間から言えば、今回の景気回復は今後数年続く勢いを持っても何らおかしくない。


 もっとも、2014年の日本経済は、消費税率引き上げとともにアベノミクスの影響を差し置いて見通すことはできない。そこで、14年もアベノミクスが有効かを見ることで、今年の日本経済を見通してみたい。


図表2 消費者物価上昇率(前年同期比)の予測


■継続する大胆な金融緩和策


 まず、アベノミクス「第一の矢」の大胆な金融政策だが、消費者物価上昇率(除く食料)は、13年11月にプラス1.2%となり、消費者物価を構成する品目のうち6割あまりが上昇に転じている。


 しかし、上昇の背景には円安とエネルギー価格上昇の影響が強い。エネルギー価格横這いとして今年末の消費者物価上昇率を試算すると、せいぜい1%台半ばまでの上昇で、日銀が目標とする2%には達しそうにない(図表2)。



図表3 設備投資と実質金利の推移


 物価目標がクリアできないとなれば、日銀は今年も大胆な金融緩和政策を継続することとなる。そして、この金融緩和策は長期金利を相対的低位に止めるとともに円安を下支えするものともなる。


 さらに、巨額の貿易赤字や米国の量的緩和政策縮小も円安を後押しする。足元の状況のように、米株価の動向などで一時的な円高局面はあっても、基調としての円安方向は揺るがず、14年も円安株高が持続することとなろう。


 ちなみに、12年以降米ダウ平均株価と日経平均株価との間、そして日経平均株価と円ドル相場との間には相関がある。この関係を前提にし、米国の景気堅調とFRBの緩やかな緩和縮小を織り込んで今年末にかけての円ドル相場を推計すると、115円から120円程度となる。


 一方、大胆な金融政策の効果として見逃せないのがマイナスに転じた実質金利だ。詳細は13年8月の拙稿(「デフレ脱却でアベノミクスは第二幕へ 〜米国の実質金利安政策は日本にとっても参考になる〜」)を見てもらいたいのだが、実質金利は設備投資、新設住宅着工戸数に強い影響を与えている。


 そして、実質金利がマイナス1%になると設備投資は7.3%伸び(図表3)、実質金利のマイナス幅が1%拡大すると新設住宅着工戸数は7.6%伸びるとも試算される。14年の大胆な金融政策は、円安株高ばかりかマイナスの実質金利をも通じて、輸出、消費に加えて設備投資や住宅投資まで強力に後押しするものとなろう。


■財政政策は消費税率引き上げの 悪影響を相殺へ



図表4 値上げ1単位増加時の賃金・雇用増の割合


 14年の日本経済を見るに当たって、最大の景気押し下げ要因は4月に予定される消費税率引き上げだ。その増税額は年度で5兆円ほどに上り、3月までの駆け込み需要の反動減とともに日本経済の成長率を1%以上引き下げる影響が見込まれる。


 しかし、1997年時と異なり、今回の消費税率引き上げが景気に及ぼす影響は一過的だろう。理由の一つは、政府が実施する経済対策(「好循環実現のための経済対策」)=財政政策にある。その規模は真水ベースで5.5兆円に上り、消費税増税分が全額相殺される規模に当たる。


 しかも、重点項目には企業減税があり、復興特別法人税0.8兆円の前倒し廃止だけをとっても企業の税引前当期純利益を2%近くかさ上げする規模だ。売り上げが増えている企業は雇用も賃金も増加しており(図表4)、企業減税は確実に企業活力を増し、景気に好影響を与える。


 アベノミクスは、それ自体が経済を活性化させるものではなく、企業活力に火をつけるのが目的と言える。大胆な金融緩和策や円安株高に積極的財政政策と企業減税も加われば、14年度の日本経済は消費税率引き上げがあっても堅調な成長を続け、1%を超える成長率となる可能性は十分にある。



図表5 OECD諸国の一人当たり国民所得(2012年)


■アベノミクスの限界


 もっとも、15年以降の日本経済もアベノミクスのお蔭で順風満帆と言い切ることはできない。アベノミクスがいつまでも続けられないからだ。とりわけ、第一の矢、第二の矢である大胆な金融政策と機動的な財政政策の余地が乏しくなっていく。


 そもそも、120円に向けた円安の進展は輸入物価を上昇させ、長期金利に上昇圧力をかける。14年中はマイナスの実質金利が実現され、大きなプラス効果をもたらす可能性が強い。しかしその後は、金利上昇とともに日本最大の国債保有者である日銀が、現状以上の大胆な量的緩和策を実施するのが徐々に難しくなっていく。


