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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第83回 不思議な法人税減税議論(週刊実話)
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/906.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 7 月 08 日 16:19:25: igsppGRN/E9PQ
 

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第83回 不思議な法人税減税議論
http://wjn.jp/article/detail/4361504/
週刊実話 2014年7月17日 特大号


 現在、政府が検討を進めている法人税の実効税率の引き下げ、すなわち「無条件の法人税減税」の議論は、本当に不思議だ。何しろ、「何のために法人税を無条件に引き下げるのか」について、説得力がある説明がなされていない。

 安倍晋三総理を含む法人税減税論者の説明は、「法人税は下げなければならないため、下げなければならない」としか聞こえないのである。

 一応、それなりに説得力があるというか、「聞こえがいい」法人税減税推進の理由は、
 「法人税を引き下げることで、外国企業の投資を呼び込む」
 というものだ。世界最大の対外純資産国で、国内に資金も、企業も、技術もある先進国である我が国が、なぜ発展途上国のごとく「外国企業に投資して頂く」必要があるのか意味不明だが、とりあえずその話は置いておこう。

 アメリカという国がある。アメリカの法人税の実効税率は、日本よりも高い。外国企業の自国への直接投資(工場建設や支店開設など。株式等への証券投資は含まない)を「対内直接投資」と呼ぶ。日米両国の対内直接投資残高対GDP比率を比較してみよう(2012年)。

◆日本=対内直接投資残高対GDP比率 3.5%
◆アメリカ=対内直接投資残高対GDP比率 32.2%

 日本よりも法人税が高いアメリカは、GDP比で日本の10倍近い直接投資を外国から受け入れている。

 アメリカという事例がある以上、
 「日本は法人税が高いため、外国企業が投資しない」
 という理屈は成り立たないのだ。
 というよりも、日本の対内直接投資残高対GDP比が低いのが問題だとして、その理由は、
 「長期のデフレで、企業が利益を上げにくい環境であるため」
 が主因に決まっている。

 利益とは、企業にとって「所得」になる。所得とは、企業が生産活動(サービス供給を含む)に従事し、生産されたモノ・サービスを誰かが消費、投資として購入してはじめて創出される。

 長期のデフレに苦しめられた我が国では、物価の下落(生産されたモノ・サービスの価格下落)が所得拡大のボトルネックになっていた。
 我が国の企業が利益(=所得)を増やせなかったのは、完全にデフレが原因なのだ。

 デフレで利益を上げられない我が国に、外国企業がこぞって投資をするなどあり得ない。そもそも、利益を上げられない環境が続いていた以上、法人税の高低は対内直接投資残高とは無関係なのだ(もしくは「無関係に近い」)。

 逆に言えば、法人税が高くても、多額の「利益」を上げることが可能な国であれば、外国企業は喜んで投資をする。

 要するに、現在の法人税議論における「外国企業の投資を増やす」は、日本が「投資をすれば利益を上げられる」環境であることが前提になっているのである。すなわち、投資利益率が高いという話だが、現実は異なる。

 国内企業ですら「投資利益率が低い」という理由で、投資を増やさない(真っ当な判断である)日本国に、法人税を引き下げた程度で外国企業の投資が増えるだろうか。
 ちなみに、筆者は別に日本が対内直接投資を増やすべきだとは考えていないが、それにしても議論がお粗末極まりないのだ。

 利益を増やせない以上、法人税が低かろうが高かろうが、企業にとってはどうでもいい話だ。

 その法人税とは「税引き前利益」から支払われるのである。

 結局のところ、現在の政府の法人税議論は、「日本は投資をすれば、利益を上げられる」環境であることが前提になっているように思え、色々な意味で突っ込みどころ満載なのだ。

 日本が投資をすれば利益を上げられる国ならば、これほど長期間、デフレに苦しむはずがない。

 現実の法人税減税議論では、「利益」や「デフレ」以前に、なぜか財源問題ばかりがクローズアップされている。

 特に、日本経済にネガティブな影響を与えることになりそうなのが、赤字企業でも課税される外形標準課税の中小企業への適用の拡大だ。

 外形標準課税とは、企業が稼ぐ利益ではなく、「事業そのもの」に課される税金である。建前としては、企業がビジネスを展開するに際し、自治体の各種行政サービスの提供を受けており、利益と無関係に行政サービスの経費を分担するべき、という考え方になっている。

