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6月日銀短観(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/798.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 7 月 01 日 23:59:35: igsppGRN/E9PQ
 

6月日銀短観
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52610972.html
2014年07月01日 在野のアナリスト


今日は自民党が自戦党になり、公明党が公戦党になった日です。集団的自衛権の問題で、閣議決定が行われました。まだ様々な関連法の改正、新法の成立が必要ですが、これほど憲法を蔑ろにする決定もありませんし、一人の人物の思いこみで、憲法など如何様にも変更ができる。ナチス時代のドイツを彷彿とさせかねないもの、と感じます。麻生財務相がいみじくもワイマール憲法について語ったこともありますが、平和憲法もいとも容易く変わってしまいます。

6月日銀短観が発表されました。大企業製造業DIは前回より5pt悪化の12、非製造業DIも前回より5pt悪化の19、先行きは製造業が3pt改善の15、非製造業は変わらず。中小企業製造業は3pt悪化の1、非製造業は6pt悪化の2、先行きは製造業が2pt改善の3、非製造業が2pt悪化の0です。

相変わらず大本営発表をくり返すメディアは、先行きは改善、消費税増税の影響は限定的と報じますが、しかし以前から指摘しているように、これはアンケートの癖です。短観のアンケートは『良い、さほど良くない、悪い』と3つの項目しかなく、良いから悪いを引く。つまり先行きでも悪いが減って、現状維持の『さほど良くない』が増えても、数値としては改善します。それを示すのが現状で大きく落ちこんだ建設、自動車が先行きで小幅の変化幅に留まっていること。実は、これだけで数値的には『改善』という結果が出てしまう、ということになるのです。

しかも最大の注目点は、景況をもっともよく反映する中小企業非製造業が、先行きも悪化していることです。大企業は、財界から法人税減税の引き換えに、ムードをよくしろ、との大号令がかかっており、アンケートの回答にも影響を与えていますが、中小企業非製造業は肌感覚に近い。

しかも今年度の売上高計画は小幅増をみこむものの、経常利益はほとんどの業種でマイナスを計画します。期初の慎重な判断があったとしても、昨年並みの利益計画は立てていない。設備投資計画が12.7%増、と言ってみたところで、その通りに実施されるかは不透明です。それを判断するための指標、5月の毎月勤労統計が発表されましたが、これを見ると期待薄であることが分かります。

所定内給与は前年同月比0.2%増、現金給与総額も0.8%増でした。気づいたかもしれませんが、ベアで1%以上を労使交渉で勝ちとったのではないのか? しかもこの上昇幅では増税分も賄えず、さらに物価上昇も加わった実質ベースでみると3.6%減。実は4月の3.4%減より悪化しているのです。

以前も指摘したように、国内では『消費の蒸発』への道を着々とすすんでいる。急速に生活苦がすすんでいる状況です。夏ごろには国民の怨嗟の声が高まることは間違いなく、それでも国内で設備投資する、という判断ができるとは思えないのです。短観でも人員判断は不足感が台頭している。しかし企業は賃金をあげない。なぜなら、国際的にも賃上げに消極的な中、日本だけ賃上げがすすめば、急速に競争力を失うことを知っているから。法人税減税があっても、国内から企業がにげだす根拠にすらなりかねない。賃金と物価は今、世界中で深刻になりつつあります。

今日の株価は上がりましたが、月初の新規マネー、しかも海外勢が動かしたものであることが判明しており、日銀短観は材料視されませんでした。それはこの短観、よく読むと先行きにも期待できないため、です。金融緩和で物価だけが上がり、賃金がついてこない。路線価の下げ止まり、といったところで、消費を押し上げるほど価格が上昇したわけではありません。この問題を考えていかないと、いずれとんでもない事態に直面しますが、自戦党も公戦党も自らがとってきた安倍ノミクスにこだわらざるを得ず、対応ができません。自銭、公銭になっても困りますが、一人の人間の思い込みで、この先日本が窮乏に陥ることはほぼ疑いなくなってきた、といえるのでしょうね。


