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将来、「働かないオジサン」にならないために、会社と自分が今やるべきこと(週プレNEWS)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/526.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 6 月 17 日 07:04:45: igsppGRN/E9PQ
 

将来、「働かないオジサン」にならないために、会社と自分が今やるべきこと
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140617-00031517-playboyz-soci
週プレNEWS 6月17日(火)6時0分配信


「こっちは安月給でコキ使われているのに、ほとんど仕事もしていないオジサンがなんであんな高い給料をもらってんの?」

そんな不満が若いサラリーマンの間で高まっている。偉そうな肩書だけは持っているけど、ちっとも働かないオジサンたち。

会社にとっても若い社員にとっても悩みの種である「働かないオジサン」がなぜ生まれ、クビにもならないのか? 日本のサラリーマン社会の摩訶不思議なメカニズムを解説してもらうと同時に、働かないオジサンにならないための方法を、『働かないオジサンの給料はなぜ高いのか』著者の楠木新(くすのき・あらた)さんに伝授してもらった。

―この“働かないオジサン”たちの具体的な肩書はどんなものですか?

楠木 肩書だけですべてはわかりませんが、部長補佐、推進役、所長代理、●●担当役、なかには課長心得といった、よくわからない役職もありました(笑)。

―楠木さんは現在も大手保険会社に勤務し、これまで人事畑も歩いてこられているので、働かないオジサンが生まれる構造を熟知されていると思います。

楠木 日本の企業では、ある意味、働かないオジサンたちが生まれるのは必然なんです。特に伝統的な企業ではそうです。多くの新卒の学生を採用する(新卒一括採用)一方、会社組織はピラミッド構造になっています。年次を経るほどポストが少なくなるので、当然、ピラミッド構造からあぶれる社員が増えていきます。しかも昨今は経済の成長が鈍化し、組織のスリム化、ポスト削減も続いています。これらの仕組みが働かないオジサンを生み出しています。

―働かないオジサンの存在は会社にも本人のためにもなりませんよね。それを放置するのは経営者の怠慢ではないですか?

楠木 確かに経営者の怠慢とも言えますが、働かないオジサンの多い会社は、組織を運営すれば、一定の利益が上がる構造になっているため、会社を変えることは難しい。特に、金融や電力などの規制産業はその傾向が強い。ゴーンさんが改革した日産も経営が立ち行かなくなる危機感があったからこそ、大胆な改革で復活できました。

逆にユニクロや楽天のような新興企業や、外資系企業では、個人の顧客のニーズに対応しなければならず、働かないオジサンを抱える余裕は生まれません。また社長が権力を持っているので時宜に応じた改革が可能です。

―欧米と日本では、社員の働き方も違っているようですね?

楠木 日本の会社は、社員に技量やスキルを求めているというよりも、能力平等主義ともいえる考え方を基礎にしています。同時に社員の側も、専門性よりも会社という「場」を共有することを大切にしがちです。

そのためサラリーマンは、取り換え可能な存在として、周囲と連携していくことが中心になっています。上も下もみんな仲間という感覚です。社長や役員も仲間から選ばれた人なので、本田宗一郎さんや松下幸之助さんのような創業社長と違い、簡単に組織を動かすことはできないのです。

―能力主義を導入しても、その構造は変わりませんか?

楠木 欧米の企業では、個々社員のスキルや技能を重視しますが、多くの日本の会社では、個人の持つ能力の違いを看過して、チームで仕事を進めがちです。個人のスキルや専門性を重視しないので、成果主義がうまく働きません。

―それでは、どのような対応策があるのでしょうか?

楠木 働かないオジサンを生み出さない現実的な解決策は、新卒一括採用を修正して、おのおのの会社にフィットした職種別の採用に切り替えることでしょう。そうすれば、採用試験を受ける側も意識が変わってきます。

そしてここからが大事なのですが、会社や人事部は、各社員の力量や向き不向きを見極めることが求められます。「キミはこの先、今の職種で専門的にやっていくのか、職種を替えたいのか」「今後は管理職を希望するのかどうか」などの一対一の個別交渉を積み重ねながら人事運用を展開することがポイントです。こうすれば、10年もすれば随分変わります。

―10年……。そんなに時間が必要ですか。

楠木 伝統的な会社では、一気に会社を変えることはできないので、結果的には、短期間の対応策になると思っています。

―今までは、会社から見た観点ですが、個々社員がどのような働き方をするのかといったことも重要ですね。

楠木 おっしゃるとおりです。サラリーマンは入社してから定年まで一本道で走り抜けることはきません。どこかで必ず腰折れする時期があります。

サラリーマン人生には前半戦と後半戦があって、おのおのに越えなければならない通過儀礼があります。前半戦は、同僚やお客さんといった周囲からの評価を得られる力を身につける時期です。

