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アベノミクス相場は昨年末の靖国参拝で終焉を迎えたと専門家(NEWS ポストセブン)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/543.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 6 月 18 日 07:36:10: igsppGRN/E9PQ
 

アベノミクス相場は昨年末の靖国参拝で終焉を迎えたと専門家
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140618-00000001-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 6月18日(水)7時6分配信


 最近の日本株の動向を見て、「じっくり投資できる時期になった」と語るのは、レオス・キャピタルワークスの最高投資責任者、藤野英人氏。自身が運用責任者を務める「ひふみ投信」が「R&Iファンド大賞」を3年連続で受賞し、いま最も注目されるカリスマファンドマネージャーの一人だ。日本株を取り巻く相場環境について、藤野氏が解説する。

 * * *

 昨年来、日本株は「アベノミクス相場」と持て囃され、一本調子で上がり続ける相場が続いていたが、もうすでにアベノミクス相場は終焉しており、株式市場は次のステージに入っている。

 もちろん、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」自体は、いまなお続いている。しかし、こと株式市場に関していえば、近年まれに見る熱狂的な上昇相場は、日経平均株価が1日で1143円も下落した2013年5月23日に“中締め”となった後、年末の安倍首相の靖国参拝で終焉を迎えた。

 新聞各紙の首相動静欄を見ても、当の安倍首相の関心が経済から防衛・外交にシフトしているのは明らかだ。今年に入ってから首相が顔を合わせたのは防衛省や外務省関係者が目立ち、経済閣僚と会う回数は驚くほど減っている。その顔ぶれを見ても、安倍政権の経済に対する関心が当初より薄れているのは間違いない。

 すでに外国人投資家はそんな雰囲気を察知し、2月以降、日本株の売りを加速させてきた。株式市場はもはや「ポスト・アベノミクス相場」の時代に入ったと見た方がいいだろう。

 振り返ってみると、アベノミクス相場は大きく前期と後期で分けることができた。野田佳彦前首相の解散宣言で政権交代した直後から、国際優良銘柄を中心に外国人投資家の買いが集中し、日本株は大きな上昇を見せた。相場の“水位”が上がるなか、大型株中心のポートフォリオさえ組めば、誰でも勝てるような状況が続いた。

 それを前期とすれば、後期は「5・23ショック」によってもたらされた。大型株の株価が冴えないなか、物色の中心は中小型株にシフトしていった。私が運用責任者を務める「ひふみ投信」も多くの新興株を組み入れた戦略が功を奏し、運用成績は向上した。しかし、そのような相場環境も靖国参拝によって終焉を迎えたのである。

※マネーポスト2014年夏号

 

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コメント
 
01. 2014年6月18日 13:31:39 : niiL5nr8dQ

アベノミクス相場は昨年末の靖国参拝で終焉??



http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N7C4186KLVRR01.html
日本株続伸、円高一服し輸出や銀行、通信高い−FOMC待ち
  6月18日(ブルームバーグ):午前の東京株式相場は続伸。為替の円高一服 で投資環境が好転したとみられ、電機や精密機器など輸出関連株が上昇、銀行や証券、情報・通信株も買われた。ただ、米国の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとして、売買は盛り上がりを欠いた。
TOPIX の午前終値は前日比5.24ポイント(0.4%)高の1243.44、日経平均株価 は63円8銭(0.4%)高の1万5039円5銭。
大和住銀投信投資顧問の門司総一郎経済調査部部長は、前日の米国株高や円安推移が「日本株へポジティブに影響している。今までの出遅れ修正という形で、買いが少しずつ入ってきているのではないか」と見ていた。
米労働省が17日に発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇と、2013年2月以来で最大の伸びとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想は0.2%上昇。項目別では、エネルギー価格が0.9%上昇、食品は0.5%上昇と11年8月以来で最大の伸び率だった。
きょう午前の為替市場では1ドル=102円20銭台まであり、先週に一時101円60銭台まで進んでいた円高の流れは一服している。きのうの東京株式市場の終値時点は101円98銭。
海外勢姿勢に変化か
米メリルリンチのファンドマネジャー調査によると、グローバル投資家の日本株の配分状況はことし2月以降、オーバーウエートが減少傾向にあったが、6月はプラス21%(前月比プラス14ポイント)とオーバーウエートが増加した。今後オーバーウエートしたい市場でも、1位の欧州に次いで2位だった。
一方、17日から行われているFOMCでは、資産購入の減速や利上げ開始時期が議題に上っている可能性がある。声明発表は18日。ブルームバーグ・ニュースが12−16日に実施した調査によると、エコノミスト56人のうち、55%はドル金利先物が今後2年間の金融引き締めペースを過小に見積もっている、と判断している。
立花証券顧問の平野憲一氏は、「米経済が失速することなく、着実に上向いてきていることがCPIを押し上げている。米国の金利上昇で、為替が多少日本株にプラスの状況」と指摘。ただ、サプライズも予想されるFOMCを前に動けない、とも話していた。
東証1部33業種は証券・商品先物取引、銀行、その他製品、精密、電機、通信、鉄鋼、機械、医薬品など26業種が上昇。海運や金属製品、保険、ゴム製品、食料品など7業種は下げた。売買代金上位ではソフトバンク、野村ホールディングス、パナソニック、セイコーエプソン、日本新薬、スクウェア・エニックス・ホールディングス、藤倉ゴム工業が上げ、JPモルガン証券が投資判断を下げたニコンのほか、川田テクノロジーズ、デンソー、第一生命保険、日本郵船は安い。
東証1部の午前売買高は8億2365万株、売買代金は7625億円。重要イベントを前にきのうの同時点に比べ1割減った。値上がり銘柄数は1002、値下がりは610。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net院去信太郎
更新日時: 2014/06/18 12:00 JST