 同様に、財政政策においても国債金利の上昇は、一般会計の中での国債費の増加を招くことになり、財政健全化がますます優先課題となっていく。ちなみに、歳出を一定として計算すると、国債金利が1%上昇するだけで、一般会計歳出の中で国債元利払いを示す国債費は14年度予算の24.3%から最終的には32%まで上昇してしまう。


 円安にしても、120円となれば、その後の一段の円安は副作用が強く目立つようになる。まず、円ドル相場が120円になると、日本の一人当たり国民所得はOECD平均よりも低くなってしまう(図表5)。


 また、購買力平価ベースの円ドル相場をみると、一番円安で計算される消費者物価価格ベースでも127円あたりにあり(図表6)、120円を超えた円安進展は過去と比べても通貨安が行き過ぎるように見える。そうなれば、輸入物価がさらに上がって国民生活を圧迫するし、国際的に円安誘導の批判が高まっていくことにもなる。



図表6 円ドル相場(購買力平価ベース)の推移


■企業は自立を急ぐべき


 いままで、欧米企業に比べると縮み志向が強かった日本企業にとって、14年度の経済環境は大いにプラスだ。しかし、アベノミクスの限界に鑑みると、いつまでも政府の景気下支えに期待するばかりでは遠からず景気は再び下向きになりかねず、このチャンスを逃しては現状ほどの好機再来は当面見込めないように見える。まさに、14年は民間部門が自立して経済を活性化させられるかが問われる年ということだ。


 幸い、今年は第三の矢の成長戦略が目指すグローバル化もTPPなどで進む方向にある。TPPが成立すれば、関税率が下がって貿易が促進されるだけではない。原産地規則の累積も生じる。これは、貿易品がどこの国で生産されたかを決める原産地規則について、TPP域内国で生産された部品等の付加価値割合が累積され、一定割合を超えれば域内産となる仕組みだ。


 こうなれば、日本の企業にとっては輸出しやすくなり、空洞化の歯止めにもなる。ちなみに、ドイツの優良中小企業は、差別化を旨としつつイノベーションで強い競争力を獲得し、グローバル化で世界を相手とした売り上げ増と高い市場シェアを実現している(RIETI世界の視点から「21世紀の隠れたチャンピオン」、2012年7月)。


 経済環境が劇的に改善した今こそ、日本の企業はビジネスが向こうからやってくるとの「待ちの姿勢」ではなく、差別化とグローバル化を旨としたビジネス展開を積極的に進め、自立を急がなければならない。それが、アベノミクスの限界を乗り越え、日本経済の安定成長につながる唯一の道でもある。


中島厚志 (経済産業研究所理事長)


 

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コメント
 
01. 2014年2月12日 14:24:23 : nJF6kGWndY
>アベノミクスの大胆な金融政策と機動的な財政政策〜は2014年も有効か?

止めた場合の影響を想像してみれば明らかだろう



02. 2014年2月12日 14:41:24 : nJF6kGWndY

まず名目GDPや失業率低下、あと輸出関連産業や普通の投資家の利益にとっては、どちらも続けた方がプラスだろう

年金老人や生活保護受給者にとっては、どちらも止めてもらった方が短期的には有難いだろう


一方、長らく損を積み重ねてきた海外のヘッジファンドの日本国債売りポジションを持っている人々の損失回復にとって、

アベノミクスの金融政策QEを止めることは、とてもプラス(国内地銀などにとっては存亡の危機)だが

積極財政を転換して、急激に福祉や公共サービスや事業をカットし、緊縮に切り替え、PBを黒字にされたら、あまり有効ではない


また公共工事受注者などにとっては、積極財政は嬉しいが、QEで円安インフレが続くとコストアップ要因なので嬉しくない(輸出依存産業にとっては、円高反転は困る)


一般サラリーマンの場合は、勤務先企業の、ビジネスモデルによって、影響は様々だ


つまりポジションによって、いろいろだということだな



03. 2014年2月12日 14:47:28 : nJF6kGWndY
>第三の矢の成長戦略が目指すグローバル化もTPPなどで進む

どこの国にも既得権者がいるから、あまり期待すると残念な結果になりそうだな


04. 2014年2月12日 15:29:55 : dzkTuKqj2E
ようするにクスリ漬け状態だな
薬をやめたら終わりだが、クスリを続けていると副作用が蓄積していく
これってヤバくね?