40歳を過ぎた後半戦では、これからの老いることや死ぬことも意識しながら、どのように働くのかについて自分なりの解答を出さねばなりません。

前半戦と後半戦の切り替えの時期に、働く意味に惑う時期があります。多くの人は40歳前後に陥ります。それを僕は『サラリーマンは、二度会社を辞める。』という本の中で“こころの定年”と名づけてみました。この後半戦の課題は、会社や人事部には頼れない。自分で解答を見つけるしかありません。そういう意味では、働かないオジサンは、後半戦の通過儀礼でつまずいています。

―組織が変わらないのなら、自分が変わることにエネルギーを注ぐべき、ということですね。

楠木 そうです。若い社員が、働かないオジサンを批判する気持ちは、理解できます。しかしその批判している働かないオジサンは未来の自分自身だという意識を持つ必要があります。

―楠木さんは、生き生きと働く中高年に数多く取材をしてきたそうですね。

楠木 多くの会社員をインタビューしてきましたが、働かないオジサンにならない社員には4つのタイプがあります。

ひとつは「出世型」。ピラミッド構造のど真ん中を行く人です。もうひとつは「仕事が好き好き型」です。例えば、三度の飯よりも人に会って営業するのが好きだといったタイプです。幸福なサラリーマンと言えるでしょう。

このほかに、会社の外で、自分の生きがいを見つける「枠組み脱出型」や会社の仕事の延長線上でプロを目指す「仕事突き抜け型」の社員もいます。会社の仕事を突きつめて大学の教授になったりするタイプです。

彼らは、自身の病気や、大震災に遭遇したことをきっかけに、会社中心の生き方を変えた人が多いというのも興味あるところです。こういう人たちは全体の2割ぐらい。残りの8割は働かないオジサンになってしまうんです。

―8割も! それでも働かないオジサンにならないためにはどうすれば?

楠木 生き生きと仕事をしてたり活動している魅力的な人に近づくことでしょう。その人のエネルギーのシャワーを浴びるのです。行動に結びつける必要があるので自分の手が届く範囲の人であることが大切です。「なぜこの人はこんなにも「いい顔」で働いているのだろう」と思ったときに、自分の働き方を真剣に考え始めるきっかけが来ると思います。

(取材・文/川原田 剛 撮影/西木義和)

●楠木 新(くすのき・あらた)
1954年生まれ、兵庫県神戸市出身。京都大学法学部卒業後、大手生命保険会社に勤務。経営企画や支店長などを経験するが、47歳で会社に人生をささげる仕事に疑問を持ち、休職。平社員を長く経験し、現在も会社に勤務しつつ、半分会社員、半分フリーランスという生活を送っている

■『働かないオジサンの給料はなぜ高いのか 人事評価の真実』
新潮新書 720円+税
働かないオジサンが高給を取り、仕事に追われる中堅・若手社員が安月給で使われる……。こんな不条理に思える事態がなぜ生じるのか。日本企業の独特の人事評価のメカニズムを解説し、さらに「働かないオジサン」問題の解決案も提言する


 

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コメント
 
01. 2014年6月17日 07:51:05 : nJF6kGWndY

>8割は働かないオジサン

だとしたら過労死には陥りそうもないが

引退した老人層(健康問題が自殺の主因)や50代に比べ、40代のオジサンの自殺率は高止まりしている

またアベノミクスで経済が好転し失業率が低下してから、全体として自殺も減ってきているが

若年層の自殺率は改善が遅れているから、最も対策が必要なのは、やはり若年層であることは、以前から何度も言っている通りだ

http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2012/html/gaiyou/s1_3.html
近年30歳代はやや増加傾向にある一方、50歳代は平成15年を境に減少傾向
自殺統計により各年齢階級の平成10年の自殺死亡率を100とした推移を見ると、全体的には20歳代及び30歳代で自殺死亡率が高まる傾向にあるのに対し、40歳代以上では低下傾向
我が国における若い世代の自殺は深刻な状況にあり、15〜39歳の各年代の死因の第1位は自殺となっている。こうした状況は国際的に見ても深刻であり、15〜34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは先進7カ国では日本のみで、その死亡率も他の国に比べて高い

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20140614/266847/?ST=top
「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」
「余計な仕事、増やすな!!」 お荷物ミドルの悶えと自暴自棄

“先が見えた”40代社員が明かすつらい胸の内

2014年6月17日(火)  河合 薫

 「余計な仕事、増やさないでくれ!」――。

 こんな言葉を、40を過ぎたベテランの社員に言われたことはないだろうか?

