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大台(NEVADAブログ)
http://www.asyura2.com/14/hasan87/msg/726.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 15 日 22:37:15: igsppGRN/E9PQ
 

大台
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4676806.html
2014年05月15日 NEVADAブログ


日経平均は101円、率にして0.75%の下落となっていましたが、GDP高成長を全く信用していないような相場でした。

反対に高成長=これ以上の金融緩和はないと市場が判断し、売りとなっていたものです。

そのような中、注目されていますことは、大台割れです。

ソフトバンク  7000円台 (終値 7150円)
三井住友    4000円台 (終値 4059円)
ファーストリテイリング 30,000円台 (終値31,855円)
日立       700円台  (終値 703円)
東芝       400円台  (終値 400円)

大台は意識だけの問題であり、相場的には意味のあるものではありませんが、それでも「大台割れ」となれば、
高値で買いついた向きは「もう駄目だ」となり、投げてくるでしょうし、反対に買いたい向きは「大台は死守するはずだから買い」注文を入れるもので、大台攻防は見ものとも言えます。

上記の銘柄では、すでに場中で大台を割っている銘柄が出てきており、今後引け値で大台を大きく割ってくれば、
後は投げが入ることになりますので、買い手も売り手も意識は強いはずです。

日経平均の意識される大台は10,000円ですが、果たしてこれを割るような暴落を演じるでしょうか?


 

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01. 2014年5月16日 18:42:29 : e9xeV93vFQ


【日本株週間展望】日経平均は安値攻防、円高と地政学リスク
  5月16日(ブルームバーグ):5月第4週(19−23日)の日本株相場は軟調に推移し、日経平均株価は終値での年初来安値攻防の動きとなりそうだ。為替の円高進行に警戒感が根強く、ウクライナ、東南アジア情勢など地政学リスクも重しだ。日本銀行の金融政策決定会合後は、一時的に下げが大きくなる可能性もある。
国際投信投資顧問の石井慶人シニアエコノミストは、「決算発表がほぼ終了したが、企業の見通しはあまり良くなく、収益の伸びに対する市場の期待は1年前と比べて全然違う」と指摘。6月に政府の成長戦略が出てくるまで、「上値を買っていく材料が出づらい」とみる。
第3週の日経平均株価 は前の週に比べ0.7%(103円)安の1万4096円と続落。海外景気や円高方向に振れた為替動向が嫌気され、ゴム製品や精密機器、電機、非鉄金属、情報・通信株などを中心に売られた。
海外で長期金利が低下している。15日の米10年債利回りは一時2.47%と、昨年10月30日以来の低水準を付けた。ドイツの10年債利回りも一時1.30%と、昨年5月17日以来の水準に低下。欧州中央銀行(ECB)の政策当局者らがインフレ率低下への対抗措置を準備している、と相次いで述べるなど、米欧の景気は期待ほど強くないとの見方に加え、欧州議会選挙を控えた政治リスクなども金利低下を促している。
日本の長期金利が大きく変動していないだけに、為替市場では内外金利差の拡大による円安が進みづらく、15日のドル・円相場は一時1ドル=101円32銭と、約2カ月ぶりのドル安・円高水準を付けた。
国内大手自動車メーカーのトヨタ自動車やホンダは、2015年3月期の想定為替レートを1ドル=100円とし、ソニーは103円前後、日立製作所は98円としている。大和証券の調べによると、全体の7割程度が100円、続いて100円超−105円未満のレンジの想定が多い。一方、約1年前にトヨタが示した期初の前期想定レートは1ドル=90円で、当時の実勢102円前後と比べ大きな乖離(かいり)があった。
薄れる円安効果、市場と日銀の認識ギャップ
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「昨年は黙っていても為替要因が業績にプラスだったが、現在は少し円高に振れると業績の下方リスクにつながる」と言う。為替と株価の相関は「昨年同様強いが、為替の変動幅に比べ、足元は株価の変動幅が大きい」との見方を示した。15、16両日のドル・円相場は前日の東京株式市場の終値時点から40−50銭(0.5%)程度振れたのに対し、日中の日経平均下げ幅はともに200円超(1.5−2%)に達した。
20−21日には、日銀の金融政策決定会合が開かれる。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト32人を対象に行った調査では、全員が政策の現状維持を予想。しんきんアセットマネジメントの藤原直樹運用部長も、「3月以降の黒田東彦総裁のコメントを聞いている限り、追加緩和は早くて7月」との認識だ。
ただ、国際投信の石井氏は、「市場は日銀が考えるほど、失業率が低下してもインフレ圧力は高まらない、とみている。日銀の物価目標の達成は難しい」と指摘。市場と日銀の認識にギャップがあるだけに、現在のように為替の円安が進みにくい状況下では仕掛け的な円高が入り、株価の下げが大きくなるリスクもある。
地政学リスクも払しょくされていない。ロシアのラブロフ外相は14日、ブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで、ウクライナ東部および南部では政権側部隊と分離派武装勢力との間で既に実質内戦の状態にある、と述べた。ウクライナでは25日に大統領選が予定される。
アジアでは、南シナ海でベトナムと中国の領有権争いが激化、ベトナムでは対中デモの一部参加者が暴徒化した。フィリピンと中国の間でも、領有権をめぐる緊張が高まっている。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「地政学リスクが東アジア、東南アジアで高まってくるのは、ウクライナの情勢以上に日本にとってはマイナス」と危惧している。
第3週の日経平均は一時1万4016円と、1万4000円割れ寸前まで下げた。みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは、「米ダウ工業株30種平均は高値更新後にさらに買い上げる材料がなく、利益確定売りに押される格好で崩れ始めている」とし、米国株安や円高が響き、第4週の日経平均は終値での年初来安値1万3910円(4月14日)を下回るだろう、と予想する。
低PER支え、1万4000円割れは短期に
もっとも、国内景気に対する消費税増税の影響や今期業績の鈍化など悪材料は、年初からの株安で徐々に消化してきた。野村証券は15日、日本経済が増税の悪影響を乗り越える確度は高まったとし、14年度の実質国内総生産(GDP)成長率を1.5%と予想。市場予想の0.7%を上回る見通しを維持するなど、悲観一色でもなくなってきている。
日経平均の株価収益率(PER)は足元で13倍台まで下がり、心理的節目の1万4000円以下では割安感が強まるため、同水準を下回る滞留時間は短期にとどまりそうだ。いちよしアセットの秋野氏も、基本的には「成長戦略が出てくるまで、日経平均1万4000−4500円のボックス」とみている。
第4週は、米国で21日に連邦公開市場委員会(FOMC)の4月開催分の議事録、22日に4月の中古住宅販売、23日に新築住宅販売、欧州では22日から25日まで欧州議会選挙、中国では22日に5月のHSBC製造業購買担当者指数(PMI)が発表予定だ。国内では、19日に3月の機械受注、21日に4月の貿易収支などがある。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net院去信太郎
更新日時: 2014/05/16 16:08 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N5N7G46KLVRF01.html