ドル・円は102円前半、米FOMC見極め−日本の貿易赤字縮小
  6月18日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=102円台前半で推移。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、足元のインフレ指標が強めの内容となったことを背景にタカ派的な見通しが示されるとの見方がドルの下支え要因となっている。
午前11時35分現在のドル・円相場は102円15銭付近。前日の海外市場では一時102円24銭と、4営業日ぶりのドル高値を付けた。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数 は海外で一時1014.88と、4営業日ぶりの水準まで上昇した。
みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、独英の経済指標がさえない結果となった一方で、米国のインフレ指標がしっかりとした内容だったことから、「金融政策が一歩先を行くだろうという中長期的な見方がサポートされた」と指摘。FOMCでは、メンバーの経済見通しで、「雇用とともに物価見通しがタカ派的なトーンになる可能性がある」とし、ドルを売りにくいムードが続くとみている。
朝方に発表された日本の5月の貿易収支は9090億円の赤字と、赤字額は前年比で8.3%減った。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央値では1兆1893億円の赤字が見込まれていた。
鈴木氏は、貿易赤字が予想より若干小さかったものの、「水準としてはまだ大きい」と言い、円買いにはなりにくいと説明。日経平均株価の上昇もドル・円相場の下値を支えていると言う。
FOMC
この日の米国時間にはFOMCが2日目の会合後に声明を発表する。エコノミストの予想では、当局による月間の資産購入規模は350億ドルと、100億ドル引き下げられる見通し。また、今回のFOMCでは、参加メンバーによる経済見通しが公表される。
17日に米国で発表された5月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇と、2013年2月以来で最大の伸び。変動の大きい食品とエネルギーを除くCPIコア指数は前月比0.3%上昇と、11年8月以来の高い伸びとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値はいずれも0.2%上昇だった。
同日の米国債相場は下落。10年債利回り は前日比5ベーシスポイント(bp)上昇の2.65%。一時は3営業日ぶりの水準まで上昇した。
三井住友銀行の山下えつ子チーフエコノミスト(ニューヨーク在勤)は、FOMCについて「見通しやイエレン議長の記者会見のトーンが少しタカ派っぽく聞こえたときに、マーケットが必要以上に過剰反応して、利上げ前倒しというような見方で反応する」可能性があると指摘。一方で、「CPIが上振れたけれども、見通しは全然変わっていない姿勢が強調されれば、むしろ収まるだろう」としている。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net崎浜秀磨, 青木 勝
更新日時: 2014/06/18 11:43 JST

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0ET06X20140618?rpc=188
インタビュー:高まる金利急上昇リスク、物価2%はまだ先=みずほ総研・高田氏
2014年 06月 18日 11:04 JST
[東京 18日 ロイター] - みずほ総合研究所・チーフエコノミストの高田創氏は、日銀が国債を買い支え、その間に政府が財政再建を進め、金融機関が金利上昇に備えるという「猶予期間」に日本は入ったとの認識を示した。