 「ベテラン社員の経験を、チーム力につなげたい。ベテラン社員にも、もっともっと頑張ってほしい」

 そう思えば思うほど、空回りする。

・そっぽ向かれちゃうとテコでも動かなくなるから、結構、大変。
・社内教育プログラムの講師をお願いしようとしたら、露骨に嫌な顔された。
・仕事を頼むと、「なんで?」って真顔で聞く。メチャクチャやりづらい。

 などなど、「余計な仕事を増やすな!」と不快感を露わにする、“年上部下”に苦悩する人たちは少なくない。

 仕方がないので、上司は、“その人のための仕事”をつくり、メンバーは、“その人のためのフォロー”をし、メンバー全員が翻弄される。生産性にちっともつながらない、“ベテラン社員”のための仕事に、チームが振り回されるのである。

 「つい、『余計な仕事を、増やさないでくれよ』って、言ってしまう自分がいます。大人気ないなぁと思う。でも、とにかく放っておいてほしい。そんな気持ちになってしまうんです」

 そんな複雑な “気持ち”を、先日、49歳の男性が明かしてくれた。

 カッコ悪い自分の言動を話すのは、正直、恥ずかしかったはずだ。だが、彼は赤の他人の私に、苦しい胸の内、を話してくれた。多分、「自分を変えたい!」――。そんな思いもあったのだろう。

 これまでにも、50歳という年齢を目前に控え、「キャリア・プラトー」に陥る人たちに、度々お目にかかってきたが、おそらく今後はもっともっと増える(キャリア・プラトーの説明はのちほど)。

 なんせ、半数以上の人たちが、50歳を過ぎても課長や部長といった管理職に就いておらず、先月、民間の調査会社が行った調査でも、5割近くの企業が「管理職の人員比率が多すぎる」と回答したのだ(こちらの記事を参照)。

 定年を延長する企業が増える一方で、未だに企業のキャリアパスは、40代がゴールであるにもかかわらず、だ。

「で? 何か問題でも?」
「人生、会社に預けすぎなんだよ」

 勝手なことばかり言う、バブル世代にうんざり気味の方もいるだろう。

 でも、前述の男性の話を聞いていて、考えさせられてしまったのです。なぜか分からない。だが、私自身がこの男性と同年代で、50という年齢がリアリティーを帯びてきて、なんか彼の気持ちに、えらく共感してしまったのだ。

 そこで、今回は「40代のモヤモヤ」。ん? ちょっと違うか……。まぁ、いい。とりあえずは“49歳の男性”の複雑な、“胸の内”をお聞きください。

40代が陥る「中期キャリアの危機」

 っと、その前に、キャリア・プラトーの説明をしておこう。

 これは、組織で働いている40代が陥る状態を言い、直訳すると「キャリアの高原状態」。キャリア研究では、「中期キャリアの危機」の説明に使われることが多い。

 具体的には、「これ以上の出世は望めないだろう」「これ以上、自分の能力を伸ばすことはできないだろう」「これ以上、新しい仕事に取り組むことはできないだろう」といった、自分への諦めの感覚で、この状態を打破できないと、次のステージへの道筋が遮断される。

 それは、「新しい居場所」を見つけるための、いわば、人生のターニングポイント。ここで、自分とどう向き合い、何をするか? で、人生の後半戦が決まる。

 年功序列が当たり前だった時代は、わざわざ自分と向き合わなくとも、会社が次のステージを準備してくれた。

 年齢と共に役職が上がり、後輩たちは「年上」というだけで敬い、会社も、「勤続○○年!」とコミットし続けてくれたことを評価してくれた。たとえラインから外れても、居場所を見つけるのは比較的簡単だった。

 だが、そんなのは過去の話。40過ぎた社員に期待される仕事がない状況下では、自らの意志で“高原”から抜け出すしかない。それが今の、いや、これからの40代に求められる力なのである。

やっぱり年下の上司はしんどい

 では、お待たせしました。男性の複雑な心理状況をどうぞ。

 「数年前から、明らかにポストは減りました。ただ、あまりリアリティーがなくて。なんとかなる。そんな感じだったんです。40を過ぎると、自分の限界みたいなものは見えます。でも、それと正面から向き合えない。というか、見て見ないふりをする自分がいるわけです」