 

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コメント
 
01. 2014年7月02日 00:45:38 : nJF6kGWndY

失望もされなかったから、既に市場には期待はなかったということだ

そして10%増税をしたい勢力も至る所にいる

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0F644M20140701
日銀短観から試算した需給ギャップ、悪化後は大幅改善へ
2014年 07月 1日 21:09 JST
[東京 1日 ロイター] - 日銀は短観(全国企業短期経済観測調査)の調査結果を利用して「疑似需給ギャップ」指数を作成している。そのデータが今年4─6月には1─3月と比べ悪化したものの、昨年10─12月と比べて改善し、今年7─9月には大幅改善する見通しであることが明らかになった。

見通し通りであれば、円安効果のはく落後も物価が、需給要因で上昇するとの日銀シナリオの実現性を高めそうだ。

この指数は「短観加重平均DI」。企業に対して設備が過剰か不足かを調査した結果である生産・営業用設備判断と、雇用が過剰か不足かを調べた雇用人員判断の指数に、それぞれ資本分配率と労働分配率を掛け合わせて得るデータ。

中小企業と大企業の動きを同じ重みで扱うため、雇用・設備のひっ迫感が大き目に現れるため、実際の需給ギャップよりも高い水準で推移する「クセ」がある。ただ、トレンドを読み込むという点では、試算に時間のかかる需給ギャップと並行した動きをみせることから、速報性に優れた指標として注目されている。

日銀は16日の金融経済月報公表時に数値を公開するが、短観をもとに独自に試算しているニッセイ基礎研究所によると、4─6月の加重平均DIは6.2の需要超過。

生産・営業用設備判断と雇用人員判断がそれぞれ過剰方向にシフトしたため、需要超過幅が、1─3月の7.9からは縮小したが、昨年10─12月の5.9より改善した水準となっており、消費増税後も企業に雇用ひっ迫感が根強いことを示している。

企業の先行き判断を元にニッセイ試算した加重平均DIは9.9の需要超過で、超過幅は拡大(需給ギャップは改善)する見通しだ。

日銀が政策運営の目安とする消費者物価指数(除く生鮮食品)は、消費税の影響を除いた実質ベースで4月は前年比1.5%まで上昇後、5月は同1.4%に縮小した。

2012年末以来の円安傾向が輸入物価を押し上げる力がはく落しつつあるためで、日銀は8月までプラス幅が縮小、その後は需給ギャップと人々の物価観の変化が物価を押し上げ、2015年度にも目標とする2%に達するとのシナリオを堅持している。

(竹本能文 編集:田巻一彦)



02. ピッコ 2014年7月02日 03:11:10 : ldyqn.PAmBFfI : mAbY8jPFuE
>国内では『消費の蒸発』への道を着々とすすんでいる。急速に生活苦がすすんでいる状況です。夏ごろには国民の怨嗟の声が高まることは間違いなく…
>一人の人間の思い込みで、この先日本が窮乏に陥ることはほぼ疑いなくなってきた、といえるのでしょうね。

円安にして輸出大企業を潤おせば、景気の好循環が始まって、そのうち末端のほうまでジワジワと… ということで始まったアベノミクス。 しかし、大企業とは関係ない大方の一般庶民の肩には物価高騰の循環だけが重くのし掛かり「収入が増えないのに、この先どうやって生きていけばいいのか」と、ここのところ将来を憂う人たちの割合も増えてきているようだ。 マスコミが景気回復を報じる一方で、生活保護を受ける世帯は増加傾向だという。 アベノミクスとともに、民主党政権時に抑えていた公共事業のバラマキも再び始まり、議員報酬の抑制もタガを外して、国の借金は膨らむばかり。 社会保障に全額使うとしていた消費税増税も、増税が始まった矢先から「年金制度の破たん」が言われ始めて「将来の安心のための増税は、いったい何だったのだ」と思ってしまう。 アベノミクスで一番心配なのは、異次元金融緩和に伴う黒田日銀による国債大量買い上げ。 これからどう始末をつけていくのだろう。


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