 現在の日本において、外形標準課税の適用を受けているのは、資本金1億円超の法人のみである。すなわち、中小企業は対象外なのだ。

 外形標準課税の適用範囲が広がると、税引き前利益がマイナスの状況でも、中小企業ですら付加価値や資本金(及び資本積立金額)に応じて税金を徴収されることになる。

 日本の「企業数」に占める中小企業・小規模事業者の割合は、何と99.7%(2012年時点)だ。従業員数の割合でみると、およそ7割になる。

 実のところ、我が国の「雇用の担い手」は、大企業ではなく中小企業なのである。

 日本経済において、生産や雇用の大半を担っている中小企業の税負担を重くし、法人税税率を引き下げ、一体何をしたいのか、と思いたいところだが、「何をしたいのか」はわかっているのだ。

 法人税の実効税率を引き下げれば、配当の原資(純利益)が増えるため、日本の株式市場において「取引の主役」を務める外国人投資家が日本株の買いに入り、日経平均が上がる“かも知れない”。

 さらに言えば、グローバル市場を主たる標的市場とする企業の内部留保や、対外直接投資が増える“かも知れない”。

 外国人への配当金や、企業の内部留保、「外国」への投資が増えても、日本国民の所得や雇用は増えない。日本国民の「豊かさ」に貢献しない政策を、国内の多数派である中小企業の「損」に基づき実施するとなると、筋が通らないどころの話ではない。

 いかなる政策であっても、「得をする人」と「損をする人」が出てくるのは確かだ。
 とはいえ、現在の日本で中小企業の損に基づき、法人税を引き下げるとなると、「得をする人」と「損をする人」のバランスがあまりにも悪すぎはしないか。

 安倍政権は、法人税を引き下げる「理由」について、より論理的に、具体的に説明する義務がある。「企業の活力を…」といった抽象論で推進するには、あまりにも「損をする人」が多すぎるのだ。

三橋貴明(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。


 

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コメント
 
01. 2014年7月08日 19:05:53 : nJF6kGWndY

>「聞こえがいい」法人税減税推進の理由は、
>「法人税を引き下げることで、外国企業の投資を呼び込む」
>世界最大の対外純資産国で、国内に資金も、企業も、技術もある先進国である我が国が、なぜ発展途上国のごとく「外国企業に投資して頂く」必要があるのか意味不明

わかってないね

グローバル経済の先進国では、外資も内資も基本的には同じ

国内の高度サービス産業(=高賃金雇用=北欧のような高負担高福祉を可能にする)を発展させるには、法人税減税に限らず

もっと労働規制緩和などの投資促進策が不可欠だということだ



02. 2014年7月08日 23:12:24 : KQnBZ5mt2Q
焦点:4─6月GDP‐7%予想も、消費など夏場の回復ペースが不透明
2014年 07月 8日 17:50 JST
http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0FD0QM20140708&channelName=topNews#a=1
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[東京 8日 ロイター] - 消費増税の影響が注目されてきた4─6月景気動向は駆け込み需要の反動が予想以上に大きく、深い谷を刻む可能性が出てきた。消費の回復に力強さがなく、耐久消費財を中心に在庫の積み上がりが鮮明となり、4─6月期国内総生産(GDP)は年率7%台の落ち込みを予想する調査機関も出てきた。政策当局は夏場の回復シナリオを描いているが、どの程度の勢いが確保できるのか、不透明になっている。

<落ち込みは想定以上、民間の下方修正相次ぐ>

今回の消費増税に伴って、1─3月期GDPは年率プラス6.7%と山が非常に高くなった。増税後は、反動減があるものの小売業の強気見通しや賃上げ、公共投資の前倒し発注などもあり、当初の見通しでは反動減が4%程度になるとの予想が多かった。

だが、ここにきてその見方を修正する動きが続出している。「5月までの指標が軒並み期待外れになった」(第一生命経済研究所)ことや、回復ペースが思ったほど強くないいとの見通しが広がっているためだ。

最も動向が注目されてきた消費については、GDPの「民間最終消費支出」を占う5月消費総合指数(7日発表)が前月比1.3%増と、4月の同8.1%減の後としては「弱いと言わざるを得ない」(バークレイズ証券)という結果にとどまった。