【コラム】「黒田プット」に落とし穴はないか−Wペセック

  5月16日(ブルームバーグ):かなり前に「グリーンスパン・プット」という言葉を世界の市場でよく耳にしたものだが、日銀総裁が近く実施するかもしれない「黒田プット」には世界の市場はまだなじみがないだろう。
15日に発表された日本の1−3月実質GDP(国内総生産)の劇的な数字は無視しよう。デフレに苦しむ経済状況下で17年ぶりに消費税を引き上げるとなれば、駆け込みで買い物をする消費者が急増する。前期比年率での5.9%成長の理由はそこにある。しかし、統計発表後の黒田東彦日銀総裁のコメントは注目に値する。成長力を引き上げる緊急性が高まっているということだ。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のチーフ・グローバル・エコノミスト、ポール・シェアード氏は日銀が既に巨大な規模の金融緩和を近く「倍賭け、あるいは3倍賭け」に打って出る可能性があると考えている。日本株が今年に入って下落していることに自民党はいら立っており、黒田総裁に1年前の緩和策以上のことを求める圧力がかかっている。こうしたことから黒田プットがささやかれている。
こうしたプットの概念が市場で広まったのはアラン・グリーンスパン氏が米連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務めた時代だ。日銀がこれまで講じてきた市場支援策の多くは国債の買い入れなどだ。
信用創造
これが変わろうとしている。日銀の緩和は望んだほど信用創造を押し上げていない。融資の伸びの勢いが衰え、株式投資のリターンが低下する中、大手邦銀3グループはいずれも2015年3月期は減益になるとの見通しを示した。
黒田総裁はデフレ脱却に全てを挙げて取り組む評価の高いエコノミストだ。安倍晋三首相は消費者需要と企業の信頼感を押し上げるための構造改革についてまだ答えを出していない。不公平なことだが、そのために黒田氏が重荷を背負わされている。日銀が大きな追加刺激策を実施した場合、債券トレーダーはおとなしく傍観するだろうか。そんなことは分からない。
ワイマール共和国
黒田総裁にとって難問の一つはイエレン議長率いるFRBがつくり出しつつあるとみられる隙間を埋めることだ。FRBが刺激策の縮小に動く中で、日銀は世界の流動性の喪失を相殺する必要性を感じる可能性がある。最大の顧客である中国の需要に打撃を与えれば特にそうだろう。日本で大きなインフレ問題が持ち上がるとの見込みは低い。急速な高齢化や中国の景気減速はデフレ圧力を高めるだけかもしれない。だが問題は債券夜警団がどう動くかだ。
日本が世界で最も重い債務負担をしのいでいるのは、政府債務の90%以上が国内で保有されているからだ。だからといって日銀がワイマール共和国がたどった道を行くと不安に思えば、銀行や年金基金、保険会社、退職者がおとなしく傍観しているという保証はない。黒田プットが世界市場の静けさを保てるかどうかは時間だけが教えてくれる。(ウィリアム・ペセック)
原題:Today’s Good Growth News From Japan Is Terrible: WilliamPesek(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 Willie Pesek wpesek@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nisid Hajari nhajari@bloomberg.net
更新日時: 2014/05/16 11:42 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N5N0Q36KLVR501.html
【クレジット市場】黒田日銀効果は薄れる、スワップ金利と株価が示唆

