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泥沼の米労働市場
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投稿者 ブッダゴーサ 日時 2014 年 8 月 06 日 21:17:51: Om0nlx45/LbfI
 

黄金の日日
http://onthegoldenhill.blog.fc2.com/
泥沼の米労働市場
http://onthegoldenhill.blog.fc2.com/blog-entry-590.html

wsj
http://si.wsj.net/public/resources/images/BF-AH910_JOBSHE_G_20140801175704.jpg

雇用統計は、形式的には改善がみられますが、その質が問題とされています。
GSなどはポジショントークで利上げプレッシャーをかけ続けていますが、イエレンは労働市場に需給のゆるみがあるとして、利上げ時期を急がないとしています。
イエレンは、労働市場の質を判断する上で、失業率や非農業部門雇用者数だけでなく、複数の雇用関連指標(ダッシュボード)を勘案するとしています。
9つほどあるようですが、なかでも最重要なのが労働参加率です。
最近では平均時給にも注目が集まっているようです。平均時給の上昇は、GDPの7割を占める個人消費の持続的な上昇のために必要です。株バブルや住宅バブルの資産効果による消費増や今の自動車バブルによる耐久消費財の消費増は長続きしません。
労働参加率が下がれば失業率が下がりますので、単に失業率が低下しただけでは雇用が改善したとはいえません。
職探しを断念した労働者や経済的理由でのパートタイムの労働者を含む広義の失業率は、労働参加率や平均時給として現れます。
長期失業者の割合は、長期失業が続けば続くほど職探しを断念することにつながるので、これも労働参加率として現れます。

実質GDP成長率は、労働生産性の伸び+労働投入量の伸びです。
労働生産性の長期的な低下は止まりません。アメリカ発のITなどのイノベーションも限界でしょう。これは構造的な要因で非可塑的なものです。
そのため、成長のためには労働投入量を増やす必要があります。
労働投入量を増やすには、人口を増やし、労働参加率を上げる必要があります。
もっとも、アメリカの人口は、横ばい状態です。高齢化、出生率の低下、干ばつによる南部の水不足や右派の規制による移民減で、今後は減少することが予想されています。これも構造的な要因です。
そこで労働参加率が重要になってきます。
この労働参加率の低下の主因が、構造的なものか、それとも一時的な景気循環的なものであるかに争いがあります。
今現在、労働参加率は30年ぶりの低水準付近にとどまっています。
米大統領経済諮問委員会は、労働参加率の低下の大部分は景気が低迷するなか失業者が職探しを断念したことが要因であり、経済が力強さを増すにつれ一時的に同問題は解決するとの見通しを示しています。労働参加率の低下は、構造的なものではなく景気循環的なものだという見解です。
イエレンも、労働参加率低下の一因に人口の高齢化という構造的要因があることは認めつつも、すべての年齢層で参加率が低下していることから、景気循環が主因だと判断しているようです。
しかし、労働参加率の低下をチャートをみれば長いスパンで趨勢的に低下しており、景気循環とは相関していないようです。
http://onthegoldenhill.blog.fc2.com/img/20140806150659b20.jpg/
チャートをみると、アメリカが実体経済の衰退を粉飾するために金融経済に完全に舵をきった頃から趨勢的に労働参加率は低下しているようです。ちょうどルービンが、他国で地政学的リスクや金融リスクを誘発することでドルキャリーを巻き戻してドル高に誘導し、それで株価や不動産価格を上げるルービノミクスと呼ばれる経済モデルを始めた頃から労働参加率の低下が始まっています。
最近でもドル安が危険水域(ドルインデックス80割れ)になると、ギリシャ危機やらウクライナ危機を起こしてドル高に誘導しています。
まじめに働くよりも、株や不動産に投資したほうが楽に儲かるようになったころから、アメリカの労働参加率は低下しています。資産所得が労働所得を上回るようになったのです。アメリカ人の多くが、金持ち父さんのように勤労意欲がなくなって働かなくなったことが労働参加率の低下の主因だと思われます。もちろんスタートラインで資産を相続しない貧民層は貧乏暇なしで労働所得に頼る必要があります。
裕福な家庭の若者は親にパラサイトして、いつまでも自分探しのモラトリアムで大学などに通います。
アメリカの大卒に仕事はありません。知的労働は価格破壊が進んでいるITによって代替されています。しかし、彼らはブルーカラーの仕事は自分らしくないのでしたくありません。ブルーカラーの仕事は人出不足ですが、アメリカの平均的教育水準は低下しているのでそれに従事する労働者の労働生産性は低下しています。アメリカの若者は新興国や先進国のなかでは、一番勉強をしていないと思われます。大量消費社会のアメリカではドーパミンを刺激するモノとサービスで溢れかえっています。彼らがテレビとインターネットとゲームに費やす時間は年々増加しているようです。
このように、若年層の労働参加率の低下にあわせて、労働のミスマッチと労働生産性の低下が加速しています。
中高年も、株や不動産からの収入で生活したほうが楽なので早期リタイアします。
なお、労働参加率低下には、アメリカの治安の悪さも原因しています。格差が拡大することで犯罪が増えています。アメリカの人口は世界の5%にすぎませんが、世界の囚人の半分はアメリカにいます。囚人の増加が労働参加率を下げています。
また、アメリカは世界最悪の肥満大国です。成人病や精神病患者の増加も労働参加率を下げている一因だと思います。
女性の社会進出の拡大により上昇してきた女性労働参加率は、ピークアウトしているので、今では、労働参加率を低下させる要因になっています。これは少子化と子供のIQ低下による労働生産性の低下の要因にもなっています。

