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痩せ細るケンウッド、売り上げ6割減、なぜ悲観論広がる?戦略なきリストラの代償(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/337.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 6 月 06 日 06:41:05: igsppGRN/E9PQ
 

痩せ細るケンウッド、売り上げ6割減、なぜ悲観論広がる?戦略なきリストラの代償
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140606-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 6月6日(金)3時0分配信


 カーエレクトロニクス大手・JVCケンウッドの業容縮小が止まらない。同社が4月30日に発表した2014年3月期決算は、売上高が前期比3.2%増の3163億円だったものの、営業利益は同54.2%減の44億円、最終利益は66億円の赤字となった。営業利益は主力のカーエレクトロニクス(以下、カーエレ)部門をはじめ、全部門が減益になった。特にカーナビ事業が大変を占めるカーエレ部門は、円安による原価上昇などの影響で、カーナビの市販・OEM事業とも14年度上半期に16億円の大幅赤字となった。光学・オーディオ部門などの国内事業も、同期は7億円の赤字を計上するなど不調だった。

 この大幅減益を深刻に受け止めた同社は「事業基盤の再構築が緊急課題」とし、5月14日付で組織変更と経営体制刷新を行った。組織変更では事業部制を廃止。事業部の上位組織に位置付けていたカーエレ、プロフェッショナルシステム、光学・オーディオ、ソフト・エンターテインメントの 4事業部門に組織を集約した。同社はこれにより「商品主導(プロダクトアウト)型の事業運営を市場主導(マーケットイン)型運営に変える」という。これに伴い、日本、北米、欧州、アジア・新興国の4地域に「地域 CEO(最高経営責任者)」を新設、各地域CEOが管轄地域の業績責任を負うことになった。

 経営体制刷新では会長兼CEOの河原春郎氏が留任する一方、社長兼COO(最高執行責任者)だった江口祥一郎氏が新設の欧州CEOに転任、社外取締役を務めていた辻孝夫氏が新しい社長兼COOに就任した。

 組織変更、経営体制刷新と、一見抜本的に見える同社の業績回復策について、証券アナリストは「業績回復策の旗振り役が相変わらず河原会長では何も変わらない。業容縮小は来期も続くだろう」と悲観的だ。

 同社は08年10月、旧日本ビクターと旧ケンウッドの経営統合で生まれたが、統合直前にリーマンショックが発生。そのダメージから回復するため国内外の生産拠点閉鎖、希望退職者募集などのリストラを進めたが、AV(音響・映像)機器事業の不振もあり、営業赤字が続いた。しかし、経営資源をカーナビなど車載機器事業へ集中するなどの収益改善策で、12年3月期に統合後初の最終黒字を達成。13年3月期も減収減益ながら最終黒字は確保したが、今回の決算で再び赤字に転落した。

 この間、統合直前には両社合わせて8237億円あった売上高は14年3月に3163億円に縮小、6年間で業容が38%に縮まったかたちだ。「両社の強みを合わせた相乗効果でさらに成長」(発表時の声明)するはずの経営統合が、真逆の結果となったが、その背景を探ると、リストラ頼みで業績回復を模索してきた同社の「戦略なきリストラ」が見え隠れする。

●急速に痩せ細る経営資源

 統合前の旧ビクターは業績不振に喘ぎ、身売り話が浮かんでは消えていた。そして、紆余曲折を経て旧ケンウッドと経営統合することになった。この時(08年3月期)の売上高は旧ビクターが6584億円、旧ケンウッドが1653億円だったため、「小が大を呑み込む」と騒がれたが、旧ケンウッド社長(当時)の河原会長の決断だった。

 東芝で社長に上り詰める夢をあきらめ、米投資ファンドに転じて「米国流合理主義経営を学んだ」という河原氏は、「成熟市場ではM&Aなどでプレーヤーを減らさなければ成長できない。市場でトッププレーヤーになれば、存在感が増し、売り上げも収益も増進する」(12年10月、経済産業研究所主催の講演より)が持論。旧ビクターとの経営統合はその実践だった。河原氏は02年に経営再建中だった旧ケンウッド社長に就任し、債務超過を解消するため社員の3分の1を人員整理する大胆なリストラで、就任後1年で黒字回復を行い、「再建請負人」として一躍脚光を浴びた。だが、黒字回復後の成長戦略は描けず、その矢先に浮上してきたのが旧ビクターとの経営統合だった。持論を実践する好機だった。