  5月16日(ブルームバーグ):リスク資産への投資を再び活発化させ、インフレ基調を維持するためには、日本銀行は一段の金融緩和策が必要だ、と金利スワップ市場や株式市場がサインを送っている。
円建ての金利スワップ相場では、10年物のスワップレートが一時0.75%前後と昨年11月以来の低水準を付けた。投資家が先行きの経済指標の悪化に備え、受け取り金利の目減りを回避する動きに出ていることがうかがえる。日経平均株価 も年初来14%近く下落している。
黒田東彦日銀総裁は、4月の消費税率引き上げ後の駆け込み需要の反動は「想定内」であり、物価は2015年度を中心とする期間に2%の目標に達する可能性が高いと表明している。一方、エコノミスト32人を対象にブルームバーグ・ニュースが2−8日に実施した調査では、29人が日銀は15年度中に物価目標2%を達成できないと予想している。21人が日銀は長期国債買い入れを増額するとみている。
BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「日銀にとって一番の目標はインフレの達成。それが覆されるような指標が確認できなければ、日銀にとっては今すぐ動くということにはならない」としながらも、追加緩和の実施は早ければ4−6月期の国内総生産(GDP)を見て、7月以降にも観測が強まると予想している。
10年物のスワップレートは、同年限の国債利回りを約17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回る水準で推移している。同水準は2月に22bp程度の場面もあった。
UBS証券の井川雄亮債券ストラテジストは、スワップレートと国債利回りの格差 に変化が起きている背景について、「銀行勢が国債保有リスクを減らしているので、日銀以外の国債の買い手はあまりいない」と指摘した上で、市場では「国債保有からスワップで取る流れがある」と言う。
日銀は、4月30日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2016年度の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比2.1%上昇(消費税率引き上げの影響を除く)と、昨年4月に掲げた2%の目標に向けて安定的に持続する見通しを示した。
スワップ市場
日銀は、国債の最大の買い手となり、長期国債の保有残高が年間約50兆円ペースで増加するよう買い入れを実施している。これは今年度の国債発行計画の約42%に相当する。
10年物のスワップレートは足元で0.755%前後と、1年前の0.9%台半ばから低下。長期金利の指標である新発10年債利回り は0.580%と、前年比で26bp近く低下し、世界最低水準を維持している。
長期のスワップレートと国債利回りの格差は、円相場や株価に連動する仕組債の販売状況が反映されているとの声も聞かれる。株価や円相場の動向により変化する金利リスクを回避するため、スワップ取引が使われるという。
みずほ証券の末広徹マーケットエコノミストは、「一般的に長期や超長期のスワップスプレッドにはデリバティブ商品のヘッジニースが反映されやすいと言われている」と指摘。「例えば、株安になれば、スワップの受けが増え、現物とのスプレッドが縮小しそうだということを見越して投資する人も実需の他にいるだろう」と続けた。
追加緩和を促す要因
円相場は、昨年18%下落し、全国コアCPIを昨年12月に前年比1.3%上昇と5年ぶりの高水準に押し上げる要因となった。半面、今年に入ってからの円相場は3%を超える上昇、全国コアCPIは頭打ち状態だ。日経平均株価は、先進国の代表的な指数の中で最悪のパフォーマンスとなっている。昨年は57%上昇し、約40年ぶりの大幅高を記録していた。
黒田総裁は15日、参院財政金融委員会で、金融政策について、「株式市場の動向は注意してみていく。物価目標への道筋外れる懸念あればちゅうちょなく調整を行う」と発言した。
日本の1−3月期の実質GDPは前期比1.5%増加、年率5.9%増加となり、市場予想(前期比1.0%増、年率4.2%増)を上回った。消費増税前の駆け込み需要により、個人消費の伸びが、全体を押し上げた。一方、ブルームバーグ予測調査によると、4−6月期の実質GDPは年率3.3%減少と約3年ぶりの大幅なマイナス成長が見込まれている。
SMBC日興証券の野地慎シニア金利ストラテジストは、日銀の目指す物価目標について、「物価が上昇しないわけではないだろうが、期限内に2%目標を達成するのは難しいだろう」と言う。
ブルームバーグデータによると、国債のボラティリティ (変動率、60日)は前日、1.07%と12年12月以来の低水準を付けた。「もともと海外勢の間では、現金が必要な現物よりもスワップレート取引の方が盛んだったが、日銀の異次元緩和で国債の流動性が枯渇してしまった今、海外勢にとって現物取引はますます手掛けにくくなってしまった」、と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア・マーケット・エコノミストは語った。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net;東京 石川茉莉子 mishikawa9@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net崎浜秀磨, 山中英典
更新日時: 2014/05/16 14:53 JST


債券は上昇、米金利低下や株大幅安で買い−先物は1年1カ月ぶり高値

  5月16日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。前日の米国債市場で10年債利回りが半年ぶり水準に下げたことや国内株式相場の大幅下落を背景に買いが優勢となった。先物は1年1カ月ぶり高値に達した。
長期国債先物市場で中心限月の6月物は3日続伸。前日比10銭高の145円28銭で開始。午後1時ごろにかけて徐々に水準を切り上げ、一時は145円34銭と中心限月の日中取引で昨年4月5日以来の高値を記録。その後は上げ幅をやや縮め、結局は10銭高の145円28銭で引けた。
JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は「米経済指標が芳しくないことで、米10年国債利回りが節目の2.5%を割り込んできたことから、円債にも買いが入っている」と説明。1−3月期国内総生産(GDP)は強い内容とし、「日本銀行の自信を深める材料となり、追加緩和方向にはならない感じ。株式市場では追加緩和期待が根強く、ネガティブに影響している」と話した。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の333回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.585%と3月4日(0.575%)以来の低水準で開始。午後には0.58%まで下げた。20年物の148回債利回りは一時1.5bp低い1.45%と3月12日以来の低水準を付け、その後は1.455%。30年物の42回債利回りは0.5bp低い1.685%で始まり、午後2時すぎからは横ばいの1.69%で取引された。
15日の米債相場は上昇。米10年債利回りは前日比5bp低い2.49%。一時2.47%と昨年10月30日以来の低水準を付けた。米株相場は続落し、S&P500種株価指数は0.9%安の1870.85で引けた。16日の東京株式相場は大幅安。TOPIX は1.6%安の1159.07で引けた。一時は2%超の下げとなった。
野村証券の松沢中チーフストラテジストは、グローバルな債券ブル・フラット(平たん)化の流れが強く、市場発で金融政策スタンスの修正を迫る展開だと指摘。「すでに欧州中央銀行はこれに応じ、6月の緩和を示唆した。次は米連邦準備制度理事会(FRB)、日銀。遅い順に通貨高が進み、徐々に外堀を埋めていくことになる」とみている。
日銀がきょう実施した長期国債買い入れオペ3本(総額6700億円程度)の結果によると、残存期間「1年超3年以下」と「10年超」の応札倍率が前回より上昇した。一方、「3年超5年以下」は低下した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net山中英典, 崎浜秀磨
更新日時: 2014/05/16 15:54 JST


