中国経済、３０年間の長期停滞に突入の恐れ…　ノーベル賞学者が警告
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140414/frn1404141810008-n1.htm
2014.04.14　夕刊フジ

中国不動産の投げ売りが始まり、ポール・クルーグマン教授らは経済危機を予測する（ロイター）

クルーグマン氏　（ＡＰ）

　世界第２位の規模にまで拡大した中国経済がいよいよ沈み始めた。「影の銀行（シャドーバンキング）」や景気対策で生じた債務は国内総生産（ＧＤＰ）の２倍超にまで膨らむが、輸出や内需の低迷も深刻で、米金融大手のゴールドマン・サックスは成長率見通しを大幅に下方修正した。ノーベル賞学者ら専門家は、中国経済のバブルが破局する瞬間を迎えており、３０年間の長期停滞に突入する恐れがあると指摘する。

　中国の李克強首相は全国人民代表大会（全人代）で、２０１４年の経済成長率目標を７・５％に維持することを打ち出した。しかし、世界最強の投資銀行の異名を持つゴールドマンは、当初の見通しも６・７％と政府目標を下回っていたが、それを５％にまで下方修正している。

　実際のところ、中国経済の成長減速は著しい。英ＨＳＢＣが発表した３月の製造業購買担当者指数（ＰＭＩ）は４８・０と、景況感の分かれ目である５０を下回っている。

　今月１０日に発表された貿易統計でも、３月の輸出は前年同月比６・６％減。市場の事前の予想では、２月の１８・１％減からプラスに転じるとみられていたが、期待を大きく裏切った。「昨年までの輸出の水増しがなくなった反動によるもので、実態はそれほど悪化していないのでは」（国内系シンクタンクのエコノミスト）との見解もあるが、輸入も１１・３％減と大幅なマイナスを記録、内需も低迷していることは明白だ。

　問題は単なる景気減速にとどまらない。過剰債務問題は深刻化するばかりだ。中国社会科学院は、１２年時点の債務額は１１１・６兆元（約１８２５兆円）と、同年のＧＤＰの２１５％にも達していることを明らかにした。

　過剰債務の元凶の一つが、０８年のリーマン・ショック後に中国政府が実施した財政出動だ。景気対策として４兆元（約６５兆円）の公的資金を投入、銀行融資などを通じて地方政府や企業などに回り、不動産への投機や無計画なインフラ投資が行われた結果、金融機関は巨額の不良債権を抱えた。

　銀行融資を受けられなくなった地方政府や不動産業者は、銀行や信託会社が投資家に高利回りで販売した「理財商品」の資金を借りるようになり、「影の銀行」の規模が急速に膨張した。

　中国経済に詳しい企業文化研究所理事長の勝又壽良氏は「中国は過剰債務のほか、過剰設備、過剰雇用という問題を抱えている。過剰債務が破裂すれば生産活動も縮小し、失業者も増える」と分析する。

　こうした中国の債務状況について、経済の専門家の間に、バブルの崩壊局面を意味する「ミンスキー・モーメント（ミンスキーの瞬間）が到来した」との見方がある。

　これは経済学者のハイマン・ミンスキー氏にちなんだ用語で、借金による投機で資産価格が上がりすぎた末、突然、投げ売りが起きて価格が崩落、急速に経済が縮小する現象を意味する。米国のリーマン・ショックの際に市場関係者の間で注目された。

　今回の中国の場合も、バブル化した不動産の投げ売りが各地で始まり、多くの理財商品や社債がデフォルト（債務不履行）の危機に直面している。

　ノーベル経済学賞を受賞した経済学者のポール・クルーグマン教授も中国の「ミンスキー・モーメント」に言及。米国の原発事故を描いた映画「チャイナ・シンドローム」をもじって、中国の経済危機が米国に波及する「“アメリカン・シンドローム”を心配する必要がある」との見解を示した。