労働参加率の低下は、労働に参加しているものが、労働に参加しないものを支える構図がいびつになることを意味します。
アメリカはこれから高齢化が進みます。贅沢三昧の消費をしてきた彼らはなかなか生活水準を下げることができないでしょう。
また、アメリカは世界最悪の肥満大国です。成人病予備軍がたくさんいますが、かれらの食生活も簡単にはかえらないでしょう。格差拡大は他人との比較を増長するのでストレスを増やします。そのストレス発散のために、自制心でドラッグやアルコールに手を出さない人も、甘いものや炭水化物の誘惑にはなかなか勝てないでしょう。
このように増加する一方の高齢者や病人を減少している労働参加者が支えないといけないという持続性のない状況に陥っています。
囚人も管理に生活保護以上のコストがかかりますが、彼らも管理しないといけません。
社会福祉負担の増加をアメリカは支えることはできないと思われます。金持ちのサイフはますます固くなり、ティーパーティーは勢力を増すでしょう。格差拡大は深刻な社会の不安定化を起こすと思われます。治安がますます悪化します。いちど暴動が起これば銃社会のアメリカでは大変なことになります。いまでも毎日のように銃乱射の無差別殺人が状態化していますが、この規模が群衆行動によって内戦状態まで拡大するおそれがあります。

実体経済が衰え、金融経済に頼った帝国や覇権国の末路はいつの時代も悲惨です。
GSは2018年までにFFレートが4%、S&P500が2100ドルとかあいかわらずビッグマウスの予想をしていますが、バーナンキは少なくとも自分が生きている間にはFF金利が4%に戻ることはないと断言しています。
イエレンが労働参加率を無視しないスタンスを維持するかぎり、そのような急ピッチの金利誘導目標の引き上げはないと思います。
そもそも、FRBのバランスシートの調整を先延ばしにした上でのそこまでの利上げは正直無理でしょう。
GSが夢見るバラ色のアメリカは絵空事にすぎないと思います。
 

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コメント
 
01. 2014年8月06日 23:16:12 : jXbiWWJBCA
 米雇用情勢、重要なのは「労働参加率」JUSTIN LAHART 原文(英語)2014 年 8 月 4 日 09:32 JST

左:平均時給の上昇率、右:労働参加率(米労働省)
 米国の雇用市場は、職探しをあきらめ労働力人口から外れていた人々が再び履歴書の準備を始めるほど回復したのかもしれない。本当にそうであるなら、投資家にとっては好材料となるだろう。
 米労働省が1日に発表した7月の雇用統計では、非農業部門就業者数の伸びが市場予想をわずかに下回ったものの、堅調なペースを維持した。7月は前月比20万9000人増で、増加幅がエコノミスト予想の23万人に届かなかった。ただ、6月分が28万8000人増から29万8000人増に、5月分も22万4000人増から22万9000人増にそれぞれ上方修正された。平均時給は24.45ドルと、前月から0.01ドルしか上昇しなかった。そのため、前年同月比の上昇率は2%にとどまり、賃金インフレの加速に対する懸念は後退した。
 7月の失業率は、前月から横ばいの6.1%との予想に反し、6.2%へ小幅上昇した。だがこれは、労働市場が軟化したからではなく、職探しを再開し、失業者としてカウントされる人が増えたことが原因だ。労働移動を示す月次統計によると、就業状態の分類が「非労働力人口(無職で職探しもしていない)」から「失業者」に移行した人の数が増える一方、逆の動きは減った。
 労働参加率(生産年齢人口に占める労働力人口)は62.9%と、6月の62.8%から上昇した。それでも、前年同月の63.4%を下回っている。実際、労働力人口はこの1年間の月平均増加数が約2万8000人で、人口の伸びから示唆される12万人と大きな差が開いている。
 失業率が急速に低下してきたのは、まさにこのためだ。そしてこれは、米連邦準備制度理事会(FRB)が最終的に急速な利上げを余儀なくされるほど労働市場の需給は引き締まりかねない、と一部のエコノミストが懸念する理由でもある。
 もっとも、労働参加率が安定しつつあるため、失業率の低下ペースは鈍りそうだ。高齢化や技能低下などの要因により、労働参加率がリセッション(景気後退)前の水準を早期に回復するとは考えにくいが、わずかな上昇でも大きな意味がありそうだ。
 仮に、労働参加率が来年にかけて2013年7月(63.4%)の水準までしか回復せず、雇用者数は7月と同程度の伸びが続いたとしよう。その場合、15年7月の失業率は6%となり、FRBでは利上げ実施の判断で自由度が増すことになる。ISIグループのエコノミストらが指摘するように、過去2回の景気回復局面では、失業率が5.5%に低下するまで賃金が上昇し始めることはなかった。
 労働参加率が上昇し(結果的に失業率が上昇し)ても、FRBが来年半ばとみられるオーバーナイト物フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き上げを思いとどまることはなさそうだが、その後の利上げペースは遅くなるかもしれない。そうなれば雇用市場、ひいては米経済がさらに拡大する余地がもたらされるはずだ。 
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303513604580070222558510874 

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