ドル・円は101円半ば、米長期金利低下が重し−米経済指標見極め

  5月16日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=101円台半ばを中心に推移。前日の米国債市場で10年債の利回りが一段と低下したことを背景に、ドル売り圧力が根強く残った。
午後3時21分現在のドル・円相場は101円55銭付近。ドルは午前に付けた101円64銭を上値に、101円42銭まで水準を切り下げた。前日の海外市場では一時101円32銭と3月19日以来のドル安値を付けていた。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数も一時79.925と、2営業日ぶりの水準まで低下している。
外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、米10年債利回りはこれまで2.6%から2.8%のレンジで見られていたが、下限を完全に下抜けて、2.5%も割り込んでおり、もう一度米国発で指標の悪い材料が出た場合は、一段の金利低下でドルの下値を試す展開もあり得ると予想。ただ、指標内容次第で金利が戻す可能性も残ると言い、「101円台前半を狙って思い切ってドル売りを進めるのもリスクがある」と話した。
15日の米国債市場では、10年債の利回り が一時2.47%と、10月30日以来の低水準を付けた。この日のアジア時間の時間外取引では2.5%を挟んで推移している。米国時間には、4月の住宅着工件数のほか、5月のミシガン大学消費者マインド指数が発表される。

米経済指標は強弱まちまち
15日に米国で発表された経済指標は、4月の消費者物価指数(CPI)が前月比0.3%上昇と、昨年6月以降で最大の伸びとなった。一方で、4月の鉱工業生産指数は前月比0.6%の低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は前月比変わらずだった。
全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが発表した5月の米住宅市場指数は45と、昨年5月以来の水準に落ち込み、前月分の数値は、速報値の47から46に下方修正された。
三菱東京UFJ銀行の野本尚宏調査役(ニューヨーク在勤)は、米経済指標の結果を受けて「弱い材料をピックアップして金利がさらに低下した」と説明。「金利が上昇するような材料もない」と言い、金利面で「ドル・円は売り」とみている。
この日の東京株式市場は日経平均株価が3日続落。一時は1万4016円まで水準を切り下げた。野本氏は、「ドル・円は、日経平均株価が1万4000円を割れてずるずる行くようだと、もう一段下がるかもしれない」と指摘。ドルは200日移動平均線が位置する101円20銭近辺が「重要なポイント」だとし、日経平均が下がってくるようだと、同水準を試す可能性もあるとしていた。

ECB緩和観測
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が15日発表した1−3月のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.2%増と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の半分の伸びにとどまった。
欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は15日、「これまでのところ経済主体が支出・歳出計画を先送りしている証拠はない」と指摘。その上で、「だからといって極めて長期にわたる低インフレに伴うリスクについてわれわれが無関心であるわけでは全くない。従って、われわれはフォワードガイダンスをあらためて確認するとともに、必要に応じ迅速に行動する決意で追加金融緩和の可能性を排除しないことを強調した」と述べている。
ユーロ・円相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=138円98銭と、2月27日以来の水準までユーロ安・円高が進行。この日の東京市場では139円台前半で取引されている。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net崎浜秀磨, 山中英典
更新日時: 2014/05/16 15:27 JST



http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N5KLV96JTSEM01.html
【コラム】世界の大金持ちとロンドンは相思相愛−ギルバート
  5月14日(ブルームバーグ):国内総生産(GDP)約2兆5000億ドル(約254兆円)、世界7位の経済大国である英国。ここには金持ちを引き寄せる一画がある。
それはロンドンだ。英紙サンデー・タイムズによれば、ここにいるビリオネアは世界のどの都市よりも多い。英国全体では104人と昨年の88人から増え、うち72人が首都ロンドンに住んでいる。これに対して、モスクワは48人。3位のニューヨークは43人。さらに言えば、英国にいるビリオネア上位10人うち9人が外国人。英国人ではウェストミンスター公爵が85億ポンド(約1兆4500億円)の資産で辛うじて10位に食い込んだだけだ。英国にいるビリオネア全員の資産を合わせると3010億ポンド。
彼ら104人だけの金持ち王国が独立したら、世界で24番目の経済大国になる。ランキング上ではGDPが5140億ドル程度のイランと、同5000億ドルのノルウェーにはさまれることになる。
比較的問題の少ない税制はもちろんのこと、英国が世界の金持ちを引き付ける大きな理由は私有財産を尊重する法制度や比較的健全な政治システム、そしてつまづくことなく静かに漂流する感じの経済だろう。英国が国として資産接収や銀行口座差し押さえを行う公算は小さい(もっとも、ウクライナ問題でロシアの一部個人に対してこの原則が試される可能性はある)。
さらに、英国は住民を外国の税務当局に密告しない。ロンドンで起きたことはロンドンの外には出ない。富裕層の移住先と長らくみられてきたスイスは、米国の税務当局と銀行口座の詳細共有で合意したり、自国通貨に上限を設けることで評判を落とした。米国では資産公開規制の強化が7月に発効予定で、米国市民権を放棄する海外在住の米国人が急増している。
住宅、社会不安
ロンドンに金持ちが増えて物を買ってくれたり雇用を増やしてくれるのは、間違いなく良いことだ。ただ、マイナス面も幾つかある。
まずは住宅価格。英政界でも騒がれるようになり、外国人が不動産を購入してもそこに住まない場合は新たに課税されるようになるかもしれない。ロンドンの不動産の平均価格は同地を除く英全体の2倍で、過去5年に60%も急騰した。2つ目は経済緊縮の時代には社会不安のリスクが常にあるということだ。
ともあれ、金はそれを欲する場所に流れ、大切にされればそこにとどまる。少なくとも今は、マネーとロンドンは相思相愛の関係にあるのだ。(マーク・ギルバート)
(マーク・ギルバート氏は、ブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Billionaires Love London Because They Feel Safer: MarkGilbert(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Mark Gilbert magilbert@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Marc Champion mchampion7@bloomberg.net
更新日時: 2014/05/15 06:08 JST

