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日銀総裁会見、初の生配信にみる、金融当局と市場のデリケートな関係〜なぜ大幅円高に?(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan87/msg/283.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 4 月 24 日 07:14:42: igsppGRN/E9PQ
 

日銀総裁会見、初の生配信にみる、金融当局と市場のデリケートな関係〜なぜ大幅円高に?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140424-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 4月24日(木)3時0分配信


 4月上旬に開催された日本銀行の金融政策決定会合後の記者会見で、追加緩和の必要性について問われた黒田東彦総裁は「現時点では考えていない」と言明した。その理由として「わが国経済は、2%の物価安定の目標の実現に向けて、着実に進んでいるから」と答えた。さらに「現時点で追加的な緩和を行う必要があるとは思っていないが、必要があれば躊躇することなく調整を行う」と付け加えるのも忘れなかった。

 黒田総裁の言葉に「サプライズ」的な要素はまったくなく、これまで述べてきたことと同じ趣旨の繰り返しである。そもそも4月上旬の決定会合で追加緩和を見込む向きは皆無に等しく、現状維持は市場の想定通り。それを受けた総裁の記者会見での受け答えがこのようなものになるのは、むしろ自然だったといえる。もっとも、仮に黒田総裁が追加緩和を考えていたとしても、それを口にするわけはない。

 ところがこの会見の最中から、為替市場では円高が進んだ。ロンドン〜ニューヨークと一周して戻ってきた時には実に1円以上も円高となっていた。円高が進んだのは、追加緩和期待が一気に後退したからであった。

 黒田総裁の発言内容にサプライズはなかった。では何がそれほどまでに追加の緩和期待をついえさせたのか? その理由は、今回の総裁会見から初めて解禁された「ライブ映像」の配信ではないかと思う。日本経済新聞電子版や日経CNBC が、黒田総裁の記者会見の模様を生放送で中継した。筆者も CNBC を見ていたが、 満面の笑みをたたえ、自信満々で会見に臨む総裁の姿を見て思った。「ああ、これでは追加緩和期待は潰えてしまう」と。

 米国の心理学者、アルバート・メラビアンは著書『Silent messages(邦題:非言語コミュニケーション)』で、コミュニケーションには3つの要素があると主張している。それらは

・言語
・声のトーン
・身体言語(表情や身振り手振りなどボディーランゲージ)

の3つである。コミュニケーション、すなわち意思やメッセージの伝達に占める割合は言葉が7 %、声のトーンや口調は 38 %、ボディーランゲージは 55 %であるというのだ。「怒ってる?」と聞かれて、「怒ってないよ〜」と優しく微笑みながら言えば、相手は安心するだろうが、反対に憮然とした表情とこわばったトーンで突き放すように言えば、それは「怒っている」と言っているに等しい。

 黒田総裁が述べた言葉はこれまでと同じだったとしても、声のトーンや表情がはるかに雄弁に、総裁の「心中」を伝えていたのだろうと思う。日本経済はデフレ脱却に向かっている、よって追加緩和は必要ない。黒田総裁の、その確信度の強さを伝える「生放送」となったのである。

●金融当局と市場のコミュニケーションの難しさ

 しかし、この会見を「生」(ライブ)で見ていた海外のディーラーやトレーダーがどのくらいいたのだろうかという疑問もわく。円高はロンドン〜ニューヨークともっぱら海外市場で進んだことから考えると、海外の外国人ディーラーは生放送を見てはいないだろう。だが、彼らが触れる「一次情報の発信者」の伝え方に強烈なバイアスがかかったのだと思われる。実際に筆者も「日銀総裁、追加緩和に否定的」「追加緩和期待を一蹴」などの速報記事のヘッドラインを目にした。そして、本稿でも冒頭で「黒田総裁は『現時点では考えていない』と言明した」と断定的に書いた。ニュートラルな表現では「述べた」と書けばいい。それでもついつい「言明」といってしまう。それだけのインパクトを受け手に与える会見だったということである。

 実は似たような出来事が、米国でも起こっていた。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の初登板となった3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、フォワードガイダンス(中央銀行が金融政策の先行きを明示する指針)を見直すとして、失業率の目標を撤廃した。そこまでは市場の想定通りだったが、サプライズは委員会後の記者会見だった。量的緩和縮小後、利上げまでの期間を尋ねられたイエレン議長は、「6カ月くらいかしら」と言ってしまい、具体的な「時期」への言及に市場は大きく動揺。株は売られ、金利は急上昇したのだった。

 かくもコミュニケーションは難しい。「生」でのやりとりとなると一層難しさが増す。ちょっとしたニュアンス、表現の機微、その受け止め方が、すれ違いを生むきっかけになり得るからだ。恋人同士でもよくある話だろう。まして、金融当局と市場とのコミュニケーションとなればなおさらである。

 金融当局と市場との対話はナーバスだ。特にライブ会見には注意が必要。目は口ほどにものを言うのだ。

広木隆/マネックス証券チーフ・ストラテジスト


 

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