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貿易赤字で大騒ぎするのは霞が関だけ 固定観念が誤っている(週刊ポスト)
http://www.asyura2.com/14/hasan87/msg/377.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 4 月 29 日 07:24:24: igsppGRN/E9PQ
 

貿易赤字で大騒ぎするのは霞が関だけ 固定観念が誤っている
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140429-00000002-pseven-bus_all
週刊ポスト 2014年5月9・16日号


 2013年度の貿易統計速報で、輸出から輸入を引いた貿易収支が過去最大の赤字になった。赤字額は13.7兆円で、赤字は3年連続だ。

 これを受けて「デフレ脱却を目指す政府のシナリオが揺らいだ」とか「日本企業の競争力が衰えた」といった報道が相次いだ。本当にそうか。まず、赤字の中身から検討しよう。輸入は前年度比17.3%増になった。これはマスコミが報じたとおり、原油や液化天然ガスの輸入が増えた事情が大きい。

 原発が止まっているから、その分を補う火力発電の燃料費が高くつく。経済産業省とすれば「だから原発を動かさないとダメなんです」とアピールする絶好のチャンスである。それだけではない。

 もう1つの霞が関のチャンピオン、財務省にとっても貿易赤字はおいしい。なぜなら、投資収益などを含めた経常赤字になると海外からの資金流入が常態化する。結果的に海外の資金が財政赤字を穴埋めする状態になる。

 そこで「いざというとき、海外勢に資金を引き揚げられたら大変なことになる。いまのうちに増税しておかないと、日本が自前でやっていけなくなりますよ」と増税キャンペーンに使えるからだ。

 実際、霞が関との二人三脚をよしとするマスコミはそんな解説を流している。ところが冒頭の話を含めて、こういった解説はどれもこれも根本的に間違いである。

 そもそも「貿易赤字は悪いことで貿易黒字が良いのだ」という固定観念自体が誤っている。いまの時代、企業はグローバル化しているから、輸出だけで儲けているわけではない。世界を見渡して最適な場所で生産し、稼ぎの一部は現地で再投資もする。

 日本全体としてみれば貿易赤字であっても、企業はしっかり稼いで雇用も守っているのだ。「何が何でも国内で作って輸出を」なんていう戦略にしがみついていたら、逆に競争力は衰えてしまう。

 経常赤字になったら、日本が成長できないわけでもない。赤字でも成長している国は米国や豪州などいくらもある。たとえば米国が財政赤字に加えて経常赤字でも成長しているのは、なぜか。ひと言で言えば、企業がいつも新陳代謝していて元気だからだ。それで世界中から投資資金が集まっている。

 それでも「海外資金に頼るのは危険じゃないか」という心配性の読者もいるだろう。そういう方には「経済というのは、収支=帳尻合わせだけで成り立っているわけではない」と答えよう。

 貿易も投資も財政も、つい最後の「収支」だけで考えがちだが、それは結果だ。おカネが動くときには金利も動く。為替も動く。たとえば国債が売れなくなれば、金利は上がる。すると、それが魅力となっておカネが集まる。

 為替も同じだ。世界の投資家が「日本は魅力がない」と思って円を売れば、その場限りでは円安になるが、それは輸出を刺激する。今回の貿易赤字でも輸出が減ったかといえば、実は増えているのだ。

 収支だけを見ているといかにも大変そうだが、それで日本経済が大崩壊するかといえば、おカネの市場メカニズムが働くので、それなりに落ち着くべきところに落ち着く。

 大崩壊するのは、おカネのメカニズムに粉飾決算があった場合である。たとえば、かつてのサブプライムローン問題とか中国のシャドーバンキングだ。日本はそこまでデタラメではない。貿易赤字で大騒ぎして喜ぶのは霞が関だけだ。トンデモ経済記事にだまされてはいけない。

(文中敬称略)

文■長谷川幸洋:東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。政府の規制改革会議委員。近著に『2020年新聞は生き残れるか』(講談社)


 

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コメント
 
01. 2014年4月29日 07:55:41 : nJF6kGWndY

>財務省にとっても貿易赤字はおいしい。
>海外の資金が財政赤字を穴埋め
>「いざというとき、海外勢に資金を引き揚げられたら大変なことになる。いまのうちに増税しておかないと、日本が自前でやっていけなくなりますよ」と増税キャンペーンに使える

>円安になるが、それは輸出を刺激する。
>日本経済が大崩壊するかといえば、おカネの市場メカニズムが働くので、それなりに落ち着くべきところに落ち着く

ただし、その落ち着く過程で、インフレが進み、大部分の国民の実質所得が減って貧しくなる

つまり、多くの人々が不満を募らせ、政治が不安定化することになる


>貿易赤字で大騒ぎして喜ぶのは霞が関だけ

政治が不安定化するのを喜ぶ官僚は、ごく一部だろうな

仕事が増えるし、将来が見えなくなるからな

当然、東大生からの人気も、記者同様、長期低落だ

http://matome.naver.jp/odai/2139787604956519101
また、これまで進路の「花形」だった官僚も、給料が安く批判続き。そのため「東大法学部卒」のブランド人気自体も低下しつつある
出典
(1/2) 東大法の「就職力」じわじわ低下 「法曹」「高級官僚」の魅力薄れ、行き先に悩む : J-CASTニュース


02. 2014年4月29日 09:12:56 : rAZs4KvhOE
案外日本の米国化が進んでいるのではないかと言う気もする。貿易収支が赤字で、円を増刷して垂れ流しても、経済全体としては回っていく。
それはそれで結構なことなんだが・・・・

03. 2014年4月29日 21:18:02 : 80akEzR1xM
貿易赤字=金融赤字で、海外からの日本投資額>日本からの海外投資額のこと

経常赤字=金融赤字で、海外からの日本投資額>日本からの海外投資額のこと

総生産500兆円よりも5〜10兆円、総消費が多いこと。その差額5〜10兆円が、
海外からの日本投資額>日本からの海外投資額のこと

つまり、500兆円のGDP+海外からの輸入5〜10兆円分=日本の総消費=505兆〜510兆円。

アメリカも、イギリスも、オーストラリアも、30年以上経常赤字だが、
海外からの投資額>自国からの海外投資額

なので、まったく問題なく、経済成長(総生産GDP増)している。

貿易黒字=金融黒字で、海外からの日本投資額<日本からの海外投資額のこと

経常黒字=金融黒字で、海外からの日本投資額<日本からの海外投資額のこと

日本は、いままで、500兆円のGDPのうち、5〜10兆円分、海外投資してきた。

つまり、495兆円の内需+5兆円〜10兆円の外需→海外資産

日本は、失われた20年、ずっと、経常(貿易)黒字だったが、GDPは伸びず、500兆円のまま。

黒字は、海外資産の積み上げ。

赤字は、海外からの投資受け入れ。

GDP増とは、全く関係ない話。


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