ソロス氏などのヘッジファンド、金融株への投資縮小-1−3月

  5月15日(ブルームバーグ):資産家ジョージ・ソロス氏のソロス・ファンド・マネジメントや、チューダー・インベストメントといった資産運用会社が1−3月(第1四半期)に金融株の保有を減らした。低調な決算を受けて多くの金融株が急落する前に売り抜けた形だ。
当局への15日付の届け出によると、ソロス・ファンド・マネジメントは保有するJPモルガン・チェースとシティグループ、バンク・オブ・アメリカ(BOA)株を全て売却した。JPモルガンの株価は3月末以降12%、BOAは15%それぞれ下げている。
ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン、BOAなど一部の米銀大手は債券トレーディーング事業の不振が1−3月期の業績を押し下げた。この流れは4−6月(第2四半期)も続く可能性がある。JPモルガンは今月初め、債券・株式トレーディング収入 が前年同期比で約20%落ち込むとの見通しを示した。
このほかの届け出によると、ボストンを拠点とするヘッジファンド、アローストリート・キャピタルは1−3月期にJPモルガンへの投資から撤退し、シティとBOAの持ち株を縮小した。同じくボストンが拠点のアディージ・キャピタル・マネジメントもBOAとゴールドマン、モルガン・スタンレーの株式を売却。ジョナサン・ジェーコブソン氏率いるハイフィールズ・キャピタル・マネジメント(ボストン)はJPモルガン株を売り払ったが、シティ株を買い増した。
ポール・チューダー・ジョーンズ氏のチューダー・インベストメントはゴールドマンとJPモルガン株の持ち分を増やす一方で、シティ、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ、BOAの株式保有を減らした。
原題:Soros Joins Hedge Fund Retreat From Bank Stocks in FirstQuarter(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Katherine Burton kburton@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Christian Baumgaertel cbaumgaertel@bloomberg.netJosh Friedman
更新日時: 2014/05/16 10:50 JST


デフレ脱却で見えてきた供給力の壁、物価先行上昇に懸念も
2014年 05月 16日 14:04 JST
[東京 16日 ロイター] - 日銀が成長戦略の重要性をあらためて強調し始めた。デフレ脱却が順調に進む中で、人手不足など供給面の制約が成長の足かせになる可能性があるとの見方が出ているためだ。

日銀内では、税収が増えずに物価と長期金利が上昇する事態を懸念する声も聞かれ始めた。市場にくすぶる追加緩和期待と日銀内の議論との間には距離がありそうだ。

<物価・金利の先行上昇懸念も>

黒田東彦総裁は15日米コロンビア大大学院が都内で開いた会議で「日本経済が中長期的に成長するためには供給力の拡大が重要」と強調した。「この1年ほどの間に、大規模な金融緩和、財政支出、民間活動の活性化によって需要が高まると、水面下に隠れていた供給力の問題が姿を現した」と指摘。「具体的な人手不足という現象を推進力にして、成長力の問題を広く議論し、解決を模索していくべきだ」と述べた。 

背景には日銀の想定よりも早く人手不足などの供給側の制約要因が現れ、日本経済の成長の壁が見えてきたことがある。輸出の低迷が続き、成長率が日銀の想定を下回っているにもかかわらず、物価はこれまでのところ想定を若干上回るペースで上昇。雇用のミスマッチや生産設備の老朽化などで日本経済の供給力に思いのほか余力がなかったと解釈されている。

このため日銀は4月末に2016年度までの経済・物価見通しを示した際、13年度と14年度の成長率を下方修正する一方、物価見通しはほぼ据え置いた。

理論的には供給制約があれば日本経済の潜在力との差を示す需給ギャップが縮まり物価が上がりやすいため、2%の物価目標達成を急ぐ日銀には朗報となる。 

実際、日銀の試算によると、需給ギャップは昨年10─12月にほぼゼロまで縮小し、1─3月以降はプラスが続く見通し。消費増税後の4─6月も1─3月と比べほぼ横ばいとみており、物価上昇圧力は消費増税で腰折れしないとみている。

ただ、日銀内では物価の上振れリスクに言及する声も聞かれ始めた。黒田総裁は3月以降、日本経済は、就職希望者がほぼ雇用されている完全雇用の状態に近いと繰り返している。労働需給面では、少なくとも賃金、ひいては物価の上昇圧力が相応に高まりつつあると意識していると想定される。

 関係者によれば、成長率が十分伸びない中で物価が先行して上昇を続ければ、税収は伸び悩む一方で物価と長期金利が上昇し、「どちらかと言えばスタグフレーション的な世界」の実現が近づくことを懸念する声もあるという。

