ただデフレで中国産の安い日用品で救われてきたようだ。

　中国の国家統計局が１６日発表した２０１４年１〜３月期の国内総生産（ＧＤＰ）の成長率は、物価の上昇分を除いた実質で前年同期に比べて７・４％となり、１３年１０〜１２月期より０・３ポイント下がった。減速は２四半期連続で、６四半期ぶりの低水準だった。世界経済の「エンジン役」の失速は国際的にも懸念を広げそうだ。

　中国は今年の成長目標を「７・５％前後」に置くが、１〜３月期は下回った。市場が今回予想していた「７・３％程度」よりは高かった。

　ＧＤＰと同時に発表された各種の統計からは、外需、内需とも弱さが浮き彫りになっている。

　中国経済を引っ張ってきた輸出は、３・４％減で、リーマン・ショックの影響があった０９年７〜９月期以来、実に１８四半期ぶりの減少となった。中国では昨年初め、輸出を「水増し」し、代金に見せかけて持ち込んだお金を国内市場に投資する手法が横行した。今年はその反動で、統計の輸出の数字が減っている面もある。

　設備投資や建設投資などを含む固定資産投資は１７・６％増で、１３年通年の１９・６％増を下回った。昨夏に政府が打ち出した、鉄道建設などの経済対策の効果が息切れしている。

　さらに、消費の力強さを示す小売り売上高も１２・０％増となり、１３年通年の１３・１％増から減速した。習近平（シーチンピン）政権が進める「ぜいたく禁止令」が、外食や贈答品市場に幅広いマイナスの影響をもたらしている。

　景気の減速が続けば、企業や地方政府の資金繰りが悪化し、不透明な「影の銀行」からの借り入れを含む借金問題がさらに深刻となる恐れもある。李克強（リーコーチアン）首相は今月、例年より早く鉄道建設の加速や老朽化した住宅の建て替えといった経済対策を指示。第１四半期の成長率が年間の目標を下回ったことで、政府がさらなる景気刺激策を繰り出すかが注目される。（北京＝斎藤徳彦）

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