また、物価2%という日銀の目標に到達すれば、金利が急上昇しかねず、その意味で「国債暴落局面」に入ったと指摘。目標達成は何年か先になるとしつつ、日銀が出口に向かうとの予想が強まる時が、市場の一番のリスクになると述べた。

 ロイターとのインタビューで語った。

  <ある意味で国債は暴落局面>

高田氏は、日銀が量的・質的金融緩和(QQE)で大量の国債を買い入れている現在の状況について、1940年代半ばから1951年における(米財務省と米連邦準備理事会の)アコード(締結)までの期間の米国と似たような環境だと指摘する。

具体的には景気が改善することなどによる金利急上昇を防ぐため、一定の「猶予期間」中は中央銀行が国債を買い支え、その間に国債発行当局は財政再建を進め、国債を保有する金融機関はある程度の金利上昇にも耐え得るようにポートフォリオリバランスをしていく状況だとの見方を示した。

高田氏は、猶予期間が何年になるかはわからないとしつつ、物価の水準が中央銀行のターゲットに到達するような局面では「名目金利が上がり、名目成長率が上がるので税収が増え、国債発行を減らすことができる。金融機関も貸出が伸び、ポートフォリオリバランスをしやすくなる。現在はそうした状態に向けて着々と進めているということだ。ある意味では(国債)暴落局面に入ったと思う」との見方を示した。

 <出口へ防御取っていない市場、日銀の対応が大事>

日銀の物価安定目標2%の達成時期については、2年間でいくとは楽観しておらず、達成時期は何年か先になるとの見通しを示した。日銀が出口に向かう時期については、先にテーパリングに入った米連邦準備理事会(FRB)も利上げ時期を具体的には明示しておらず、出口に向かうのが2番手、3番手となる日本が出口に向かうのは米国の後になるため、2、3年くらい先になるとの見方を示した。

一方で、消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)の上昇率が1.5%まで高まるなど、2%に近づいており、緩和一辺倒だった市場の期待が変わり、そろそろ出口に向かうと市場参加者が勘違いすれば、市場が混乱するおそれがあるとの見解を表明。日銀のメッセージの出し方が難しくなるとの見方を示した。

高田氏は「次の政策変更が追加緩和ではなく出口ではないか、日本版テーパリングではないか、という期待が強まるときが、市場にとっては一番のリスクではないか」と指摘。「追加緩和という可能性しか見ていない市場が、出口もありえると意識すると、巨額のポジション調整が必要となり、市場が大きく動いてしまう。今の市場参加者は(出口に対する)防御の姿勢を全く取っていない」と語った。

こうした状況にどう対応するかが日銀の腕の見せ所だとし、「(2%達成が)視野に入ったが出口は相当先です、というメッセージを与え続けるのか、コミュニケーションが難しくなる。本当に(物価目標達成が)近いのであれば、近いのでちゃんとポートフォリオをリバランスしてください、とか、政府に財政再建をきちんと進めてください、と伝えることになるのだろう」とした。

 <出口のタイミングは相当先>

日銀は大量に国債を買っているが、高田氏は「銀行全体でみればまだ(国債を)売れるだろう。それほど(銀行全体は)保有残高を減らしていない」と述べ、日銀がこの先も同じペースで緩和を続ける(国債を購入する)ことは可能との見方を示した。

日銀の出口戦略に関しては「米国のように新規で買うところを落としていくのだろう。米国は完全にバランスシートをゼロにする前にFFレートを上げることも考える、という方向のようだ。たぶん日本の場合もそれに近いのではないか。日本の場合はオーバーナイトの金利を上げることになるのだろう」と見通した。

出口のタイミングについては「市場が混乱しないようにするため、相当先になるだろう。2006年のときは早めにやり過ぎた、2000年のときは間違ってしまった。今回は日銀はそう焦らないと思う。物価が上がっても根気強く今の緩和を続ける、と表明せざるを得ないと思う」との見方を示した。

*インタビューは12日に行いました。

(木原麗花 編集:石田仁志)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0ET06X20140618?rpc=188
インタビュー:高まる金利急上昇リスク、物価2%はまだ先=みずほ総研・高田氏
2014年 06月 18日 11:04 JST
[東京 18日 ロイター] - みずほ総合研究所・チーフエコノミストの高田創氏は、日銀が国債を買い支え、その間に政府が財政再建を進め、金融機関が金利上昇に備えるという「猶予期間」に日本は入ったとの認識を示した。

