政府宣言のデフレ脱却　実態は悪いインフレが起きているだけ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140217-00000009-pseven-bus_all
SAPIO　2014年3月号

　政府は昨年12月24日に発表した月例経済報告で「デフレ」という表現を約4年ぶりに削除した。1月末に総務省が発表した全国消費者物価指数（12月分）では生鮮食品を除いた物価（コアCPI）が前年同月比で1.3％上昇。7か月連続で前年を上回ったと報じられた。安倍政権はこれをもってデフレ脱却とし、日本経済は増税に十分に耐えられると言いたいのだろうが、実態は違う。

　デフレは「物価が持続的に下落する状況」と定義される。安倍政権の嘘を見抜くためには、まずデフレの何が問題なのかを理解する必要がある。中央大学経済学部教授・井村進哉氏が解説する。

「デフレは商品やサービスの供給に比べて需要が少なくなってしまう状態です。賃金が抑制され、モノの値段が下がる。それに伴って企業の売り上げは落ち、収益は圧迫されて再び従業員の賃金が抑えられる。それで消費が抑制されてまた需要不足が生まれるというスパイラルに陥り、経済がどんどん縮小します。

　日本では1998年から賃金がなだらかに下がり続け、企業の投資意欲やサラリーマンの消費意欲が強く抑制されてきました。デフレ脱却とは、そうした負の連鎖の克服を指します」

　つまり、単に物価が上がればいいわけではないのだ。物価上昇＝インフレには「良いインフレ」と「悪いインフレ」がある。

「目指すべきデフレ脱却（＝良いインフレ）とは『商品やサービスの需要が増加する→供給能力を増強するために企業が投資し、雇用を増やす→人材を確保するために賃金が上がる→需要が増える』という好循環を作り出すことです。これをデマンド・プル型のインフレと呼びます。

　一方、輸入価格や原材料費が高騰したことで物価が上がっただけの状態がコスト・プッシュ型と呼ばれる『悪いインフレ』です。企業は生産能力を増強できず賃金も上げられないのに、物価だけが上がる。新聞各紙は『デフレ脱却』と報じていますが、これは安倍政権に寄り添った大本営発表であり、実態は『悪いインフレ』が起きているに過ぎません」（井村氏）

コメント
01. 2014年2月17日 10:52:42 : nJF6kGWndY これまでデフレ不況で悪化し続けていた状況から、急に全てが改善するほど甘くはない 細かく見れば、失業者が減り、企業利益上昇や、投資が活発化したりと悪いことばかりではないが 経済の根本が悪いままでは、成長戦略が機能していない状況で、金融政策と公共工事やバラマキだけでは、悪いデフレから、悪いインフレに変わるだけなのは当然だ
02. 猿のセンズリ 2014年2月17日 22:01:25 : fpN.gB5mzCY0U : AS74cGBI0I 絶望的予算です。ブレーキはおおよそ１５兆円余り、１６兆円以下。これが現在の政府予算。過去に例がないらしい。しかも、ＧＤＰデフレーターは２割を切った。長く続いた結果、急激な実感はない。これは恐慌の定義ですから、このまま第二次補正予算が組まれないまま４月を迎えると、大恐慌になる。消費税が増税されずとも、ＧＤＰはマイナスですから、どんな結果がこの国を襲うかは、実感はない。希望的には、２０兆円の補正を５年間は続ける。が、現政権では希望薄の感がある。よって、ムードばっかり煽った、安倍総理は用無しとなる。が、、なんです、夏以降インフレ懸念が浮上してます。これは、リーマンショックの時も秋以降でしたから、まんざらデタラメとは思えない。主に米国の個人トレーダーと思われる。ロング・バケーション。夏休み・・と余裕がある。リーマンショックを潜り抜けたつわものの仕業と思えます。まじめな日本人はまたもや踊らされる。残酷な国だと思う。すこしは「まじめ」について考えた方が良さそうなんですが・・・。これも難しい注文やもしれませんね。ケセラセラと・・考えないのが一番です。労働法・・キツイ法律です。イヤイヤが丁度いいんですがね・・・！

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