 河原氏が特に興味をそそられたのが、カーナビ事業だった。音響・無線技術に強い旧ケンウッドと、映像技術に強い旧ビクターが一緒になれば、間違いなくカーナビのトッププレーヤーになれると確信した。そして実際、統合後のカーナビ事業はケンウッドの売上高の37%(14年3月期)を占める主力事業になり、欧米市場ではトップシェアも獲得した。だがその一方で、経営資源が急速に痩せ細っていった。

●旧ビクターに吹き荒れるリストラの嵐

 それは11年10月3日、午後のことだった。経営統合から丸3年。横浜市内のホテルの大会議室では、前月に発表した中期経営計画の社員向け説明会が行われていた。同社関係者は「その時、河原会長は最後に『We are the Kenwood』と叫び、中計の全体説明を終えた。しかし、私は会場の後ろに座っていたので『JVC』を聞き逃したのだろうと思っていた。ところが、河原会長に続いて個別説明を行った役員も、説明の結びで『We are the Kenwood』と叫んだため、今度は会場のあちこちで失笑が漏れた」と振り返る。
経営統合後の旧ビクターの立場を象徴するようなエピソードだった。

 統合後の旧ビクター出身社員を待ち受けていたのは、苛烈なリストラだった。統合3カ月後には同社員480人の人員整理を発表。以降、旧ビクターが東京・新橋に所有していたオフィスビルの売却、八王子工場の売却、創業の地である横浜の本社工場の売却など、旧ビクター側にとってリストラの嵐が吹き荒れた。

 役員クラスも安泰ではなかった。統合から半年後、河原氏のリストラに抵抗していたケンウッド社長の佐藤国彦氏(旧ビクター社長)が退任させられたのを機に、他の旧ビクター出身役員もさまざまな理由でケンウッドから去っていった。その結果、現在の経営陣は旧ケンウッド出身者と、河原会長が外部から招聘した役員とで構成されている。

 加えて、河原氏が「これが最後」とした10年11月の人員整理では、旧ビクター出身の管理職社員145人が退職した。さらに11年3月になると、勤続5年以上の旧ビクター出身社員が人員整理の対象になり、738人が退職した。このうち、約500人が生え抜きの優秀な技術者だったといわれる。

 こうした果断なリストラの結果、経営統合から3年後の11年10月、「完全統合会社」となった年度の12年3月期決算は、売上高が3209億円となり、わずか3年で業容は38%に縮んでいた。それが14年3月期決算でさらに縮んだ。

●成長戦略を覆う、先行き不透明感

 カーナビ業界関係者は、同期決算の赤字要因を「業績の足を大きく引っ張ったのが大黒柱のカーナビ事業。国内市場でこそ市販向けのAV一体型カーナビ『彩速ナビ』が売れたが、海外市場では市販向けもOEM向けも振るわなかった。スマートフォン(スマホ)向けのカーナビアプリが高機能化し、カーナビ専用機の市場が縮小傾向にある。これに対し、なんら有効な対策を打てなかったのは致命傷」と分析する。ちなみに、カー用品大手・オートバックスセブンでも、カーナビの既存店売上高は昨年11月まで20カ月連続で前年同月割れとなり、13年度累計では前年度比23%減と、売上減少に歯止めがかからない状況だ。

 急速にスマホに追い込まれた市販カーナビ事業の代替として、ケンウッドはカーナビのOEMや北米・中国市場の業務用無線などBtoB事業へのシフトを急ぎ、14年3月期に46%だった比率を、15年3月期は50%に引き上げる計画を立てている。だが「北米の業務用無線市場はモトローラの牙城。これから攻勢をかけて壁を崩すのは容易でない」(同関係者)ため、BtoB事業シフトも先行き不透明といえる。

 同社は14年3月期決算説明会で、事業基盤再構築の柱として、「カーエレクトロニクスと先進車両技術」「ブロードバンドマルチメディアシステム」「次世代カメラ」などの「次世代事業を軸とした成長戦略」を発表している。別の業界関係者は「この成長戦略が仮に正しいとしても、これから一本立ちするまで数年はかかる。その間は稼げる事業もなく、業容が縮小の一方」と心配する。