<16年度の成長見通し、政府より慎重>

日銀は、昨年1月に政府と結んだ共同声明でうたわれた成長戦略を政府が積極的に進める前提で異次元緩和を推進している。黒田総裁も15日の講演で「政府は幅広い分野にわたって成長戦略の方針を示し、実行を加速しようと取り組んでいる」と指摘した。

日銀による16年度の実質成長率見通しは前年比1.3%。1月に政府の経済財政諮問会議に提出された「中長期の経済財政に関する試算」の同1.8%(成長戦略が奏功したケースの試算)を大幅に下回っており、今後の成長率について日銀が慎重にみている証左と言える。

市場や政府・与党関係者の一部には、2%の物価目標達成は容易でないとして、追加緩和期待がくすぶり続けている。黒田総裁も、達成が難しい場合は追加緩和を辞さない姿勢を繰り返し示している。しかし、日銀が懸念する供給面の制約への対応は成長戦略が担うべき部分でもあり、そうした日銀内の問題意識と市場の追加緩和期待にはずれが生じている。

(竹本能文 編集:石田仁志 山川薫)


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DW08S20140516?sp=true
来週のドル/円、リスク資産圧縮が本格化すれば下値リスク高まる
2014年 05月 16日 15:16 JST
[東京 16日 ロイター] - 来週の外為市場は、リスク資産のロング・ポジションの巻き戻しがどの程度まで進むかが焦点となり、ドル/円の下値リスクが意識されやすい展開となりそうだ。

足元の国際金融証券市場では、これまで買い進まれていたリスク資産が売られ、安全資産が買い戻される動きが広がり始めている。

これを受けて、米10年国債利回りは2.4%台後半と7カ月ぶり低水準、独連邦債10年物利回りは1.31%と1年ぶりの低水準にそれぞれ低下した。

一方、過去最低水準まで低下していたイタリアやスペイン国債の利回りは反転上昇し、ギリシャ国債利回りは3月以来の高水準となっているほか、連日高値を更新していた米国株にも変調の兆しが表れている。「米長期金利が下がる中、日本株が下げ幅を拡大すれば、ドル/円の下値リスクが意識されやすい」(機関投資家)という。  

予想レンジはドル/円が100.50―102.50円、ユーロ/ドルが1.3600―1.3800ドル。 

19日から始まる週では、日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨、中国の5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が注目され、内容次第では、リスク資産の巻き戻しの流れを左右する可能性がある。

  <日銀決定会合> 

日銀は20―21日に開く金融政策決定会合で、資金供給量を2年で2倍に引き上げる「異次元緩和」の継続を決める見通しだ。

会合では、消費税率引き上げの影響を点検するが、駆け込み需要の反動減は現時点で想定内とみており、緩やかな回復との景気判断を維持する。雇用情勢の改善などに伴う賃金・物価への上昇圧力の継続や、企業の価格設定行動の変化を背景に、日銀は物価目標の達成に自信を深めている。

海外ファンド勢の間で5月の決定会合に対する「追加緩和の期待値はゼロで、政策据え置きでも、失望感による円買い戻しはほとんど出ないとみていいだろう」と野村証券・金融市場調査部のチーフ為替ストラテジスト、池田雄之輔氏は言う。

  <FOMC議事録>

22日には、4月29―30日分のFOMCの議事要旨が発表される予定だ。

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は15日、米国が健全な経済を実現するまでにはまだ道のりがあるとの認識を示したうえで、FRBは「米経済回復を引き続き支援していく」と強調した。

「外為市場では、イエレン氏がハト派であるとの見方で収斂しているため、ハト的な議事録の内容にはサプライズはない」(野村証券・池田氏)。ただ、議事録で将来の出口戦略への言及があれば、金利の上振れ要因になるだろう、と同氏は予想する。  

  <中国PMI>

22日には、また、中国5月の中国PMI速報値が発表される。4月の速報値は48.3で、3月の改定値48.0から上昇したものの、景気拡大と縮小の節目である50を4カ月連続で割り込んだ。

アナリストらは、構造改革が経済活動をさらに圧迫するとみており、政府が向こう数カ月間に一段の景気支援策を講じるとの見方が広がっている。

一方、中国関連では、地政学的リスクもある。

米政府高官は15日、南シナ海での中国の行動は米中関係に悪影響を及ぼしている、との認識を示した。バイデン米副大統領は、米国を訪問した房峰輝・中国人民解放軍総参謀長に対して、南シナ海における中国の行動は「危険かつ挑発的」であり、停止しなければならないとの考えを表明した。 

  <ウクライナ大統領選>

25日には、ウクライナの大統領選が予定され、リスクオフが広がる可能性が警戒されている。

直近5月の世論調査によれば、ヤヌコビッチ大統領を退陣に追い込むデモを支援した新欧米派のポロシェンコ氏が47.9%の支持率を得ており、圧倒的な勝利を収めると予想されている。

「11日の住民投票で自治権拡大が賛成大多数という結果になったドネツクやルガンスクを中心とする南東部で、大統領選が予定通り行われるか不透明であり、全国規模で実施されないようだと、今後の混乱の種になり、地政学リスクを高めることになる」とプレビデンティア・ストラテジーの外為ストラテジスト、山本雅文氏は言う。  

ベストシナリオは、親欧米派のポロシェンコ氏が当選しても、対ロ関係改善姿勢をみせることで、こうしたシナリオ下では、ルーブル高、米長期金利上昇、ドル/円相場の上昇という反応が予想される、と同氏は述べ、逆に、親欧米派が当選し、ロシアと外交、軍事面で対決姿勢を強める展開になれば、反対の市場反応が予想されるとした。