また、物価2%という日銀の目標に到達すれば、金利が急上昇しかねず、その意味で「国債暴落局面」に入ったと指摘。目標達成は何年か先になるとしつつ、日銀が出口に向かうとの予想が強まる時が、市場の一番のリスクになると述べた。

 ロイターとのインタビューで語った。

  <ある意味で国債は暴落局面>

高田氏は、日銀が量的・質的金融緩和(QQE)で大量の国債を買い入れている現在の状況について、1940年代半ばから1951年における(米財務省と米連邦準備理事会の)アコード(締結)までの期間の米国と似たような環境だと指摘する。

具体的には景気が改善することなどによる金利急上昇を防ぐため、一定の「猶予期間」中は中央銀行が国債を買い支え、その間に国債発行当局は財政再建を進め、国債を保有する金融機関はある程度の金利上昇にも耐え得るようにポートフォリオリバランスをしていく状況だとの見方を示した。

高田氏は、猶予期間が何年になるかはわからないとしつつ、物価の水準が中央銀行のターゲットに到達するような局面では「名目金利が上がり、名目成長率が上がるので税収が増え、国債発行を減らすことができる。金融機関も貸出が伸び、ポートフォリオリバランスをしやすくなる。現在はそうした状態に向けて着々と進めているということだ。ある意味では(国債)暴落局面に入ったと思う」との見方を示した。

 <出口へ防御取っていない市場、日銀の対応が大事>

日銀の物価安定目標2%の達成時期については、2年間でいくとは楽観しておらず、達成時期は何年か先になるとの見通しを示した。日銀が出口に向かう時期については、先にテーパリングに入った米連邦準備理事会(FRB)も利上げ時期を具体的には明示しておらず、出口に向かうのが2番手、3番手となる日本が出口に向かうのは米国の後になるため、2、3年くらい先になるとの見方を示した。

一方で、消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)の上昇率が1.5%まで高まるなど、2%に近づいており、緩和一辺倒だった市場の期待が変わり、そろそろ出口に向かうと市場参加者が勘違いすれば、市場が混乱するおそれがあるとの見解を表明。日銀のメッセージの出し方が難しくなるとの見方を示した。

高田氏は「次の政策変更が追加緩和ではなく出口ではないか、日本版テーパリングではないか、という期待が強まるときが、市場にとっては一番のリスクではないか」と指摘。「追加緩和という可能性しか見ていない市場が、出口もありえると意識すると、巨額のポジション調整が必要となり、市場が大きく動いてしまう。今の市場参加者は(出口に対する)防御の姿勢を全く取っていない」と語った。

こうした状況にどう対応するかが日銀の腕の見せ所だとし、「(2%達成が)視野に入ったが出口は相当先です、というメッセージを与え続けるのか、コミュニケーションが難しくなる。本当に(物価目標達成が)近いのであれば、近いのでちゃんとポートフォリオをリバランスしてください、とか、政府に財政再建をきちんと進めてください、と伝えることになるのだろう」とした。

 <出口のタイミングは相当先>

日銀は大量に国債を買っているが、高田氏は「銀行全体でみればまだ(国債を)売れるだろう。それほど(銀行全体は)保有残高を減らしていない」と述べ、日銀がこの先も同じペースで緩和を続ける(国債を購入する)ことは可能との見方を示した。

日銀の出口戦略に関しては「米国のように新規で買うところを落としていくのだろう。米国は完全にバランスシートをゼロにする前にFFレートを上げることも考える、という方向のようだ。たぶん日本の場合もそれに近いのではないか。日本の場合はオーバーナイトの金利を上げることになるのだろう」と見通した。

出口のタイミングについては「市場が混乱しないようにするため、相当先になるだろう。2006年のときは早めにやり過ぎた、2000年のときは間違ってしまった。今回は日銀はそう焦らないと思う。物価が上がっても根気強く今の緩和を続ける、と表明せざるを得ないと思う」との見方を示した。

*インタビューは12日に行いました。

(木原麗花 編集:石田仁志)