 「で、気が付いたら、年下が上司になった。今から3年前です。後輩とはいえ、とても優秀なヤツで。ええ。ホントウです。でも、やっぱりしんどい……。会社から、オマエはもういらない、って、言われているようで。とにかく最初は、自分の気持ちをコントロールするのに必死でした」

 「そんなある日、“上司”から、『新人研修の講師をやってもらえないか?』と言われた。他の会社がどうか分かりませんが、うちの会社の研修部門って、メンタル低下した人たちの復職の場みたいなところがありまして。なので、複雑な気持ちでした。でも、その一方で、自分の経験が新人研修で役立つならやってみたい、とも思いました。ところが、上司の一言がきっかけで、『余計な仕事、増やさないでくれよ』と言ってしまったんです」

 「なんて、言われたんですか?」(河合)

 「期待してます! って。そう言われて、反射的に拒絶してしまった。口走った途端、しまった! っと思ったんですけど、あとの祭りです」

 「なんかバカにされているような気分になっちゃったんです。なんで、コイツに『期待してます!』なんて言われなきゃならないのかって。情けない話です。……。それから変な開き直りが始まりました。会社って実際には、自分の仕事だけやってりゃいいってもんじゃないので、私なりに会社に役立つ人材でいようと、ずっとやってきました。でも、これからは自分の仕事だけやればいいや、と。会社はカネをもらう場所と割り切ろう、と。それでいいじゃないかって、開き直ったんです」

 「ってことは、とにかくおカネがもらえる65歳までは、会社にいられるだけいてやろう!ってことですか?」(河合)

 「………。そうですね。まぁ、その前に会社がそのころどうなっているか、分からない世の中ですけど。うん。……そう。そうなのかなぁ…。ええ、そういうことですよね……はい」

 以上が、この男性との会話である。

自分の仕事だけやっとけば、迷惑かからないでしょ

 「カネをもらう場所と割り切ろう」……。労働の対価として賃金はあるので、これが悪い考えだとは、ちっとも思わない。でも、この方は、そう言い切る自分に、居心地の悪さを感じているようだった。 「自分の仕事だけやればいい」という自分の言葉に、嫌悪感を抱いたのかもしれない。

 いずれにしても、「これでいいんだ」と言い聞かせる自分と、「このままでホントにいいのか?」と自問する自分。「これからは自分の仕事だけやろう」と開き直りながらも、「65歳まで居続けてやる!」と言い切れない。そんな何人もの自分に困惑し、自分で整理できないほど、ゴチャゴチャしている。私には、そんな風に見えた。

 おそらく、それまでの自分のアイデンティティーが断ち切られ、自分の存在意義が分からなくなってしまったのだろう。

 そんなチグハグで自己中心的な彼の言動に、「何、40過ぎて甘えてるんだ!」と苛立ちを覚えた人もいるかもしれない。

 でも、次の道筋を決められないから、人は悩む。「悩む」という実にしんどい作業から逃れたくて、人は開き直る。

 「ちゃんと自分の仕事だけやっとけば、別に迷惑かからないでしょ?」

 そうやって自分を取り囲む環境に鍵をかけ、他者の介入を拒絶するのだ。

 「だいたい、なんで、『期待してます!』って言われて、キレるんだよ」と不思議がる人もいるかもしれないけれど、私にはなんとなく彼の気持ちが分かるのだなぁ〜。

 もちろん年下上司は、彼なりに気遣って、言った言葉に違いない。

 だが、いかなる言葉も、受け手がメッセージの意味を決める以上、どうすることもできないわけで。
 その人との関係性、受け手の心理状態によっても、意味は変わるし、その人独自の“地雷ワード”もある。

 私はかつて、「調子どう?」と、オジサン方に聞かれるのが嫌だった(笑)。さすがに最近はそうでもないけど、テレビ局で、ラジオ局で、出版社で、オジサン方が、挨拶代わりに「調子どう?」と、聞いてくるのが堪えられなかった。

 「バリバリ元気です!」と答えながらも、「調子どう?って何?? 見ての通りですよ!」と、意味不明の憤りを抱いていた。

 今考えると、なんでそう感じたのか、ちっとも分からない。でも、そういう風にしか受け止められなかった。だから、仕方がない。そう考えていただく以外、どうしようもないのである。

 いずれにしても、キャリア・プラトーを打破するには、ジェネラティビティーという、次の世代を育み、世話をすることに喜び=美徳を見いだす必要があるのだが、自分の世界に鍵をかけた途端、そのきっかけを得るのは厳しくなる。

 すると、どうなるか?