　長年、中国経済のリスクを指摘してきた前出の勝又氏はこう断じる。

　「対ＧＤＰ比の債務の増え方は、日本のバブル期よりも中国の現在のバブルの方がはるかに大きい。過剰債務の返済に相当の時間がかかるため、中国は今後２０〜３０年間、バブル崩壊の後遺症として停滞局面に苦しむ懸念を抱えている」

　おごれる者は久しからずか。

コメント
01. 2014年4月14日 20:00:14 : rAZs4KvhOE 経済学者の予想が当たった試しはない。なのでもう少し観ないとなんとも言えない。
02. 2014年4月14日 20:14:36 : liCO3FEW0Y 共産国の中国みたいな人工経済の国でバブル崩壊だのの金融危機が不可避で起きるわけないでしょうに。 例え起きるとしてもそれは「計画経済でわざと起こされたもの」でしょうね。中国が主導でないにしても。 国際金融ハゲタカと実は裏でグルで（要求されて？）暴落演出、と言う所ではないでしょうか？ 国際投機筋でも中国の経済危機を予想している発言が目立つようです。 リーマンショックみたいな世界的暴落を起こしてもう一度買い方のロスカット狩したいんでしょうね、投機筋は。でももう同じことはできないので、今度は「百年に一度の中国危機、シャドウバンキング危機」って所でしょうか。 果たして起こすのかどうか、起こすとしてどの規模でどの期間やるのかはわかりませんね。
03. 2014年4月14日 21:06:33 : DDr1QnCk8Y 中国経済の問題点はそこらじゅうにあるのであげつらうことは簡単。 実は日本も同じようなものだが。 ところで産経は中国経済は間もなく破綻するすると言ってきたのにこんどは停滞か。主張はずいぶん後退したものだ。 書いてて恥ずかしくならないのかね。
04. 2014年4月14日 22:19:18 : 7m80c0C2HI 自由経済ではないよ。統制経済。なかなか破綻せんよ。だから暴落するならワザとだ。全員グルの暴落の演出。これでエライサンが収穫するのよ。 あとは中共政府を潰すんだろうね。
05. 2014年4月15日 01:59:05 : FM6iknTYDI 　日本ではミンスキーモーメントを１９８９年に経験してからすっかり勢いがなくなった。国の対ＧＤＰ公債比率は世界１だ。だから日本と同じことをやれば同じ結果になる。 　幸い中国には日本と異なり新聞の再販価格指定制度がない。これがあるとキチガイ、ゴミ右翼新聞が生き延びることになる。反吐が出るような制度だ。日本のように導入するなど愚か極まることは止めた方がいい。社会全体を腐らす。また日本のようにテレビと新聞のクロスオーナーシップも採用しないほうがいい。馴れ合いから言論機関の腐敗が酷くなる。
06. 唐行きさん 2014年4月15日 21:13:58 : qhq/4d/3jpsEA : HHzifh7XKM ３月２９日から４月８日まで、中国に行っていました。 ＺＡＫＺＡＫは、ウソばかりです！ 中国経済は益々の隆盛を極めていました！ 銀行は土日も営業しており、散髪屋とかパーマ屋とか八百屋や食堂などの商店街の店も、町の小さな鉄工所のようなところも、土曜の夜の１１時を過ぎても仕事をしていました。 それは、まるで日本の４０年前の光景でした！ この春から、「一人っ子政策」もついに見直されました！ また、中国の一般人には「税金」というものがありません。「相続税」もありません！ですから、「自分の稼ぎは自分のもの」という国です！国民の「貯蓄率」の高さは群を抜いています！ 去年の秋からの半年ぶりでしたが、中国の３大銀行（工商・建設・中国）の預金金利は、軒並み１０％ＵＰしていました！３年定期は、今や４．６７５％であります！ 日本の「年金」も、ドロボーのゴールドマンなんかにする委託を止めて、中国の銀行に預ける方が手数料もなくてより堅実である！ 中国は、今後４０年は安泰と診た！
07. 2014年4月15日 22:47:08 : CWwqbwH016 >06　おめでとうさん。なんでもどつてきたの？ [３２削除理由]：アラシ

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