コラム:成長戦略が決める日銀追加緩和の要否=嶋津洋樹氏
2014年 06月 18日 11:30 JST
嶋津洋樹 SMBC日興証券 シニアマーケットエコノミスト

[東京 18日] - 筆者は昨年6月のコラムで、「異次元緩和への批判は従来と同じ目線、いうなれば同次元で評価することから生じている」と指摘した。あれから1年。黒田日銀への批判は依然として「同次元」にとどまっているようにみえる。

日銀の追加緩和、次の消費増税、成長戦略を展望するうえで、この状況はいただけない。「三本の矢」が狙う的からもう一度、考えを整理する必要があるだろう。

まず、安倍晋三首相が誕生するきっかけとなった2012年の総選挙。そこで自民党が掲げたのは「日本を、取り戻す」であり、その最初に位置付けられているのが「経済」である。なぜ経済かは、その後に教育、外交、安心と続くことから明らかだろう。いずれにしても資金が必要なのだ。

もちろん、経済政策での成功を背景に国民の支持を集め、盤石な政権基盤を築きたいとの思惑もあるだろう。その上で「新しい日本を」としている。「取り戻す」と続かないのは、取り戻すべきものを取り戻した延長線上に「戦後日本からの脱却」を志向しているからだろう。安倍首相にとって、「経済を、取り戻す」ことこそ、戦後日本からの脱却へ向けた「一丁目一番地」なのである。

さて、その第一に位置付けられた「経済」で重要なのが、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、民間投資を呼び込む成長戦略から成る「三本の矢」だ。狙っている的は「需要不足の解消」である。

それを税制や規制緩和で目指すことも不可能ではないが、合意を形成すること、効果が顕在化すること、のいずれにも時間がかかる。何よりも、当初の政権基盤が盤石とは言えなかった安倍首相が取り組むには失敗するリスクが大きいだろう。安倍首相が突破口として、金融緩和策と財政支出を選択したのは非常に自然かつ妥当な判断だったと筆者は考えている。

安倍首相が過去の総理大臣と異なるのは、「第一の矢」に財政政策ではなく、金融政策を選んだこと。歴史に「もしも」はないとされるが、「第一の矢」がもしも財政政策だったならば、安倍政権はここまで続かなかった可能性があると考えている。

というのも、デフレ期待が根強いなかでは、政府がいくら財政支出を拡大しても、民間が消費や投資の決定を先送りすることによって、乗数効果を十分に得られない可能性があるからだ。大規模な財政政策でデフレ期待を払拭することは不可能ではないだろうが、日本にその余裕があったとは考えにくい。

<追加緩和が促される経路>

一方、「第一の矢」を任された黒田日銀の責任は重い。ただし、それだけに非常に練られた政策でもある。特に「2年でバランスシートを2倍にし、2%の物価目標を達成する」というスローガンは、わかりやすさだけではなく、日銀が退路を断つという意味でも、デフレ期待をインフレ期待へ転換させるのに十分な効果を発揮したと評価できる。

中央銀行が退路を断つことはリスクが高く、無鉄砲との批判も多いが、古くはボルカー元米連邦準備理事会(FRB)議長のインフレ退治(マネタリーベース目標の採用による金利の引き上げ)、最近ではドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の欧州債務危機への対応(国債購入プログラムの採用によるユーロ崩壊シナリオの否定)でその重要性が示されている。

このように考えると、日銀が物価目標として掲げる「2%」以外の「2年」と「2倍」には、デフレ期待を打ち砕くためのスローガンという以上の意味はないことがわかるだろう。黒田日銀は、期待インフレへ悪影響を及ぼす可能性が高い「2%」にこだわることはあっても、「2年」や「2倍」という数字にこだわって金融政策を運営することはないと考えられる。それはFRBやECBが、デフレを回避するために物価目標を引き上げるべきというアイディアをかたくなに拒んでいることと同じだろう。

筆者は、物価が2%に向かっていると日銀が分析している間は、追加緩和はないと予想している。黒田東彦総裁が最近の講演で「供給制約」や「人手不足」に言及していることを踏まえると、地政学リスクやそれに伴うエネルギー価格の急騰、海外景気の下振れなど、日本経済に外的ショックが加わって需要が落ち込まない限り、追加緩和は不要とさえ言えるだろう。