 過去のキャリアだけを勲章にして生きるしかない、不完全なミドルになる。

 ほら、どこの会社にもいるではないか。自分の昔のサクセスストリーばかりを語る人が。周りから、「チッ、また自慢かよ!」と、煙たがられる“使えない人”。そんな存在に、成り下がってしまうのだ。

日本人の場合は“心理的報酬”が重要

(1)昇進などの仕事(キャリア)の機会
(2)他者からの尊敬などの心理的報酬
(3)金銭などの経済的報酬

 これらは、私たちが自分の存在意義を見出すための、欠かせない「仕事の報酬」であり、自分の価値への指標、と言い換えることができる。

 特に、他人の目を気にする傾向が強い日本人は、個人主義の欧米人に比べ、心理的報酬への期待感がとりわけ高い。他者からの尊敬で、自分の価値を決める傾向が強いのだ。

 「会社から、オマエはもういらないと、言われている気がした」――。

 男性はこうこぼしていたが、それはまさしく、「心理的報酬」と「キャリアの機会」を失った瞬間でもある。
 正確には、完全に失ったわけじゃないかもしれない。
 だが、これまたややこしいことに、本人がそう感じた時点で、ジ・エンドを迎えてしまうのである。

 「っていうか、『新人教育の講師』を受諾すりゃよかっただけっしょ?」

 そう。その通りだ。年下上司のオファーを快諾すれば、彼は再び、「心理的報酬」と「キャリアの機会」を手に入れることができた。

 だが、難しい。ホントに難しい。ちょっとしたボタンの掛け違い、ちょっとしたタイミングのずれ、ちょっとした態度……。そんなたわいもないことが、人の心に鍵をかけてしまうのである。

 多分、彼は自分で掛けてしまった鍵を、開けたかったんだと思う。でも、その一方で、身体が金縛りにかかったように、身動きできない。

 だから、私に話した。メチャクチャカッコ悪い自分を、情けない自分をさらけ出したのだろう。

やったことがないことをして、自分の内側から鍵を開ける

 敢えて厳しいことを言わせてもらうと、内側から掛けた鍵は、内側からしか開けられない。自分で開ける以外、方法はない。
 だが、どうしても開け方がわからない、開ける勇気が持てない、というなら、ほんのちょっとでいいので、ドアを開ければいい。

 それは、自分の「新たなストーリー」を組み立てる作業でもある。

 私たちは、自分が納得できるストーリーを無意識に作りながら、自分の存在意義を確かめている。しかし、そのストーリーは、自分以外の“誰か”なくして組み立てられるものではない。その“誰か”は、自分の世界に閉じこもっている限り、絶対に現れない。

 1週間に1回でいいので、話したことのなかった人と話してみる。
 1週間に1度でいいので、誰かのためになることをやってみる。
 1日、たった5分でいいので、社内をゆっくり歩きながら、他人に興味を持ってみる。

 そんなたわいもないことを繰り返し、外の空気にちょっとでも触れれば、必ずや“誰か”と出会える。そこで、断ち切られたストーリー(=存在意義)を再構築して欲しい。

 そして、もし、皆さんの周りに、「余計な仕事を増やさないでくれ!」と、頑なに鍵を掛けているベテラン社員がいたら、どうにかしてそのカギをこじ開けて欲しい。めんどくさいし、なんでそんなことしなきゃならない? と思うかもしれない。

 でも、その人のための仕事しかやらない人は、チームのお荷物でしかないわけで。その荷物を少しでも軽くするために、是非とも力を貸して上げて欲しいのです。

 で、できることなら、「期待しています!」ではなく、「○○さんに、是非、お願いしたいのです!」とちょっとだけ持ち上げてください。実に勝手なお願いではありますが、ミドルたちを支えてきた“ストーリー”を認めてください。「新たなストーリーを作らなきゃ!」とあがくミドルにとって、“今の自分”を認めてもらうことが何よりも前に踏み出す勇気につながるのです。だって、私自身がそうだから……(苦笑)。

このコラムについて
河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学

上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは、上司の立場、部下の立場をふまえて、真のリーダーとは何かについて考えてみたい。


02. taked4700 2014年6月18日 04:11:50 : 9XFNe/BiX575U : 5o8QHrXI6w
「働かないおじさん」の典型は公務員の一部と政治家の一部ですよ。または大半と言ってもいいかもしれない。

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