 さらに株式市場関係者の間でも「次世代事業の育成に時間がかかるのはビジネスの常識。そんな悠長なことを言っている間に、トッププレーヤーどころか自身が業界再編の的にされる」との見方が広がる中、ケンウッドは今、待ったなしの構造改革を求められている。

福井晋/フリーライター


 

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コメント
 
01. 2014年6月06日 12:42:20 : AUxgQOHkVE
ここでも「米国流合理主義経営を学んだ」という新自由主義的なヤカラに日本の製造業が食いつぶされた。と想ってはいけないだろうか・・・

02. 2014年6月06日 22:36:15 : eq6YIYBFHY
ここではケンウッドが話題の中心で、日本ビクターはあまり取り扱われていないようだが、ここは名門だと言う。戦後、同社が経営危機に陥ったとき、松下電器の松下幸之助さんが即決で買収した逸話がある。「あの犬のマークが手に入るなら、安い。」

しかし当方に言わせると、日本ビクターの製品はソニー以上に壊れまくった。とにかく酷いと言うレベルではない。買った製品がことごとく故障し続け、「何だ、これは ! 」と父が怒ったくらいだ。電電公社の民営化で、家庭用電話が自由に買ってつけられるようになった。それでビクターのコードレスフォンを購入したが、半年で使い物にならなくなった。

CDラジカセもひどかった。新品を購入したのに、僅か3日でCD演奏ができなくなり、販売店に問い合わせた。ビクターは同機種の新品交換を提案してきたので、これに応じた。ところが、またまた1週間で故障。CDが鳴らなくなったのだ。これにはうんざり。

そこで販売店はメーカーと交渉し、上位機種を無償で提供してくれることになった。これは調子よかった。ところが1年後、またまた故障。CDは鳴らないし、ラジオは中波が北米セパレーション(10kHz間隔)になったまま、復旧できない。これには、まいった。日本ビクターの印象は最悪になり、同社のVHSビデオデッキの購入の話も消えた。

ビクターは、あれだけ壊れまくる製品をつくったのだから、日本全国で顧客離れを拡大してしまったのである。確かに昔は名門だったのだろうが、真空管の時代の話だろう。

ケンウッドは、当方は通信型受信機やアマチュア無線機の方しか知らないが、ここの無線機の原点は、トリオ時代の9R-59DS(受信機)とTX-88(送信機)のコンビだ。1952年のアマチュア無線再開に乗じて発売された6R-4から連綿と続いてきたトリオ無線機の歴史だが、構造簡潔な電子回路と大きなコイルが特色。アメリカのロックウェル・コリンズとか、R.L.ドレークに比べると性能は落ちる。ケンウッドが業務用に本格進出するには、ポテンシャルが不足していると思う。所詮は趣味で使うアマチュア無線機の会社だから、業務用メインのレイカル(現在はタレス・グループ)やテンテックには勝てない。日本国内でも、JRC日本無線に勝てないのと同じ。


03. 2014年6月07日 00:07:23 : eq6YIYBFHY
02ですが、ケンウッドには、このクラスの受信機は存在しません。

AEG Telefunken E1800/3 Premium Receiver
http://www.youtube.com/watch?v=mTxswjbOEEs

RACAL RA3712 - Dual HF Receiver
http://www.youtube.com/watch?v=9jTuj6c_2_k

RACAL RA 3701 HF RECEIVER
http://www.youtube.com/watch?v=vjUv-6JSuSc

IJL - TenTec RX-340 4845 kHz
http://www.youtube.com/watch?v=rdk88ZZtRtE

JRC NRD-93
http://www.youtube.com/watch?v=1p4kG3UuPZM

●ケンウッドが社運を賭けて開発した最高峰アマチュア無線用トランシーバー、TS-990の動画です。

TS-990S Demo Video | JVCKENWOOD
http://www.youtube.com/watch?v=8lRtPVS0rUs

TS-990ができるまで 〜山形ケンウッドにて〜  | JVCKENWOOD
http://www.youtube.com/watch?v=zLLiHqFdmsA

Kenwood TS-990 - 75 Meters
http://www.youtube.com/watch?v=1joGkqeHDGA

●ビクターに足を引っ張られなかったら、もっとこちらの分野に力を入れられたのではないかと思いますが。


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