ただ、追加緩和が促されるシナリオはもう一つある。それは、供給制約の解消につながる規制緩和や税制の変更、民間による資本ストックの蓄積支援などが潜在成長率の底上げを通じ、追加緩和を迫るという経路だ。黒田総裁が政府に生産性の向上に向けた取り組みを要請するのは、こうした経路を想定しているからだろう。この場合、黒田日銀が安倍政権の成長戦略を前向きに評価するかどうかで追加緩和の有無が決まるわけだ。

この点については、安倍首相が経済こそ戦後日本からの脱却へ向けた「一丁目一番地」と認識している限り、成長戦略が期待外れに終わる可能性は低いと筆者は考えている。先週16日に報じられた成長戦略の素案は華々しさに欠けたものの、実現性とその効果とを勘案すると必ずしも失望すべきものでもないだろう。今月末にも公表されるといわれる成長戦略は、関連法案の成立という具体化の過程も含めて、追加緩和の有無を左右する重要なイベントとなりそうだ。

*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントを経て2010年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネージャーとして、日米欧の経済、金融市場の分析に携わる。


日銀の国債保有201兆円、保険抜き最大の保有主体に
2014年 06月 18日 12:08 JST
 6月18日、日銀が発表した1─3月期の資金循環統計によると、3月末の日銀の国債保有残高が201兆円となり、保険を抜いて最大の保有主体となった。写真は日銀本店で1

[東京 18日 ロイター] - 日銀が18日に発表した2014年1─3月期の資金循環統計によると、3月末の日銀の国債保有残高が201兆円となり、保険を抜いて最大の保有主体となった。昨年4月に導入した「量的・質的金融緩和」(QQE)による大規模な国債買い入れを反映したもので、日銀が最大の保有主体になるのは初めて。

国庫短期証券や財政債を含めた3月末の国債残高は、過去最高となる998兆円。このうち日銀の保有分は20%程度にあたる201兆円と過去最高を更新。これまで最も多く国債を保有していた保険を抜き、初めて最大の保有主体となった。日銀は年間約50兆円のペースで長期国債の保有残高を増加させる大規模な金融緩和を継続しており、前年と比べた増加率も57.2%と急ピッチで膨らんでいる。

一方、保険の国債保有は前年比0.3%増の193兆円と過去最高を更新。次いで中小企業金融機関が同7.8%減の159兆円、国内銀行は同18.1%減の130兆円と大きく残高を落としている。海外は同2.5%増の84兆円で、残高に占める構成比は8.4%となった。

2014年1─3月に長期国債の発行残高は8兆1591億円増加したが、この間に日銀は保有額を12兆0571億円増やした。長期国債の発行残高増加分を上回るペースで日銀が買い入れていることになる。

<家計の金融資産残高は過去2番目、企業の現・預金は最大>

3月末の家計の金融資産残高は同3.3%増の1630兆円で、昨年12月末の1644兆円に次ぐ過去2番目の規模。過半を占める現金・預金は同2.1%増の865兆円。引き続き家計の安全資産志向が読み取れるが、投資信託が同10.2%増の78兆円、株式・出資金が同11.3%増の148兆円とリスク性資産の残高も着実に増加している。

また、良好な収益環境などを背景に企業の金融資産残高も同9.8%増の942兆円となり、増加基調が続いている。このうち、現金・預金は同4.1%増の232兆円と過去最高を更新しており、企業が手元流動性を厚めに持つ動きが続いている。また、1─3月の企業の資金余剰は11.7兆円と前年同期の8.2兆円から拡大しており、4月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要に伴う売り上げ増を反映したとみられている。

(伊藤純夫 編集:宮崎大)

c Thomson Reuters 2014 All rights reserved.

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貿易赤字は連続で縮小、自動車中心に輸出一転15カ月ぶり減−5月 (1) 