(為替マーケットチーム)


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DV09X20140516?sp=true

コラム:円はいつまで「リスクオフ番長」でいられるか=植野大作氏
2014年 05月 16日 15:35 JST

 5月16日、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は、相場の流行には栄枯盛衰がつきものであり、「リスクオフの円高」もいずれ見直されるかもしれないと指摘。提供写真(2014年 ロイター)

インド総選挙は最大野党BJP圧勝、モディ政権誕生へ
来週の東京株式市場は一進一退、日銀会合は「無風」の公算
特区活用で東京をアジアの金融センターに、日経センターなど提言
ドル101円半ばで上値重い、株安・米金利低下を意識
植野大作 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト

[東京 16日] - 「市場のリスク許容度が萎縮すると円高になる」という現象は、一体いつまで続くのだろうか。業界知己との会合で、最近よく話題になるテーマだ。

実際、円やスイスフランがいわゆる「リスクオフ通貨」と呼ばれるようになったのは、近年の風潮だ。少なくとも1970年代から90年代中葉にかけては、主要通貨の値動きを「リスク許容度の伸縮」によって説明する慣行はほとんど無かった。

98年秋に米大手ヘッジファンド「ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)」が破綻した際に話題になった円キャリー取引の逆流による強烈な円高も、今から思えば「リスク許容度の萎縮が惹起した円高ショック」の典型だったが、当時の市場では「特殊な金融事故による巨額ポジションの強制整理がきっかけで勃発した例外的な為替変動」という解釈が主流だった。

今では普通に使われている「リスクオフの円高」というフレーズは昔から流通していたわけではない。90年代末期の「LTCMショック」は予兆事例だったが、その後かなり長い潜伏期間を経て、ほぼ毎日利用可能な「為替市場の連想方程式」として利用され始めたのは、2008年秋に勃発したリーマン危機が引き起こした強烈無比な金融不安の荒波に市場が飲み込まれた頃からだった。

改めて指摘するまでもないが、為替市場の流行には栄枯盛衰がつきものだ。たとえ昨今のマーケットで強い神通力を放っている「為替売買必勝の法則」であっても、同じ発想がずっと通用し続けるかどうか、むやみに信じるのは慎むべきだ。

実際、80年代以降の日経平均株価やNYダウ株価指数とドル円相場のチャートを並べてみても、順相関と逆相間の時期が混在している。最近でこそ、「国内外で株価が下落すると条件反射的に円を買う」という一種の「刷り込み売買」が流行しているが、その永続性については冷静な検証を加えた上で、時宜に応じて発想を切り替えられる「心の準備」はしておく必要があるだろう。

<リスクオフ通貨の資格>

近年、円がいわゆる「リスクオフ通貨」というレッテルを貼られている背景には、以下4つの条件が関与していると考えられる。

第一は、円が「対外純資産国の通貨」であるということだ。直近の対外資産・負債統計によれば、12年末時点で日本は296兆円の対外純資産を保有している。国内外の市場参加者がリスク回避姿勢を強め、国境をまたがる「在外資産の回収合戦」が始まるとの連想が広がる場合、対外純資産国に対しては「外貨建て資産の売却による通貨高圧力が強まる」との思惑が台頭しやすい。

日本の対外純資産の内訳をみると、約72兆円は機動的な本国回帰が難しい直接投資であり、約110兆円は財務省が保有する外貨準備であるため、全体の半分以上は金融市場が動揺しても急激な本国回帰は起こしにくい。しかし、機動的売買の余地がある証券投資の残高も125兆円程度に積み上がっている。このうちどのくらいが市場の「リスク許容度」に機敏に反応するかは未知数だが、仮に1割程度でも変動するならば、それだけで十数兆円規模の本国回帰が促される可能性がある。

このため、日本が「対外純資産国」の地位を維持している間は、市場のリスク許容度が萎縮すると「日本人マネーの里帰りが円高圧力を生む」との連想が働きやすい。今後日本で巨額の経常赤字が定着して対外純資産が一気に目減りでもしない限り、「リスクオフ通貨」としての円の立場は安定していると言えそうだ。

第二は、円が「経常収支黒字国の通貨」であるということだ。「国内外の市場参加者が在外保有資産を一斉売却して自国に引き揚げる」という極端な金融危機を想定しなくても、「国内外の金融市場が不安定化して各種資本取引が停滞すると、経常黒字国の通貨が値上がりしやすい」という考え方は、為替市場に古くからあった。「何らかの要因」で金融取引が停滞しても、国境をまたがる貿易取引、利子・配当の受け払い、宗教的寄付、出稼ぎ労働者の本国仕送り、政府開発援助などは停止せず、淡々と為替需給に反映されるからだ。

そうした観点で現在の日本の状況を眺めてみると、東日本大震災後に観測される貿易赤字の膨張を背景に、経常収支の黒字が無くなりかけている。13年度の経常黒字は7899億円と、リーマン危機前のピークだった07年度、24兆3376億円の30分の1未満に目減りしている。

内訳をみると、第一次所得収支の黒字が高水準を維持して貿易赤字拡大の影響を吸収しているが、現在、日本の第一次所得収支には、1)本邦企業の海外法人が外国で稼いで当地に溜め込んでいる現地収益、2)日本政府が保有する外貨準備に付与される金利収入など、統計上の慣行でひとまず黒字に計上されているだけの金額も、各々数兆円程度の規模で含まれている。経常収支全体の黒字が年額1兆円未満に目減りしている現状では、日本は実質的な赤字国になっている可能性が濃厚だ。