駆け込みの大きかった住宅投資も、新設住宅着工に予想以上の落ち込みが続いており、足元では急減している。

生産も予想以上の減産見通しだ。4月、5月とも企業の提出していた生産計画を下回る結果となり、伊藤忠商事では、予測指数からみて4─6月期の生産は前期比マイナス3.2%程度に下振れすると見込んでいる。

結局、今回の反動減の局面では、前回増税時を上回る落ち込みが避けられそうにない。BNPパリバ証券では、4─5月の景気一致指数の平均値が1─3月の平均を下回る幅が前回消費税引き上げ時に比べて大きいことから、落ち込みが「より大幅」との見方を打ち出した。

  伊藤忠経済研究所では、4─6月の実質GDPをマイナス6%と予測。バークレイズ証券も、従来の前期比年率マイナス3.8%からマイナス7.3%まで一気に引き下げた。

<積み上がる在庫、先行き不透明感>

問題は先行きの回復力だ。足元の反動減が終わればプラス成長に戻れるのか、その勢いはどの程度か──。7─9月期の成長率は、次の10%への消費税率引き上げの判断に影響するため、注目度が高い。

今のところ、ほとんどの調査機関では7─9月期に2%程度のしっかりとしたプラス成長に戻るとみている。

  ただ、7日発表の5月景気動向指数は、一致指数が4月から横ばいにとどまったうえに、先行指数は下げどまりどころか低下を続けた。その原因が在庫関連の指数の悪化だ。

というのも、5月鉱工業生産では、出荷が4カ月連続で減少しているにも関わらず生産調整が間に合わず、耐久消費財を中心に在庫が積み上がり出した。資本財の国内出荷も4月の大幅減少に続き、5月も落ち込みが止まらず、設備投資に不透明感が漂う。

消費関連企業のマインドを占う街角景気は、増税に伴う腰折れはせず、しっかりとはしている。だが、先行き回復のモメンタムは「エンジン全開」から遠いイメージだ。

6月の景気ウォッチャー調査では、足元における回復傾向は継続しているが、景気の分岐点を示す50の水準を取り戻せていない。先行きは家計関連のウォッチャーの慎重な見方が足を引っ張り、改善はストップし、悪化見通しに転じている。

調査からは「夏のボーナス時期には前年並みに回復すると予想されているが、現在はその兆しはない。消費回復が9月以降になるようであれば、上期は厳しい状態になる」(四国、乗用車販売店)といった慎重な声も聞こえる。

よりサンプル数の多い日銀短観では、非製造業の先行きマインドは改善が止まっている。小売業に関しては改善見通しとなっているものの、その幅は足元の落ち込みをカバーできる大きさではない。

伊藤忠経済研究所では、実質賃金が97年度の増税時には1.1%減だったのに対し今回は3.4%減であり、マイナス幅は3倍超となっていることから「実質可処分所得の目減りが深刻なため、改善には至らないだろう」とみている。

7─9月にGDPがプラス成長に反発するためには、1)公共投資が高水準を維持する、2)輸出の増加が見込める、3)設備投資が好調に推移する、4)夏のボーナスの増加で消費マインドが回復する──などが必要だ。

一部のエコノミストは、公共投資の前倒し発注の結果が最も強く出るのは7─9月期であり、仮に輸出の増加が想定よりも小さかったとしてもGDPを支える構造になっており、政府もそうなることを予期し、4─6月期のGDPマイナスが大きくなっても7─9月期のプラスは相当に大きくなるとみている。

だが、7─9月期以降の回復力に対する懸念が、民間エコノミストの中で浮上しつつある。

第一生命経済研究所・主席エコノミストの新家義貴氏は「現在のところ、あくまで駆け込み需要の反動減の影響が大きいが、仮に今後、反動減からの戻りが予想以上に弱く、何らかのショックで一段の落ち込みを見せるような場合には、景気後退局面入りの可能性も否定できなくなる」と予想。

そのうえで「反動減からの消費持ち直しペースについては、不透明感が大きい。このため警戒が必要だ」と指摘している。


(中川泉 編集:田巻一彦)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0FD0QM20140708?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true


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