  6月18日(ブルームバーグ):輸出から輸入を差し引いた貿易収支 は5月速報で、前年同月比での赤字額が連続で減少した。伸び続けていた輸出 が燃料や自動車を中心にマイナスに転じた。
貿易赤字額は前年比8.3%減の9090億円。23カ月連続の赤字だが、縮小は2カ月連続。ブルームバーグ・ニュースの予想中央値1兆1893億円も下回った。輸出は軽油や灯油、米国向け自動車を中心に2.7%減と15カ月ぶりにマイナスに転じた。輸入も3.6%減と19カ月ぶりに減った。財務省が貿易統計を18日発表した。
世界経済が緩やかに回復する中で輸出が減少に転じた。主因は自動車で全体では14カ月ぶり、米国向けは2カ月連続の輸出減と財務省は説明している。自動車各社の生産拠点海外移転や家電各社の競争力低下は輸出の鈍化につながる。
SMBC日興証券の宮前耕也金融経済調査部シニアエコノミストは5月の貿易収支についてリポートで「足元の貿易赤字縮小は駆け込み輸入の反動減という側面が強い」と記した。さらに海外経済回復でも今回のような輸出減が続くようであれば「輸出入の構造変化を疑う必要が出てくる。今後の輸出の回復力を見極める必要がある」と述べた。
6日発表の5月上中旬の貿易統計は1兆1795億円の赤字と前年同期に比べて17%増加していた。輸出が2.2%減、輸入は2.4%増だった。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 下土井京子 kshimodoi@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net淡路毅, 上野英治郎
更新日時: 2014/06/18 10:22 JST


 
【コラム】5600万円の腕時計、金持ちの浪費復活は警戒シグナル

  6月17日(ブルームバーグ):わずか0.01%の超が付く富裕層の購買行動について、最近あれこれよく耳にする。耳にたこができるほどかもしれない。
例えば、私は先週、宝飾店のティファニーには高額品を購入する顧客のために秘密の部屋があることを知った。2000万ドル(約20億4000万円)のネックレスを文字通りに手押し車いっぱいの札束で買う時には、幾らかのプライバシーが必要だからだ。
ニューヨークのウールワース・ビルディング最上階のマンションは1億1000万ドルで売りに出される。この価格はビル全体ではなく、このマンションだけの値段だ。それでも最近1億4700万ドルで購入されたハンプトンズの家に比べれば、まだ安い。
しかし、ダイヤのネックレスや豪邸より私が驚いたのは、腕時計だ。先週ニューヨーク・タイムズに広告が載ったグルーベル フォルセイGF05について、グーグルで値段を調べてみたところ、54万9000ドル(約5600万円)だった。
米国の最低賃金36年分、平均的な中古住宅ほぼ3軒分だ。庶民感覚からすると、これは腕時計にしては高過ぎる気がする。
金融危機の終わりから遅々とした景気回復が始まるころ、目立ち過ぎる消費は恥ずかしいことだった。世界は崖っぷちに立たされ、奈落の底に落とされる寸前だったからだ。永遠の闇を目にした0.01%の金持ちは無駄遣いを少しは反省、超ぜいたく品の売り上げは落ち込んだ。人々が人生と優先順位を考え直し始めたかのように見えた。
とんでもない。あれはただのイメージだったのだ。株式相場が200%近く上昇すると、浪費家たちは勇気付けられ無駄遣いを再開した。無理もない。連邦準備制度理事会(FRB)によれば、米家計の総資産は今や81兆8000億ドルに達している。米国には燃やすほどのお札があるようだ。実際、高級車や豪邸、腕時計、宝石に次から次へとお金が費やされ燃えていく。
恐れを知らないこの大胆な浪費は何を意味しているのだろう。危機からの回復が5年目に入って、米国で通常の光景が再び見られるようになったということなのか。湯水のように金を使う軽率な消費は、バブルの頂点でのみ見られる熱狂ではないのだろうか。
私には分からない。だが、まるで今が1999年であるかのように超大金持ちたちが浮かれているのを見るとちょっと心配になる。ボラティリティ指数(VIX)やロバート・シラー教授の循環調整後の株価収益率(PER)、ベンチャーキャピタル投資と並んで、0.01%の超富裕層の消費行動は注目に値する指標だ。(バリー・リットホルツ)
(バリー・リットホルツ氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:A $549,000 Watch Is Market Signal Worth Tracking: BarryRitholtz(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Barry Ritholtz britholtz3@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Greiff jgreiff@bloomberg.net
更新日時: 2014/06/18 07:00 JST


02. 2014年6月19日 04:51:20 : cUchBPexSM
愚者は多弁というのは本当だな。
去年5月の大幅下落でほとんどの素人はつかまって塩漬けだろう。
それが目的の急落だからもとには戻らない。
戻るようなふりをしてナンピンを煽っているところだ。
十分集めたところで暴落、投げと強制決済を誘い底へ向かう。

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