よって、この条件に照らしてみると、「リスクオフ通貨」としての円の地盤は揺らぎ始めている。今後、日本がかつてのように恒常的な貿易黒字国に返り咲くなら、「リスクオフ通貨」の資格を回復することになるが、貿易赤字が一層拡大して経常収支赤字化への道を歩む場合、円は逆に国際資本移動の停滞時に実需の売りが目立つ通貨になってしまう可能性もある。

<「有事の円買い」に変調の兆し>

第三は、円が「低インフレ、あるいはデフレ国の通貨」であるということだ。物価上昇率とはすなわち、モノに対するお金の価値の下落率に他ならない。よって、各国通貨の購買力に注目して理論的な為替レートの均衡点(=購買力平価)を求めると、相対的な低インフレ国やデフレ国の通貨に対しては、当該期間中に計測される内外インフレ率格差分の自国通貨高圧力がかかってしまう。相対的な低インフレ国やデフレ国の通貨に対しては、構造的な増価圧力が働きやすい。

そうした観点に立脚してこれまでのドル円相場の長期的な歩みを眺めてみると、80年代から最近に至るまで、円は「低インフレ国、あるいはデフレ国の通貨」として、ドルに対する購買力平価の傾きが、ほぼ恒常的に円高トレンドをキープしてきた。

しかし、「大胆な金融緩和によるデフレ脱却」と「国際標準の物価目標2%の達成」を政策の要諦として掲げる安倍晋三首相・黒田東彦日銀総裁の登場により、この条件も現在揺らいでいる。日米のインフレ格差が安定的に無くなった場合、これまでずっとドル円相場の趨勢を支配してきた購買力平価の円高圧力が消滅するからだ。その意味で、「アベノミクス」によるリフレ政策とは、「リスクオフ通貨」としての円の性格を変えようとする試みに他ならない。

第四は、円が「戦争忌避国」の通貨であるということだ。冒頭触れたように、昨今の為替市場で円とスイスフランは「リスクオフ通貨」の番付で「東西の正横綱」と見なされているが、両方とも、1)対外純資産国、2)経常黒字国、3)低インフレ国という3条件に加え、4)「戦争忌避国」の通貨である、という類似点がある。この条件は、「金融危機」からの疎開先通貨をイメージした前述の3条件とは毛色が違い、いわゆる「地政学的危機」からの避難先通貨としての判定基準になるが、いわゆる「リスクオフ通貨」としてみた場合の円の守備範囲の広さを考察する際には無視できない。

周知のように、様々な法解釈の余地はあるものの、日本は現在の憲法9条によって「戦争の放棄」を標榜している。1815年のウィーン会議によって軍事的な「永世中立国」の地位を獲得したスイスとは「戦力の不保持」や「交戦権の否認」などの点で違いはあるが、「侵略戦争をしないと宣言している国」というイメージでは類似している。このため、円は「海外で大規模なテロが勃発する」「国際軍事紛争が激化する」などの局面では、一時的にせよスイスフランと並んで紛争当事国からの「リスク回避マネー」の受け皿と見なされやすい面もあった。

ただ、現在政府が進めている憲法解釈見直しの動向次第では、「地政学リスクに強い円」という市場認識が非常にゆっくり変わる可能性があるかもしれない。極めて政治色の強いテーマなので深入りは避けるが、もしも今後より多くの市場参加者が日本を「特定の条件」の下では「戦争に巻き込まれやすい国」とみるようになった場合、「地政学リスクに強い国の通貨=円」というイメージが微妙に揺らぐ可能性があるかもしれない。実際、最近気になる東アジア地域における軍事的緊張が強まるようなケースでは、「有事の円買い」ではなく、円売り圧力が意識される局面も散見され始めている。

<安定した強さではスイスフランに軍配>

以上を踏まえて総合的に判断すると、対外純資産国としての日本の地位はしばらく安泰なことから、「グローバルな資産回収合戦」を想起させるほどの金融危機に巻き込まれた場合、円は当面買われやすい通貨であり続けるだろう。しかし、貿易収支の赤字化が今後一段と進行していく場合、国際資本移動が停滞する程度の金融不安に直面した場合の為替の反応が、今後も円高であり続けるかどうかは微妙だ。

「アベノミクス」が成功して内外のインフレ格差が消滅すれば、購買力平価の傾きに由来する構造的な円高圧力は消滅するとみられるほか、今後の憲法見直しの顛末によっては、「地政学リスクに強い円」のイメージも微妙に変わる可能性がある。

このような状況下、「リスクオフ通貨の4条件」を全て高い水準で満たしている通貨は、現在世界でスイスフランだけになりつつある。いまのところ、円はまだ「リスクオフの横綱」とみられているが、ほぼ完璧な条件を満たしているスイスフランと円を比べた場合、もしかするとその安定感について、白鵬と日馬富士ぐらいの差が出来つつあるのではなかろうか。

円が未来永劫のリスクオフ通貨であり続けるかどうかについては、今後の国際収支動向、物価情勢、憲法解釈見直し論議の進捗状況などを観察しつつ、いずれ再考すべき時期がくる可能性はあるだろう。

*植野大作氏は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト。1988年、野村総合研究所入社。2000年に国際金融研究室長を経て、04年に野村証券に転籍、国際金融調査課長として為替調査を統括、09年に投資調査部長。同年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画、12月より主席研究員兼代表取締役社長。12年4月に三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社、13年4月より現職。05年以降、日本経済新聞社主催のアナリスト・ランキングで5年連続為替部門1位を獲得。


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