05. 2014年2月12日 17:43:20 : ev4UogULJ6
経常赤字の原因は、アベノミクスの影響で、唯でさえ高いエネルギーコストが上昇したあのが原因だという。

消費税値上げ分は大企業の輸出増で長げし。

社会保障へ回るはずないだろう。


06. 佐助 2014年2月12日 22:32:35 : YZ1JBFFO77mpI : wpmCg8U5S6
この経済認識は卓状の蜃気楼化した経済指数にスギナイ。
TPPで輸出の神風は再び吹きません,かえって通貨の危機が現実化します。

2007年に姿を現しスタートした第二次世界金融大恐慌について何も述べていない,そして、ドル一極からユーロ・円三極への移行が何を齎すか認識していない。すなわち世界信用収縮大恐慌の渦中にあるのに,何も対策案もない,蜃気楼化した経済指数のデータを煽っているにスギナイ。

株式であれ買手が売手の倍以上、つまり、需要が供給の倍以上になると、どんな商品でもバブルが発生する。そして、需要が供給の半分以下になると弾ける、すなわち買手が売手の四倍以上になれば、バブルは急激に膨張し、必ず弾ける。

繰り返す,金融商品は自然に信用を膨張させる。その膨張係数が、四倍以上になると、バブルは確実に炸裂する。金融商品と原材料の値上がりを放置しながら、消費者の所得は増やさないまま、生産工場を海外に移転すれば、どうなるか? その答えは、国内市場が縮小するため、消費者物価のインフレは発生することができない

TPP関税引き下げは,第一次世界信用大恐慌前後と同じ状況に突入したことを意味する。一国の景気循環は、長期の景気下降期には、三年半前後の景気の山と一年前後の谷の長さが反転し、山は一年前後しか回復することができない。長期の景気上昇期は、山が三年半前後と長く、谷は一年前後と短い。そのため、「不景気の時こそ先行投資せよ」と思考し行動する経営者が成功をおさめることができた。だが、スーパーバブルによる長期の景気下降期には、この経験則は全く通用しない。

貧乏人には我慢、金持ちには借金棒引きでは、バブルの発生は避けらないし、回復する時間を長期化することになる。そして輸出の神風は再び吹かない,新興国のバブルが弾け,通貨の危機もある,もしユーロや新興国の通貨の価値がドルを上回るとドルが大暴落します。その場合の経済指数がどうなるのか,当然どちらか暴落するために輸出の神風は再び吹きません。

そして日本は、朝鮮戦争特需やベトナム戦争特需を体験しているため、戦争による景気回復を待望する妄想は、鍵もかけないで放置されたままである。「シレンマノ」に陥り,平和憲法を変えて核武装し、世界の憲兵の仲間入りをしたいという流れが靖国軍国後継内閣は「戦争モード」に入ることになる。

だが日本を除く国は、それぞれの経済政策の舵を切換え、そのドン底の経済指数を、2015年迄には回復させることが可能だ。ではナゼ、日本だけが、90年代に経験した失われた10年間の苦痛を、再び20年以上も経験しなければならないのか? 今度の苦痛は、いざなぎ景気越えの見かけの景気をともなわない。なぜなら、見かけのいざなぎ景気越えは、国内市場の縮小を海外市場の拡大によってカバーされた、蜃気楼化された経済指数が正体だからだ。そして「産業革命」を先送りすると「失われた40年」となるだろう。世界の先進国は「脱原発」から「産業革命」が加速することになる。

1929年の最高の経済指数を、三分の一以下に縮小させるスーパーバブルに直撃された。それは十年を経過しても、生産・販売・株式・雇用・投資・貿易の指数を回復できなかった。この恐怖の体験を日本は絶対に避けられない!

但し,カジュアル期(2000-2020年)は、新しいルールを受け入れ、古いルールを破壊する社会的心理が多数派となる。そこで、新しいカジュアル商品と、新しい技術商品の市場の普及が加速される。そのために、先覚商品市場の打撃は、更に軽減される。

原発にあぐらをかき、市場拡大のインパクトのある商品を開発できなかった企業は、縮小&倒産は避けられない。景気の縮小速度より遅延させれば、倒産消滅は避けらない。米国を襲った30年代の大恐慌が、各産業のトップ企業を入れ替え、次の時代をリードする企業を誕生させ急成長させた。同じことが日本の大企業に交代劇や消失現象が起こります。


07. 増税反対 2014年2月12日 23:49:17 : ehcoR2LmdzYII : AL3PTItL6A
「足元の日本の景気回復は顕著だが」

こんな事言ってる時点でアウトだな。

巨額の借金と駆け込み需要でなんとなく景気が上向いてるように

見せてるだけで、実際には国民の可処分所得は激減し貿易収支は悪化

するばかり。さらには物価の上昇と消費税大増税のダブルパンチ

が襲ってくるので、日本はとんでもない不況に見舞われるのは、サルでも

分かるというものだ・・・


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